現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)です。
初めての1本でも良質な入門ギターが良い
軽量なエレキギターが良い
Fenderが良いけど7万円は高くて出せない
という方にSquier by Fender の Affinity(アフィニティ)シリーズをおすすめします。2021年9月にアップデートされた最新仕様で解説しています。
Squier Affinity Seriesの特徴
正真正銘のStratocaster, Telecaster
ボディが薄く軽量で抱えやすい
フレットが大きく弦を押さえやすい
特徴①:正真正銘のStratocaster, Telecaster, Jazzmaster
Squier(スクワイヤー)はFenderのセカンドブランド。
ストラトキャスターやテレキャスタータイプのモデルは様々なブランドから出ていますが、正式にこれらを名乗れるのブランドはフェンダーかスクワイヤーだけです。実際形が微妙に違ったりします。
モデル名に加えてヘッドの形も商標登録されているので、このルックスが好きという人はフェンダーかスクワイヤーを選ぶしかありません。
そこで比較的に安く買えるのがスクワイヤーです。
特徴②:ボディが薄く軽量で抱えやすい
アフィニティシリーズは往年のフェンダーギターよりも、少しボディの厚さが薄いです。
そのためギター自体の重量が軽くなることと、薄さにより初心者でも抱えやすいギターと言えます。
一般的なストラトの重さが約3.5kgくらいですが、アフィニティシリーズは約3.1kg前後くらいです。
特徴③:フレットが大きく弦を押さえやすい
フレットが大きいと弦との隙間が狭くなるため、左手で弦を押さえる際に力が軽くなります。
また他社の格安ギターに比べ仕上げの質が高いため、弾きやすくなっています。
ネックが薄めなのも初心者に優しいポイント。
デメリット
デメリット①:Fenderブランド製品より品質は低い
ギターの価格は材料のグレードと、製作時の人件費の違いが挙げられます。
人件費は生産国の他にも職人の手作業の時間給も含まれるため、安めのギターは弾き心地を良くするための手作業も省かれます。
スクワイヤーアフィニティシリーズはこの点において、1万円クラスのめのよりは良いけど7万円クラスの本家フェンダーよりは悪いというレベルです。
つまり無名ブランドの格安ギターよりは断然弾きやすいですが、Fenderほどではないという感じです。
デメリット②:音の解像度が低い
傾向としては明らかにストラト・テレキャスの音ではあるのですが、フェンダーの音と比べると奥行きや倍音など立体感が足りなく感じます。
これは木材やピックアップなどのパーツ、制作精度に由来します。本来フェンダーの木材はアルダーやローズウッドといったものが使用されますが、アフィニティシリーズにはポプラボディやローレル指板など安価な木材が使用されています。
音に立体感・解像度が低いと、上級者にとっては細かな演奏の表現力も失われると感じるケースもありますが、初心者にとっては気にしすぎなくて良いポイントとも言えます。ここに不満が出てきた時がギターの買い替え時でしょう。
Squier Bullet Strat with Tremoloとの違い
Affinity Series Stratocaster | Bullet Strat with Tremolo | |
ボディ | ポプラ | ポプラ |
ネック | メイプル | メイプル |
ネック形状 | Cシェイプ | Cシェイプ |
指板材 | ローレル | ローレル |
指板R | 9.5インチ | 9.5インチ |
フレット | 21, ミディアムジャンボ | 21, ミディアムジャンボ |
ナット幅 | 42mm | 42mm |
ヘッド形状 | ラージヘッド | スモールヘッド |
ピックアップ | Ceramic Single-Coil | Standard Single-Coil Strat® |
ペグ | Sealed Die-Cast with Split Shafts | Standard Die-Cast |
トレモロブリッジ | 2-Point Synchronized Tremolo with Block Saddles | 6-Saddle Vintage-Style Synchronized Tremolo |
カラー | 3カラーサンバースト、オリンピックホワイト、ブラック、レイクプラシッドブルー | ブラウンサンバースト、ブラック |
市場相場価格(税込) | 36,520円 | 25,300円 |
今までの製品ではボディ材の違いなどありましたが、現在の最新仕様との違いは
・ピックアップ
・ペグ
・ブリッジ
・カラー展開
加えてスペックではわからないのが
・仕上げの丁寧さ
特にBulletのペグは格安ギターにもよく使われるもので、音程が狂いやすくおすすめできません。またブリッジサドルの形もAffinityの方が痛くならないので初心者にもやさしいです。
