初めての1本目のギターとして必要な条件、最適な機種と選び方を無駄なくまとめました。
・初めてのエレキギターはどれが良い?
・安すぎるギターがダメな理由は?
・おすすめ入門ギターを調べたが種類があり過ぎて選べない
現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)です。お店にいらっしゃるギター未経験者の方からよく質問される内容です。
ずばり結論はこちら
品質が悪い(≒安すぎる)ギターだと、弾きづらく上達しないから挫折しやすいので、予算・お好み別に挫折しないおすすめのギターを紹介します。
絶対に間違いのないギターしか紹介していないので、機種が少ないのは悪しからず。
ギターを初めて1年以内に辞める人は約9割!?
ギターの最大手ブランドFenderによると、ギターを初めて1年以内に挫折するユーザーは90%という調査結果(参考
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/32388/2/1/1)逆に残りの1割はほぼ一生ギターを続けるとも。
これからギターを始めようかと思っている人には衝撃の事実かもしれませんが、その大きな原因のひとつにギター本体自体の欠陥が挙げられます。
【1年で9割】ギターを挫折する3つの理由と解決策現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)です。ギターを始めるのって不安ですよね?店頭でこれからギターを始めたいという人のお話を聞くと、よくこんな[…]
挫折するのはギターせい。その原因とは。
ギターはコンマミリ単位の違いで、驚くべきほど弾きやすさが変わります。
格安ギターはそんな細かいところまで手が行き届いていないため、弾きづらいのです。
ちょっと専門的ですが具体的にはネックとボディの取り付け、フレットの高さ、ナット溝の深さなどです。
良いギターが高いのはこの専門的な微細な調整や仕上げに職人の技、つまり人件費が必要だからです。
弘法筆を選ばずという言葉もありますがギターに関しては、ひどい格安ギターや整備されていない古いギターは我々経験者でも弾けないものもあります。
どうせ初心者だからそんな繊細な違いがわからないと思われるかもしれませんが、認識をしていないだけで、必ず影響はあります。ギターを弾いたことが無い人がそんな粗悪なギターで上達するはずがありません。
これがギター自体が原因で挫折してしまう原因です。
ギターには一万円以下から百万円以上のものまでありますが、いったいなにが違うのでしょうずばりこの3つです。①人件費:技術をもった職人がどれだけ手間暇をかけたか②材料費:木材やパーツなど素材のコスト③ブランド料:作っている工場が[…]
最低ギター本体に1万円台、おすすめできるのは3万円台から
それでは具体的に初心者の人にも安心なギターを紹介します。
予算別に1万円台と3万円台でそれぞれ紹介しますが、もしあなたが買えるのであれば断然3万円台の方をおすすめします。
弾きやすさや音に差がありますが、一番懸念すべきポイントは安いギターは商品ごとの品質に個体差・バラつきがあるということです。つまり友達が買った1万円ギターはすごく弾きやすいのに自分が買った同じギターはなぜか弾きづらい・・・ということが起こりやすいのです。
経験者なら調整次第でその差を縮めることもできますが、それでも無理な場合もあります。3万円というコストの中には全ての製品で安定した品質を実現する、ということも含まれているのです。
1-2万円台の初心者おすすめエレキギター
おすすめ①:Legend LST-Z/LTE-Z
主な特徴
・Aria Pro2のセカンドブランド
・ストラトキャスタータイプのLST-Z
・テレキャスタータイプのLTE-Z
市場相場価格
・LST-Z:10,000円前後
・LTE-Z:13,000円前後
Aria Pro2ブランドでお馴染み「荒井貿易」のオリジナルブランド「Legend」の入門向けエレキギター。歴史ある商社なので海外の製造工場も熟知しているからか、この価格の中では高い品質を誇ります。
入門ギターにしてはカラーがオーソドックスなものだけで、バリエーションが少ないですが、それも在庫リスク・生産工程などの観点から徹底的なコストカットのためで、その分を品質に反映させていると思われます。
