ZOOMの一番良い音を8万円弱から4万円台で買えるようになったよ。ってとこでしょうか。
フットスイッチ数ほか、一部機能が少なくなりましたが、
一般のユーザーがライブで使うには必要十分な機能は担保されている印象で、
軽くなり持ち運びやすくなったので、まさにLine6のHelixとPOD Goのような関係です。
ZOOM G6 特徴とメリット
フラッグシップモデルG11直系の上質な音色
音質は最上位機種G11と同様のものが使用できます。
16種類の定番アンプモデル+6種類のZOOMオリジナルアンプモデルの合計22種類となるので、
こちら↓のエフェクトリストからベースの音色を除いたものになります。
これらは最大7エフェクト+1アンプモデル(または最大9エフェクト)の同時使用が可能で、
保存できるパッチ数は240(60バンク)。
サードパーティ製も読み込めるIR(インパルス・レスポンス)は合計120個(70プリセット+50ユーザー)を読み込み可能。
直感的に操作できるタッチスクリーン
ギター関連製品ではまだ珍しいスワイプ、ドラッグ&ドロップ操作が行える4.3インチ・タッチスクリーン。
より直感的な操作が行えます。
自宅練習に便利なルーパー機能&リズムパターン内蔵
安価なマルチでは多いですが、ガチで使えるクオリティのマルチエフェクターでは珍しいリズムパターンも68種類内蔵。
最長ステレオ45秒(モノラル90秒)のルーパーと併用でき、
ライブなどのパフォーマンスのみならず練習にも使えます。
USBオーディオインターフェイス機能
エフェクター、アンプモデリングそしてキャビネットシミュレータからIRまで、G6で完結させたサウンドは
USB接続により2イン/2アウトで録音が可能です。
豊富な接続端子
アウトプットはL/Rの2系統で、L出力はヘッドフォン端子を兼ねています。
どんなに高品質なマルチエフェクターでもお気に入りの外部エフェクターを併用したい時に便利なセンド/リターン端子。
音楽プレイヤーなどの接続に便利なステレオAUXインプット端子。
エクスプレッションペダルを増設できるコントロール端子
外部IRデータの読み込み、ルーパー録音時間の拡張/保存が行えるSDカードスロットを搭載。
iPhone/iPad用アプリ『Handy Guitar Lab』を対応ながらも相変わらず、Bluetooth接続する際は別売Bluetoothアダプタ(BTA-1)が必要。。。
デメリット
同時使用エフェクトに制限がある
最大9個のエフェクトを同時に使えますが、すべてのエフェクトがそのように使えるわけではありません。
搭載DSPの性能の限界があり、ZOOM最新モデリングアンプとIRを使うとDSPパワーは50%を超えてしまいます。あと足せるエフェクトは1,2個程度。
大型エフェクターボードのような、かなりこだわりの音作りが希望の方には不満に感じる可能性があります。
コンプと歪みと空間系をいくつか、といった一般的なエフェクトの使い方であれば、問題ないでしょう。
操作感に不満がある
タッチパネルでの操作は直感的でおおむね良いです。
ただし、スマホに慣れた現代人においては、反応速度が遅く感じたり、ホームボタンが無いということが不満に感じます。
対策として、Bluetoothアプリで操作すれば良いのですが、それには別売りのBluetoothアダプタ(BTA-1)が必要です。
一度、パッチが完成すれば、頻繁に設定することは減るので、ずっと使う分には気にならない点ではあります。
ZOOM G11との機能の違い
主な仕様の違いをまとめました。
G6 | G11 | |
フットスイッチ数 | 6+エクスプレッションペダル | 11+エクスプレッションペダル |
ベース用モデリングアンプ | × | 〇 |
同時使用エフェクト数 | アンプ+7エフェクト or エフェクトのみは9個 | アンプ+9エフェクト |
スクリーンサイズ | 4.3インチ | 5インチ |
USBオーディオインターフェイス | 2in/2out | 4in/4out |
センドリターン | 1系統 | 2系統 |
MIDI端子 | 無し | In/out |
ルーパー最長時間 | ステレオ45秒(モノラル90秒) | ステレオ最大5分 |
電源アダプタ | 500mA/9V | 2000mA/12V |
サイズ(mm) | 228 x 418 x 65 | 253 x 495 x 70 |
重量 | 1.9kg | 2.8kg |
市場相場価格 | 43,560円 | 79,200円 |
