Positive Grid Spark GOレビュー【40/MINI違い比較】

 
●極小アンプを使っているけど、音に不満がある
●多機能アンプが良いけど、大きな音が出せない
●ヘッドフォンで使うことが多いから、小さくてバッテリー駆動するアンプが良い
●Sparkアンプが欲しいけど、普通サイズとMINI、GOのどれを選べば良いかわからない

という人のために、現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が、Spark GOを徹底レビュー。

通常サイズとMINI、GOの違い比較と選び方も詳しく解説します。

音質の良さと充実したデジタルの便利機能から、自宅練習用アンプのベストセラーである、Positive GridのSparkシリーズ。

Spark GOは機能そのままに、コンパクトエフェクター1個分の極小サイズに収めた衝撃のアンプです。

通常サイズとMINI、GOの機能は全て同じです。(通常サイズのみバッテリー駆動不可)

本体の大きさが違うので、スピーカーからの音が違います。

GOは小さすぎるので、MINIには劣りますので、ヘッドフォンをメインで使うかサイズを優先するならおすすめ。

スピーカーも十分な音量で鳴らしたいなら、MINIか通常サイズの方がおすすめです。

Spark GOの特徴

①:手のひらサイズの多機能アンプ
②:ヘッドフォンアンプスタイルで使える
③:Bluetooth接続でアプリと音楽再生可能
④:BIAS直系モデリングアンプ+エフェクター
⑤:音作りが苦手でも安心の5万を超えるプリセット
⑥:YouTube内の楽曲をコード解析表示
⑦:アドリブ練習が捗る自動ジャムトラック作成
⑧:USB-C端子の充電式バッテリー内蔵
⑨:ライン録音可能なオーディオインターフェイス機能

