【特徴/デメリット】NUX MG-30 レビュー

 
・初心者エフェクターからの買い替えエフェクターを探している
・自宅練習やDTM録音を良いサウンドにしたい
・エフェクターに10万円は出せない

という人にのために現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)が、話題の中価格帯マルチエフェクターNUX MG-30をレビューします。

NUX MG-30 特徴

①:DSP2基搭載した32-bit処理のAD/DAコンバータ

②:全80種の少数精鋭エフェクト群

③:センドリターン端子装備

④:カラーディスプレイで操作性良好

⑤:リズムマシン+ルーパー内蔵

⑥:自宅練習に便利なヘッドフォン/AUX IN端子

⑦:USB接続によるエディットソフトとオーディオインターフェイス機能

仕様 – Specifications
Input Impedance: 1M ohm (INPUT), 220k ohm (RETURN)
Output Impedance: 1k ohm (OUTPUT), 1k ohm (SEND)
A/D Converter: 32bit
Sampling Frequency: 48kHz
Frequency Response: 20Hz-20kHz
Dynamic Range: 110dB
Current Draw: <400mA
Power: DC9V, センターマイナス
Dimension: 313(L) x 166(W) x 54(H) mm
Weight: 1.5 kg
付属品: ACアダプター、USBケーブル、 NMP-2 (デュアルフットスイッチ)、 フットスイッチ接続用TRSパッチケーブル

特徴①:DSP2基搭載した32-bit処理のAD/DAコンバータ

実売3万円台の価格ながらハイエンドモデル並みの演算処理により、低レイテンシかつ低ノイズを実現しています。

従来のエフェクターの多くは24bit。必ずしもスペックが高ければ良いわけではありませんが、精神衛生的に気持ち良くなれます(笑)。

実際にサウンドに関してはハイエンドクラスの機器に肉薄していると言ってよく、kemperやLine6よりも良いというユーザーレビューがあるほどです。

特徴②:全80種の少数精鋭エフェクト群

内蔵エフェクト一覧はこちらの記事にまとめました。

アンプモデリング(ギター25種、ベース3種、アコースティック2種)と、エフェクト(ドライブ系12種、コンプレッサー3種、モジュレーション13種、ディレイ7種、リバーブ5種、ワウペダル5種)、4種類のイコライザー、ノイズゲートを内蔵。

はっきり言って昨今の他社マルチエフェクターと比較すると、種類はやや少ないです。

それはNux自身が種類の多さではなく、一つ一つのエフェクトのクオリティを上げるために開発したからです。

一方IRはギターキャビネット8種、ベースキャビネット8種、アコギ3種、そしてそれぞれ8種類のマイクと3種類の距離から選べます。また対応しておりサードパーティ製IRにも対応します。

特徴③:センドリターン端子装備

このサイズ感のマルチエフェクターには珍しくセンドリターン端子を装備しています。

このセンドリターンはパッチ内の好きな位置に設定できます。

真空管アンプの歪みの後にMG-30の空間系エフェクターをかける4ケーブルメソッドや、お気に入りのコンパクトエフェクターをMG-30のルーティングに組み込む事が可能です。

