BOSS DUAL CUBE LXレビュー THR10II/Sparkとの違い比較

 
・オールインワンの多機能アンプを探していて
・ルーパーでアドリブ練習したい
・インスタやYouTubeライブを手軽に行いたい
・家でもマルチエフェクターでの広がりあるステレオサウンドを堪能したい
・人気のYAMAHA THR10IIやPositive Grid Sparkも気になる

という方に現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)が、BOSS DUAL CUBE LXを徹底レビュー。デスクトップ多機能アンプの2大巨頭、YAMAHA THR10IIとPositive Grid Sparkとも比較してみます。

ベースバージョンのBOSS DUAL CUBE BASS LXのレビュー記事はこちら

他機種には無いBOSS DUAL CUBE LXの特徴とメリット/デメリット

多機能アンプは各ブランドから発売されていますが、本機種ならではの機能はこの2つ

・BOSSのCUBEシリーズの卓上アンプ
・アンプには珍しいルーパーと配信に便利なループバック機能搭載

メリット

・卓上ステレオスピーカーアンプ

・8種類のアンプタイプ+1

・7種類22タイプのエフェクト

・ステレオインプット

・アダプターor単3電池駆動

・配信対応USBオーディオインターフェイス

・ルーパー内蔵

デメリット

・バッテリー駆動は内蔵充電式ではない

・Bluetoothは別売り

メリット

メリット①:卓上サイズなのに、広がりある音色のステレオスピーカーアンプ

卓上におけるサイズ(341mm x 162mm x 215mm, 3.3kg)の多機能ギターアンプです。

合計10W出力なので、自宅演奏に最適な音量とサイズと言えます。

従来のCUBEシリーズ同様、堅牢ボディなのでフルボリュームでも安定してしっかり鳴らしてくれるでしょう。

メリット②:どんなジャンルも弾ける8種類のアンプタイプ+1

あらゆるジャンルに対応できる、8種類のモデリングアンプを内蔵しています。加えてステレオインプットにも対応。

本体には3音色保存できます。

AMP TYPEモデリングモデル
ACOUSTIC SIMアコースティックシミュレータ。エレキギターの音が、アコースティックギターサウンドになります。
JC CLEANRoland JC-120
US COMBOFender Deluxe Reverb
BRIT COMBOVOX AC-30TB
HI-GAIN STACKMarshall 1959
METAL STACKPeavey EVH5150
EXTREMEMesa Boogie Dual Rectifier
MICマイク接続用
STEREO INマルチエフェクター等ステレオ出力に対応できるステレオ入力用。

メリット③:多彩な音作りが可能な7種類22タイプのエフェクト

CUBEシリーズといえば、BOSSエフェクター直系のエフェクトを内蔵しているのも特徴です。内蔵エフェクトの種類は以下の通りです。スマホアプリでタイプの切り替えが可能。

エフェクトタイプ
CHORUS4タイプ:MONO, STEREO 1, STEREO 2, 2×2 CHORUS
FLANGER1タイプ
PHASER4タイプ:4STAGE, 8STAGE, 12STAGE, BiPHASE
TREMOLO1タイプ
HEAVY OCTAVE1タイプ
DELAY6タイプ:DIGITAL, ANALOG, TAPE ECHO, REVESE, MODULATE, SDE-3000
REVERB5タイプ:PLATE, ROOM, HALL, SPRING, MODULATE

アプリの使用でさらにパラメトリックEQ, ノイズサプレッサーが使用可能。

ワイヤレスMIDIエクスプレッションペダルEV-1-WLを使用すればワウ(6タイプ), フットボリュームも使用できます。端子がないので一般的な有線エクスプレッションペダルは使用できません。

メリット④:パフォーマンスにも練習にも便利なルーパー内蔵

ルーパーが内蔵されています。使用には別売フットスイッチ(FS-5U, FS-6, FS-7)の接続は必須です。

ルーパーが内蔵されている、数少ない多機能アンプです。

工場出荷時は最大45秒(ステレオ)で、専用アプリを使えば最大90秒(モノラル)を選択可能です。

メリット⑤:配信対応USBオーディオインターフェイス

USBケーブルでPCやiPhone/iPadを接続すれば、再生/録音が可能です。

おそらくギターアンプに搭載されたUSBオーディオインターフェイスとしては初の、ループバック機能も搭載しています。

LOOPBACKスイッチをオンにすればPCで再生しているBGMを、PCに戻すことができます。

本体上部にはギター入力に加えて、マイク付ヘッドフォンにも対応しているため、簡単にライブ配信が行えます。

ループバックスイッチは本体背面有線接続のi-CUBE LINK(AUX IN)端子でも利用可能です。

メリット⑥:アダプターor単3電池駆動

電源は付属のACアダプターもしくは、単3電池8本で駆動します。

アルカリ電池で約8時間、充電式ニッケル水素電池で約10時間駆動。

デメリット

①:エフェクターの種類が少ない
②:バッテリー駆動は内蔵充電式ではない
③:Bluetooth接続アダプタが別売り

デメリット①:エフェクターの種類が少ない

私自身もアンプ種類の少ないBOSS WAZA-AIRも使っていますし、使える音が無いということにはならないでしょうが、これ1台で音作りを探求したい、という人には物足りないでしょう。

アプリを使えば音作り追求の余地はありますが、Bluetooth無線接続で手軽にやろうとすれば、5,500円のBluetoothアダプターBT-DUALが必要ですし、毎回PCに繋ぐのは面倒でしょう。

