【SE vs S2 vs Core 違い比較】PRS SE Custom24 レビュー

 
●2本目におすすめのギターを探している

●PRS SE Custom24って実際どうなの?

という方々のために、今回はPRS SE Custom 24を楽器屋店員がガチレビュー!

PRS SEシリーズの特徴

Paul Reed Smith(ポール・リード・スミス、以下PRS)には大きく4つのグレードがあります。

SE インドネシア製(2019年途中より韓国製から変更)。初心者でも手の届くPRSクオリティがコンセプト。Student Editionの略。
S2 USA製。生産効率を上げ、Coreの半分以下の価格を実現。
Core USA製。PRSの標準グレードにして、妥協を許さない高品質モデル。
Private Stock USA製。カスタムショップの位置づけ。100万円以上は当たり前の最高級機種。

今回はSEについて深堀いたします。

そもそもSEは、1999年にPRSの古くからのユーザーであるCarlos Santana(カルロス・サンタナ)の

「PRSクオリティを保ったまま、学生でも購入できる価格のギターを作らないか」

といった助言から始まったシリーズです。

Student Edition (=学生 仕様) の頭文字をとってSEと名付けれましたが、

現在は学生以外はもちろん、アーティストモデルが発売されるなど広い層にユーザーがいます。

PRS SE工場

上位機種はアメリカ メリーランド州の工場で製作されていますが、

SEは2019年頃までは韓国のギター工場(World Musical Instruments)にてOEM生産されていました。

ワールドについてはこちらの記事で紹介しています。

そして2019年よりインドネシア第2の都市Surabaya(スラバヤ)の工場での製造に順次切り替えました。

もともと韓国の企業Cort(コルト)がインドネシアに工場を展開しており、

このコルトの一部工場をPRS SE専用として新設いたしました。(https://armchairrockstar.com/prs-guitars-opens-new-dedicated-se-factory-in-indonesia/ 参考)

これは高騰する木材のコストを人件費で吸収するためと、

OEMではなく、PRSだけのための製造工程や技術指導により、品質の安定と向上を図る2つの目論見があると思われます。

本国USAのスタッフが定期的に指導とチェックに出向し、

動画を見ると大型の機械もですが、かなりの部分で手作業で作られているところも好感が持てます。

ちなみにインドネシアはSquier by Fender、Epiphone、YAMAHA(エレキ)、Ibanez、strandbergといったブランドの製造拠点にもなっており、

エントリーに限らないギターを製造しており、クオリティはここ数年で格段に上がっています。

PRS SE Custom24 特徴

高級ギターであるUSA製PRS Custom24の特徴の多くを受け継いでいます。

サウンド

ハムバッカーはもちろん、シングルコイルやハーフトーンで使われることを前提に開発されたPRS自社製造ピックアップ85/15のレシピを使った韓国製ピックアップ85/15 “S”を搭載。

2017年にSEのために新開発されたピックアップで、その完成度の高さから、USA製のS2にも標準搭載されるようになったピックアップ。

メイプル+マホガニーのボディはUSAと同様ですが、ネック材にはメイプルを採用しています。

レスポール系の太さに、どこか日本製ギターにも通ずる輪郭と滑らかさが加味されたサウンド。

トーンのつまみを引っ張るとカチッとなり、ハムバッカーを疑似的にシングルコイルに切替が可能。

コイルタップによるシングルコイルのサウンドは鋭さというよりは、すっきりとしたクリアさが強調される点もUSAと同じキャラクターと感じます。

こちらの動画はドライブサウンドがド頭から、6:30辺りからクリーントーンも聞けます。

7:42あたりからコイルタップのハーフトーン。

クリアなサウンドなのでクリーンも綺麗ですし、歪ませるとロックはもちろんメタルまでいけます。

幅広いジャンルで、なかなか使えるサウンドになっています。

素直なサウンドなのでエフェクターの効きも良かったりします。

弾き心地、演奏性

総括するとネックが薄めで弦のハリがきつくないので弾きやすさは上々。

ネックシェイプはWide Thin。オフィシャルサイトはインチ表記でわかりづらいので、mm表記にまとめました。

ナット幅:1 11/16インチ(42.9mm)

ナット部のネックの厚さ:25/32インチ(19.8mm)

指板ラディアス:10インチ(254mm)

