【アンチモデリングアンプ】Hughes&Kettner Black Spirit 200 Floor レビュー

Hughes&Kettner とは

Hughes & Kettnerはドイツのアンプブランド。

KISSの現リードギタリストTommyThayerやSone SourのJosh、OF MICE & MENのPHIL、国内ではSEX MACHINEGUNSのAnchangなど

オールドスクールなHR/HMからモダンなメタルなどヘヴィな愛用者が多いです。

フラッグシップモデルにTriAmpの青く光るアンプヘッドはセンセーショナルな登場でした。

キメの細かいヘヴィなハイゲインと、スパークルクリーンの対比という唯一無二のキャラクターもその人気に拍車をかけました。

他にもペダル型プリアンプのTUBEMAN、フルチューブのミニヘッドブームの先駆けとなるTube Meister など、アンプ以外の製品開発も非常に優秀です。

今回レビューするBlack Spirit 200 Floorは、

●煌びやかなクリーンとヘヴィなハイゲインというケトナーのシグネチャーサウンド

●それをチューブレスミニヘッドで見事再現したBlack Spirit 200を

●TUBEMANの様に可搬性と操作性の高いフロアタイプに落とし込んだ

ヒュースアンドケトナーの集大成と言える製品です!

Black Spirit 200 Floor 特徴

TRIAMP直系サウンド

クリーン/クランチ/ドライブ/ウルトラの4ch仕様

重量 4.1 kg持ち運びが楽なサイズ

7つのフットスイッチ

空間系、ノイズゲート等エフェクター内蔵

手持ちのエフェクトを導入できるFXループ

レコーディングも可能なキャビネットシミュレータ

Bluetooth接続でアプリから操作可能

TRIAMP直系サウンド

ケトナーと言えば誰しもが思い浮かべるフラッグシップモデルTriAmpのサウンドを見事継承。

真空管を搭載していないとは言え、Spirit Tone Generatorと名付けられたアナログ回路により

ピッキングのタッチや、ハイの成分などチューブアンプに肉薄したサウンドを再現しており

ブラインドテストでは真空管か否かは聞き分けられないかもしれません。

近年デジタルのアンプシミュレータの質も驚くほど向上していますが、その上を行く質感です。

真空管のように消耗して音が劣化する心配もないメンテナンスフリーな点もメリットのひとつ。

BASS,MIDDLE,TREBLEのコントロールはパッシブEQのため、他の帯域にも関与する点も従来のアンプのような直感的なサウンドメイクを可能にしています。

クリーン/クランチ/ドライブ/ウルトラの4ch仕様

・煌びやかなスパークルクリーン

・ガラスが弾けるようなグラッシーなクランチ

・芯がありながらキメが細かくタイトなドライブ

・ピッキングニュアンスを保ちながら脅威的なサスティンが得られるウルトラ

このモダンヘヴィなジャンルには欠かせないゲイン多彩さ、トラディショナルなアンプでは成しえない個性的なサウンドを網羅します。

ある意味トラディショナルなサウンドとは距離を置いていると言えますが、ブルースプレイヤーなんかはそもそもケトナーなんて求めていないでしょう。

だからこそこの唯一無二のサウンドが得られるわけです。

動画はヘッドですが、フロアとサウンドは同じです。いろいろなバリエーションが聞けます。

重量 4.1 kg持ち運びが楽なサイズ

真空管アンプヘッド、例えば同社TriAmpは車なしでは運搬不可能な740 x303 x 254 mm、22kg。

片やこのBlack Spirit 200 Floorは470x 70x 255 mm、4.1kgという200Wアンプとしては異例の軽量サイズ。

サイズ重量の問題でマイアンプを断念している方にはこの上ない製品ではないでしょうか。

7つのフットスイッチ

アンプヘッドでもチャンネル切替に必須なフットスイッチを7つも搭載。

3つの好みのモードで操作できます。

Pearl公式HPマニュアルより引用

①プリセットモード

A,B,C,Dの各4プリセットを↑↓で全32バンクに切替、合計128のプリセットを選択します。

TAPはディレイのテンポを設定します。

②ストンプボックスモード

その名の通り、エフェクターのような操作性で

AからDはアンプchの切替、残りはモジュレーション、ディレイ、ブースターのon/offとして機能します。

バンク切り替えはできませんが、4chアンプとして使う際には一番操作性が高いモードです。

③ダイレクト7モード

各スイッチに1プリセットずつ割り当て、7つのプリセットをバンク切り替え無しにアクセス可能。

空間系、ノイズゲート等エフェクター内蔵

Black Spirit 200 Floor 1台で音作りを完結できるようなベーシック、しかし高品質なエフェクトを内蔵しています。

●NOISE GATE

ハイゲインディストーションには欠かせないノイズゲート。

1ノブのシンプルなコントロールながら、アタックやスレッショルドを最適に設定してくれます。

