・音作りが苦手だけどエフェクターが欲しい
・持ち運びも便利で手軽なサブエフェクターとしてのマルチを探している
現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)です。
上記のお悩みを持つ人におすすめのBOSS GT-1のレビューです。
BOSS GT-1 特徴/メリット
・全108種類の豊富なエフェクト
・接続先機器設定による音色の最適化
・音作り初心者に優しいEASY SELECTとEASY EDIT
・ギターケースにも入る軽量コンパクトサイズ
・単三電池4本で最大7時間駆動
・自宅でも嬉しいヘッドフォン/AUX IN/USBオーディオインターフェイス
特徴①:GT-100直系の高品質なサウンドで約2万円
BOSSの最上位エフェクターであるGTシリーズ。GT-100は一世代前にはなりますが、プロが実際に使用していたほどのクオリティです。
このGT-1はそのGT-100の音質はそのままに、サイズをコンパクトに、いくつかの機能はを省いたことで約2万円という低価格!
ローランドの独自技術MDPを採用したOVERTONE、TERA ECHOも搭載しており、単体のMO-2、TE-2の2つを買うよりも安く、これだけで元が取れてしまいます(笑)。
しかし安い分、パッチ内でのアンプのチャンネル切替やミックスができない、同時使用エフェクト数が減ったなどGT-100よりも機能が少ないです。
2021年上半期現在でもBOSSのエフェクターの中で最も出荷数の多い≒一番売れているエフェクターです。
こちらはさらに高い10万円のBOSS GT-1000との比較ですが、GT-1もかなりクオリティが高いことがわかります。
特徴②:全108種類の豊富なエフェクト
108種類もの豊富なエフェクターが内蔵されています。
歪み22種類、ディレイ7種類、リバーブ8種類をはじめ、コーラス、コンプレッサー、フランジャー、オクターバー、
エクスプレッションペダル操作でワウやワーミーなどおおよそのエフェクターは網羅されています。
さらにヘッドフォンやライン録音で重宝するアンプモデリングも、Marshall、Fender、VOXからブティック系のマッチレス、ハイゲインなMesa BoogieやPeaveyなど、こちらもオールジャンルに対応できる幅広いラインナップ。
またMooerのTone Capture機能のように、シングルコイルのギターでハムバッカー風のサウンドに変えたり、普通のソリッドギターをフルアコ風サウンドに変える、という機能まで。
初心者はもちろん、中・上級者がサブボードとして使うにも足りないエフェクトは無いでしょう。
特徴③:接続先機器設定による音色の最適化
設定画面につなぐアンプの種類を設定する[OUTPUT]の設定があります。
表の通り、GT-1を接続するアンプのタイプを選択することで、最適な音になるよう調整してくれます。
内蔵のモデリングアンプを使うときはRETURNに接続すると良いです。
特徴④:音作り初心者に優しいEASY SELECTとEASY EDIT
特徴③もそうですが音作りが苦手な人にも嬉しい機能の搭載している点が、他社マルチエフェクターには無いGT-1の魅力です。
EASY SELECTはJAZZ、BLUES、ROCK、METAL、、、などのジャンルと好みの歪みタイプを選ぶだけで、BOSSがあらかじめ作った音色の中から最適なもので演奏できます。
EASY TONEは現在使用している音をTONEつまみ一つで、サウンド全体を調整したり、VIBESとECHOつまみでエフェクトの具合をかんたんに調整できます。
さらにパソコンと接続してBOSS TONE CENTRALから、プロギタリストが作成したパッチや、有名曲の音色を無料でダウンロードして使うこともできます。
ただしこれらの機能で作った音は、中上級者では満足できない音になることが多いです。
やはり使っているギターの違いや、奏者の違いでもサウンドは大きく異なるため、これらの簡易機能で大満足するのは難しいのが本音。
ゆくゆくは自分で自分が満足できる音を1から作れるようになる必要があります。
さらに取扱説明書よりも具体的でわかりやすい専用ガイドブックも発売されています。
特徴⑤:ギターケースにも入る軽量コンパクトサイズ
GT-1のサイズは305 x 152 x 56 mm、重量は1.3kgとギターのギグバック前面ポケットなどにも収まってしまうサイズ。
練習スタジオへの持ち運びなど荷物が増えません。
特徴⑥:単三電池4本で最大7時間駆動
電源アダプターはもちろん、コンパクトサイズに加えて単三電池でも駆動可能です。
荷物が増えないことはもちろん、家で気軽に弾くときも手軽で便利です。
特徴⑦:自宅でも嬉しいヘッドフォン/AUX IN/USBオーディオインターフェイス
バンドだけでなく、自宅でギターを弾く際にも便利な機能が満載。
アンプに繋がないでも直接ヘッドフォンを接続できたり、
ステレオミニケーブルでスマホとつないでYouTubeなどで曲を流しながら一緒にギターが弾けます。
さらにチューナーも内蔵しており、多くの人にとっては練習に必要な機能が全て入っています。
またパソコンとUSBケーブルでつなぐことで、GT-1で作った音をそのまま録音が可能。
モデリングアンプとキャビネットシミュレータを搭載しているため、マイクを使っていないのにギターらしいサウンドで録れます。
DTM初心者はもちろん、スタジオ練習と同じく中上級者も出先でのデモ録音にも便利です。
BOSS GT-1 デメリット