ナット幅は一般的なレスポールに近く、指板ラディアスは現代的なフェンダー(241mm)に近い感じです。

ネックの太さはそこそこ薄めの部類に入りますので、伝統的なジャンルよりも現代的なジャンルでの演奏がやりやすいと言えます。

スケール(ナットからブリッジまでの長さ)がギブソンとフェンダーの間である25インチ(635mm)。

このスケールがPRSの魅力のひとつ。

ハリのあるサウンドとチョーキングしやすさを兼ね備えた弦のテンション感があります。

またネックジョイント部が薄めになっているので24フレットまでの高いところでも難なく弾けます。

PRS SE Custom24 メリット

ルックスが良い

唯一無二のPRSが安価

メリット①:ルックスが良い

これは好みではありますが、

木目が美しいオリジナルのボディシェイプに、貝細工のバードインレイとPRSに憧れる方も満足できるデザインです。

杢目の美しさは上位機種S2に勝ります。

その秘密は上質な杢目を持つ木材を薄くスライスしたべニア(突板)を貼っているからです。

マホガニーに杢目が出ていないメイプルを貼り合わせ、さらにその上にべニアを貼っているので、

サウンドの特徴を受け継ぎながら見た目も良くして、価格を抑える構造になっています。

最近はメイプル以外にもポプラバールやバールドアッシュトップのモデルもラインナップされていますが、

いずれもべニアなのでサウンドは変わりませんので、ルックスで選んで問題ないですよ。カラーも豊富ですし。

メリット②:唯一無二のPRSが安価

ほとんどをオリジナルデザインやパーツの開発から始まるPRSのギターは独自の仕様ばかりです。

その結果か、フェンダーやギブソンのように他社製のコピーモデルが存在しません(違法コピー品のぞく)。

PRSのルックスで幅広いサウンドが作れる万能ギターを安く手に入れるならSEしか選択肢はありません。

PRS SE Custom24 デメリット

工場出荷状態で弦高が高い

なぜか工場出荷時は弦高が高めです。1弦で2.0mmくらいあるものもあります。

ネックを真っ直ぐに調整して、サドルで弦高を下げれば1.2mmくらいでは問題なくセッティング可能。

個人的な意見ですがこれなら速弾きできるくらいのセッティングです。

なので、ご自身での調整が不安な方は購入時にお店の方に弦高低めに調整してもらうように頼みましょう。

ネット通販でもちゃんとしたお店なら調整してから発送してくれます。

むしろ買う時に好みの調整をしてくれないようなお店は利用すべきではありません!

チューニングが安定しない個体がある

特にアームを良く使う方はチューニングが安定しないと悩まれる方もいます。

がっつり使うならこちらのカスタムがおすすめ。

PRS USAとの違い比較

prs

まずは主要3グレードの違いの比較から。コアはバリエーションが多いためスタンダードな仕様を記載しています。

SE Custom24 S2 Custom24 Custom24
実売価格 5~8万円 14~17万円 40万円~
生産国 インドネシア USA USA
ネック材 メイプル マホガニー マホガニー
ボディトップ材 フレイムべニア+メイプルフィギュアドメイプルフィギュアドメイプル
ボディトップカーブ ベベルド ベベルド アーチ
ポジションマーク パール 樹脂 アヴァロン
ピックアップ85/15“S” 韓国製85/15“S” 韓国製85/15自社USA製
コントロールノブ汎用品スピードノブPRSオリジナルPRSオリジナル
バックパネル取付 落とし込み 落とし込み無し 落とし込み

アメリカ製と比較するとやはり圧倒的な価格差があります。

なので当然クオリティにも差があります。

USA製の2機種と比較すると

極厚のフィギュアドメイプル(コアモデルはそれをさらに削り出しのアーチトップ仕上げ)、

ネックには柾目の上質なマホガニー材を採用しており

ロック式のオリジナルペグと、ブリッジサドルなど弦が当たる部分はブラスの材質を使うなど

細かいながらもこだわりのポイントを積み重ねサウンドに違いが出てきます。

SEよりもUSA製の方が、中低域が濃密で立体感があります。

さらにコアモデルはそこに芳醇な倍音感が加わります。

加えて演奏のニュアンスも如実に出てくるので良い音を出そうとするとUSAの方が上級者向きとも言えます。

SEの方がとりあえずポテンシャルの平均点は出るので、 逆にそういった面では 弾きやすいとも言えます。

また演奏性にも優劣があります。やはり技術力の高いアメリカの職人が時間をかけて丁寧にナットやフレット処理を仕上げているので、

さらに弦高を下げられたり、左手がスッと馴染む感じは流石です。

PRS SE Custom24 評価

よくある否定的意見を紹介します。

超ステレオタイプのPRSファンはSEどころかS2もPRSとは認めません。

もちろん上位機種の方が優れていますし、買えるならUSA製の方をおすすめしますが、

ご予算というものがあるので、SEを検討している方はこういった方々の意見は無視してokです。

もうひとつは試奏してみてやっぱりダメだと思ったという意見。

こちらは一理あります。

弾きづらさについてはデメリットの面で上げた通りです。

調整すれば演奏性は向上しますが、さらにシビアな調整はちょっと難しいという点です。

しかしそれ以上は10万円クラスからじゃないとさすがに難しいです。

あとはサウンド面です。

優等生で幅広く使えるクリアなサウンドは、悪く言えば個性が無い音とも言えます。

ブルースやトラディショナルなロックなのでクセがあって、アンプで大音量で鳴らしたいギターが好きな方には合わないかもしれません。

一方、エフェクターなどで積極的に音作りをする方や、

サウンドに明確なこだわりが無い方が このある意味無個性なサウンドを好む傾向にあります。

個人的にはゴリっとしたメタルサウンドが好きなので、ブログでも紹介したFriedman BE-ODなんかで歪ませれば、ライブでも普通に使えるかなと思います。

さらにナットを信頼できるリペアマンに交換してもらえればもっとクオリティが上がりますね。

まとめ

初心者ギターからの買い替えやサブギターとしてはお求めやすい価格ですし、

ガチめの方だとはじめての1本で買う方もいます。

そんな方で、

● PRSのルックスが好きな方

● バードインレイが好きな方

● 幅広い音作りをしたい方

● これ1本でいろいろなジャンルに挑戦したい方

● 薄めのネックが好きな方

などにおすすめできるのがPRS SE Custom24です。

もう少し価格的にがんばれるならS2 Custom24がおすすめです。

こちらの記事もご覧ください。