エレキギターの王道、ストラトキャスタータイプとテレキャスタータイプがあります。
自分が好きなアーティストが使っているとか、好きな方の見た目で選んでもokです。
より詳しく2つのタイプの違いを知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
こんな人におすすめ
・音の良さは気にしないからとにかく安いギターが良い
おすすめ②:Ibanez Gioシリーズ GRX40/GRX70QA
画像はhttps://guitar-hakase.com/36147/より引用
主な特徴
・Ibanezによる入門機
・幅広いジャンルに対応できるピックアップ
・アクセサリーセット付
市場相場価格
・GRX40:20,790円
・GRX70QA:23,100円
海外大物ギタリストにも愛用者が多い日本のブランドIbanez(アイバニーズ)の初心者向けGioシリーズで、安い順の2機種です。
Legendとの違いはハムバッカーピックアップを搭載している点で、ハードロックやメタル系のジャンルにも対応できます。
GRX40はSSHピックアップ配列であらゆるジャンルに対応できます。
GRX70QAはHSHピックアップ配列で甘く暖かみのあるサウンドや歪ませてハードなサウンドが得意です。もちろん他のジャンルも対応可能。木目が透けて見える鮮やかなカラーのルックスも魅力。
またギターを始める際に便利なアクセサリーとして下記が付属するのも嬉しいポイント。これにアンプを買えばすぐに始められます。
・ギターケース
・クリップチューナー
・拭き上げ用クロス
・ストラップ
・シールドケーブル
・ピック
・収納ケース
こんな人におすすめ
GRX40
・J-POP、邦ロックが好き
・どんなジャンルが好きがわからない
・ギター以外に揃えるもので悩みたくない
GRX70QA
・このルックスが好き
・メタルなどハードなサウンドが好き
・ギター以外に揃えるもので悩みたくない
3万円台以上の初心者おすすめエレキギター
先のLegend、Ibanez Gioよりも少し値段は高いですが、より弾きやすく音も良いものがあるのが3万円台以上のギター。これ以下のギターよりも品質が安定しており、特に挫折しないための弾きやすさという点では3万円台以上のこれらのギターをおすすめします。
おすすめ③:Squier Affinity Stratocaster/Teleaster
主な特徴
・Fender直系ブランド
・ボディが薄く軽いので抱えやすい
・フレットが大きく弦が押さえやすい
市場相場価格
・36,520円
世界最大のギターブランドFenderのセカンドブランドSquier(スクワイヤー)。Squierにもこれより安いのも高いのもありますが、Affinityシリーズはその中でも価格と品質のバランスに最も優れています。
正式なストラトキャスター/テレキャスターで、ヘッドの形もフェンダー純正。商標権の都合でこのヘッドの形は他のブランドでは使えないので、見た目にもこだわりたい人にも嬉しいポイント。
ボディが一般的なギターよりも薄く軽いので、初心者にも抱えやすいです。
またフレットが大きめなので、弦との距離が近いため、弦を押さえる時に力を入れる費用はありません。
こんな人におすすめ
・好きなギタリストがFenderを使っている
・J-Popやロックなどが好き、シングルコイルピックアップの煌びやかな音色が好
おすすめ④:YAMAHA PACIFICA112V
主な特徴
・入門ギターとしての評価が高い
・弾きやすい
・様々なジャンルに使える
市場相場価格
・33,660円
特に近年は価格と品質の観点から、万能入門ギターとして確固たる地位を築いたヤマハのパシフィカ。
インドネシアの自社製造工場を使い、ヤマハ長年のノウハウを惜しみなく注ぎながら人件費などの生産コストを抑えることで、安いながらも抜群の完成度を誇ります。
その品質の高さに加えて、狭く薄めの形とサラサラとした触り心地の仕上げなど弾きやすさを追求したネックも人気の理由。
ピックアップにはシングルコイルピックアップとハムバッカーの両方を搭載することで、切れのあるシャープなサウンドから太くハードなサウンドまで様々なジャンルに対応できます。
