【コスパ〜最高品質まで】おすすめパワーサプライ19選と選び方

 
●パワーサプライって必要?
●どのパワーサプライが良いかわからい
●パワーサプライの選び方は?
●コスパが良いパワーサプライは?
●使っているパワーサプライだとノイズが出ている

という人に、楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)が徹底解説!

この記事はおすすめのパワーサプライを、ただ羅列したわけではありません。

メリットとデメリットを挙げたガチレビューです。

あなたにピッタリのパワーサプライが見つかります。

エフェクターを3個以上使うなら、パワーサプライは必須アイテム。
予算が無いなら安くてもいいけど、音質向上やノイズ対策は期待できません。

人気のVital Audioはあんまりおすすめしません。

コスパ最強のパワーサプライはCAJ DC/DC Station IIか、K.E.S. KIP-V.A.C.9。
9台以上のエフェクターを使うならFender Engine Room LVL12。
音質重視ならFree The Tone PT-3Dか、strymon Ojaiがおすすめです。

目次

パワーサプライで音は変わる

音作りに悩んでいるなら電源も見直すべき

音作りに悩んでいろんなエフェクターや弦を試す前に、電源を見直しましょう。

良いパワーサプライを導入するだけで、音作りの悩みが一発で解決するかもしれません。

エレキギター・ベースの電流は非常に微弱です。

それを電気の力よって、聞こえるまでに増幅しています。

つまり音の源は電気です。この電気の質が良くなければ当然良い音になりません。

キレイな水や土地じゃないと、野菜や果実が美味しく実らないのと同じです。

音作りに悩む前に、まずは上質なパワーサプライを使ってみてください。

パワーサプライは全ギタリスト必須

今やパワーサプライはギタリスト必須の機材です。

パワーサプライは複数台のエフェクターへ、安定した電源を供給します。

ほとんどのギタリストが、エフェクターを3台以上使用しているのではないでしょうか?

それぞれのエフェクターに別々のアダプターを使うにも、コンセントがたくさん必要で煩わしいです。

電池を使う場合は、ランニングコストが馬鹿になりませんし、電池切れのトラブルも発生します。

複数のエフェクターを使っても、ノイズが少なく良い音を出力できるパワーサプライは、現代のギタリスト必須の機材です。

分岐ケーブルはおすすめしません

複数台のエフェクターを、1個の電源アダプターで駆動できる分岐ケーブル(デイジーチェーンケーブル)ですが、正直おすすめしません。

安いのでこれでいいやと思われがちですが、音質やノイズの観点からパワーサプライと比べて良いことはひとつもありません。

また、使っていないプラグに導電体が触れると、エフェクターやアダプターが故障する恐れもあります。

価格以外に良いことはないので、せっかく買ったエフェクターが良い音で鳴らせなかったり、最悪壊す可能性がある分岐ケーブルはおすすめしません。

パワーサプライの違い・選び方

パワーサプライは各社から様々な製品が発売されています。

仕様の違いは下記の内容が挙げられます。

予算 ≒ 音質・ノイズ対策

パワーサプライには数千円で買えるものから、電源を供給するだけなのに数万円するものまで価格帯の幅が広いです。

簡単に言うと、高いパワーサプライの方が、音の良く(解像度が高い・リッチに感じるなど音にポジティブな影響がある)ことと、ノイズが少ないです。

安いパワーサプライは、以下の点に納得できる人じゃなければおすすめしません。

●エフェクターの電源が入って音が出れば良い
●場所によってノイズが大きくなっても諦められる
●音にはあまりこだわらない

上記が気になるタイプの人はギターを弾いていて、「なんとなく音に納得できない」、「もっと良い音になるのでは?」と思いながら弾くことになるので、良いプレイはできません。

後述のおすすめパワーサプライから選んでください。

アナログとデジタルエフェクターを同時に使う(アイソレート)

初めてパワーサプライを導入するときに、忘れがちなのがこの項目です。

アナログエフェクターとデジタルエフェクターを同時に使用する場合は、各出力がアイソレート(独立)されたものを選ぶようにして下さい。

そうしないと、デジタルチップから発生するノイズが、電源を通してアナログエフェクターに侵入し増幅されてしまいます。

最大何台のエフェクターを使うか(出力数)

