普通のミニギターは音痴で弾いてられない
子どもにはできる限り良いギターを与えたい
という人におすすめの3/4サイズのミニギター、Baby Taylor のご紹介。
このサイズではサウンド/音程/演奏性の全てにおいて高品質なモデルです。
Baby Taylor スペック/サイズ
ネック | ハードロックメイプル |
指板 | エボニー |
ナット/サドル | TUSQ(タスク) |
スケール | 22 3/4″ (578mm) |
ネック幅 | 1 11/16″ (42.8mm) |
ボディ長 | 15 3/4″ (400mm) |
ボディ幅 | 12 1/2″ (317.5mm) |
ボディ厚 | 3 3/8″ (85.7mm) |
ボディ材は下記バリエーションをご参照ください。
通常サイズとの比較などは下記記事にて比較しています。
Baby Taylor 特徴
テイラー自社工場の品質管理による弾きやすさ
あらゆる環境で扱いやすい合板ボディと専用ギグバッグ付属
特徴①:ミニサイズ専用設計による驚きのサウンド
ミニギターとは言え、ただサイズを小さくするだけでは良い楽器にはなりません。
ことBaby Taylorはミニギターの中でもこのサイズのために設計された構造の数々を採用し、他ブランドのミニギターとは確かな差があるサウンドを獲得しています。
普通ボディが小さくなると、ボディの響きも小さくなります。
Baby Taylorはボディバック内部のブレイシングを廃し、膨らんだラウンドバック構造を採用。
この膨らみ具合もボディ内部での響きをサウンドホールに集めるように、綿密に計算されており、
高音弦から低音弦までバランス良く、また強弱もしっかり付けられる反応の良さはミニギター界随一のサウンドクオリティを持っています。
もちろんボディサイズゆえに、低音域の豊かさはフルサイズのギターには及びません。
加えてアコギでは少数派のメイプルを採用したネックも相まって、歯切れの良いサウンドに磨きをかけている、という印象です。
特徴②:テイラー自社工場の品質管理による弾きやすさ
テイラー社はアメリカとメキシコに自社工場を構え、ベイビーテイラーはメキシコ工場にて生産しています。
職人の手間暇や技術に差はあれど、メキシコ製も十分使える品質です。
演奏するためにも最適なサドルの高さやナット溝の調整を行っており、弦も押さえやすくなっています。
一般的にサイズが小さくなるとスケールが短くなり音程が安定しづらくなります。
加えてミニギターは安価なものが多いので、余計に音程が甘くなりがちです。
しかしベイビーテイラーは細部のつくりもしっかりしているので、ミニギターとは思えない音程の良さを実現しています。
またミニギターはスケールが短いため、フレットの間隔が狭くなります。
小学校高学年くらいの子どもにも最適です。
特徴③:あらゆる環境で扱いやすい合板ボディと専用ギグバッグ付属
ミニギターの利便性はなんといってもその大きさ。
全長約約857mm
フルサイズのテイラー214ce約1050mmと比べてかなりコンパクト。
クッション性もしっかりしたTaylorロゴ入りの専用のギグバッグも付属しており、
フルサイズは既に持っていて、どこへでも気軽に持ち運べるサブギターを探している人にもおすすめ。
またレイヤードサイドバックボディのため、湿度や温度変化に対する耐久性もあり、
数十万円のギターを外で弾くのは気が引けますが、ベイビーテイラーならどこへでも連れていけます。
Baby Taylorデメリット
出荷時の弦の太さに注意
ネジ丸見え
デメリット①:ミニギターにしてはやや高価
ミニギターは子ども向け、大人でもサブギターという特性上、1万円台のギターも珍しくありません。
Baby Taylorの市場相場価格は6万円弱。
価格差が大きいですが、これは品質の差にはっきり表れています。
これから音感を身に付ける子どもにとっては重要ですし、
安いミニギターでは音程に違和感があり、気持ち悪くて弾けないという人もBaby Taylorなら問題ないという場合も少なくありません。
デメリット②:出荷時の弦の太さに注意
弦の全長が短いと弦の振幅が大きくなり音程が乱れやすくなります。これは構造上避けられません。
そのため音程を安定させるために、新品時には普通サイズのギターよりも太い弦が使われてます。
通常サイズの一般的なギター弦・・・ライトゲージ
ベイビーテイラーのギター弦・・・ミディアムゲージ
弦が太いと余分な振幅が抑えられる事で音程が安定します。
またサウンドも締まったクリアなサウンドになります。
しかし弦が太くなるとこで弦のハリが強くなるため、弦を押さえる力は普通サイズのギターとあまりかわりません。
もっと柔らかく押さえやすい方が好みなら、ライトゲージなど細い弦に張り替えると良いでしょう。
デメリット③:ネジ丸見え
その専用の設計からアコースティックギターにはあるまじき(?)、指板側からボルトが見えるルックス。
オーセンティックな見た目にこだわる人だと生理的に受けつけないという人もいます。
わたしは楽器としての質が高いので、あまり気になりません。
バリエーション
ルックスとサウンドに影響する木材の違いと、ピックアップの有無によるバリエーションがあります。
とは言え、どの機種も
・ミニギター特有の低音域の少なさはありつつ、Baby Taylorならではのボディの響き
というサウンド傾向は同様です。
Baby Taylor | Mahogany | Koa | Taylor Swift | |
トップ材 | スプルース | マホガニー | コア | スプルース |
サイドバック材 | ウォルナット | サペリ | コア | サペリ |
市場価格(PUなし) | 58,960円 | 58,960円 | 無し | 58,960円 |
市場価格(PU搭載) | 69,960円 | 69,960円 | 79,200円 | 69,960円 |