●DELAY

ケトナーサウンドにマッチする適度にクリアな良くなじむ使いやすいディレイ。

レベル、フェードバック、タイムとコンパクトペダルと同等のパラメータを持ちます。

●MODULATION

コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロの4種類を選択可能。

切替と兼用のスピード調整ノブとエフェクト音の音量調整をするINTENSITYノブで操作します。

●SAGGING

独自のコントロールで8段階で真空管アンプを大音量で鳴らした時のサチュレーション(飽和)感を調節します。

パワー管をドライブさせたようなチューブアンプならではのサウンドを任意の音量で再現できる、GAINノブと同等にサウンド調整に重要なコントロール。

手持ちのエフェクトを導入できるFXループ

プリセット内でon/offの選択可能なプリアンプの前段に入力するPRE LOOPを2系統、

空間系などに有効なプリアンプとパワーアンプの間(歪みの後段)に接続するFX LOOPをそれぞれ装備。

ワウや、こだわりのブースター、リバーブなどを導入する拡張性もあります。

ギター、エフェクター、Black Spiritを直列でつなぐのと異なり、プリセットに組み込めるため、パッチ切り替え1回で外部エフェクターのon/offが可能なようなものです。

レコーディングも可能なキャビネットシミュレータ

12インチ4発のスタックキャビネットから1発や2発のキャビネットなど全8種類のタイプを内蔵。

DIアウトからの出力はこのキャビシミュを通るためライン信号でも厚みのあるサウンドになります。

PA宅へ直接入力することで、マイキングによる被りも無くライブでのサウンドもクリアにミックスできたり、

レコーディングにも利用可能。

Bluetooth接続でアプリから操作可能

iPad / Android対応アプリにてサウンドメイク、Eメールでのプリセットのロード/セーブが可能です。

特にエフェクター部の操作性が向上します。

また、Bluetoothオーディオにも対応しており、音楽を流しながら演奏も可能。

ヘッドフォン端子を利用しての練習にも便利です。

デメリット

スピーカーケーブルが必要

ラインアウトがキャノンのみ

エフェクター感覚だとやや大きめサイズ

デメリット①:スピーカーケーブルが必要

Black Spirit ギターアンプなので、スピーカーケーブルでギターアンプのスピーカーキャビネットと接続します。

また本体を足元に置くため背後のキャビネットまで引き回せる3~5m程度のスピーカーケーブルが必要です。

ギターアンプ用として販売されているものは短いものが主流なので選択肢は少ないです。

安いものならサウンドハウスさんのCLASSIC PROか、上質なものならオヤイデ製などがおすすめです。



サウンドハウスで見る

デメリット②:ラインアウトがキャノンのみ

ラインアウトがDIアウトのみです。

通常フォーンがあれば普通のギターアンプのリターン挿しなどがやりやすかったのですが、、、

キャノン-フォーンのシールドケーブルを用意する必要があります。

またその際はキャビシミュをoffにしましょう。

デメリット③:エフェクター感覚だとやや大きめサイズ

サイズは470 × 70 × 255㎜、重量4.1 kgとアンプとしては軽いですが、

エフェクターボードを4ケーブルメソッドなどで接続すると、足元がなかなか巨大になりそうです。

Black Spirit 200 Head 比較

アンプヘッドタイプのBlack Spirit 200 Head(定価115,000円)とFSM-432 MKⅢ(定価26,000円)の一体型とも言える Black Spirit 200 Floor (定価135,000円)、機能が追加されて少しお買い得ですね。

重量も HEAD 3.6kg 、FSM432 MK3 1.7kgに対し、Floorは4.1kgと軽量。

また機能面においては

●外部エフェクターを接続するための、2つのpre Loops。
●イアモニターかFRFRスピーカーで、ギターの音にバンドの音をミックスするためのXLR端子のモニターIN機能。
●7つのプリセットにアクセスできる「direct 7」モード。

サウンドハウスより引用

モニターINを使う方は少ないでしょうが、いずれにしろ機能面も増えています。

レコーディングメインもしくは、アンプのコントロールは手持ちのスイッチャーなどで一元化したという方にはHEADの方が扱いやすいかもしれません。

まとめ

最大200W出力というフルサイズのヘッドアンプ以上の出力は大音量のバンドから20W、2Wとスタジオや自宅練習、

ラインアウトでレコーディングなど幅広い用途で使えるマイアンプとしておすすめの1台。

モデリングアンプとは異なる、独自設計による真空管さながらのアナログのサウンド、

なによりも往年のケトナーのキャラクターを継承した稀有なアンプです。

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