使っているエフェクターの台数より、電源の供給出力口数が多いものを選んでください。

いくつかの機種では2台のパワーサプライをケーブルで接続して、

1台あたり及び合計の消費電流容量(mA)

vital-audio-va-12

エフェクターを駆動させるために必要な消費電流量があります。

歪みエフェクターなどアナログエフェクターの多くは、数十mAしか使用しないので気にする必要はありません。

空間系エフェクターや、ZOOM MS-50Gやstrymonなどのデジタルエフェクターでは500mAが必要です。

一部パワーサプライでは電流量が足りず、使えないのでパワーサプライの出力消費電流量も確認してください。

またパワーサプライに接続する、すべてのエフェクターの合計の消費電流量も重要です。

例えば500mA出力が5口ありすべて接続すると500mA x 5 = 2,500mAです。パワーサプライの最大供給電流量が2,000mAの場合は、足りなくなってしまいます。

エフェクターが駆動する電圧(9V 18V)

エフェクターの多くは9Vで駆動しますが、中には18V、まれに12Vで駆動するエフェクターも存在します。

そのようなエフェクターを持っている場合は、その電圧で出力できるパワーサプライを選ぶ必要があります。

9Vから18Vまで出力電圧を切替できるパワーサプライもあります。

【注意】9Vのエフェクターに18V出力のパワーサプライを接続すると、エフェクターが壊れる場合があります。

極性は変換プラグで対処可能

ほぼすべてのパワーサプライの出力はセンターマイナスで、ほとんどのエフェクターはセンターマイナスで駆動します。

たまにセンタープラス端子のエフェクターや、昔のProCo RATがピンだったりしますが、変換プラグもあります。

変換プラグを利用すれば、パワーサプライでも問題なく使えます。

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エフェクターボードに収まる本体サイズ

パワーサプライは大きさも様々です。

出力数や電源ケーブルなど仕様によって、本体の大きさが変わります。

すのこ型エフェクトボードの場合は、ボードの裏側に収まる厚さかどうかもチェックしましょう。

エフェクトボードに収まるサイズを選ぶようにしましょう。

おすすめのパワーサプライ17選

おすすめのパワーサプライ18機種それぞれの、メリット・デメリットを紹介。

すべて見るのが面倒な人は、この表を見て気になる機種をチェックしてみてください。

あなたの気持ちおすすめ機種価格
とにかく安いDonner4,000円前後
小さくて安いOne Control Distro10,450円
難しくてよくわからないVital Audio VA-08 MK II13,700円
1端子で800mAほしいMXR M23915,000円前後
コスパとサイズ重視CAJ DC/DC Station II14,850円
コストと音質重視K.E.S KIP-V.A.C.922,000円
9個以上のエフェクターを使うFender Engine Room LVL1227,500円
とにかく超低ノイズ重視VOODOO LAB Pedal Power 4X431,900円
とにかく音質重視Free The Tone PT-3D24,200円
音質重視でデジタルエフェクター多く使うstrymon Ojai27,800円

【格安】Donner

仕様
市場相場売価4,000円前後
アイソレート
出力端子10個・9V 100mAが7個・9V 500mA・12V 100mA・18V 100mA
合計消費電流量1,400mA
サイズ150 x 52 x 35 mm
質量530g

メリット:安い

エフェクターは3台くらい持っているけど、予算が5,000円以下という人向け。

エフェクターを接続して、コンセントをひとつ繋げばすべてのエフェクターが駆動するので、セッティングは楽になります。

デメリット:品質は低い

音の良さを求めるならおすすめしません。

Amazonのレビューでも「問題なく使えた」というのは、音にこだわりが無い人なら嘘ではないと思います。

一方でノイズが気になる、一部出力が使えないといったレビューもあり、こちらも嘘ではないでしょう。

アイソレートともありますが、はっきり言って眉唾ものです。

繰り返しますが、安いので音もそれなりで、ノイズが出ることもあります。せっかく買うパワーサプライとしては、あまりおすすめましません。

ちなみにAmazonでは他にもRowinなど、中華系ブランドがいくつかあります。この辺の品質はどれもそんなに変わりません。価格・大きさ・出力数だけで判断しても良いでしょう。

