究極のメタル用ディストーションおすすめ5選

 

・アンプヘッドはメンテナンスや持ち運びで不便

・デジタルモデリングアンプの音では納得できない

・どんな環境でもメタルが弾けるディストーションが欲しい

という人にのために現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog) が、どんな環境でもメタルが弾けるディストーションをご紹介します。私が普段使っているペダルとそれに至るまで試したものと、どんな人におすすめかも解説します。

●一番おすすめなのはSolar Guitars CHUG・・・ソリッドでモダンな歪み。コントロールが豊富なのでどんなアンプにも使える。

●Revv G3 Pedal・・・CHUG同様のモダンメタルサウンド。コントロールが3バンドEQで音作りしやすい。

●Friedman BE-OD・・・CHUGと比べると歪みの粒が少し荒く、超広域がオープン&低域がややルーズな図太いサウンド。図太くメタル以外にも使える。

●Diezel VH4 Pedal・・・スピーディかつ図太くタイトなDiezelサウンド。筐体の大きさが欠点。

●Vivie ATHENA・・・サウンドの質は他機種にやや劣りますが、初心者でも音作りしやすいスイッチを搭載。

メタルディストーションに必要な条件

BOSSのメタルゾーンや、エレハモのメタルマフのようにメタルバンドでハイゲインで使うと埋もれがちで音作りが難しいディストーション(個人的には名前とは裏腹に轟音シューゲイザー用だと思っています。)や、

suhr riotJHS Angry Charlieではブリッジミュートのズンズン感が足りない

と思っていた私が満足できるペダルを見つけました。

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私はメサブギーのレクチが好きですが、メサブギーのエフェクター Throttle Box よりも、各段にアンプライクなサウンドが得られます。

私がメインで使うディストーションに求める条件は

  • アンプのようなリアルディストーションサウンド
  • リードよりもリフが大事(曲中のほとんどの時間はリードでなく、リフです。)
  • リフとリードで音色を切り替えるのは面倒&ボードは無駄に大きくしたくない

Solar Guitars CHUG

①:サウンド

現代のメタルに求められるソリッドでタイトなハイゲインサウンド。

一般的なディストーションよりも、ローが豊かで図太く、ブリッジミュートでズンズンとリフが刻めます。クリアなので9thなどテンションを絡めたコードやフレーズも濁らず響きますので、プログレッシブメタルにも最適。

さらに優秀なノイズゲートも搭載しています。1ノブで簡単にセッティングできますが、高級ノイズゲート同等の品質と言って良いでしょう。

弾いていない時はノイズを消したうえでフィードバックも起こせる程度の設定はもちろん、やや強めに設定してリフやフレーズの切れを良くするといった積極的な使用方法も可能です。

②:音作り

コントロールが非常に豊富。逆に音作りに自信がない人にはおすすめしません。

Bass, Middle, Trebleに加えDepth, Presenceを加えた5バンドEQの効きは非常に良く、コンボアンプでも唸るほどの低音域や、鋭くも耳に痛くない高音域など自由度の高い調整が可能です。

特に秀逸なのがLF Gain, LH Gainツマミ。これは低域・高域それぞれをどれだけゲイン回路に通すかのフィルターで、少しブーミーになってしまう特性があるギターやピックアップでも、LF Gainを絞ればすっきり整いタイトになります。EQでの調整よりも美味しく仕上がります。

ダウンチューニングや多弦にも対応するモダンメタルサウンドはもちろん、フィルターとノイズゲートを積極的に使えばパーカッシブなdjentサウンドも作れます。現在求められる全てのメタルサウンドに対応可能。

音作りでは5バンドEQは12時方向から、LF/HF Gainフィルターは全開から始めるとスムーズにサウンドメイクができるでしょう。

③:仕様

  • コントロール:Bass、Middle、Treble、Depth、Presence、Output、Gate、Gain、LF Gain、HF Gain
  • ノイズゲート搭載
  • バイパス: バッファードバイパス
  • 電源:9V / 100mA
  • サイズ:120mm x 70mm

④:こんな人におすすめ

CHUGはこんな人におすすめ
・現代のメタルに求められるサウンドが欲しい
・複数本のギターを使うので微調整をしたい
・多弦ギターやダウンチューニングで使っても曇らないハイゲインが欲しい
・どの機種が良いか迷っている

