【B3n違い比較】ZOOM B6レビュー|最強ベースマルチエフェクター

 

・音作りを1台で完結させたい

・ベースに特化されたフロアマルチが欲しい

ZOOM B3などで不満が出てきたから買い替えたい

という人にのために現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)が、現行品ベースマルチエフェクターの最適解ZOOM B6を解説します。

ZOOM B6 特徴

①:今や貴重なベース特化マルチ

②:全119種類のエフェクトを最大6個使用

③:4つのプレイモード

④:タッチスクリーン操作

⑤:4種のDIボックスモデリング

⑥:フットスイッチ切替の2系統インプット

⑦:その他多彩な機能

特徴①:今や貴重なベース特化マルチ

BOSSやそのほかギターマルチエフェクターを発売しているブランドは数あれど、ここ数年ベース専用マルチエフェクターはほとんどなくなりました。

他ブランドはコストを抑えるためか、BOSS GT-1000, Line6 Helixなどギター/ベース両方対応に集約されています。しかし音色数が少なかったり、音作りの際にギター用エフェクトを避けて選ぶのもストレスの一因です。

ZOOMもギター用にはG5n、その後G11と大型フラッグシップがあるにも関わらず、これまではベース用はB3n。これはミドルクラスで機能に制限がありました。

今回登場したB6はまさに待望のベース専用フラッグシップマルチエフェクターと言えます。

特徴②:全119種類のエフェクトを最大6個使用

他社マルチプロセッサーにはないベース用の音色数を誇ります。

これらは内蔵DSPの処理能力が許す限り、1パッチ内につき最大6個まで同時使用可能です。

ダイナミクス系:10種類

フィルター系:14種類

歪み系:13種類

プリアンプ:22種類

キャビネット:12種類

モジュレーション系:17種類

SFX7種類

ディレイ:7種類

リバーブ:8種類

ペダル:6種類

センドリターン:3種類

IR36種類(サードパーティデータも使用可)

とにかく網羅されていますが、一番気になる部分はプリアンプセクションですよね。

SansAmp、MXR BASS DI+、Darkglass B7Kなどのペダル系から、Ampeg、Fender、SWR、Aguilar、EBS、Markbass等の定番アンプ、AVALON U5などスタジオ系、そしてdjent用などの超モダンなZOOMオリジナルまで一通り揃っており、対応できないジャンルは無いと言って良いでしょう。

特徴③:4つのプレイモード

フットスイッチでのエフェクト切替は4つのモードを搭載。

ギターだとパッチ切替のプレイヤーも多いですが、ベースであれば基本の音を作ってその中で、ソロの時だけブースターをonにする、インタールードで空間系エフェクトをかける、といったようにパッチ内のエフェクトを個別にon/offできるEFFECT BOARDモードが扱いやすいでしょう。

特徴④:タッチスクリーン操作

多機能だからこそスイッチとボタン、つまみで操作するのが煩雑だと感じる人も多いでしょう。

B6はギター版のG6、G11同様タッチスクリーンを搭載しており、ドラッグ&ドロップはスワイプといったスマホのような操作性でサウンドメイクが可能です。

特徴⑤:4種のDIボックスモデリング

これぞベース専用とも言える機能。DIアウトは4種類のモデリングから選択可能です。

TUBE 1 豊富な倍音と太い低域が特長の真空管式DIのキャラクターです。
TUBE 2 明瞭なアタックとタイトな低域が特長の真空管式DIのキャラクターです。
SOLID STATE 1 適度なコンプレッションとシャープな音色が特長のソリッドステート式DIのキャラクターです。
SOLID STATE 2 歪みの少ないクリアな音色が特長のソリッドステート式DIのキャラクターです。

zoomcorp.comより引用

正直これに関してはそんなに需要あったのか?と思ってしまいました。ある意味中~上級者・プロ向け機能とも言えそうです。つまりプロの現場で使えるほどのサウンドのクオリティの自信の表れとも取れますかね。

DIセクションはアウトプット(ライン/Phone)/XLRアウト両方に効きますし、offにすることもできます。XLRアウトをアマチュアの方がライブハウスで使う際は、PAさんに相談・指示を受けると良いでしょう。

DIセクションはこちらの動画の11:30〜で聞き比べできます。

特徴⑥:フットスイッチ切替の2系統インプット

入力(インプット)が2つあります。これはそれぞれに異なるベースを接続しておいて、フットスイッチで切替可能です。

そしてそれぞれはインピーダンス(1MΩ/10MΩ)切替スイッチを備え、アウトプットの音量をそれぞれ設定することもできるので、4弦/5弦、パッシブ/アクティブ、ピエゾピックアップなどを使い分ける時も音量を揃えることができます。