こんな人におすすめ

●エフェクターの電源が入って音が出れば良い
●使う場所によってノイズが大きくなっても諦められる
●音にはあまりこだわらない

【最小サイズ】One Control Distro

メリット:最小サイズで歪みエフェクター向き

普通のエフェクターの半分以下のサイズなのに、最大10個のエフェクターに電源供給できる、最小サイズパワーサプライの決定版です。

9V出力端子は、新品の電池の電圧を再現した9.6V出力。エフェクターを故障させるほどの高い電圧ではないので、ご安心ください。

電圧が少し高いので、音の解像度が上がる感じがします。

また、最近の歪みエフェクターでは9Vから18Vの電圧に対応したものもあります。

高い電圧で使用すると、レンジが広がりニュアンスが出やすい音になります。

Distroは9Vと18V出力を備えているので、お好みの電圧で使えます。

デメリット:アナログ・デジタル混在に不向き

メーカー説明文では、「各端子ごとの出力を制限していないので、消費電流量の多いデジタルエフェクターもご使用いただける」とありますが、アナログエフェクターも同時に使えないづらいです。

出力はアイソレートされていないからです。アナログエフェクターとデジタルエフェクターを同時に接続するとノイズが出ることがあります。

デジタルエフェクターだけ使えば良いと思っても、最大消費電流量が1,000mAなので、デジタルエフェクターだと2,3台が限界です。

バリエーション:Distro・DC Porter仕様比較

Distro
DC Porter
仕様DistroDC Porter
市場相場売価10,450円9,350円
アイソレート
出力端子10個・9Vが8個で合計800mA・18V 100mAが2個で合計200mA10個・9V
合計消費電流量1,000mA1,000mA
サイズ38 x 92 x 36 mm39 x 98 x 34 mm
質量225g220g

Distroは電源アダプターから電源を供給しますが、DC PorterはUSB電源でエフェクターへ電源供給できます。

スマホ用の充電器やモバイルバッテリーからも供給できるということです。

出力は9V端子10個で、最大1,000mA。

出力が低い充電器だと真価を発揮できないので、高出力のUSBバッテリーなど持っていないなら、Distroの方が安く付きます。(高出力のUSB充電器も高価です。)

こんな人におすすめ

●とにかく小さいサイズが良い
●歪みエフェクターを複数台使う
●アナログエフェクターのみ使う
●デジタルエフェクターは使わない

One Controlのパワーサプライは本体のみの単体販売もしています。一見安く飛びついてしまいそうですが、電源アダプターやエフェクターと接続するDCケーブルが付属していません。

はじめてのパワーサプライであれば、All in One Packと書いてある方を選んでください。

Vital Audio POWER CARRIER VA-08 MKII

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メリット:各500mAの大容量でフルアイソレート

1万円台前半の価格でありながら、スペックはかなり高いです。格安モデルよりも断然音は良いです。

6個の9V出力端子は、それぞれが最大500mA出力が可能。

小型マルチエフェクターも駆動できる容量です。

加えて、9V/12V/18Vの切替ができる出力も2個あり、こちらは最大800mA出力。

さらに、フルアイソレートなので、アナログエフェクターとデジタルエフェクターを同時に使ってもノイズが少ない設計です。

デメリット:ノイズが出る報告多数

スペック上はフルアイソレートとありますが、アナログエフェクターとデジタルエフェクターを同時に使うと、ノイズが出たという報告も多いです。

価格を抑えるために、ノイズを完全にシャットアウトできる構造になっていないようです。

音質にこだわる人には、おすすめできません。

バリエーション:VA-12・VA-08MKII仕様比較

VA-12
vital-audio-va08mk2
VA-08 MK II
仕様VA-12VA-08 MKII
市場相場売価15,840円13,700円
アイソレート
出力端子12個・9V(最大300mA)が9個・9V/12V/18V可変(最大500mA)が3個9個・9V(最大500mA)が6個・9V/12V/18V可変(最大800mA)が2個
合計消費電流量3,000mA2,000mA
サイズ192 x 70 x 30 mm140 x 70 x 30 mm
質量365g238g

こんな人におすすめ

●はじめてパワーサプライを買う
●格安は不安だけど2万円超えは予算オーバー
関連記事

全ての端子がアイソレートされたパワーサプライの中では、 比較的安価で人気のVA-08 Mk-IIをベースに出力端子を8個から12個に増やしたパワーサプライVA-12が登場。Vital Audio VA-12 特徴h[…]

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【最大800mA出力】MXR M239:MINI Iso-Brick Power Supply

