●フェンダーアコギってなんで安いの?
●フェンダーアコギのおすすめ機種は?
という人のために、元楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が、フェンダーアコースティックギターのおすすめ機種ランキングと、各シリーズを解説します。
初心者におすすめのフェンダーアコギランキング
順位 | 製品 | 市場相場価格 | ポイント |
---|---|---|---|
1 | Newporter Player | 56,100円 | 手頃なフェンダーデザインのアコギ |
2 | CC-60S | 33,660円 | 標準的なアコギ |
3 | Malibu Player | 56,100円 | フェンダーデザインのミニアコギ |
4 | CD-140SCE | 61,160円 | 弾き語りに最適 |
5 | Redondo Special | 99,000円 | 2種類のマイクで音が良い |
1位:Newporter Player
メリット
- フェンダー独自のデザインで、おしゃれ。
- 少し薄めのCシェイプネックは、初心者でも握りやすい。
- Fishmanプリアンプシステムは、チューナー機能を搭載。エレアコとして使える。
デメリット
- 厚みのある迫力ある音色は出ない。
こんな人におすすめ
- 個性的なルックスが好き。
- まだどんな音色が好きかわからない。
- チューナー搭載のエレアコが良い。
このギターが向いていない人
- できるだけ大きいボディの見た目が良い。
- 大音量でかき鳴らしたい。
2位:CC-60S Concert
メリット
- 格安ギターよりも音が良い、スプルーストップ単板。
- 握りやすいよう滑らかに処理された、Easy-to-Playネック。
- 標準的な音色が出る、スタンダードな木材が使われている。
デメリット
- プラス1〜2万円のギターならもっと良い音のギターがある。
こんな人におすすめ
- 予算が3万円で、フェンダーブランドが好き。
- 女性や学生など、小柄な体格の人。
このギターが向いていない人
- 大きな音色を求める人。
- 繊細な音色を求める人。
3位:Malibu Player
メリット
- 他社には無い、センスの良いカラフルなバリエーション。
- 自信が無い人にも安心な、ミニギターサイズ。
- 明るく軽やかな音色。
- Fishmanプリアンプシステムは、チューナー機能を搭載。エレアコとして使える。
デメリット
- ミニギターで初めると、普通サイズのギターが弾きづらくなるかもしれない。
こんな人におすすめ
- カラフルなデザインが好き。
- 大きなギターを弾くのに自信が無い方。
- 手軽にギターを弾きたい。
このギターが向いていない人
- 本格的にギターを始めたい方。
4位:CD-140SCE
メリット
- 迫力のある低音が出せるドレッドノートサイズ。
- 握りやすいよう滑らかに処理された、Easy-to-Playネック。
- Fishmanプリアンプシステムは、チューナー機能を搭載。エレアコとして使える。
- 安全にギターが運べるハードケースが付属。
デメリット
- 大きなボディが抱えづらいと感じるかもしれない。
こんな人におすすめ
- パワフルで豊かな低音を楽しみたい方。
- 弾き語りをしたい方。
このギターが向いていない人
- 約6万円は、一部の初心者にとっては高価に感じられるかもしれません。
5位:Redondo Special
メリット
- フェンダーならではのヘッドなど、個性的なルックス。
- 迫力のある低音が出せるドレッドノートサイズ。
- 薄めのネックで初心者でも握りやすい。
デメリット
- 約10万円でやや高価。
こんな人におすすめ
- 個性的なルックスとサウンドを求める方。
- 大きいボディでも、薄いネックが良い。
このギターが向いていない人
- できるかぎり弾きやすいギターが良い。(もう少し小さいギターの方が抱えやすい。)
エレキギタリストにおすすめのフェンダーアコギランキング
順位 | 製品 | 市場相場価格 | ポイント |
---|---|---|---|
1 | Newporter Special | 99,000円 | 扱いやすいバランス良いボディ |
