【生産完了編】Fenderシリーズ一覧

現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)です。Fender生産完了品のシリーズ一覧です。現行品最新版はこちらの記事をご覧ください。

メキシコ製

メキシコのエンセナダ工場で製造されています。アメリカのコロナ工場と同様のもの機械も使われており、メキシコの人件費によってギターの価格が安くなっています。

安価な分、日本やUSA製よりも細部まで処理していない傾向にはあります。

また指板にはローズウッドの代替品としてパーフェローが採用されます。

Deluxe Series

メキシコ製におけるモダンスタイルのデラックスシリーズ。

まだシリーズの分類が今ほど明確ではなかったため、「Deluxe Stratocaster」のほか「Deluxe Roadhouse Strat」や「Fender Mexico Deluxe Lone Star Stratocaster」といったモデルが存在します。

ノイズレスピックアップや12″ラディアス指板、ロック式ペグ、S-1スイッチによるバリエーション、ナロートールの22フレットといった現代的な仕様を採用。

デラックスロードハウスではV6というアクティブプリアンプを搭載しています。

Vintera Series

2019年発売のメキシコ製ヴィンテージスタイルのヴィンテラ。

6点支持のトレモロユニット、7.25″インチラディアスの指板、ヴィンテージサイズの21フレット、ペグなどヴィンテージスタイルを忠実に再現。

ボディもアルダーです。ただし60sの指板はローズウッドではなくパーフェロー。

日本製トラディショナルシリーズとコンセプトが競合していますし、欧米ではModifiedという、2点支持トレモロ、9.5″ラディアス、ミディアムジャンボフレット、S-1スイッチなどを採用した、これまた日本製ハイブリッドと競合するモデルも複数ラインナップ。

日本製

現在はFender Japan後期から製造している長野県のダイナ楽器にて製造されています。

やや安価ながら、メキシコと異なり伝統的なローズウッド指板を採用しています。

当初ヴィンテージスタイルがメインだった日本製ですが、ハイブリッドやモダンなどスタイルの幅が広がりました。

Japan Exclusive

2015年発売、2017年生産完了。

フェンダー(Fender Musical Instruments Corporation)が、日本法人を立ち上げたのが2015年4月1日。

この時にこれまでの代理店であった山野楽器との契約を終了。あわせてライセンス使用許諾を得て神田商会が生産していた「Fender Japan」も生産完了となりました。

しかしすぐに新しいモデルを設計して生産することは、工場の稼働のこともあり困難です。

そこでFender Japan最後期に生産していたスペックと同様のものを、「Japan Exclusive」シリーズと銘打って販売されていました。

Made in Japan Traditional

2017年発売、2020年生産完了。

Japan Exclusiveの後継シリーズとして登場。

基本的にはFender JapanおよびJapan Exclusive シリーズを踏襲しており、ボディ材にはバスウッドを採用しています。ボディシェイプなど細部をフェンジャパよりも、より本家に近づけています。

2020年には名前を変えずにマイナーチェンジしています。

Fender Japan からの変遷や詳細レビューはこちらの記事をご覧ください。

2020年にあった最新仕様のレビュー、詳細はこちらの記事をご覧ください。

Made in Japan Hybrid

2019年発売、2021年生産完了。

日本製のハイブリッドスタイル。ボディ材は本家同様アルダーの採用に加え、ミディアムジャンボフレットなど演奏性を向上させています。さらにピックアップにはUSA製を採用。

2021年3月にHybrid IIとしてリニューアルしました。

Made in Japan Modern

2019年発売、2022年生産完了。

日本製のモダンスタイル。2ハムバッカーモデルではボディはラウンドトップで、ピックガードまでも廃した新しいルックスがは衝撃ですらありました。

ミディアムジャンボの22フレット、コンパウンドラディアス指板に加え、ネックシェイプまでもモダンCからDに変化するコンパウンドバックシェイプを採用し、テクニカルな演奏にも対応します。

シングルはノイズレスピックアップを、ハムバッカーにはこの機種のために開発されたModern Modified Humbucking Pickupを搭載。

フェンダーがラウドミュージックにもアプローチした新境地。詳細レビュー記事はこちら。

Aerodyne II

2019年発売、2022年生産完了。

Fender Japan期ではASTという品番でも存在した、エアロダインシリーズ。

バインディングが施されたラウンドトップボディとマッチングヘッド、黒ピックガードといったルックスが特徴。

HSSピックアップ配列のミディアムスケールモデルもラインナップされていました。

2022年にAerodyne Specialシリーズにモデルチェンジしました。

アメリカ製

カリフォルニア州に位置するコロナ工場にて製造されるUSA製。

グローバルスタンダードを指標にしたモデルが魅力です。

American Professional Series

2017年発売、2020年生産完了。

USA製ハイブリッドスタイル。American Standardシリーズの後継機種として、新生フェンダーを印象付けたシリーズです。

ピックアップには80年代にギブソンにてPAF再現の開発をしていたピックアップデザイナーTim Showにより設計された、V-ModシングルとShawBuckerを搭載し、幅広いジャンルに対応できるモダントラッドなサウンド。

ミディアムジャンボよりも、背が高く幅が狭いナロートールフレットや、ディープCシェイプネックなど演奏性も高いです。詳細レビューはこちら。

2020年にはAmerican Professional IIとしてリニューアルしました。

American Original Series

2018年発売、2022年生産完了。

USA製のヴィンテージスタイルで、American Vintageシリーズの後継として発表されました。

このシリーズは特定の製造年のリイシューではなく、50/60/70年代それぞれの代表的なスペックをまとめたピックアップやネックシェイプを採用しています。

ヴィンテージスタイルながら演奏性を考慮し、9.5″指板ラディアスを採用しています。

クラシックなフェンダートーンに加え、ヴィンテージスタイルのハードケースも付属。

2022年には後継のAmerican Vintage IIシリーズを発表。特定の年を再現したヴィンテージリイシューモデルが復活しました。

まとめ

2015年CEOにアンディ・ムーニー(Nike, Disney関連会社などのマーケティング責任者を経歴に持つ)就任以降、フェンダーは活発に新製品が開発されています。

現在生産されているシリーズ一覧はこちらの記事をご覧ください。

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