メリット:1端子で最大800mA

日本市場では1端子では最大出力の800mA出力端子があります。

TwitterではKORG SDD3000(600mA)が駆動できる貴重なパワーサプライとご報告いただきました。

フルアイソレートなので、デジタルとアナログエフェクターを混在させることも可能です。

デメリット:DCケーブルがゆるい

エフェクターへ電源供給するためのDCケーブルを、接続する出力端子がゆるいです。

海外ユーザーのレビューでは、ケーブルが少し動いただけで電源が落ちてしまうと報告もあり、使用するDCケーブルの選択には注意が必要のようです。

L字プラグのDCケーブルを使うのが良いことと、場合によってはマスキングテープで固定するなど対処が必須です。

バリエーション:M239・M238仕様比較

M239
M238
仕様M239:MINI Iso-Brick Power SupplyM238:Iso-Brick Power Supply
市場相場価格14,000〜16,000円23,000〜25,000円
アイソレート
出力端子5個・9V(最大300mA)が4個・9Vor18V(最大800mA)が1個10個・9V(最大100mA)が2個・9V(最大300mA)が2個・9V(最大450mA)が2個・18V(250mA)が2個・6〜15V可変(最大250mA)が2個
最大消費電流量2,000mA2,000mA
サイズ94 x 39 x 28 mm45 x 119 x 73 mm
質量125g非公表

M238は出力が10個で多いですが、最大出力は1端子の450mAになってしまい、デジタルエフェクターへの対応力が低いです。

しかし、このサイズで最大10台への電源供給は多いですね。

ただし、こちらも同様にDC端子がゆるく対策が必要です。

また、価格もそれなりにするので、M238を現在選ぶ理由はあまりない印象です。

こんな人におすすめ

●500mA以上のエフェクターが必要
●それなりに安いパワーサプライが良い

【コスパ最強:省スペース】CAJ DC・DC Station II

仕様
市場相場売価14,850円
アイソレート
出力端子8個・9V(最大150mA)が6個・9V(最大500mA)が2個
合計消費電流量2,000mA
サイズ197 x 34.2 x 27
質量210g

メリット:省スペースかつ低ノイズ

どんなエフェクターボードにも設置しやすい、横長で奥行きと高さが無い、唯一無二の細長サイズ。

高さも低いのでスノコ式ボードなら裏に仕込めます。重量も210gと非常に軽量。

出力はフルアイソレートで、アナログとデジタルエフェクターを同時に使用してもローノイズです。

Vital Audioのようなノイズ報告がなく、CAJの方が品質は高いです。

消費電流量が多いエフェクターには、付属のケーブルを使い最大1,000mAにまで対応できます。

ネオソウルギターでおなじみ、ソエジマトシキさんはstrymonからこのCAJ DC・DC Stationに乗り換えたそうです。

デメリット:18V出力には2口必要

出力は全て9Vです。新品電池のような強めの電圧ではありません。

また、18Vエフェクターを使いたい場合は、付属のケーブルを使って出力を2口使えば18Vに昇圧することはできます。

こんな人におすすめ

●はじめてのパワーサプライ
●小型エフェクターボードで使いたい
●すのこ型ボードの裏側に仕込みたい
●デジタルエフェクターは最大2個
●高価すぎずローノイズが良い

【コスパ最強:高音質】K.E.S KIP-V.A.C.9

メリット:あらゆる歪みエフェクターに最適

オーバードライブからディストーション、ファズまで、あらゆる歪みエフェクターに最適です。

通常出力は9.8V、高負荷時でも9.4Vで出力なので、解像度が高くクリアなサウンドになります。

3つのV.A.C.(Voltage Adjust Control)端子では、6.5Vから18Vまでをつまみで好みの電圧に調整可能。

ファズやオーバードライブなど、切れかけの電池を使う事で得られる独特のサウンド。切れかけの電池を常に用意するのは難しいですが、V.A.C.を使い定電圧に調整することで、いつでも安定的に供給できます。

どんな歪みエフェクターでも電圧変化でも音色調整が追い込むことができ、納得のサウンドメイクが可能です。

9つ全てフルアイソレート回路で、アナログとデジタルエフェクターの同時使用も安心。

フルアイソレートで、9.8Vの高電圧はこの機種くらいしか市場にありません。

デメリット:見た目が独特

デザインと色がギター機材っぽくありません。

エフェクトボードに設置したときの好みが分かれますね。

バリエーション:KIP-V.A.C.9・KIP-001仕様比較

KIP-V.A.C.9
KIP-001
仕様KIP-V.A.C.9KIP-001
市場相場売価22,000円9,900円
アイソレート
出力端子9個・9.8V(最大550mA)が6個・6.5V~18V(最大500mA)が3個5個・9.4V(最大500mA)が4個・9V/12V/18V(最大500mA)が1個
合計消費電流量9.8Vで約2,700mA(27W)2,000mA
サイズ180 x 60 x 35 mm80×80×25mm
質量315g144g
生産国中国中国