2 | Acoustasonic Player Telecaster | 187,000円 | エレキとアコギが融合 |
3 | PS-220E | 132,000円 | フィンガースタイルに最適 |
4 | Redondo Classic | 110,000円 | エレアコでも響きが良い |
5 | Malibu Vintage | 110,000円 | おしゃれミニギター |
6 | American Acoustasonic Jazzmaster | 297,000円 | エレキとアコギが融合 |
1位:Newporter Special
メリット
- やや薄いボディ形状と深いカットアウェイにより、抱えやすい。
- スリムで滑らかで、エレキギターのようなネックは演奏しやすい。
- トップ、バック、サイドがソリッド(単板)で、響きが良い。
デメリット
- 分厚く迫力のある低音では無い。
- パーフェロー指板の見た目が独特。
こんな人におすすめ
- オール単板の響きの良さ、スリムで滑らかなエレキギターのような演奏性を求めている方。
- ステージやスタジオでの使用を考えている。
このギターが向いていない人
- フルサイズのドレッドノートのような豊かな音圧ある音を求めている。
- 大きなネックとボディを求めている。
2位:Acoustasonic Player Telecaster
メリット
- アコギとエレキを融合させたフェンダー独自設計。
- ボディの薄さやコンター加工など、エレキギターのような抱え心地と演奏性。
- 生音はアコギの音、アンプではエレアコとエレキの両方の音色が出せる。
デメリット
- ボディが薄いので、アコギの生音の響きは乏しい。
- 使用するアンプによってサウンドが大きく変わるため、エレキギターアンプやエレアコ用アンプの選択が重要です。
こんな人におすすめ
- エレキとアコギのサウンドを1つのギターで手に入れたい人には最適です。
- Acoustasonicは新しいギターなので、その使い方も含めて、いろいろ試したくなるプレイヤーにおすすめです。
このギターが向いていない人
- 純粋なアコギが欲しい人。
- 迫力あるアコギの響きが欲しい人。
3位:PS-220E
メリット
- スタンダードな木材によるオール単板で、バランスに優れたサウンド。
- 高音域が際立つパーラー・ボディ・シェイプにより、フィンガースタイルに最適。
- ピエゾと内部マイクの2種類のピックアップにより、自然なアコギサウンドをアウトプット。
- インレイやロゼッタなど高級感あるルックス。
- スケールが短いので、弦が柔らかくエレキギタリストも安心。
デメリット
- ボディが小さく、弾き語りでは物足りなく感じるかもしれない。
こんな人におすすめ
- スムーズなフィンガースタイルの演奏性、温かくバランスの取れたフルトーン、そしてアンプを通しても素晴らしいサウンドを求めている人に、Fender PS-220E Parlorは素晴らしい選択肢です。
このギターが向いていない人
- フィンガースタイルを求めていない。
- 迫力ある低音域を求めている人。
4位:Redondo Classic
メリット
- オール単板のドレッドノートボディで、優れた響きと音量を提供。
- チューナー画面が大きく見やすいプリアンプを搭載。
- フェンダーならではのヘッドデザイン。
デメリット
- エレアコだけどカッタウェイが無いので、ハイフレットが弾けない。
こんな人におすすめ
- フェンダーのエレキギターの演奏性やデザインを好む人。
- ステージやスタジオでの使用を考えている人。
このギターが向いていない人
- 価格がやや高価な11万円。
5位:Malibu Vintage
メリット
- 手軽に持ち運んだり、ベッドルームギターとしても最適なミニギターサイズ。
- 明るく軽やかな音色。
- Fishmanプリアンプシステムは、チューナー機能を搭載。将来的にエレアコとしても使える。
デメリット
- 豊かな響きや、大音量は出せない。
こんな人におすすめ
- レジャーなど色々なところに持っていきたい。
- リビングや寝室などで、手軽にギターを弾きたい。
このギターが向いていない人
- 本格的なアコギが欲しい。