特徴④:カラーディスプレイで操作性良好

4インチの大画面カラーディスプレイと5-WAY DIRECTION ENCODERノブ、4つのノブ、各種ボタンで操作性は直感的に操作できます。

カラーディスプレイに表示されるモデリング元の画像はかなり直接的(笑)でわかりやすく、音作りをスムーズに進められます。

操作感はこちらの動画3:28からがわかりやすいです。

※動画内後半で解説されているファームウェアアップデートについては既に解決済です。

特徴⑤:リズムマシン+ルーパー内蔵

67パターンのドラムトラック、60秒のルーパー機能を搭載。

もちろん併用が可能でアップフットスイッチでルーパー、ダウンフットスイッチでリズムマシンをコントロールします。

60秒のシンプルなルーパーなのでライブパフォーマンスで使うというよりは、アドリブの練習にちょうど良いでしょう。

リズムパターンのジャンルと種類は以下の通り。

・ロック7種類

・カントリー7種類

・ブルース6種類

・メタル7種類

・ファンク7種類

・ジャズ7種類

・バラード7種類

・ポップス8種類

・レゲエ6種類

・エレクトロ5種類

特徴⑥:自宅練習に便利なヘッドフォン/AUX IN端子

ヘッドフォンを接続して使えば集合住宅や夜間の練習にも安心です。IRキャビネットシミュレータを使ってリアルなアンプサウンドを楽しめます。

外部音源を接続して曲を流しながら演奏できます。

特徴⑦:USB接続によるエディットソフトとオーディオインターフェイス機能

タイプCのUSB接続でPCのエディターソフト「QuickTone Editor 」を使いパッチ編集が可能です。エフェクトを一覧から選択できたり、ルーティングの編集は本体のみよりもさらに使いやすいでしょう。

またオーディオインターフェイス機能も搭載。こちらもIRを使ってラインでもアンプキャビネットの箱鳴り感あるサウンドで録音可能です。

アコギのIRも収録されているため、エレアコを接続すればラインでも優秀な録音が可能です。

※ユーザーの方から、本体付属のUSBケーブルではQuickToneとの接続が途切れるとの情報をいただきました。データ転送可能な品質のUSBタイプCケーブルを別途用意するのが良いかもしれません。

デメリット

①:飛び道具系エフェクトが無い

②:ベース用エフェクトの種類が少ない

③:ライブユースにはやや不向き

デメリット①:飛び道具系エフェクトが無い

マルチエフェクターと言えば歪みや空間といった基本的なエフェクター以外に、コンパクトエフェクターで買うにはハードルの高いエフェクト群の収録も魅力のひとつ。

しかしNux MG-30にはピッチシフターやシンセといった特殊効果系のエフェクターは収録されていません。

基本的な音作りに困ることは無いだけのエフェクトは収録されていますので、問題ない人も多いでしょう。

飛び道具系も使いたい場合の手軽な対処方法は、センドリターンにZOOM MS-50Gなど安めのコンパクトマルチエフェクターを接続するなどです。

デメリット②:ベース用エフェクトの種類が少ない

MG-30のコンセプト自体が音色数の豊富さでは無く、ひとつひとつのクオリティの高さを優先しています。

ベース用のアンプモデリングは3種類のみ。

またベース用マルチならDarkglassのプリアンプやEBSマルチコンプなど定番機種が入っているほですが、MG-30はベースエフェクターのモデリングはありません。

ギタリストがデモや曲作りでベースを録りたいというシチュエーションで重宝するでしょう。

デメリット③:ライブユースにはやや不向き

本体のフットスイッチは、パッチのアップとダウン、エフェクトのon/offやタップテンポに使えるCTRLの3つ。BOSS GT-1と同じ数で小型マルチの宿命ではあります。

そのため曲中に様々な音色に切り替えるにはやや不向きです。

それもあってかCTRLスイッチをさらに2つ追加できるフットスイッチ(NMP-2)が付属する配慮がされています。

ただしこれもかなりコンパクトな2個横並びのフットスイッチで、踏み間違いも無い様に配置するには個人的には少し不便に感じます。

ラインでのサウンドがかなり優秀なので、自宅やスタジオでの使用がメインなら問題ないポイントです。

まとめ

市場相場価格36,080円前後というミドルクラスでありながら、ハイエンド機並みのサウンドクオリティから人気のマルチエフェクターです。

機能面において目立った不足はなく、ライン録音用やサブボードなどの使用目的に非常にマッチする製品です。

・安いマルチエフェクターに不満がある
・マルチエフェクターに10万円は出せない
・メインエフェクトボードは持っていてサブが欲しい
・ライブよりも自宅練習やライン録音をメインで使いたい
Twitterで気軽に交流しましょう!