そのうち4つは9.4V以上の圧強め出力(VAC9よりは低いです)、もう1つは9V/12V/18Vの切替が可能です。

こんな人におすすめ

●複数の歪みエフェクターを使っている
●ファズの電圧にこだわりたい
●クリアでレンジが広いサウンドが良い

【大型】Fender Engine Room LVL12

メリット:最大12個使用可能で電源ケーブル直挿しによりノイズレス

Fender Engine Roomはノイズレスなパワーサプライです。

多くのパワーサプライは、電源にスイッチングのアダプターを採用しており、ノイズの原因になり得ます。

しかしエンジンルーム本体への電源供給は、電源ケーブルを使用します。(IEC コネクター)

そのため、ノイズが少なく、どんなエフェクターも安心して最大12個まで使えます。

世界的にはVOODOO LABやstrymonにも大型パワーサプライが販売されていますが、日本ではPSE等の観点から流通していません。

そのため、高品質な12個の大型パワーサプライは、日本ではFender一択と言えます。

デメリット:サイズが大きい

軽量で耐久性のあるアノダイズドアルミニウムを採用し、デザインも洗練されていますが、サイズがとにかく大きいです。

ノイズレスにこだわった結果と言えますが、エフェクターボードに収める際はサイズをしっかり確認しましょう。

バリエーション:Engine Room LVL12/LVL8/LVL5仕様比較

仕様Engine Room LVL12Engine Room LVL8Engine Room LVL5
市場相場売価27,500円22,000円13,200円
アイソレート
出力端子12個・9V(最大500mA)が10個・9V/12V/18V(最大500mA)が2個.+USB-A+USB-C8個・9V(最大500mA)が6個・9V/12V/18V(最大500mA)が2個.+USB-A+USB-C5個・9V(最大500mA)が5個
サイズ328 x 93 x 42 mm244 x 91 x 42 mm131.3 x 85 x 42 mm
質量非公表非公表非公表
生産国中国中国中国

違いは出力端子の数です。

LVL5のみUSB端子がありません。

また、LVL8とLVL12はEngine Roomを連結させて使用することができます。

こんな人におすすめ

●12個も使うような大型エフェクターボードを使用
●サイズよりもサウンドを優先

【超低ノイズ】VOODOO LAB Pedal Power 4X4

メリット:リニア電源による超低ノイズ

VOODOO LABは市場において、ほぼ唯一のリニア電源を謳うパワーサプライです。

他のパワーサプライはスイッチング電源を使用しており、安くないものはしっかりスイッチングノイズ対策はされていますが、リニア電源はそもそも構造上そのようなノイズが発生しません。

今ほどパワーサプライが豊富になかった時代、国内外問わずプロが愛用するパワーサプライはほとんどVOODOO LAB製でした。

それほど信頼性が高く、ノイズについては非常に優秀です。

完全アイソレートで、ヴィンテージアナログエフェクターとデジタルエフェクターを同時に使っても全く問題ありません。

デメリット:供給できる電流量が少なく、重い

各端子の電流量が最大400mAと100mAで少ないので、やや大きめのデジタルエフェクターだと足りないことがあります。

またリニア電源とノイズ対策のトロイダルトランスフォーマーを使っているため、他のパワーサプライよりも重量があります。

バリエーション:Pedal Power 4X4 / 2 Plus / ISO-5仕様比較

4X4
2 Plus
ISO-5
仕様Pedal Power 4X4Pedal Power 2 PlusPedal Power ISO-5
市場相場売価31,900円38,500円27,500円
アイソレート
出力端子8個(9V 400mAが2個、9V 100mAが4個、9V/12V 400mAが2個)コンセント(IEC)+8個(9V(電池消耗シミュレートSAG機能付) 100mAが2個、9V/12V 250mAが2個、9V/12V 100mAが4個)5個(9V 100mAが3個、9V/12V 400mAが1個、18V 100mAが1個)
合計消費電流量2,000mA1,100mA800mA
サイズ178 x 86 x 46 mm152 x 86 x 44 mm124 x 86 x 44 mm
質量910g910g560g
生産国USAUSAUSA