これも上級者向け機能ですね。

特徴⑦:その他多彩な機能

その他多彩な機能として下記の機能も搭載。まさにオールインワンで、自宅練習からスタジオ、ライブ、作曲までこれ1台で可能です。

その他便利機能

・センドリターン端子

・ルーパー

・リズムマシン

・USBオーディオインターフェイス機能

・スマホアプリで操作

どうしても外せない、自分のアイデンティティと言えるエフェクトがあっても、センドリターン端子に繋げば、B6内のエフェクトと組み合わせ可能。B6のエフェクト→外部エフェクト→B6のエフェクト、というように接続順まで自由に設定できます。

ルーパーの録音時間はステレオ45秒(モノラル90秒)。SDカードを使えば最長2時間。フレーズの保存や外部WAVファイルを読み込ませての再生も可能です。

リズムマシンは単独でもルーパーとの併用も可能。68種類を搭載し、テンポや音量ももちろん調節できます。

USBケーブルとPCやiOS機器と接続して、2in/2outのオーディオインターフェイスとしても使用可能。DAWソフトCubase LEの無料ダウンロードライセンスも付属しており、これからDTMを始めたいベーシストにも嬉しいポイント。

B6で作りこんだサウンドをそのまま録音できるので、SNS用の弾いてみたや、作曲、デモ作りに便利です。

別売アダプタ(BTA-1)を接続すると、iPhone/iPadとBluetooth接続してアプリでリモート操作できます。これくらいは本体に内蔵しておいてくれとも思いますが、本体価格を安くするための策でしょうかね。

B3nとの違い比較

前機種B3nとスペックを比較してみます。

B6B3n
フットスイッチ96
エフェクト数11970
同時使用エフェクト67
パッチユーザーエリア240150
サンプリング周波数88.2 kHz44.1 kHz
信号処理32ビット32ビット
周波数特性20 Hz 〜 40 kHz20 Hz~20 kHz
ディスプレイ4.3インチカラードットマトリックスx3
入力端子インプットx2、リターン、AUX INインプット、AUX IN
出力端子アンプ/ライン(ヘッドフォン)、XLR、センドアウトL(アンプ/ヘッドフォン)、アウトR
コントロール入力エクスプレッションペダルエクスプレッションペダル
USBUSBオーディオインターフェイス機能アップデートで使用
リズム/ルーパー68種類/最長モノラル90秒68種類/最長モノラル80秒
電源DC9V/センターマイナス/500mA(ズーム AD-16)DC9V/センターマイナス/500mA(ズーム AD-16)
サイズ228 mm (D) x 418 mm (W) x 65 mm (H)181 (D) x 234 (W) x 58 (H) mm
重量1890 g1280g
市場相場価格59,400円22,000円

B3nは2017年の発売で価格が倍以上違うので、当然B6の方が機能面において優れています。

B3nの方がおすすめの人は

・安い方が良いという方

・持ち運びが便利な軽量サイズが良い

LR2系統で出力する必要がある

・サウンドの質は平均点であれば良い

USBオーディオインターフェイス機能は不要

・エフェクトループのセンドリターン端子は不要

B6の方が優れている最大のポイントは、やはりサウンドの良さです。

通常の倍の88.2kHzというサンプリング周波数と、周波数特性も40 kHzまで広がっており、アナログ回路も再設計された結果

・クリアになった

・レンジが広くなった

・バイパス音の変化が少ない

という点が挙げられます。従来のデジタルエフェクターよりも生々しいサウンドになったというところです。twitterでもそんな感想が報告されていますね。

そしてプリアンプを始めとするエフェクトの種類も豊富です。

またフットスイッチでの操作性も向上しており、エフェクトのon/offはB6なら4つまで、B3nは3つまでです。音作りの操作性もB6の方がスムーズにできるでしょう。

B3nと比べると6万弱の価格は割高に感じますが、同じクラスのBOSS GT-1000は約10万円でベースのエフェクトは少ないですし、

エフェクターを揃えて、パワーサプライやパッチケーブルもそろえてボードを組むことを考えるとむしろ安く済むケースも珍しくありません。

そもそもマルチエフェクターのメリットである、トラブルが減らせる、気軽にエフェクトを追加できるのもポイントです。

こだわりのエフェクターを揃えてボードを組むという趣味が無く、1台完結が目的であれば現状ZOOM B6が最もバランスが良い機材でしょう。

B6はこんな人におすすめ

・ベースの音作りをこれ1台で完成させたい

・こだわりのエフェクターを組み合わせて使いたい

・プロクラスの音質でこれ以上機材に悩みたくない

IRを使ったマイク録りのような音をラインで録音したい

PC録音のためのUSBオーディオインターフェイス機能が欲しい

・ヘッドフォン、リズムマシン等自宅練習用機能もこれ1台で完結させたい

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