PC用スピーカーとして常に接続しておくならアプリでのサウンドメイクは許容範囲かもしれません。

デメリット②:バッテリー駆動は内蔵充電式ではない

コンセント無しでも使えますが、その電源は単三電池が8本も必要です。

YAMAHA THRやNuX, Spark MINIなど内蔵式充電バッテリーが珍しくない昨今、乾電池の使用は不便です。

デメリット③:Bluetooth接続アダプタが別売り

Bluetooth接続で音楽を流しながら演奏したり、専用アプリでアンプのセッティングが可能なのも、いまや多機能アンプには当たり前の機能です。

しかしBluetooth接続の機能を使うためには、別売りのBT-DUAL(市場相場価格:5,500円)が必要です。

Positive Grid Spark MINIとの違い比較

BOSS DUAL CUBE LXYAMAHA THR10IIPositive Grid Spark
市場相場価格35,200円35,200円37,400円
出力10W20W40W
スピーカー4インチ(10cm) x28cmフルレンジ x 24インチ(10cm) x2
アンプ8種類24種 (エレキ15+ベース3+アコ3+フラット3)33種 (エレキ25+ベース4+アコ4)
エフェクト22種類12種類43種類
入出力端子・インプット L/R ・PHONES/REC OUT端子:ステレオミニ
・i-CUBE LINK/AUX IN端子:ステレオ・ミニ
・LINE OUT L/R
・FOOT SW端子
・USB
・インプット
・ヘッドフォン:ステレオミニ
・AUX IN:ステレオミニ
・USB
・インプット
・ヘッドフォン/ラインアウト:ステレオミニ
・ Aux in:ステレオミニ
・USB
Bluetooth別売アダプタ5,500円搭載搭載
アプリ・サウンドメイク・サウンドメイク・サウンドメイク
・自動伴奏
・コード自動解析
ルーパーありなしなし
USBオーディオインターフェイスあり:ループバック可ありあり
バッテリー単3電池8本なし
(THR10II Wirelessなら充電バッテリー内蔵)
なし
サイズ341 x 162 x 215 mm368×183×140 mm350 x 180 x 190 mm
重量3.3kg3.0kg5.2kg        

音色

BOSS DUAL CUBE LXが最も種類が少なく、ギター用アンプモデリングのみです。ベース用にDUAL CUBE BASS LXがラインナップされています。

種類の差はあれど、どの機種もあらゆるジャンルに対応できるゲイン幅があります。好みにはなりますが、種類は多い方が好みのサウンドに近づけやすいのは事実です。それぞれのキャラクターをざっくりまとめると

●BOSS DUAL CUBE LX・・・筐体の質感も含め本家本元の圧倒的JCサウンド。歪みサウンドはBOSSのそれ。

●YAMAHA THR10II・・・クリアでモダンなサウンド。芯のあるサウンドは、中域のクセと感じる方もいます。

●Positive Grid Spark・・・ギターのキャラクターが生き、ボリュームの追従性、箱鳴り感など一般的なギターアンプらしさが一番ある。

入出力端子

ギター入力、有線の外部音源(AUX IN)、ヘッドフォンアウト、USBは全機種にあります。

BOSS DUAL CUBE LXのみそれらに加えて、ステレオでのインプットおよびアウトプット、ルーパー用フットスイッチ、無線エクスプレッションペダルも対応します。

USBオーディオインターフェイスもBOSSのみループバック機能が搭載されています。

バッテリー

DUAL CUBE LXは単3電池8本で駆動します。よく使うなら充電池が現実的ではないでしょうか。

THR10IIにはバッテリーがありませんが、THR10II Wirelessであれば充電式バッテリーが内蔵されます。ギターワイヤレス受信機能もありますが、価格は5万円前後に跳ね上がります。

Sparkは必ずACアダプターの使用が必要です。

Bluetooth/アプリ

全機種Bluetooth対応ですが、DUAL CUBE LXのみ別売りBluetoothアダプタBT-DUAL(5,500円)が必要です。

音楽の再生はもちろん、アプリの内容は基本的にサウンドメイクのためのものです。

Positive Grid Sparkのアプリは機能が充実しており、YouTube上の楽曲のコードを自動解析して表示してくれたり、伴奏を自動生成してくれるといった機能が充実しています。

ルーパー

別売りの外部フットスイッチが必須ですが、ルーパーが内蔵されているのは、DUAL CUBE LXのみ。

ルーパー内蔵とループバックが独自の機能のアンプ

BOSS DUAL CUBE LXはこんな人はおすすめ

・ライブ配信をアンプ1台で済ませたい

・エフェクターを接続せずにルーパーを使いたい

・エフェクターチェック用など手軽にJCサウンドが欲しい

マルチエフェクターをステレオ入力で綺麗に鳴らしたい

・簡易的なPC用モニタースピーカーとして使いたい

逆に下記に当てはまる人はSparkやTHR10IIの方がおすすめします。好みではありますが、アンプ自体のサウンドはBOSS感が無い方が扱いやすいためです。

・ライブ配信しない、配信用オーディオインターフェイスは既に持っている

・ルーパーは使わない、手持ちのルーパーペダルを使えば良い

・Bluetooth機能に追加料金払うのは抵抗がある

・豊富なアンプ、エフェクトで音作りを妥協なくアンプのみで完結させたい

BOSSお得意の後出しマーケティング製品(失礼w)なので、ルーパー内蔵とループバック機能という独自性はあるものの万人が欲しい機能ではない点と、あくまでも好みのわかれるBOSSサウンドであるため、デスクトップアンプのゲームチェンジャーにはならなさそうです。

個人的にも物欲は掻き立てられませんでした。というのもとにかく小さいサイズなのにサウンドが抜群、充電バッテリーを内蔵しているPositive Grid Spark MINIを買ったばかりなので、むしろ安心したとも言えます笑

Twitterで気軽に交流しましょう!