Fender Acoustasonic レビュー Telecaster / Stratocaster / Jazzmaster の違い

Fender Acoustasonic レビュー Telecaster / Stratocaster / Jazzmaster の違い

Acoustasonic特徴

エレキギターとアコギの融合させた唯一無二の全く新しいギターです。

エレキギターの様な薄いボディでいて、アコギとも異なる独自のサウンドホールを持った構造。

StringedInstrument Resonance System(SIRS)はウォーターフォール(訳:滝)という独自設計のサウンドホール。

エレキギター並みのボディの厚さですが、アコギのようなナチュラルなサウンドと倍音を生み出します。

実際にアンプを繋がずに弾いても、結構大きな音がします。

家でアンプラグドで気軽に弾くのには良いですが、集合住宅だと夜間のストロークは避けた方が良いかかもしれません。

そこにタイプが異なる3種類のピックアップを搭載。

・エレキギター同様のマグネティックピックアップ(Fender Noiseless Gen4)

・エレアコ同様アンダーサドルのピエゾピックアップ(Fishman Undersaddle Transducer)

・ボディ内部に仕込まれボディトップの振動や打音を拾う(Fishman Acoustic Enhancer)

ボディの厚さやネック、スケールなどはエレキに近く、弦やブリッジ周りはアコギに近いため、演奏感もそれぞれの中間的とも言えます。

音だけを聞けば普通にエレキギターの音とアコースティックギターの音です。

これが1本のギターから出ているのが驚異的ですね。

シリーズ唯一のハムバッカー搭載のジャズマスターではメタルまで行けそうです!

基本的なスペックはAcoustasonic の3機種とも共通しています。

ボディ マホガニー
ボディフィニッシュ ポリエステル塗装サテン仕上げ
ネック マホガニー
ネックフィニッシュ ウレタン塗装サテン仕上げ
スケール 25.5″ (648mm)
指板 エボニー
指板ラディアス 12″ (305mm)
フレット 22, ナロートール
ナット幅 1.6875″ (42.86 mm)

トップ材のスプルース、マホガニーネックとエボニー指板といった木材の組み合わせはアコースティックギターを意識しています。

スケールやナット幅、指板ラディアスなどはエレキでもアコギでも採用されるスペックで、

どちらのプレイヤーにも違和感なく演奏できると思います。

ボディ及びブリッジの構造から、基本的にはアコースティックギター弦を使うことにはなります。

Acoustasonic内蔵ボイス一覧

FISHMANとの共同開発によるアコースティックエンジン(いわゆるモデリング)のアコースティックサウンドが、各機種により異なります。

これらは5段階のピックアップセレクターのポジションで選択し、

ModノブでAとBのサウンドキャラクターを無段階でブレンドできます。

片方に前回にすればどちらか片方だけのサウンドが得られます。

内蔵モデリングVOICE SELECTIONを以下の表にまとめました。

Acoustasonic Telecaster サウンドボイス一覧

Telecaster A B
ポジション1:
エレクトリック
フェンダーエレクトリッククリーン: マグネティックPUによるエレキサウンド フェンダーエレクトリックファット/セミクリーン:
マグネティックPUによるエレキサウンド
ポジション2:
アコースティック&エレクトリックブレンド
シトカスプルース/マホガニードレッドノート:
Martin D-18風。濃密な中音域とワイドレンジなアコギサウンド。
セミクリーン:
アコギサウンドにエレキサウンドをブレンド。
ポジション3:
パーカッション&エンハンスドハーモニクス
シトカスプルース/ブラジリアンローズウッドドレッドノート:
ヴィンテージD-28風。リッチかつ重厚なアコギサウンド。
ボディ内部ピックアップのブレンド:
アコギサウンドにボディヒットやハーモニクスをブレンド。
ポジション4:
オルタナティブアコースティック
イングルマンスプルース/メイプルスモールボディ:
パーラーサイズアコギ。明瞭なサウンドでタッチにも追従します。
シトカスプルース/マホガニードレッドノート:
Martin D-18風。濃密な中音域とワイドレンジなアコギサウンド。
ポジション5:
コアアコースティック
シトカスプルース/ローズウッドドレッドノート: Martin D-28風。トラディショナルなアコギサウンド。 アルパインスプルース/ローズウッドオーディトリウム:
モダンでポップなアコギサウンド。

Acoustasonic Stratocasterサウンドボイス一覧

Stratocaster A B
ポジション1:
エレクトリック
エレクトリックファット/セミクリーン: マグネティックPUによるエレキのクリーンサウンド。 エレクトリックダーティ:
マグネティックPUによるエレキのクランチサウンド。
ポジション2:
アコースティック&エレクトリックブレンド
イングルマンスプルース/ローズウッドドレッドノート:
深い低音域とクリアな高音域のトラディショナルなアコギサウンド。
セミクリーン:
アコギサウンドにエレキサウンドをブレンドできます。
ポジション3:
パーカッション&エンハンスドハーモニクス
シトカスプルース/ローズウッドオーディトリウム:
Martin 000-28風。タイトかつブライトでストロークにもフィンガーにも最適。
ボディ内部ピックアップのブレンド:
アコギサウンドにボディヒットやハーモニクスをブレンド。
ポジション4:
オルタナティブアコースティック
シトカスプルース/ウォルナットスモールボディ,ショートスケール:
明瞭でニュアンスも出るフィンガースタイルに最適。
シトカスプルース/マホガニードレッドノート:
Gibson J-45風。ドライでオーガニック、ストロークに最適なアコギサウンド。
ポジション5:
コアアコースティック
シトカスプルース/マホガニードレッドノート: Martin D-18風。濃密な中音域とワイドレンジなアコギサウンド。 シトカスプルース/ローズウッド,スロッテッドヘッドコンサート:
明瞭でダイナミック、フルバンドでの使用にも最適。