メイプルネック、エボニー指板、そのほかパーツやサイズは同じで、違いは上記のトップ材およびサイドバック材です。
Baby Taylor(スプルーストップ+ウォルナットサイドバック)
フルサイズの100シリーズと同じ木材構成。
ミニサイズのボディと相まって、明瞭で歯切れの良いサウンド。
ストロークでジャカジャカ弾くのはもちろん、エレキギタリストがカッティングするのも良いです。
Baby Taylor Mahogany(マホガニートップ+サペリサイドバック)
トップ材のマホガニーはスプルースよりも重いため、温かみのあるサウンド傾向にあります。
見た目に似合わず無印Baby Taylorよりも、オールマイティなアコギサウンドという印象です。
Baby Taylor Koa(オールコア)
コア材を使っているのでBaby Taylorの中で唯一価格が高いモデル。
コアモデルはピックアップ非搭載のモデルはラインナップされていません。
特にトップ材の杢目は個体差が大きく、ルックス面でもじっくり選びたいところです。
立ち上がりの良さと1音1音に温かみがあり、ストロークはもちろんフィンガースタイルで爪弾きたいモデルです。
Taylor Swift Baby Taylor(スプルーストップ+サペリサイドバック)
トップ材のロゼッタとサインが施されたかのテイラー・スウィフトのシグネチャーモデル。初期のツアー中に作曲用として使用していたとか。
無印Baby Taylorに似たようなサウンドキャラクターですが、もう少しだけ柔らかさがあるサウンドです。
ピックアップの有無
品名に 「-e」の表記があるものがピックアップ搭載モデルを表します。
ピックアップモデルにはES-Bを搭載。
ピックアップのサウンドだけを聞くと、ミニギターだと気が付かないレベル。
テイラーらしいクリアなサウンドはエレアコでも健在。
10万円以下のギターにありがちな、硬いピエゾピックアップサウンドとは一線を画します。
録音用サブギターとしても便利です。
コントロール部らボリューム、トーンに加え、チューナーも内蔵。
アンプにつながない場合でも外へ持ち運ぶという時には荷物が減って便利です。チューナーをなくす心配もありません。
Little Martin との違い比較
S.YairiやYAMAHA、そのほか無名ブランドも含めて1万円台のミニギターも多いですが、
ピッチの悪さなどどうしても楽器の完成度としては三流レベル。
中級者以上も演奏するうえでストレスが無いクオリティのミニギターとなると、
ベイビーテイラー、またはリトルマーティンが最有力候補になります。
両機種を比較してみます。
Baby Taylor | Martin LX1 | |
トップ材 | シトカスプルース単板 | シトカスプルース単板 |
サイド/バック材 | ウォルナット合板 | HPL(ハイプレッシャーラミネート) |
ネック | ハードロックメイプル | バーチ集積材 |
指板 | エボニー | リッチライト |
スケール | 22 3/4″(578mm) | 23″ (584mm) |
ナット幅 | 1 11/16″(42.8mm) | 1 11/16″(42.8mm) |
ケース | 専用ギグバッグ | 専用ギグバッグ |
ピックアップ | Taylor ES-B | Fishman Sonitone |
市場価格(PUなし) | 58,960円 | 57,200円 |
市場価格(PU搭載) | 69,960円 | 66,000円 |
サイズ
スケールをはじめサイズにはあまり差がありません。
ナット幅に至っては同じです。
演奏性についても、どちらも全く問題ありません。
サウンドの違い
木材や構造の違いから、一番の大きな違いはサウンドです。
HPL(ハイプレッシャーラミネート)は廃材を圧縮した板で、環境保全とコスト削減に貢献しています。
圧縮材のため強度が高いというメリットもある一方で、ギターとしての音響特性にもかなりクセがあります。
純粋な木材のものに比べて響きに立体感が無い、倍音がかなり少ないイメージです。
耳馴染みの良いアコースティックギターらしいサウンドという意味ではBaby Taylorに軍配が上がります。
ブランドの違い
歴史や知名度で言えば、Martinという名前は巨大です。
さらにリトルマーティンに関しては一時期Ed Sheeranも使用し、シグネチャーモデルも販売されていました。※現在はLowden共同開発のSheeran byLowden を使用。
一方Taylorも近年においてはアメリカで最もアコギの販売本数の多いブランドにまで成長しています。
そしてシグネチャーモデルにはTaylor Swift。しかしこちらも現在は使用していないようですが。
両ブランドともグラミー受賞アーティストが使用していたってとこは信頼性は高いでしょう。
まぁここに関してはルックスも含め、好みですね。
結論:Baby Taylorの方がおすすめ
Martin ブランドが好き、とにかく丈夫なのが良いという人はLittle Martinが良いですが、
わたしは断然Baby Taylorを推します。
比べて弾くと本来のアコギらしさがしっかりあるのがTaylorだからです。
ちょっと野外で使う程度でも堅牢性は十分です。
Baby Taylorレビューまとめ
10万円を大きく下回る価格でありながら、中級者以上のプレイヤーにも不満無く使えるミニギターであるBaby Taylor。
セカンドギターとして最もおすすめできるミニギターです。
フルサイズより小さいミニギターが良いが、サウンドを最優先させたいという人には同社TaylorのGS Miniがおすすめ。
ギターを挫折してしまったコードを押さえるのに指を開くのが難しいという人も、ミニギターなら押さえられるというケースもあります。
挫折以前にこれからギターを始めたいけど、押さえるのが不安な人は同じくテイラーのアカデミーも検討してみてください。
サイズでどちらが良いか選ぶと良いです。