手のひらサイズの多機能アンプ

画像はpositivegrid.comより引用

多機能デジタルアンプの中で、サウンド面において最高級に優れているベストセラーアンプ「Positive Grid Spark 40」。

その機能をそのままに、手のひらサイズにコンパクトにしたのが、このSpark GOです。

サイズは125 x 85 x 45 mm。

重量は346g。

ギターケースにも楽々収納できるサイズ。

多くのミニギターアンプより小さいのに、機能は多機能デジタルアンプのすべてが詰まっています。

極小サイズの専用設計スピーカー

この極小サイズを実現するために、専用設計の2インチスピーカーとパッシブラジエーターを搭載。

流石にモノラルスピーカー(Spark MINIはステレオ)でしたが、ヘッドフォンはステレオです。

物理的に小さいので重低音は期待できませんが、Spark MINIでも専用設計でサイズ以上の音圧とクオリティを実現していたので、期待したいところ。

5WクラスDのアンプを搭載し、最大音量なら1mで82dBとあるので、音量面の心配はなさそうです。

※80dBで救急車のサイレン、線路脇、70dBでセミの鳴き声、掃除機の音と言われています。

ヘッドフォンアンプスタイルで使える

Spark 40とSpark MINIとの違いはこのサイズとデザイン。

着脱可能なカバーのフックを、ギターエンドピン側のストラップに通せば、パッチケーブルで接続できます。

長いギターケーブルの煩わしさから開放されます。

ヘッドフォンと接続すれば、amPlugやFender Mustang Microなどのヘッドフォンアンプのように使うこともできます。

後述のBluetooth再生のみならず、自動生成ジャムトラックなど、どこでも練習が捗るでしょう。

Bluetooth接続でアプリと音楽再生可能

従来のSparkシリーズ同様、Bluetooth接続に対応します。

アプリも従来のSpark Appがそのまま使えるので、機能もすべて使えます。

当然、YouTubeやSpotifyなどの音楽を再生できます。

一緒にギターを弾いても良いですし、BGM用にも使いやすいサイズです。

BIAS直系モデリングアンプ+エフェクター

プラグインとしても評価が高いBIASアンプ直系サウンドを継承したSpark GO。

エレキギター、ベース、アコースティックギターに対応した全33種類のモデリングを搭載。

エレキ:25種類 ベース:4種類 アコースティック:4種類

エフェクターは全43種類。ノイズゲート、コンプレッサー、歪み、モジュレーション/EQ、ディレイ、リバーブという基本的なものは網羅しています。

ジミヘンのモデルも追加購入可能。

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音作りが苦手でも安心の5万を超えるプリセット

世界中のユーザーが作った5万以上のプリセットトーン(アンプとエフェクターの組み合わせやセッティングを保存したもの)を、ダウンロードして使うことができます。

あのバンドのこの曲、という名前がついているので、音作りが苦手・面倒な人でも手軽にお望みのサウンドが鳴らせます。

アプリを起動しなくても、本体には4つのプリセットが保存・切り替えが可能。

既にSpark 40やSpark MINIのユーザーも、プリセットを流用できます。

YouTube内の楽曲をコード解析表示

無料専用アプリでは、YouTubeにアップされている音源を再生して、使われているコード進行を自動解析してくれます。

再生に合わせてコードが表示されるので、見ながらすぐに演奏できます。

この機能については、従来のアプリ同様なので、完璧ではありませんが、だいたいのコード進行やキーの把握には、まぁ使えます。

アドリブ練習が捗る自動ジャムトラック作成

AIによるSmart Jamは、使っているトーンや演奏スタイルに合わせて、自動でドラムを加えたジャムトラックをその場で生成してくれます。

ルーパーが無くてもアドリブの練習が捗ります。

USB-C端子の充電式バッテリー内蔵

バッテリーは充電式です。

USB Type-C端子で、2時間充電で最大8時間以上駆動します。

スピーカー付きでこの長さはなかなか素晴らしいです。

ライン録音可能なオーディオインターフェイス機能

PC、スマホと繋げばリアルなアンプサウンドを、ノイズレスで録音可能です。

録音されるサウンドは、スピーカーの小ささというデメリットとは関係ないので、ハイクオリティです。

シリーズ3機種仕様比較【Spark 40 vs MINI vs GO】

画像出典 https://www.positivegrid.com/

公式サイト掲載画像のスマホが全て同じサイズと仮定して、だいたい同じくらいの縮尺で並べてみました。

エフェクターサイズ並のSpark GOの小ささが際立ちますね。

家庭用多機能アンプとしてベストセラーのSpark全3機種を比較します。

Spark 40Spark MINISpark GO
市場相場価格44,000円33,000円22,000円
本体サイズ350 x 180 x 190 mm146.5 x 123 x 165 mm125 x 85 x 45 mm
重量5.2 kg1.5 kg0.346 kg
出力40 W10 W5 W
スピーカー4インチ×22インチ×2 + パッシブラジエーター2インチ×1 + パッシブラジエーター
周波数範囲20-20,000 Hz非公表110-20,000 Hz
最大音圧レベル116 dB SPL @1m90 dB SPL @1m82 dB SPL @1m
バッテリー駆動×○(約8時間)○(約8時間)
コントロールパネル●アンプ・タイプ
●ゲイン/ベース/ミドル/トレブル/モジュレーション/ ディレイ/リバーブ/アウトプット・ボリューム
●ミュージック・ボリューム
●プログラム可能なプリセット・ボタン(4つ)
●タップ/チューナー・ボタン
●プリセット・セレクター
●ギター・チャンネル・ボリューム
●ミュージックチャンネルボリューム
●プリセット・セレクター
●ギター・チャンネル・ボリューム
●ミュージックチャンネルボリューム
アンプモデリング数33種類(エレキ25、アコギ4、ベース4)33種類(エレキ25、アコギ4、ベース4)33種類(エレキ25、アコギ4、ベース4)
エフェクト数43種類(ノイズゲート、コンプレッサー、歪み、モジュレーション/EQ、ディレイ、リバーブ)43種類(ノイズゲート、コンプレッサー、歪み、モジュレーション/EQ、ディレイ、リバーブ)43種類(ノイズゲート、コンプレッサー、歪み、モジュレーション/EQ、ディレイ、リバーブ)
Bluetoothスピーカー機能
専用アプリ対応(伴奏自動生成/コード解析など)
USBオーディオインターフェイス機能
接続端子●ギターインプット
●ステレオミニAUX IN
●ステレオミニヘッドフォン/ラインアウト
●ギターインプット
●ステレオミニAUX IN
●ステレオミニヘッドフォン/ラインアウト
●ギターインプット
●ステレオミニヘッドフォン/ラインアウト
付属品電源アダプター、USBケーブル、クイックスタートガイドキャリングストラップ、USBケーブル、クイックスタートガイド取り外し可能プロテクトスリーブ、リバーシブルDuo-Toneストラップ、USB-Cケーブル、グリル2種、クイックスタートガイド

機能やアルゴリズムは全て同じ

内蔵のモデリングアンプ33種類(エレキ25、アコギ4、ベース4)や、エフェクト43種類(ノイズゲート、コンプレッサー、歪み、モジュレーション/EQ、ディレイ、リバーブ)は、3機種すべて同じものをです。

そのため、ヘッドフォンやUSBオーディオインターフェイスとして使った場合のサウンドは、理論上すべて同じです。

アプリ「Spark App」も同様で、機種による機能の違いはありません。ジャムトラックの作成やコードの自動解析、世界中のユーザーが作成したトーンのダウンロード、チューナーなども全て使えます。