国内正規輸入代理店がサウンドハウスさんなので、個人輸入しない以外は基本的にサウンドハウスさんでしか購入できません。

Revv G3 Pedal

①:サウンド

サウンドの方向性はCHUG同様、ソリッドなモダンメタルサウンドをアウトプットします。

CHUGと比べると歪みの粒立ちがやや荒く、派手さを落ち着かせた硬派な感じ。この辺はお好みになりますが、大音量のバンドアンサンブルにおいても存在感が期待できます。リフ・バッキングよりもソロを重要視したいならこちらの方が好みの人が多そう。この特徴から80sハードロック的なサウンドにもおすすめです。

当然ブリッジミュートで重く響く感じや、アンプ譲りのサウンド特性も持っています。

②:音作り

Volume, Gainと3バンドEQという一般的なアンプ同様のコントロールで、多くの人にとって扱いやすいでしょう。

現代的なタイトなサウンドや、ミッドカットすれば”使える”ドンシャリサウンドも可能。トレブルコントロールも優秀で上げても耳に突き刺さる嫌なハイは出づらく、2〜3時以降上げるとプレゼンス的な効き方になっていく印象です。

つまみのほか3段階のモードスイッチを搭載。OFF<BLUE<REDの順でゲインが上がり、加えてトーンも若干変わります。劇的な変化では無く最後の味付け的なニュアンスです。BLUEはタイトでクリアなのででブリッジミュートをズンズン刻むのが気持ちい感じ。リードで使うならバイト感が加わるREDも良いです。

③:仕様

  • コントロール:Volume, Gain, Bass, Middle, Treble, Aggression Switch (Blue / Off / Red)
  • バイパス: トゥルーバイパス
  • 電源:9V / 17mA
  • サイズ:75mm x 127.5mm x 54mm
  • 重量:284g

④:こんな人におすすめ

Revv G3 Pedalはこんな人におすすめ

・シンプルな操作でモダンメタルサウンドを使いたい

・バッキングよりもソロを重要視したい

バリエーションモデルとしてG4 Pedalという機種もあります。詳細レビュー記事はこちらから。

Friedman BE-OD

①:サウンド

2016年の発売当初、これまでのコンパクトエフェクターで成し得なかったアンプサウンド直系のハイゲインを実現したゲームチェンジャー。アンプライクな歪みというより、もはやスタックアンプサウンドと感じられるそのサウンドはディストーション市場に地殻変動を起こしたと言っても過言ではありません。

サウンドキャラクターはフリードマンの音、いわゆる改造マーシャル系です。先の2機種と比べて、歪みの粒ひとつひとつでぶん殴ってくるような強烈なミッドと、ややルーズな低音域、そこに明瞭さを加えるプレゼンスが特徴のビッグなサウンド。

オープンかつルーズなサウンドなのでハードロック/メタルはもちろんですが、存在感あるディストーションサウンドを求めているなら他のジャンルでも扱いやすいでしょう。Van Halenのようにコードを絡めたリフにも良く合います。

またパワーサプライは9Vから18Vで駆動します。劇的な違いはありませんが、9V駆動は少しコンプ感があり粒が揃って弾きやすく、リフやバッキング向きと言えます。18Vはダイナミクスレンジが広がりピッキングニュアンスが付けられ、リード向きという感じ。私は9Vで使っています。

②:音作り

コントロールは6つありますが、Gain, Volに加えてEQは3バンドでなく[Bass,Treble, Pres(Presence), Tight]。Middleがないと戸惑ってしまいそうですが、これが意外と使いやすいです。

Bassで重さを、Trebleでエッジを決めた後に、Presenceで明瞭さを足し、最後にTightで図太さを整える感じです。そこから再度Bassを足し引きすれば好みに近づけやすいと思います。

裏蓋をドライバーで開けると、ゲインを調整するトリマーがついています。コードを多用したいなどの理由からもう少しローゲインで使いたい場合はここを下げておきます。

③:仕様

  • コントロール:Volume, Gain, Bass, Treble, Presence, Tight
  • バイパス: トゥルーバイパス
  • 電源:9V-18V
  • サイズ:71mm x 121mm x 58mm
  • 重量:284g

