一番簡単かつ短時間でできるフレットの磨き方「フレットバター」

一番簡単かつ短時間でできるフレットの磨き方「フレットバター」

 
・フレットのメンテナンスって必要?

・フレット磨きは時間がかかるから面倒くさい

・ギターのメンテナンスって難しそう

という人のために、現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が便利アイテムをご紹介します。

フレット磨きの効果

見た目がきれいになる

チョーキングがスムーズになる

サウンドが煌びやかに、サスティンも伸びる

フレットがくすんでいるということは、フレット自体が錆びたり汚れが付着している状態です。

その汚れが弦と接することで響きが悪くなりますし、

チョーキングやビブラートで弦をフレットでこする時に、ひっかかってしまいます。

フレットを磨いて汚れを除去することでこれらの不具合が改善されます。

また4万円以下のギターなどでは、新品でもフレットがくすんでいるもの、

チョーキングが滑らかにできないものもあります。

その時は買ってすぐにフレットを磨くだけでも演奏性は向上するでしょう。

そこで今回はいくつかの商品の中でも、とにかく簡単で早く手軽にできるフレットの磨き方をご紹介。

使うのはFRET BUTTER(フレットバター)。

フレットバターの特徴/メリット

killer.jpより引用
薬剤が染み込んだクロス

使い方がかんたん

短時間でできる

特徴:薬剤が染み込んだクロス

フレットバターはフレット磨きのクリーナーが染み込んだクロスです。

ちなみに甘い匂いがします。

乾くと使えなくなってしまうので、繰り返し使えるようにパッケージはジップロック式になっています。

メリット①:使い方がかんたん

使い方はとても簡単。

フレットバターでフレットをこすって、乾いたクロスで黒くなくなるまで吹き上げるだけ。

メリット②:短時間でできる

染み込んでいるクリーナー液は、指板に悪影響を及ぼさないので、

マスキングテープなどで指板の木材を保護する必要もありません。

フレット磨きはフレットを綺麗にすることもさることながら、

指板面を保護するための準備も時間がかかりますが、このフレットバターはその必要がありません。

フレットバターのデメリット

オイルフィニッシュのメイプル指板に使えない

他のフレット磨きの用品に比べ高い

ひどい錆びでは研磨剤に劣る

デメリット①:オイルフィニッシュのメイプル指板に使えない

オイルフィニッシュの場合、フレットを磨いて出た黒い汚れが木部に沈着してしまいます。

とは言えオイルフィニッシュのメイプルネック指板って、数あるギターの中でもかなりの少数派。

それ以外の塗装されていないローズウッドやエボニーはもちろん、艶有り塗装のメイプル指板、

サテン仕上げのメイプル指板でもウレタン塗装のものはすぐに吹き上げれば大丈夫です。

ただし塗装されているメイプル指板でも、塗装がはがれて木部が露出しているところはオイルフィニッシュ同様、黒ずんでしまいますので要注意。

デメリット②:他のフレット磨きの用品に比べ高い

楽器店で買える代表的なフレット磨きと言えばFERNANDES 946はサウンドハウスで約700円。

フレットバターは約1,000円くらいですが、

フレットバターの使用回数は約20回程度、フェルナンデス946は個人では使い切るのが難しいと思えるほど。

しかし指板の保護にマスキングテープを使うなどの準備は地味に時間がかかります。

というわけで時間がかからないということも含めてコスパを考えれば、決して悪くはないと思います。

私のお店でも、軽くメンテナンスするなら時短でできるためこのフレットバターを使用します。

アルバイトの時給よりも安くなりますからね。

デメリット③:ひどい錆びでは研磨剤に劣る

長期間眠っていたようなギターの赤いサビや緑の緑青を綺麗にするためには、946などの研磨剤には劣ります。

ただし946などの研磨剤を使う際には、

マスキングテープでフレット1本1本を出して指板を保護するのはなかなか面倒で時間がかかります。

ちなみに個人的にはフレット磨き用のプレートはおすすめしません。

そもそもフレットはギターによって大きさが様々。

金属のプレートでどんなギターでもピッタリはまるサイズではなく、

結果的に隙間から研磨剤が指板に付着してしまいます。

また、ハイフレットなどフレット間隔が狭い箇所では使えません。

ギターを第一に考えるなら指板保護はマスキングテープ一択。

しかしフレットバターならその手間が無いというのがメリットです。

まとめ

最近はこのフレット磨きが不要なステンレスフレットというものもありますが、

大半のギターはニッケルシルバーという材質のフレットです。

頻度はフレットに輝きがなくなる、3か月から半年に1回くらいがおすすめです。

フレットバターは日常のメンテナンスとして定期的に使うものと考えれば、頑固な汚れを落とすほどの洗浄力は必要ありませんし、

その頻度なら複数本ギターを持っていても20回も使えれば個人では十分でしょう。

というわけで、家でフレットのクリーニング・メンテナンスをするためには

楽で、短時間でできて、それなりの回数が使えるフレットバターが最適解です。

フレットが綺麗になったら、指板のクリーニングと保湿もどうぞ

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