【レビュー】Takamine DMP551C WR フィンガーピッキングにおすすめエレアコ

フィンガーピッキングにおすすめなエレアコ Takamine DMP551C WRレビュー

Takamine DMP551Cの特徴

●Takamine 4大メリット

●500シリーズボディシェイプ

●DMP(CT4-DX)プリアンプ

●シダートップによるサウンド傾向

特徴①:Takamine 4大メリット

Takamieに共通する最大の特徴4点

1. 日本製で比較的安価

2. 補強材が入った高いネックの強度

3. 握り心地が良い左右非対称ネック

4. オクターブピッチが合うダブルサドル

国産アコギながら10万円台前後の価格。

ネック内部には補強材が入っており状態が安定します。

ネックシェイプは握りやすい左右非対称シェイプ。

ダブルサドルは音程が綺麗でコードの響きの濁りが少なくなります。

詳細はこちらの記事にまとめてあります。

特徴②:500シリーズボディシェイプ

高峰のオリジナルボディシェイプです。

ボディの厚さと容積はドレッドノートと同程度と大きめですが、

ボディにくびれがあり抱えやすく大きさを感じさせないデザイン。

強めのピッキングでも暴れず鳴らせるので、弾き語り系のストロークでガシガシ弾いてもしっかり反応してくれますし、

座っての演奏でも持ちやすいのが特徴です。

特徴③:DMP(CT4-DX)プリアンプ

内蔵プリアンプでありながら多くの機能を備え、その完成度の高さから長年採用されているタカミネ製プリアンプのCT4-DX。

4バンドイコライザーとハウリング対策に使えるノッチコントロールが2つ搭載しており幅広いサウンドメイクが可能、チューナーも内蔵されています。

電池は9V電池2本を使用する珍しい仕様。コスト面では若干不利ですが、それを補う18V駆動のメリットがあります。

18Vと聞くと出力が高くなると勘違いされがちですが、これは誤りで、

正しくはヘッドルーム(ダイナミックレンジ)が広くなるです。

つまりコンプレッション感が少なくなり、音の強弱を忠実に再生できるため、繊細なフィンガーピッキングに最適。

強いストロークでも歪みづらいということもあります。

サウンドのキャラクターとしては立体感あるというよりは直線的という印象。これは高峰全般に言えることです。

バンドアンサンブルの中だとかき消されてしまうような帯域が出ないので、ほかのパートとバランスが取りやすく扱いやすい、不要なハウリングを抑制するといった効果もあり、

生鳴りが良い・倍音が豊かを良しとするアコースティックギターのサウンドとは離れているため、好みが大きく分かれます。

また出荷時はアンダーサドルピックアップ1基が接続されていますが、コンタクトピックアップなどを追加して、2つのピックアップをブレンドして使えるのもこのプリアンプの特徴です。

プリアンプの詳細はこちらの記事でも解説しています。

特徴④:シダートップによるサウンド傾向

トップ材:シダー単板
サイド材:サペリ合板
バック材:サペリ単板
ネック材:マホガニー
指板材:ローズウッド

実はこのDMP551Cの最も特異な特徴がこれです。

スチール弦には圧倒的少数派の、シダー(杉)がトップ材に採用されています。

一般的なトップ材であるスプルースに比べて木材自体が柔らかいため、

ピッキング時のレスポンスがややまろやかで、サイドバック材のサペリも相まってサウンド自体も角がとれたウォームな響き。

サペリはマホガニーに似た音響特性を持ち、TakamineやTaylorなどの中価格帯のギターによく使われています。

タカミネ特有の(ギター自体の頑丈さからくる)芯がありながらも、それを包み込むあたたかみが組み合わさったサウンドに仕上がっています。

Takamine DMP551C デメリット

●良くも悪くも丈夫

●フレットが低い、もっと弦高を下げたい(特にフィンガースタイル)

●ワインレッドカラー1色展開

デメリット①:良くも悪くも丈夫

高峰は長渕剛氏やBon Joviなどスタジアム級のプレイヤーも愛用しており、エレアコで使うことを最優先に設計されています。

過酷な環境でも楽器が狂わないように、サイド材は合板を使用していたり、塗装がしっかりしています。

DMPプリアンプの特徴も相まってこれによりバンド内でもハウリングしづらいようになっていますが、

裏を返せば生音で聴くと特に倍音、音の広がりが物足りなく感じます。

例えばUSA製Martinのようなレンジの広いサウンドを求めてはいけません。

デメリット②:フレットが低い、もっと弦高を下げたい(特にフィンガースタイル)

国産で作りも丁寧なのですが、Taylorなど現代的なギターと比べるとフレットが低く弦高も高く感じるため、

しっかり弦を押さえなければならないという印象はあります。

特にフィンガースタイルの演奏者は工場出荷時から、まずはサドルを削って弦高を下げたくなります。

購入時に楽器店に依頼すると良いでしょう。ネット購入でも対応してくれるお店もあるので、購入前に問い合わせてみてください。

デメリット③:ワインレッドカラー1色展開

タカミネ取扱店ではほぼほぼ取り扱っている定番機種ではありますが、カラー展開はワインレッドの1色のみ。

他ブランドにも無いこのカラーだからこそ定番機種に成り得たとも言えるので、ルックスが好みならokですね。

Takamine TDP561Cとの比較

同じボディシェイプ500シリーズの定番機種TDP561Cとの違いを比較

 DMP551CTDP561C
トップ材シダー単板スプルース単板
バック材サペリ単板サペリ単板
サイドサペリサペリ
ネックマホガニーマホガニー
指板ローズウッドローズウッド
スケール644mm644mm
ナット幅42.5mm42.5mm
プリアンプCT4-DX (DMP)CTP-3 (TDP)
カラーワインレッドブラック
ケースハードケースハードケース
市場相場価格123,000円~130,000円136,000円~145,000円

違いはトップ材、搭載プリアンプ、カラー、価格です。

トップ材の影響によるサウンドの違い

Takamineらしいサウンドと言える倍音控えめの芯があり、500シリーズシェイプによるしっかりした低音、サペリ材サイドバックの温かみが加わった特徴的なサウンドというのは共通。

トップ材の違いであるシダーとスプルースの違いとしてはやはりレスポンスです。

スプルースを採用しているTDP561Cの方が歯切れが良く、テンポが速い曲やパワフルに聞かせたいストロークに向いています。

シダーを採用したDMP551Cはやや柔らかい音色で、フィンガースタイルのインストやストロークでもしっとりした曲調に向いています。

搭載プリアンプの違い

DMPとTDPはプリアンプ自体の価格の差はあれど、優劣ではなく特徴が異なります。

DMPは前述の通り、18V駆動によるダイナミクスレンジが広くニュアンスを生かした演奏に向いています。

エレアコサウンドは良く言えば素直で扱いやすい、悪く言えば立体感に欠けるといったところ。

TDPは小型の真空管を内蔵しており、DMPよりもコンプ感と、チューブの飽和感を加えることができます。

パワフルなストロークでも図太くもまとまってくれるサウンドです。

TDP561Cの詳細レビューはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

・Takamineが好き、ルックスが好き

・搭載プリアンプで幅広い音作りをしたい

・扱いやすい直線的なエレアコサウンドが欲しい

・バンドの中でもハウリングさせずに使いたい
 

フィンガーピッキングがメインな人はDMP551C、弾き語りやパワフルなピッキングを聞かせたい人はTDP561Cがおすすめです。

生音も生アコースティックギター並みに使える同価格帯のエレアコはTaylor 214ceがおすすめです。

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