トランスペアレント系オーバードライブとは?
という方はもちろん、わたしがMXR Timmy OverDriveをおすすめしたい方のためのレビュー記事です。
トランスペアレント系オーバードライブのパイオニアTimmyの開発者であるPaul CochraneとMXRのコラボレーションモデルMXR版Timmy Overdriveのレビューです。
本国サイトに掲載されているポールコクレーン氏のインタビュー拙訳はこちら
トランスペアレント系オーバードライブとは?
中域が特徴的なTS系オーバードライブや、
ジャリジャリに歪むBOSSのブルースドライバーなどが好きな方には物足りなさを感じるかもしれません。
しかしそれこそがトランスペアレント(透明感)と呼ばれる所以で、
レンジが広く、エフェクター自体の味付けも少なく
ギターとアンプのキャラクターを存分に生かしたオーバードライブです。
ローゲインで使うと歪んでないようで、歪んでいる絶妙なバランスが心地よいオーバードライブです。
MXR Timmy Overdrive コントロール
Volume、Bass、Treble、Gain、Clipスイッチ
Gain、Volume
ゲインはあまり高くありません。ローゲインオーバードライブです。
ゲインと比例して音量がかなり変わるため、ゲインとボリュームはセットでの調整が必要です。
Bass、Treble
このイコライザーがキモです。
どちらもカットのみでブーストされません。
普通のエフェクターと違い12時方向のセッティングではハイもローも少ないため真価が発揮されないので要注意。
つまみを右に回し切った状態からカットする形で調整します。ギターについているトーンのような感じがイメージしやすいでしょうか。
このコントロールがかなり使いやすく、私のサウンドメイク方法と通ずるところです。
またBassは歪み回路の前で低域のカットを
Trebleは歪み回路の後で高域をカットする回路になっており、
これがサウンドメイクをかんたんに、かつ良い音になる秘訣です。
Clipスイッチは3段階
左が非対称クリッピング
真ん中がライトサチュレーションでベッドルームが広い対称クリッピング
右がヘヴィサチュレーションでヘッドルームが狭い対称クリッピング
真ん中がTimmy のおいしいところが存分に堪能できるポジションです。
MXR Timmy Overdriveサウンドレビュー
トランスペアレントの名の通り、エッジが効いた一般的なオーバードライブではなく、
良くも悪くもエフェクター自体の味付けは少なく、ギターやアンプのキャラクターがしっかり生きてくるため
ギターとアンプだけでしっかり音作りができる中〜上級者向けのオーバードライブと言えます。
どれだけゲインを上げても、しっかりギターの芯が残るため、上質なギターをお使いの方にはTimmyが病みつきになるはずです。
使用方法としてはアンプをプッシュするようなブースター的な用途や、
バンドアンサンブルにスッと馴染むローゲインオーバードライブとして使うのがおすすめです。
サウンドレビュー動画も多く上がっていますが、こちらの動画が聴覚上一番近く、
また魅力がしっかり伝わる内容です。
※試奏は2:03から
おすすめセッティング
個人的にはシングルコイルのギターと、フェンダー系クリーンセッティングのアンプに
クリッピングスイッチは真ん中で、
トレブルは右に回し切り、ベースをほどほどにカットしたローゲインオーバードライブとしての使用が最高。
どのピックアップポジションでもローカットする事によるクリアさとギターの芯を兼ね備え
ハーフトーンのおいしい鈴鳴り感も失いません。
程良いコンプ感で弾きやすく、
かと言って潰れ過ぎないのでピッキングニュアンスがちゃんと出ます。
カッティングでのアクセントや、リードのアーティキュレーションがしっかり生きます。
そのためジャカジャカ弾くより、スパッと弾くようなピッキングがよく合います。
ギターを構える位置が低いギタリストより、高めに構えるギタリストの奏法に良く合うはずです。(伝わります?笑)
歪ませたマーシャルアンプにつなぐならクリッピングを右に、ゲイン高めのセッティングが良いですね。
まとめ
本家Timmyは2万円台、MXR版はだいたい16,500円(税込)、
他社のトランスペアレント系オーバードライブとしては安価な部類に入ります。
しかしクオリティに妥協はありません。
ギターやアンプのキャラクターを生かしたサウンドメイクをしたい方や、
ミニサイズでボードに収めやすいので、
キャラクターの異なる2台目以降の歪みエフェクターとしてもおすすめ。
トランスペアレント未体験の方はぜひお試しください。