フェンダーカスタムショップのチームビルト及びマスタービルトシリーズでは
塗装の仕上げが複数存在します。
●New Old Stock
●Closet Classic
●Relic
これらの中でも細分化されているものもご紹介します。
N.O.S – New Old Stock
ニューオールドストックの略で、ヴィンテージギターが新品だったころ、
当時の新品を再現しています。
艶のあるグロス仕上げです。
グロス仕上げはトップコートを吹き上げた後に、
バフで磨いて光沢を出す必要があるためトップコートを何重にも重ねて吹いてあります。
その結果、見た目のみならずサウンドにも影響しており、
締まりとハリのある音色に仕上がっているものが多いです。
ハードウェアは新品そのままです。
Flash Coat Lacquer N.O.S (2019年まで)
Time Capsule Package(2020年より)
N.O.S.のバフがけを省略した仕上げになっています。
磨く工程を省いているため、N.O.S.よりもトップコートを薄く仕上げており
光沢はありますが、鏡面までではない、半艶の仕上げになっています。
光を当てると木目の凹凸もわかるくらい薄い塗装です。
C.C. (Closet Classic)
クローゼットクラシックの略で、当時のヴィンテージギターを使わずに、ずっとクローゼットの中で保管されていた状態というコンセプト。
NOSは完全な新品、CCは新品だったものを何十年も使用していない未使用品という違いです。
クローゼットクラシックは、N.O.S.と塗膜の厚さが同じです。
仕上げは艶消し(サテン)です。
傷・打痕、塗装はげなどはありませんが、
塗装が温度差で割れるウェザーチェックと呼ばれる塗装割れがあるものと無いものがあります。
パーツの場合は少しだけくすんだ仕上げ。
Lush Closet Classic(2019年まで)
Deluxe Closet Classic(2020年から)
こちらは塗膜の厚さが、レリックと同じです。
そのためC.C.でもデラックスクローゼットクラシックの方が、塗装が薄くなっており、
しかしN.O.S.と同じくバフがけしており、仕上げには光沢があります。
ネックにも艶があるので、ここも好みが分かれるポイントかもしれません。
しかしウェザーチェックが入っており、エイジングされた感じはあります。
サウンドもこなれた感じがあります。
Relic
時間が経過し目痩せし塗膜が薄くなってきたヴィンテージギターを再現していいるため
トップコートの回数が少なく仕上げられています。
木目が透けて見えるほど塗装が薄く、サウンドもオープンでウッディな響きです。
![](https://yoshblog.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
ハードウェアは錆びていますし、プラスチックパーツも変色しています。
Journeyman Relic
2015年から登場。
ジャーニーマンは直訳すると旅人ですが、
ヴィンテージギター、その特性上さまざまなプレイヤーに使われては、売られたり、譲られたりと
ギター自体が奏者の間を旅してきた、というようなコンセプトです。
激しく使用されてきたものではないので、
コンターなどの塗装はげは無く
ウェザーチェックが入っていたり、小さな打痕がある程度です。
Journeymanレリックにも、艶の無いFlashCoat Laquer仕上げのものもあります。
Light Relic, Medium Relic
打痕に加えて、コンターの塗装はがれがあるものです。
ウェザーチェックは入ったものとそうでないものがあります。
![](https://yoshblog.com/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
加えてボディバックに、ベルトが打ち付けられたようなバックルウェアも入ったものもあります。
ピッキングウェアまでは入りません。
レリックの具合は
ジャーニーマン<ライト<ミディアム<ヘヴィ
の順に傷や塗装はがれの範囲が大きくなっていきます。
Heavy Relic
エルボーコンター、バックコンターの塗装のはがれた範囲が大きいのが特徴です。
場合によってはピックガード横にも、ピッキングで削れたピッキングウェアまで入ったものもあります。
ネックバックがヘヴィレリックのものは、見るからに塗装されていないように見えますが、
一度ラッカーを吹き上げたうえで、その塗装をはがし、
触り心地が木のままのようですが、最後にオイルで保護してあります。
まとめ
感じ方は人それぞれですが、わたしはサウンドの違いはあると考えます。
ネックバックの仕上げも演奏に気になる方もいるでしょう。
また、これらは組み合わさっている場合もあり
例えば、ボディはジャーニーマン、ネックはヘヴィレリック、パーツはクローゼットクラシック、といった具合です。
とは言え、ルックスも選ぶ大きなポイントだったりしますね。