こんな人におすすめ

●できる限りノイズを少なくしたい
●消費電流量の多いエフェクターは使わない
●サイズや重量などの利便性よりも、超低ノイズ重視

【最高音質】Free The Tone PT-3D

メリット:プロクオリティの音質

Free The Toneはアリーナクラスのギタリストのシステムも構築していることからもわかる通り、品質は折り紙付き。音質の良さ・ノイズ対策はトップクラスです。

パワーサプライ部は100mA出力のローノイズ・スタンダード端子が6つと、ハイカレントの500mAアイソレーテッド端子が2つ。

6つのローノイズ・スタンダード出力端子は、2段階のノイズフィルターを通過させる事で大幅にノイズレベルを低減させています。

また出力電圧が約9.8Vに設定されており、新品のバッテリーを使用した時に近い状態を再現します。

ノイズレスでありながら、解像度が高くレンジが広く高音質です。

ハイカレントの500mA出力端子はアイソレートされているので、デジタルエフェクターも使えます。

デメリット:フルアイソレートで無い/電圧切替不可

ローノイズ・スタンダード端子はアイソレートされていないです。

アイソレートされた端子はハイカレントの2つのみなので、デジタルエフェクターを3つ使うボードには不向きです。

また12V/18V出力が無いので、使用できるエフェクターが限られます。

仕様

仕様PT-3D
市場相場売価24,200円
出力端子8個アイソレーテッド出力端子(DC9V/500mA出力×2)とローノイズ・スタンダード出力端子(DC9V/100mA出力×6)
合計消費電流量2,000mA
サイズ120 x 55 x 35mm
質量185g
生産国日本

こんな人におすすめ

●解像度の高い音質を求める
●9Vエフェクターしか使わない
●デジタルエフェクターは2個まで使用

【デジタルに最適】strymon Ojai

メリット:超低ノイズ・超小型

strymonのパワーサプライは、最高レベルにノイズレスです。

各端子は2段階の分離回路を採用したデュアル・アイソレーションで、電源由来のノイズやエフェクター同士のノイズを排除。

様々な独自の設計により、リニア電源並の超低ノイズを実現しています。

strymonを始め、高品質な空間系やマルチエフェクターの複数台同時使用も安心です。

そのうえで、本体サイズは業界最小クラスです。

デメリット:アダプターが大きい/出力口数が少ない

コンセントからのAC電源をクリーンに変換する回路を、専用の電源アダプターで行っているため、パワーサプライ本体よりもサイズが大きいです。

また、出力端子は5個しかありません。

例えば2台のOjaiを接続することで、出力端子を10個に拡張することはできます。この場合、電源アダプターはひとつで駆動できます。

ただし、コストが高くつきます。

バリエーション:Ojai / Ojai R30 仕様比較

Ojai
Ojai R30
仕様ojaiojai R30
市場相場売価27,800円33,800円
アイソレート
出力端子5個(9V 500mA)5個・9V 500mAが3個・9V/12V/18V切替500mAが2個
最大消費電流量9Vで約2600mA(24W)9Vで約2600mA(24W)
サイズ81 x 58 x 33 mm130 x 58 x 29 mm
質量133g171g
生産国USAUSA

こんな人におすすめ

●超低ノイズで超コンパクトなパワーサプライが良い
●デジタルエフェクターを複数台使う
●ハイエンドデジタルエフェクターを使う

パワーサプライは妥協しない1台を買えばずっと使える

パワーサプライで音は変わります。

1台しっかりしたものを持っておけば、エフェクターボードの中身が多少変わってもずっと使えます。

ですので、妥協せず上質な1台を選びましょう。頻繁に買い替える方が出費がかさみます。

ちなみに私はstrymonを使っています。次に小さいサブボードを作るときは、CAJ DC・DC Station IIIかK.E.E KIP-V.A.C.9を買うと思います。

迷ったらこれらの機種がおすすめです。
はじめての1台で価格とサイズ重視ならCAJ DC/DC Station II。

はじめての1台で音質重視ならK.E.S. KIP-V.A.C.9。

9台以上のエフェクターを使うならFender Engine Room LVL12。

音質重視ならFree The Tone PT-3D。

音質重視でデジタルエフェクターを多く使うならstrymon Ojai。

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