こんな人におすすめ
・YAMAHAというブランドに信頼がある
・どんなジャンルが好きかまだわからない
おすすめ⑤:Ibanez AZSEシリーズ
主な特徴
・音大教授共同開発の入門者のためのギター
・故障が起こりづらくメンテナンス性にも優れている
・多彩なサウンドで幅広いジャンルに対応できる
市場相場価格
・AZES31:37,600円
・AZES40:39,600円
アメリカの名門バークリー音楽大学教授のトモ藤田氏とIbanezにより、これからギターを始める入門者のためのギターとして開発されました。
上記のギター以上に細部にまでとことん追求した弾きやすさは同価格帯において最高品質と言ってよいでしょう。
またパーツにもこだわっており、弦交換のしやすいペグや不良を起こしづらいアウトプットジャックを採用することで、演奏以外のストレスも軽減しています。
ヤマハのパシフィカ以上に多彩なピックアップ切替が可能で、様々なジャンルに対応します。
こんな人におすすめ
・挫折する確率を下げたい
・どんなジャンルが好きかまだわからない
Ibanez AZESシリーズの詳細レビューはこちらの記事をご覧ください。
10万円以上の初心者おすすめエレキギター
おすすめ⑥:Fender Made in Japan Junior Collection
主な特徴
・通常の94%サイズのため抱えやすく、弦の張りも優しい
・日本製ならではの高品質による弾きやすさ
・正確な音程と本物のFenderサウンド
市場相場価格
・Stratocaster:119,000円
・Telecaster:119,000円
・Jazzmaster:130,900円
Fenderによる全く新しい、日本人のために新設計した新シリーズMade in Japan Junior Collection(メイド・イン・ジャパン ジュニアコレクション)。
ボディとスケールはレギュラーサイズから約94%にスケールダウン。コンパクトかつ約3.0kg前後の軽量ボディで抱えやすく、短いスケールにより弦の張りが弱くなり少ない力で押さえられます。
また日本製ならではとも言える、弾きやすさに直結する細部まで丁寧に作られています。ネックの握りやすさに加え、特にナットの調整が絶妙でFコードもスムーズに押さえられます。
これまで挙げたギターの中では高価ですが、弾きやすさも格別なのは事実です。一生楽しめる趣味が身に付くならば必ずしも高いコストとは言い切れないのではないでしょうか。
こんな人におすすめ
・体型が小さい女性、中学生や高校生
・とにかく挫折したくない
・一度ギターを挫折してしまった
Fender Made in Japan Junior Collection の詳細レビューはこちらの記事をご覧ください。
選び方とまとめ
特徴からの選び方をまとめると
とにかく安く始めたいという人は・・・Legend LST-Z
ラウドロック・メタル系が好きな人は・・・Ibanez GRX70QA
伝統的なルックスで軽いギターが良いという人は・・・Squier Affinityシリーズ
コスパ重視な人は・・・YAMAHA PACIFICA112V
極力ギターのせいで挫折したくないという人は・・・Ibanez AZES40
体型が小さい、とにかく弦が押さえやすいものが良いという人は・・・Fender Made in Japan Junior Collection
あとは無視してはいけないのが、見た目です。
ギター上達に一番必要な事は、演奏する時間を増やす事。ルックスが気に入るギターはそれだけでテンションがあがり、ギターを触る時間が増えるからです。
特徴などから判断できない人はこの記事内のギターであれば、形や色が好きなギターを選んで問題ありません。
最後にもう一つだけ注意点です。
ギターは木材で作られているので状態が変化することがあります。特に多いのがネックの反りです。買った時よりも弾きづらくなったかも?と感じた時はこのことを思い出してください。
これらの多くは調整で修正できますので、購入したお店に相談するかギターを購入した際の説明書にも書いてあるものがほとんどです。
まずは1年続けられることを目指して楽しみましょう!
もっと多くの選択肢が気になる方はこちらの記事をご覧ください。