自分で作成したトーンも、シリーズ共通で使用できます。

充電式バッテリーの有無

一番大きいSpark 40のみ、充電式バッテリーは内蔵しておらず、電源アダプターが必ず必要です。

Spark MINIとSpark GOはUSB-C端子で、最大約8時間も使えます。

サイズ・スピーカーの違い:サウンドに影響

アンプのアルゴリズムは同じものを使用していますが、実際に鳴らしたサウンドには明らかな違いがあります。

3機種のサイズが違うのは、搭載されているスピーカーの違いと言えます。

一番大きいSpark 40が、最も従来のギターアンプらしさがある本格的なサウンドです。

40W出力に4インチのフルレンジスピーカーを2発搭載、5.2kgの筐体で低音域や美味しいミッドレンジが余裕で再生されるためです。

真ん中サイズのSpark MINIは、Spark 40に比べると低音域や箱鳴り感がやや劣りますが、テレビよりも大きな音量で鳴らせて物足りなさはありません。

10W出力とこのサイズは市場のアンプの中ではかなり小さい部類にあたります。

しかし、2インチスピーカー2発と独自設計のパッシブラジエーターが、かなり良い仕事をしてくれてサイズ以上の低音域が体感できます。

一番小さいSpark GO手のひらサイズゆえに、Spark MINIと比較しても低音域の再生に、やや不満があります。

事実、仕様表の周波数範囲は、Spark 40の20Hzに対し、Spark GOは110Hzでやや腰高。

山口和也さんのタメシビキ!のオンマイク録音で聞く限りは、MINIと遜色ないレベルに感じます。

しかし、Ola England氏の動画(6:14〜)のオフマイクで聞くと、低音域に少し物足りなさと、和音の分離感の悪さ、ミッドにスピーカーサイズ由来の(?)ちょっとしたクセを感じます。

とはいえ、これはSpark MINIと比べたときの印象です。

パッシブラジエーターや背面の振動板の独自設計と、BIAS Tone Engineのハイクオリティなアンプ・エフェクトにより、ポケットサイズのアンプとしては最高峰の音質を誇ります。

【選び方】サウンドの質と使用用途

Spark 40

充電式バッテリーが内蔵されていないのが、唯一の弱点です。

だからこその40W出力で鳴らしきれるサウンドの質は、他2機種より優れています。

特にベースを使うならコレですね。低音域の余裕に安心感があります。

必ず電源が取れるデスクトップなどで使用する、小規模なライブで使うなど、サウンド優先のガチ勢には、やはり大きいSpark40がおすすめです。

Spark 40はこんな人におすすめ

  • スピーカーのサウンド最優先
  • 家でも大きな音量で鳴らせる環境がある
  • ベースでも使う
  • 小規模なライブでも使いたい
  • 音色調整を本体つまみでも微調整したい
  • 電源の無いところでは使わない
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Spark MINI

私も愛用しているSpark MINI。サウンドの質と充電バッテリーで使えて、このサイズというバランスが素晴らしいです。

集合住宅で夜間の使用はできないほどの音量で鳴らせるくらい気持ちが良く、電源の場所に縛られないのはかなりストレスフリーです。

手軽に使いたいけど、音もトップクラスの良さを求めるわがままギタリストにおすすめ。

ガチアンプを既に持っていて、家で気軽に使えるサブアンプとしてもおすすめです。初心者がはじめての1台として買ってもずっと使えるでしょう。

Spark MINIはこんな人におすすめ

  • アンプは小さいものが良い
  • 家で使う音量は、大音量のテレビくらい
  • アプリでの音色調整が面倒でない(決まったプリセットの切替だけで良い)
  • 充電式バッテリーで様々な場所で使いたい
  • 電源ケーブルが煩わしい
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Spark GO

サイズと音質と価格、全てが驚異的。

豊富な音色数とアプリの多機能さをそのままに、22,000円という価格を実現しています。

Spark MINIと比べると、サウンドにやや物足りなさを感じるものの、この差に1万円を感じるかも判断基準になりそうですね。

主にヘッドフォンで使用するのであれば、GOで良いでしょう。

ストラップに取り付けられるほどのサイズは、ケースに入れて持ち運んだり、ミニマリストの方に嬉しいポイントです。

Spark GOはこんな人におすすめ

  • 音よりも極小サイズが重要
  • 今までの極小アンプでは音やバリエーションに不満がある
  • ギターケースに入れて、どこにでも持ち運んで使いたい
  • スピーカーよりもヘッドフォンで使うことの方が多い
  • アプリでの音色調整が面倒でない(決まったプリセットの切替だけで良い)
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