④:こんな人におすすめ

FRIEDMAN BE-ODはこんな人におすすめ

・ミッドが図太いFriedmanサウンドが欲しい

・ややオープンなサウンドなので、Van Halenのような解放弦を絡めたリフなど使えるディストーションが欲しい

Diezel VH4 Pedal

①:サウンド

デジタルモデリングとは異なる、正真正銘のディーゼルサウンドが得られます。

今回の中で最も立ち上がりのスピード感が早いです。スピード感がありながらもゴリゴリなリフでも使える図太さもあり、ソリッドで冷徹なドンシャリサウンドもお手のもの。

サウンドは素晴らしいのですが、筐体が大きすぎる点と電源が12V〜18Vという点からエフェクトボードに組み込みづらいのが難点です。

②:音作り

Diezel VH4アンプのch3をそのまま抜き出したようなもので、PresenceとDeepを加えた5バンドEQ的なコントロール。アンプ同様にスムーズなサウンドメイクが可能です。

Deepが強烈でアンプが唸るほどの暴力的な超重低音が足せます。バンドアンサンブルにおいてここまで必要か?というレベル。レギュラーチューニングで圧倒的音圧が得られます。

③:仕様

  • コントロール:Volume, Gain, Bass, Middle, Treble, Presence, Depth
  • 電源:12V-18V
  • サイズ:115mm x 170mm x 67mm
  • 重量:500g

④:こんな人におすすめ

Diezel VH4 Pedalはこんな人におすすめ

・とにかく音圧がほしい

・レギュラーチューニングやツインギターじゃないバンドで使う

・筐体の大きさは気にしない

Vivie ATHENA

①:サウンド

ぶっちゃけこのおすすめ機種の中では、ややサウンドの質は劣ると思います。良い線行ってますが、若干エフェクター感のあるサウンドなのは否めません。これを挙げた理由は音作り初心者向けという点です。

歪みの粒は荒すぎず、細かすぎず、という点ではメタルには十分に使えます。歪みの質がモダンメタルっぽさが少なく、逆にオーソドックスなHR/HMやそのほかのジャンルに対応可能とも言えます。

ちなみに同社VivieのIRENE66も近いコンセプトのエフェクターです。しかし音質においてはズンズン感が少なくリードギター向けです。メタルで常にONにして使う、リフを気持ちよく弾けるのはATHENAが良いです。

②:音作り

バンド歴1年〜3年目くらいまでの私だったら、これを選んでいたと思います。Vivieのエフェクター全般に言えることですが、全つまみ12時方向に揃えればとりあえず良い音になるよう設計されています。

最も特異で音作り初心者に嬉しい機能が[Amp Select]スイッチです。接続するアンプがRoland JC-120やコンボアンプなら[JC]モード、Marshall JCMなどスタックアップなら[MS]モードにするだけで、適正なサウンドに切り替え可能。

音作りが苦手な人でもこの2点で安心のサウンドメイクが可能です。中音域のコントロールが無い点も、音作りを詰めたい人にとっては不満点です。

③:仕様

  • コントロール:Level, Gain, Hi, Lo, Amp Select (JC/MS)
  • 電源:9V / 40mA or 9V電池
  • サイズ:98mm x 128mm x 55mm

④:こんな人におすすめ

Vivie ATHENAはこんな人におすすめ
・とにかく音作りが苦手な初心者/自信がない方

おすすめ5機種のまとめ

 機種特徴市場相場価格
Solar Guitars
CHUG
●ソリッド&タイトなモダンハイゲイン
●ダウンチューニングや多弦にも対応しやすい多彩すぎるコントロール
●メタルコア/djentなど全メタル対応可能
●ノイズゲートも内蔵
●なんでもできるので一番おすすめ
31,800円
Revv
G3 Pedal
●ソリッドなモダンハイゲイン
●3バンドEQでシンプルなコントロール
●モダンメタルサウンドでシンプルに音作り可能
●CHUGより若干荒くソロ重視ならこちら
44,000円
Friedman
BE-OD
●ビッグなFriedmanサウンド
●TightとPresで美味しい調整が可能
●他の機種に比べて若干オープンなのでVan Halenのようなプレイヤーにおすすめ
34,600円
Diezel
VH-4 Pedal
●筐体がでかい
●圧倒的音圧あるサウンド
●バンド内でギター1人でも存在感を出したい
●2ch仕様のVH4-2 Pedalもラインナップ
42,075円
Vivie
ATHENA
●他よりメタル度は低い
●音作りが苦手な初心者におすすめ
●音作りに自信があるならおすすめしません
32,780円

どれかを買ったら、次の機材を探す前にギターとこのディストーションとアンプだけで満足のいくサウンドを探してください。もしそのうえであと一歩だったとしたら、ブースターやEQなどを検討すれば良いでしょう。

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