G6がG11よりも機能面で劣ったのが、フットスイッチ数減、ベース非対応、同時エフェクト数減、ルーパーが短くなった、外部エフェクトのセンドリターンが1系統のみ、という感じ。
一方ここが気にならないなら、サイズが小さく・軽くなって、約3万6千円安くなったのはかなり魅力です。
DSP性能差
カタログスペックなどに記載はありませんが、DSPパワーに大きな差があります。
最大同時使用エフェクト数は上記記載の通りですが、仕様するアンプモデリングやIR、エフェクトなど、
DSPの容量を食うものを使ってしまうと最大数使えません。
例えば新しいアンプモデリングKrumpasの使用容量は
G11では30%、G6では37%となっています。
LINE6 POD Go比較
ZOOM G6 | Line6 POD Go | |
ディスプレイ | タッチ操作+カラー | カラー |
フットスイッチ数 | 6+エクスプレッションペダル | 8+エクスプレッションペダル |
モデリングアンプ数 | 22種類 | 60種類以上 |
エフェクト数 | 約140種 | 100種類以上 |
同時用エフェクト数 | アンプ+7エフェクト or エフェクトのみは9個 | 10個 |
USBオーディオインターフェイス | 2in/2out | 4in/4out |
センドリターン | 1系統 | 1系統 |
MIDI端子 | 無し | 無し |
ルーパー最長時間 | ステレオ45秒/モノラル90秒(SDカードで拡張可能) | ステレオ20秒/モノラル40秒 |
リズムマシン | 有り | 無し |
電源アダプタ | 500mA/9V | 3000mA/9V |
サイズ(mm) | 228 x 418 x 65 | 230 x 359 x 88 |
重量 | 1.9kg | 2.35kg |
市場相場価格 | 43,560円 | 63,800円 |
というわけで他社で競合になりそうなのが、LINE6 POD Goですかね。
演奏モードの違い
最も大きな違いは フットスイッチ数も絡んだ演奏モードの違い です。
正直使い勝手の良さはフットスイッチ数の多さもあってPOD Goに軍配があがります。
POD Goの演奏モードは
Stompフットスイッチ・モードはフットスイッチがそれぞれのエフェクターのon/off
Presetフットスイッチ・モードは4つのプリセットの切替とバンクの切替
Snapshotフットスイッチ・モードはPresetモードの派生系で、音切れ無くエフェクトのon/offが可能です。
ZOOM G6の演奏モードはこちら
EFFECT BOARDモードはPOD GoのStompモード同様、各エフェクトのon/offですが、POD Goは6つのフットスイッチの使用に対し、G6は4つのみ。
BANK/PATCHモードとMEMORYモードは、POD GoのPresetモードの劣化版と言わざるをえません。
MEMORYモードではバンク内の4つのパッチの切替が可能ですが、フットスイッチのみでバンクの切替ができません。
BANK/PATCHモードはバンクとパッチの切替それぞれできますが、パッチの切替は前後でしかできません。
多くのパッチ切替が必要な場合は、パッチの並び順を気を付けなければなりません。
おそらく一番使われるであろうパッチ+バンクの切替がこれでは使い勝手が悪そうです。
4つのパッチのみの切替しか使わないのであれば、MEMORYモードで事足りますが。
LOOPERモードに関してはPOD Goよりも良さそうです。
POD Goは1/2再生や逆再生がありますが、実際の使いどころの需要は少なそうですし、
G6に関してはループの状況がディスプレイで確認できるのは使いやすそうです。
音の違い
そして最も重要な音ですが、こればっかりは好みですね。
モデリングアンプ数の違いもありますが、選択肢が多ければ良いわけでも無いですし、
あとG11より追加されたZOOMオリジナルのモデリングアンプが個人的に結構ツボで、
多弦でもタイトな7 Heavenや、Polyphiaのようなdjentなサウンドなど
現代のシーンに求められているサウンド がサクッと出せるのは結構強みです。
ただし、POD GoもHelix直系で、実際にプロもステージで使っているという信頼性が高いのは事実。。。その分POD Goの方が価格は2万円も高いわけです。
ZOOM G6レビューまとめ
サウンドのグレードはもちろん、足元の操作を含めた ライブなどのパフォーマンスでの使用に十分対応できるマルチエフェクターとして、
4万円台で買えるものとしてはかなり良さそうです。