6位:American Acoustasonic Jazzmaster
メリット
- アコギとエレキを融合させたフェンダー独自設計。
- ボディの薄さやコンター加工など、エレキギターのような抱え心地と演奏性。
- アンプを繋がずに弾いてもアコギの音が出る。
- 3種類のピックアップを搭載した、無限の音作りが可能。
- エレキギターの音とアコースティックギターの音を1本のギターから出せる。
デメリット
- 使用するアンプによって音の出方が大きく変わる。
- ボディが薄いので、アコギの生音の響きは乏しい。
こんな人におすすめ
- エレキギターとアコースティックギターの両方の音を求める人。
- 家でアンプラグドで気軽に弾きたい人。
- ユニークなサウンドホールデザインや新しいギターの形状に興味がある人。
このギターが向いていない人
- 伝統的なアコースティックギターの形や音を求める人。
- エレキギターのフロントピックアップの音を重視する人。
フェンダーアコギのメリットとデメリット
フェンダーと言えば、エレキギターやアンプのブランドとして有名ですが、アコースティックギターのラインナップも充実しています。主な特徴やメリット、デメリットを紹介します。
唯一無二のルックス
フェンダーのアコースティックギターは、その独特のデザインが特徴的です。ヘッドの形状やボディシェイプ、ピックガードなど、一目でフェンダー製とわかるデザインは、他のブランドと大きく異なります。アコギには少ないカラフルなルックスが、最大の魅力です。
実用性が高い設計
多くのモデルがエレアコ仕様です。大手ピックアップブランドFISHMANと共同開発されたマイクやプリアンプを搭載。チューナーも内蔵しており、エレアコを使用しない初心者にも嬉しいです。
アコギでは珍しく最初からストラップピンが取り付けられています。ストリートライブやバンド演奏の際でもバランスが良く弾きやすい位置になります。
デメリット:アコギ上級者は満足できない
前述の通り、上級者やプロのミュージシャンにとっては、その音質や演奏性に物足りなさを感じることもあります。特に、豊かな低音や繊細な音色を求めるプレイヤーにとっては、フェンダーのアコースティックギターは必ずしも最適な選択とは言えないかもしれません。
上級者は弾き方や強弱で音色をコントロールします。フェンダーのアコギの多くは、そのニュアンスを再現する反応の良さを持っていません。
逆に言うと、どんな弾き方でもそれなりなサウンドになるので、初心者には扱いやすいと言えるかもしれません。
よくある質問
フェンダーアコギはなぜ安い?
価格設定が非常に手頃であることも大きな特徴の一つです。私見ですが、ギター業界で最もマーケティング予算があるフェンダーですから、”今は”初心者に対象を絞っているからだと思われます。
歴史上、フェンダーのアコギはエレキギターのように多くのギタリストに愛用されてきたとは言い難いです。そのため、上級者を納得させる前に、まずは初心者に対象を絞っているのでしょう。このギター人口を増やす戦略は、フェンダーが社を挙げて掲げている目標です。
モデルを絞ることで、効率的な生産システムと大量生産によるコストが削減でき、価格が抑えることができます。
安いからと言って、他社より品質が悪い=音が悪い・弾きづらいということはありません。
フェンダーのアコースティックギターはどこで作られている?
フェンダーの工場はアメリカとメキシコにあります。そのほか、日本、インドネシア、中国等に提携工場があります。
アコースティックギターも、Squierなどのエレキギターと同様に、自社工場ではなく提携工場で生産されています。
コストを抑えることを実現していますが、品質管理もしっかり行っているので粗悪品ではなく安心して使えます。
フェンダーアコギ使用アーティストはだれ?
YUIさん、新山詩織さんといった女性シンガーソングライターが、フェンダーのアコースティックギターを使用しています。CHAGE and ASKAのASKAさんもソロになってから愛用しています。
海外アーティストには、パンクバンドRancidのTim Armstrongが使用しており、シグネチャーモデルもあります。
いずれにしろ、シンガー・ソングライターに愛用者が多いのは、興味深いですね。
ボディサイズの違いは?
