・パワーサプライがエフェクトボード内で邪魔になっている
・Vital Audio VA-08 Mk-IIとCAJはどっちが良いか迷っている
という方向けに、現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)が解説します!
DC/DC Station II 特徴
①:省スペース軽量かつノイズを軽減
②:アナログ/デジタルエフェクター混合使用可能なフルアイソレート出力
③:付属ケーブルで最大1,000mAや、18V出力も可能
特徴①:省スペース軽量かつノイズを軽減
数あるパワーサプライの中でも小さいサイズ、しかも 197 x 34.2 x 27 mm/210g という横長で奥行きも無いのでエフェクターボードに配置しても邪魔にならない形状です。高さも低いのでスノコ式ボードなら裏に仕込めます。
重量も210gと非常に軽量。
DC・DC Stationはハイゲインアンプに接続されるギター用エフェクターへの電源供給を前提にデザインされたフィルター回路により、スイッチング電源特有のパルスノイズを限界まで低減させた
https://www.okada-web.com/caj/dcdc-station より引用
とある通りローノイズ、そして発熱の少なさを実現しています。
特徴②:アナログ/デジタルエフェクター混合使用可能なフルアイソレート出力
安価なパワーサプライは出力が独立していないものも多く、アナログエフェクターと空間系などでよくあるデジタルエフェクターを同時に使用するとノイズが発生してしまいます。
一方DC/DC Station IIは全ての出力ポートはアイソレート(独立)しているため、アナログとデジタルエフェクターを同時に使っても問題ありません。
特徴③:付属ケーブルで最大1,000mAや、18V出力も可能
付属品も豊富で、2000mAの電源アダプター、本体とエフェクターを繋ぐDCケーブルが8本、センターマイナス出力をセンタープラスに反転させるリバースケーブルに加え、Current Doubler CableとVoltage Doubler Cableが付属。
Current Doubler Cable はY字ケーブルで出力を2つ使い、150mA出力を2つ使って300mAの供給もしくは、500mA出力を2つ使って1,000mAに供給電流を増やせます。
500mA出力だけでも多くのデジタルエフェクターは駆動できますが、さらに容量が必要な大型デジタルエフェクターの駆動などにも使えます。
Voltage Doubler Cable もY字ケーブルでこちらは出力を2つ使い、9Vの出力を18Vにすることができます。18V駆動に対応している歪みエフェクターで使用すると、解像度が高くクリアな音になるといった効果が得られます。
初代DC/DC Stationとの仕様比較
DC/DC Station II | DC/DC Station | |
---|---|---|
出力数 | 8個 | 8個 |
出力 | 150mA*6個、500mA*2個 | 100mA*6個、500mA*2個 |
出力極性 | センターマイナス | センターマイナス |
フルアイソレート | 〇 | 〇 |
合計最大電流量 | 2,000mA | 2,000mA |
付属品 | DC12V電源アダプター x 1 CAJ DC Cable 2.1 x 8、Current Doubler Cable x 1、Voltage Doubler Cable x 1、リバースケーブル x 1 | DC12V電源アダプター x 1 CAJ DC Cable 2.1 x 8、リバースケーブル x 1 |
本体サイズ | 197 x 34.2 x 27 mm/210g | 197 x 34.2 x 27 mm/210g |
アダプターサイズ | 43.4mm x 54.1mm x 82mm/105g | 43.4mm x 54.1mm x 82mm/105g |
価格 | 13,200円(税込) | 13,200円(税込) |
違いは
・特徴③で挙げた付属品が増えたこと
・100mA出力6個が150mA出力6個
になったことだけでサイズや重量なども同じです。
わざわざ買い替えるほどではありませんが、価格も据え置きなので今から買うなら完全上位互換と言える2の一択でしょう。
デメリット:1A出力でもHX Stomp非対応
付属のカレントダブラーケーブルにより1A出力が可能なため、数値上Line6 HX StompやBOSS GT-1000COREなど駆動できるはずなのですが、CAJが公開している動作確認機器リストでは両機種ともに非対応とあります。
https://www.okada-web.com/caj/doublercable-informations
大事を取ってそう表記しているのか、DC/DC Staionの仕様上から本当に使用できないかは不明ですのでお試しは自己責任で。
Vital Audio VA-08 Mk-IIとの比較
サウンドハウスでも初めてのパワーサプライとして人気の当機種と比べてみます。
CAJ DC/DC Station | Vital Audio VA-08 Mk-II | |
---|---|---|
出力数 | 8個 | 8個 |
出力 | 150mA*6個、500mA*2個(すべて9V) | 500mA*6個、800mA*2個(9/12/18V切替) |
出力極性 | センターマイナス | センターマイナス |
アイソレート | 〇 | 〇 |
合計最大電流量 | 2,000mA | 2,000mA |
付属品 | DC12V電源アダプター x 1 CAJ DC Cable 2.1 x 8、Current Doubler Cable x 1、Voltage Doubler Cable x 1、リバースケーブル x 1 | DC12V電源アダプター x 1 DC ケーブル x 8、 電圧昇圧用Yケーブル x 1、電流分配用Yケーブル |
本体サイズ | 197 x 34.2 x 27 mm/210g | 140 x 70 x 30 mm/238g |
価格 | 13,200円(税込) | 9,280円~10,000円前後 |
両機種ともに出力はフルアイソレートのため、アナログエフェクターとデジタルエフェクターの同時接続はok。
出力数も8個と同じですが、各出力毎の供給電流量はVA-08 Mk-IIが多い一方、本体サイズや付属ケーブルによる最大1A出力はDC/DC Station IIに軍配が上がります。
またレビューでもいくつか目にしますし体感したことがあるのですが、VA-08 Mk-IIはエフェクターの組み合わせによってノイズが気になることがありました。DC/DC Station IIの方がノイズ面について優れていそうです。
どちらも一長一短ですね。まとめると
Vital Audio VA-08 Mk-IIがおすすめの人は
・それなりに良質ながらも安いものが良い
・500mA程度のデジタルエフェクターを3個以上使う
・使用するエフェクターの電圧が9V/12V/18Vと混在している
CAJ DC/DC Staion IIがおすすめの人は
・コンパクトな本体、細長い形状でボードに収めたい
・ローノイズにこだわりたい(ハイゲインな歪みを使う)
・800mA以上1A以下のエフェクターを1個使う
そのほかおすすめのパワーサプライはこちらの記事をご覧ください。