・パッチ切替の自由度が少し低い
・ルーパーの録音可能時間が短い
デメリット①:足が大きい人はスイッチの踏み間違いが起こりやすい
コンパクトサイズの本体に絶妙なサイズと配置のフットスイッチが3つ。
スイッチ2つを同時押しするとチューナーになったり、ルーパーが起動します。
ちょっとずれたところを踏むと予期しない切替になってしまいます。
MENU内のPLAYから同時押しを無効にしたり、外部スイッチを接続しそちらを積極的に使うなどの対策もあります。
デメリット②:パッチ切替の自由度が少し低い
中から大型マルチエフェクターに劣る大きなポイントとして、フットスイッチが少ないことがあります。
パッチ切替は左の2つでアップとダウンの順番に切り替えることしかできません。
とはいえ例えば、クリーン→歪み→ギターソロの3音色くらいなら対応可能です。
1つめのパッチをクリーンに、▲を押した2つめのパッチを歪みに、
その2つめの歪みパッチでCTL1スイッチをブースターに設定するといった具合です。
3音色程度ならをストレスなく切替できるでしょう。
BOSS FS-7などのスイッチをステレオケーブルで接続すれば、さらに2つのスイッチを増設することもできます。
デメリット③:ルーパーの録音可能時間が短い
ルーパーの最大録音時間は32秒で、専用機などと比べると短い印象です。
4から8小節程度なら全く問題ありませんが、ブルース進行などの12小節やスタンダード曲の1セクションなどには足りなくなってしまう時間なのが残念です。
単体でのルーパーを接続したい方はこちらの記事もどうぞ。
ZOOM G1X Four/G3Xnとの違い比較
BOSS GT-1 | ZOOM G1X Four | ZOOM G3Xn | |
エフェクト数 | 108 | 84(13アンプ+71エフェクト) | 159(16アンプ+127エフェクト) |
同時使用エフェクト数 | 6 | 5 | 7 |
フットスイッチ数 | 3個 | 2個 | 6個 |
電源 | 9Vアダプター or 単三電池4本 | 9Vアダプター or 単三電池4本 | 9Vアダプター |
最大電池駆動時間 | 7時間 | 18時間 | 電池駆動不可 |
接続端子 | インプット、アウトプットx2、外部スイッチ、AUX IN、ヘッドフォン、USB | インプット、アウトプット(ヘッドフォン兼用)、AUX IN | インプット、アウトプットx2(ヘッドフォン兼用)、AUX IN、USB |
ルーパー | 最長32秒 | 最長30秒 | 最長80秒 |
リズムマシン | なし | 68種類 | 68種類 |
サイズ | 305 x 152 x 56 mm | 216 x 156 x 52 mm | 318 x 181 x 64 mm |
重量 | 1.3kg | 0.61kg | 1.84kg |
市場相場価格 | 20,350円前後 | 9,200円から1万円前後 | 19,000円から22,000円前後 |
BOSSと双璧を成すエントリーマルチエフェクター発売しているZOOM。
価格、機能面、サイズからG1X FourとG3Xnと比較します。
エフェクト
BOSSとZOOMどちらが音が良いかというと、これは好みの問題であり優劣ではありません。
個人的には下記の傾向に向いていると感じます。
・モデリングアンプを使わずエフェクターとしてアンプに接続する
・クリーン、クランチ~オーバードライブサウンド
ZOOM
・モデリングアンプまでを含めたヘッドフォンやライン録音での使い方
・メタルなどハイゲイン系サウンド
とにかく共通して言える事は現在生産完了品の型落ちデジタルマルチエフェクターよりも、サウンドの質は圧倒的に向上しています。
中古の型落ち品はいくら安いとはいえ、特にこだわりがなければ現行品を買う事をおすすめします。
フットスイッチ操作
フットスイッチでの操作はZOOM G1X Fourが一番劣ります。
GT-1は外部スイッチを2つ増設することで合計5個になり、最大3つのCTLスイッチによるエフェクトのon/offなどは可能ですが、
G3Xnは6個のスイッチでバンクまで切替可能で離れたパッチへの切替も自由なので、操作性は最も高いです。
サイズ・電池駆動の可搬性
持ち運びを便利したい、サブエフェクターとして使いたいという人はGT-1もしくはG1XFourがおすすめ。
G1X Fourは圧倒的に軽量。
一方G3Xnはサイズが大きくやや重厚感があり、電池駆動しません。
自宅練習用などの機能面
3機種ともヘッドフォン端子と外部音源が使用できるAUX IN端子を装備。
G1X FourのみPCで録音するオーディオインターフェイスとしては機能しません。
GT-1のデメリットで挙げたルーパーの録音時間はG3Xnでは解消しています。
GT-1のみリズムマシンが搭載されていませんが、YouTubeやメトロノームアプリをAUX IN端子で入力するなどの対処は可能。
まとめ
BOSS GT-1はこんな人におすすめ
・BOSS上位機種同等の良い音が欲しい
・宅録や練習など自宅で手軽に使いたい
・電池駆動でギターケースに入れたい
・手軽なサブマルチエフェクターが欲しい
ZOOM G1X Fourはこんな人におすすめ
・リズムマシンを練習に取り入れたい
・手軽なサブマルチエフェクターが欲しい
・USBオーディオインターフェイス機能はいらない
ZOOM G3Xnはこんな人におすすめ
・USBオーディオインターフェイスとしてギターを録音したい
・ルーパーで長めのコード進行のアドリブを練習したい
・電池駆動は必要ない