10万円台のおすすめエレアコ Taylor 214ce Rosewood レビュー

本国アメリカにおいて、アコースティックギターのセールスではGibson, Martinも超えたと言われているブランドTaylor(テイラー)。

今回レビューするのはメキシコ製のコストパフォーマンスモデル214ce Rosewood。

CITES絡みで一時期Koa材が採用されていましたが、2020年に待望のローズウッド仕様が復活しました!

Taylor 214ce Rosewoodは、10万円台のエレアコで最もおすすめです。

ストレスの無い演奏性を実現しています。精度の高い工場で生産されているからです。

どんな奏法にも対応できるバランスに優れたスタンダード音色を持ちます。しかし、モダンでクリアな音色なので、オールドスクールなブルースには合わないかもしれません。

いくつかのバリエーションモデルがありますが、スタンダードモデルが最もコストパフォーマンスに優れています。

214ce Rosewood 特徴

グランドオーディトリウムサイズ

使用木材とサウンド

ES2 ピックアップ

弾きやすい安定品質

特徴①:バランスが良いグランドオーディトリウムサイズ

ボディサイズはテイラーで最も人気かつ評価の高いグランドオーディトリウム(GA)。

1994年に発表された創始者ボブテイラーによるオリジナルデザイン。

繊細なタッチのフィンガーピッキングから、フラットピックによるストロークまで、あらゆる奏法でもバランス良くボディが響きます。

特徴②:ポピュラーなサウンドを生む木材

トップ:シトカスプルース
バック&サイド:ローズウッド
ネック:トロピカルマホガニー
指板:エボニー

Martinでいうところのスタイル28と同じ、つまりアコースティックギターにおいて最もポピュラーでスタンダードな木材の組み合わせです。

ローズウッドならではの豊かながらも輪郭のある低音域と、クリアで伸びのある高音域が特徴。

そこにテイラーならではの凛とした現代的なバランスの良い響きがこの214ce Rosewoodの特徴です。

安いエレアコはピエゾも相まってピックでは耳障りなサウンドが多いので、214ce はそうはならない優れた特性を持っています。

耳馴染みが良いのにくっきりしたサウンドなので、特にピック弾きに合います。

もちろんバンドでも弾き語りでも、歌の伴奏でもインストでも、幅広いジャンルに対応できます。

特徴③:ナチュラルなアンプサウンドのES2 ピックアップ

TaylorオリジナルピックアップのES2を搭載。

従来にない独自の設計により、一般的なピエゾピックアップのようなカチカチな耳障りなサウンドではなく、

アコースティックらしい非常にナチュラルな響きを実現しています。

テイラーの評価を上げているのがこのエレアコとしてのサウンドの良さです。

しかしピエゾと同等のハウリング耐性があります。

コントロールはボリューム、ベース、トレブルと非常にシンプルです。

トレブルとベースは真ん中がフラットで、ブーストとカットができます。

特徴④:弾きやすい安定品質

テイラー200シリーズは自社のメキシコ工場にて製造されています。

アメリカでは無いのは主に人件費の削減のため。

一方、製造工程はコンピュータ制御のため品質が安定しており個体差が少ない=ハズレ個体が少ないです。(お店自体の信頼性には注意)

またナット幅は42.8mm(1-11/16インチ)と少し狭くネックが握りやすいため手の小さい方や、女性、エレキユーザーにもおすすめです。

ちなみにアメリカ製の314ceのナット幅は44.45mm(1 3/4 インチ)。

ナット溝やサドルの調節もしっかりされているので、弦も押さえやすいです。

デメリット

エレアコと生音のギャップ

サウンドがモダンすぎる

デメリット①:エレアコと生音のギャップ

サイドとバック材はローズウッド/ポプラ/ローズウッドの3層構造(レイヤード)となっています。

そのためギター自体の生鳴り、ボディの響きが少し落ち着いています。

その分すっきりした響きで軽やかな弾き語りには良いですが、

指弾きでは物足りなさを感じます。

しかしエレアコだと前述の通り同価格帯では群を抜いて良いです。

デメリット②:サウンドがモダンすぎる

生音でもエレアコでも綺麗で整ったモダンなサウンドなので

逆に泥臭いブルースなど中音域に温かみやパンチのあるサウンド、ヴィンテージスタイルのサウンドは苦手です。

エレアコならトレブルを絞ってちょっと甘い感じくらいならできなくはありません。

まぁこの辺りは好みの問題なので、そういうジャンルでは使わないという方は気にしなくて大丈夫です。

214ce 無印/Plus/DLXの違い比較

214ce
214ce Plus
214 DLX
214ce Rosewood214ce Rosewood Plus214ce Rosewood DLX
ボディシェイプGAGAGA
トップシトカスプルースシトカスプルースシトカスプルース
サイド/バックレイヤードローズウッドレイヤードローズウッドレイヤードローズウッド
指板エボニーエボニーエボニー
ナット/サドルNubone / ミカルタNubone / ミカルタNubone / ミカルタ
スケール25.5″ (648mm)25.5″ (648mm)25.5″ (648mm)
ナット幅1 11/16″ (42.8mm)1 11/16″ (42.8mm)1 11/16″ (42.8mm)
エレクトロニクスES2ES2ES2  
ネックトロピカルマホガニートロピカルマホガニーサペリ
ペグダイキャストクロームテイラーニッケルテイラーポリッシュドブロンズ
バインディングホワイトブラックホワイト
指板インレイ4mmドット イタリアンアクリル4mmドット イタリアンアクリルスモールダイアモンド
ボディ仕上げサテングロスグロス
ケーステイラーギグバッグエアロケーステイラーデラックスハードシェル
カラーナチュラルナチュラルナチュラル/サンバースト
市場相場価格145,200円176,000円209,440円

Taylor 214ce Rosewoodには無印(便宜上そう呼びます。)、Plus、DLXの3グレードが存在します。

ボディやスケール、ナット幅などのサイズは同じで、異なる箇所はネックから下にまとめました。

簡単に言うと「見た目」と「付属ケース」、そして「価格」が大きな違いですね。グロス(艶あり)仕上げの方が工程が増えるのでその分価格が上がります。

そしてケースの価格差は以下の通り。

Gigbag

Aerocase
Deluxe Hardshell
 ギグバッグエアロケースデラックスハードシェル
メーカー希望小売価格20,680円30,800円44,000円

214ceについてくる普通のギグバックもそれなりにパットに厚みもあり、しっかりしています。ハードケースが良いなどケースにこだわりがなければ214ceで良いじゃんというのが正直なところ。むしろ一番安い214ceはコスパお化けと言えます。

しかし最近は214ceの入荷量が少ないため市場流通も少ないのが実情です。。。となるとPlusやDLXも選択肢になるかなあという感じです。ちょっと高くはなりますが、ぼったくり価格というわけでも無いので。

まとめ

214ce Rosewoodの特徴をまとめると

・品質が安定している=ハズレ個体差が少ない

・ナット幅が狭く弦も押さえやすい

・クリアでバランスの良いサウンド

・エレアコサウンドは高価格帯並み

・生音は少し落ち着いている

・幅広いジャンルに対応できる 

というわけでこんな方におすすめ

・安い初心者向ギターからの買い替え

・手の小さい方、女性

・エレキギタリストが持つアコギ

・録音用のアコギ

国内での価格はほぼ統一されており、 145,200円 (税込)です。

Twitterで気軽に交流しましょう!