SCHECTER BH-1-STD-24 レビュー【SD-2違い】

日本製シェクターの上位機種EXCEEDのEX-24-STD-VTRのコストパフォーマンスモデル。

同じくシェクタージャパンのベストセラーモデルSD-2-24の陰に隠れがちなこのBH-1ですが、

アニメキャラの使用モデルとしても注目されています。

schecter.co.jpより引用

Schecter BH-1の特徴・メリット

国産ですが安い

多彩な音色切替が可能

弾きやすい

こだわりのハードウェア

メリット①:国産ですが安い

上位モデルよりもコスト減を実現している要因は製造工程の違いがあります。


Edwards, E-II同様、ESP海外工場にて木工組み込みを行い、日本で仕上げ、セットアップを行います。

詳細はこちらの記事で解説しています。

メリット②:多彩な音色切替が可能

SSH配列のピックアップ配列

MONSTER TONE J & SUPER ROCK Jというシェクタージャパン企画によるピックアップを搭載。

一般的なピックアップよりもレンジが広く歯切れの良いサウンドが特徴なので、

ポップスや、現代のフェンダーっぽい感じもあるので邦ロックにも合います。

ディストーションではなめらかでクリア、フュージョンやインスト系のリードサウンドとの相性が良く、

加えてエフェクターのノリも非常に良いです。

コイルタップ

コイルタップとはハムバッカーの片方をキャンセルし、疑似的にシングルコイルのサウンドを生み出します。

スイッチを入れればストラトのように3シングルのギターとして使え、5-wayのピックアップセレクターでハーフトーンを生み出すことができます。

ローカット

通常、ギターのトーンコントロールは高音域を削ります。

BH-1のトーンつまみを引っ張るとローカットとして機能します。

ローカットは普通のトーンとは逆の効果があり、回すことで低音域が削れスッキリしたサウンドに調節可能。(この際高音域はそのまま残ります。)

これによりポップスなど歌もののバックでもギターが主張し過ぎず、バックに馴染むサウンドを創出。

構造的にはパッシブなので電池も不要です。

メリット③:弾きやすい

弾きやすさにも個人差はありますが、特に安いギターには不可能な一般論としての弾きやすさについてです。

弦高を低くできる

ここは国産ならではのメリット。

極論ギターの生鳴り犠牲にして(弦がフレットに当たってペチペチした音になってしまいますが・・・)でもネックをまっすぐにして、ブリッジを下げれば

6弦12フレットで1.5mm、1弦で1.0mmを若干下回ることもできます。

ここまで下げられるもうひとつの理由は指板ラディアスが平気味だからです。

これは個体差もあるのでご自身で調整するか、購入時に楽器店に依頼しましょう。ネット販売でも発送前ならたいていはメールで受け付けてくれます。

同じようにセッティングしようとしても、安く製作精度の低いギターでは音詰まりが発生します。

この弦高調整に必須のネック調整もホイールナットにより、ネックを外したり、ロットカバーを外すことなく工具ひとつで瞬時可能なのもポイント。

ハイフレットでも弾きやすい

普通ボルトオン構造はハイフレット部分が分厚くなるため弾きづらいですが、

SD-2はウルトラアクセス4ボルトジョイントという、ネックプレートを使わないヒールレスジョイントを試採用することで

24フレットまでフルに使っても左手のひらにストレスの無い演奏性を提供します。

メリット④:こだわりのハードウェア

GOTOH MG-T

ペグは近年ハイエンドギターでは主流になりつつあるゴトー製のロック式ペグMG-T。

ペグ裏側のスクリューを回すことで弦をロックします。

弦のあそびが少なくなりチューニングが安定するのはもちろん、

弦交換もかなり楽です。

Wilkinson VG300

構造は一般的なシンクロナイズドトレモロですが、

最大のメリットはアーミングのスムーズさ。

2本のボルトを支点に動く事でその滑らかさとチューニングの安定性を実現しています。

Schecter BH-1デメリット

サウンドに個性が少ない

ローズウッド指板がない

デメリット①:サウンドに個性が少ない

これがシェクターが嫌いな人に聞いたダメな理由1位です(笑)

確かにワイドレンジで歯切れが良く、エフェクターのノリも良い、何者にでもなれそうなサウンドは

伝統的なストラトやレスポールに比べると、深みがない平面的なサウンドと捉えるギタリストもいらっしゃいます。

個人的には様々なジャンルの要素を取り込んだ現代的なプレイヤーには”扱いやすい”、

一方、骨太なロックやブルース系プレイヤーには”無個性”と捉えられている傾向にあります。

また、このキャラクターはピックアップ由来であることが知られているので、ピックアップ交換を前提に購入される方もいらっしゃいます。

デメリット②:ローズウッド指板がない

現在は緩和されましたが、CITESによるローズウッドの取引が制限された影響でローズウッド指板の代わりにパーフェロー材が使われるようになりました。

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こちらの記事にもあるように、パーフェローは硬くローズウッドに似ているのは見た目で音はもっと明るいです。

そのためメイプル指板とパーフェロー指板のモデルがありますが、ここはサウンドではなく見た目で選んでしまって良いでしょう。

Schecter SD-2-24-ALとの違い

ハードウェアの違い

ボディ材の違い

ピックアップ配列の違い

ブリッジ

激しいアーミングをしたり、サウンド自体にロングサスティンを求めるならロッキングトレモロがおすすめ。

ただし弦交換に時間がかかってしまいますので、極端なアーミングが必要なければウィルキンソンの方が煩わしさはありません。

同様に ペグ もBH-1のみロック式ペグで

ボディ材

BH-1はアッシュ、SD-2はメイプル+アルダーを使用。

立ち上がりが早いアッシュはクリーンからクランチに良く合い、

メイプル+アルダーはドライブサウンドとの相性が良いです。

BH-1のアッシュの木目か SD-2のキルトメイプルか、ルックスにおいても違いがあります。

ピックアップ配列

使用しているピックアップは同じですが、SSH配列のBH-1とHSH配列のSD-2。

フロントピックアップがシングルかハムバッカーかの違いです。

フロントピックアップでもリズムギターで良く使うならBH-1、

ソロの方が多いならSD-2が適しています。

まとめ

主にソロ向きの要素が強いSD-2に比べ、カッティングなどのリズムギターからロックバンドにも使いやすい汎用性の高いモデルBH-1。

10万円台で良質なギターを探しているという方にもおすすめ。

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