Acoustasonic Jazzmaster サウンドボイス一覧

Jazzmaster A B
ポジション1:
エレクトリック
エレクトリックファット/セミクリーン: ハムバッカーPUによるエレキのクリーンサウンド。 エレクトリックオーバードライブ:
ハムバッカーPUによるオーバードライブサウンド。
ポジション2:
 
Lo-Fi Piezo:
ピエゾピックアップのみによるエレアコサウンド。
Lo-Fi Piezo クランチ:
ピエゾサウンドに、オーバードライブサウンドをブレンド。
ポジション3:
パーカッション&エンハンスドハーモニクス
ローズウッドオーディトリウム:
Martin 000-28風。タイトかつブライトでストロークにもフィンガーにも最適。
ボディ内部ピックアップのブレンド:
アコギサウンドにボディヒットやハーモニクスをブレンド。
ポジション4:
オルタナティブアコースティック
マホガニージャンボ:
Gibson SJ-100風。ラウドでエアー感のあるアコギサウンド。
オールマホガニースモールボディ:
ウォームでタイトなフィンガースタイルに適したサウンド。
ポジション5:
コアアコースティック
ローズウッドドレッドノート: Martin D-28風。温かみもあり明瞭で、倍音も豊かなアコギサウンド。 マホガニースロープショルダー:
Gibson J-45風。ドライでオーガニックなストロークに最適なアコギサウンド。

Acoustasonicデメリット

エレキ弦が使いづらい

使用アンプに注意

エレキPUはリアピックアップのみ

デメリット①:エレキ弦が使いづらい

工場出荷時の弦はアコースティックギター用の弦です(Fender Dura-Tone 860CL Coated Phosphor Bronze(.011-.052 Gauges))。

ボディをしっかり響かせるためにある程度の太さが良いですが、

エレキギターの様にチョーキングなども取り入れやすいようカスタムライトゲージが採用されています。

エレキ弦とアコギ弦は材質の違い以外にも、3弦がプレーン弦か巻き弦かで異なり演奏性にも違いがあることに加え、

ブリッジサドルがアコギ弦でオクターブピッチを合わせる構造になっています。

以上からエレキ弦を使うことはややネガティブで、楽器の特性自体はアコースティックギターのキャラクターが強いと考えた方が良さそうです。

デメリット②:使用アンプに注意

公式動画のアコースティックサウンドはPA用で鳴らしています。

エレキの音もアコギの音も出せるとても便利なギターではありますが、

アンプの影響も多分に受けるため、どんな音をメインで使うかによって使用するアンプを選ぶ必要があります。

ギター1本で無限のサウンドが作れる分、ちょっと面倒ではありますが

例えばエレキサウンドがメインでそこにアコースティックなフィールを加えたいならクリーンchのアンプで良いですし、

アコギサウンドを綺麗に鳴らしたいならアコースティック用アンプに繋ぐのが最適です。

公式動画の様にスイッチングでアコギアンプとエレキアンプを切り替えるか、

アコギ用アンプに接続して、エレキ使用時用にエレキ用ペダルプリアンプなどをかませるのも良いでしょう。

デメリット③:エレキPUはリアピックアップのみ

構造上、仕方がありませんが、エレキのピックアップはリアピックアップの位置にはなります。

特にシングルコイルはフロントピックアップが重宝されますからちょっと残念。

クリーンで滑らかなサウンドはアコギサウンドに任せた方が良さそうです。

逆にリアPUでエッジを効かせたサウンドが使えるので、全体のサウンドの守備範囲は広くなっていると言えそう。

Acoustasonicの違いと選び方

現在Acoustasonicはテレキャスター、ストラトキャスター、ジャズマスターの3機種。

その他、限定モデルとしてトップ材にスプルースではなくエキゾチックウッドを採用しているモデルもありますが、

選ぶポイントは次の3つ

エレキPUの構造

ボディ内部PUとの組み合わせのアコギモデリング

ルックス

ポイント①:エレキPUの構造

テレキャスターとストラトはシングルコイルピックアップ、

ジャズマスターがハムバッカーです。

またジャズマスターのみポジション2の、アコギサウンドにブレンドされるエレキ音が歪みます。

ポイント②:ボディ内部PUとの組み合わせのアコギモデリング

ポジション3ではボディ内部に内蔵されたFishmanアコースティックエンハンサーが機能します。

スラム奏法をしたり、ルーパーで重宝されるボディヒットの音と組み合わされるアコギサウンドのキャラクターにも違いがあります。

テレキャスターでは低音が豊かなでレンジの広いローズウッドサイドバックのドレッドノート、

ストラト・ジャズマスはクリアなサウンドの、ローズウッドサイドバックのオーディトリウム(000)です。

こちらの動画で比較されています。

ポイント③:ルックス

最後にルックス。

アコギモデリングの種類はどの機種も多いので、欲しいエレアコサウンドはだいたいどれでも得られます。

なのでポイント①と②を基準にすれば良いです。

ボディシェイプは見た目以外にもボディの容積は異なりますし、

大きいジャズマスターは若干ボディの響きも豊かに感じます。