アコースティックギターのボディ形状は、その音色や抱え心地に大きな影響を与えます。フェンダーのアコースティックギターには主に以下の4つのボディ形状があります。
- ドレッドノート、Redondo:最も一般的な形状で、大きなボディと広いボトムエンドが特徴です。これにより、豊かで力強い音色と大きな音量を生み出します。リズムプレイに最適です。
- コンサート、オーケストラ、Newporter:ドレッドノートよりも少し小さく、よりバランスの良い音色を持っています。これにより、フィンガーピッキングやソロプレイに適しています。
- パーラー:小さな形状で、明るくてパンチのある音色が特徴です。また、小さなボディは抱えやすく、移動中の演奏に最適です。
- ミニギター、Malibu:小型のギターで、旅行やレジャーなど持ち運びに便利。ボディが小さいため、音量は少なめですが、明るくクリアな音色が特徴です。また、子供や小柄な人、弾きやすさと持ち運びやすさから選ばれることが多いです。
音の違いがよくわからない、どんな音が良いか選べない、という方は、「コンサート Newporter」の大きさが最も扱いやすいので、後悔しないでしょう。
Fenderアコギ種類解説ガイド
California Series
フェンダーアコースティックギターで最もおすすめなのが、Californiaシリーズ。エレキギターとアコースティックギターの特徴を融合した独特なデザインが特徴。
エレキギターであるストラトキャスターと同じ6インラインのギターヘッドを採用。アコースティックギターにもかかわらず、フェンダーらしいルックスを持つギターが完成しています。ナチュラル以外にも豊富でカラフルな塗りつぶし塗装とマッチングヘッドを基本としたデザインが特徴で、アコースティック専門ブランドではなかなか見られない個性的なモデル展開をしています。
また、演奏性を重視した設計も特徴的で、ネックには弾きやすいCシェイプを採用しています。スリムなテーパリング処理が施されたCシェイプは、エレキギターに慣れたプレイヤーも違和感なく弾けるでしょう。
ボディ形状
- Redondo(レドンド):ドレッドノートサイズ
- Newporter(ニューポーター):コンサートサイズ
- Malibu(マリブ):ミニギターサイズ
グレード
- Classic:Californiaシリーズの最上位機種。スプルーストップ・マホガニーサイドバックのオール単板。市場相場価格110,000円
- Special:オクメ材(マホガニー系)を採用したオール単板。市場相場価格99,000円
- Player:Californiaシリーズで最も安い機種で、一番おすすめ。市場相場価格56,100円。フェンダーオリジナルのルックスが、この価格で手に入るのは魅力的です。
- Vintage:1960年代製フェンダーアコギのデザインを踏襲したグレード。他のグレードとボディとヘッドシェイプは異なります。
Classic Design
Classic Design(クラシックデザイン)は、低価格のエントリーモデルです。優れたプレイヤビリティを追求し、滑らかなフィンガーボードエッジ処理が施された「Easy-to-Play」ネックを採用。
トップのみ単板、サイド&バックは合板です。
型番の後に”C”がついているものはカッタウェイ、”E”がついているものはエレクトリックアコースティック仕様を示しています。
エレアコ仕様モデルのプリアンプ(Fishman Presys)には、チューナーも搭載しています。
ボディ形状
Classic Designシリーズの型番は、CD、CC、CPの3種類で始まり、それぞれドレッドノート、コンサートサイズ、パーラーギターを表しています。
グレード
Classic Designシリーズは、「140」と「60」の二つのグレードがあります。
- 140:ハードケース付属。オバンコール材のサイドバック合板。ブラフテック社NuBoneナット。
- 60:ソフトケース付属。マホガニー材のサイドバック合板。プラスチック製ナット。
大きな違いは付属ケースです。
サイドバックによる木材やナット素材の違いはありますが、劇的な音色の差はありません。
例えばCC-60S Concertは、コンサートサイズのアコースティックギター。CD-140SCEは、ドレッドノートサイズで、カッタウェイがあるエレクトリック・アコースティックギターです。
Paramount Series
フェンダーアコースティックギターの最上位シリーズ。
オール単板モデルとオフセットのXブレーシングパターンから、豊かで深みのある音色と優れたレゾナンスを提供。
フェンダーとフィッシュマンが共同で設計したソニトーン・プラスピックアップを採用。これは、ボディの振動を感知するボディセンシングピックアップと、サドル下のピックアップをブレンドすることが可能で、多彩なサウンドメイクを実現します。安いエレアコにありがちな、チープなサウンドではありません。
ルックスにはビンテージ感と高級感を演出。サウンドホールに取り付けられたコントロール部や、スノーフレイク形状の指板インレイ、フェザーパーフリング、ロゼッタ、バックストリップ、タイガーストライプのピックガードなど、細部にまでこだわったデザインが施されています。
ボディ形状
Paramount Seriesの型番は、PD、PO、PSの3種類で始まり、それぞれドレッドノート、オーケストラ、パーラーを表しています。
Acoustasonic
アコースティソニックシリーズは、アコースティックギターとエレクトリックギターの良さを融合した新しいタイプのギターです。アコースティックギターとしての豊かな音色と、エレクトリックギターとしての多彩な音作りが可能です。
・Fenderのアコースタソニックってどんな楽器?・テレキャスとストラトとジャズマスターの違いは?・それぞれの内蔵音や聞き比べがしたい。 現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)です。 […]