そしてカタログだけではわからないのが仕上げの丁寧さ。
Affinityシリーズの方が見た目にもわかるほど全体的に滑らかな仕上げ、特にナット部分やフレットの縁といった演奏に直接関わる部分も合格点です。
約1万円という価格差ではありますが、アフィニティを断然おすすめします。
価格的にそれが難しければスクワイヤーに拘らずもっと安い格安ギターにしても良いでしょう。そこまでいくと品質に対した差がないので。
【選び方】Affinity シリーズ機種一覧と違い比較
Affinity Series Stratocaster3機種の違い比較
Affinity Series Stratocaster | Affinity Series Stratocaster HH | Affinity Series Stratocaster FMT HSS | |
ボディ | ポプラ | ポプラ | ポプラ+フレイムメイプルべニア |
ピックアップ | シングルコイルx3 | ハムバッカーx2 | シングルコイルx2 + ハムバッカーx1 |
カラー | 3カラーサンバースト、オリンピックホワイト、ブラック、レイクプラシッドブルー | オリンピックホワイト、バーガンディミスト、チャコールフロストメタリック | シエナサンバースト、ブラックサンバースト |
市場相場価格 | 36,520円 | 36,520円 | 44,770円 |
ストラトキャスターは全3種類。それぞれピックアップの違いと見た目の違いで、薄めのボディやネックなどそれ以外の仕様は同じです。
ハードなラウドロックやヘヴィメタル系ならハムバッカーを2基搭載したAffinity Stratocaster HH、それ以外のジャンルならシングルコイル3基を搭載したAffinity Stratocasterが良いです。
Affinity Series Stratocaster FMT HSSは同じような特徴の他社製品に比べると若干割高に感じます。
・シングルコイルとハムバッカーの両方を搭載しいろいろな音を出したい
けれど、
・Squier、純正ストラトじゃないと嫌だ
・見た目が好き
という人じゃなければIbanez AZESやYAMAHAパシフィカの方がおすすめです。詳しくはこちらの記事(https://yoshblog.com/ibanez-azes/)をご覧ください。
Affinity Series Telecaster2機種、Jazzmasterの違い比較
Affinity Series Jazzmaster | Affinity Series Telecaster | Affinity Series Telecaster Deluxe | |
ピックアップ | Ceramic Single-Coil ジャズマスタータイプ | Ceramic Single-Coil テレキャスタータイプ | Ceramic Humbucker |
カラー | バーガンディミスト、レイクプラシッドブルー | レイクプラシッドブルー、オリンピックホワイト、3カラーサンバースト、バタースコッチブロンド | バーガンディミスト、チャコールフロストメタリック、ブラック |
市場相場価格 | 42,020円 | 36,520円 | 42,020円 |
これらも形は違えど、少し薄めのネック形状やネックの長さ、フレットの大きさ(=弦の押さえやすさ)などにストラトキャスター同様違いはありません。
従来のテレキャスターには無いボディバックコンターもあるので、抱えやすさの違いもあまり気にする必要はありません。
ストラトとテレキャスの違いは色々ありますが、最初の選ぶ基準は見た目やフィーリングで良いです。 ストラトとテレキャスの違いは色々ありますが、最初の選ぶ基準は見た目やフィーリングで良いです。もっと詳しい解説はこちらの記事(https://yoshblog.com/st-vs-tl/)をご覧ください。
そして今回新たに登場したのがAffinity Series Jazzmaster。アフィニティシリーズでこの形のピックアップを搭載した初のジャズマスターです。近年はストラトとテレキャスに並んで人気が高まっていたのでまさに待望の純正ジャズマスです。
しかしブリッジはストラトと同じ、ピックアップも見た目こそあれど構造は伝統的なジャズマスターとは少し異なります。サウンドの傾向もそれなりにはジャズマスターではありますが、特有のシャリーンとした倍音の広がりが少し乏しく、中から上級者がジャズマスター欲しさにこれを選ぶのは違うかもしれませんが、初心者なら全然okでしょう。
2021年仕様 Squier Affinity Seriesまとめ
特筆するほど目立ったデメリットが無いというのが、この価格帯には嬉しいメリット。パッとしないですが、それが意外に大事だったります。Squier Affinityシリーズはまさにそんなギターです。
まとめると
・ボディが薄くて軽いため抱えやすい
・ちゃんと調整してあってフレットが大きく弦が押さえやすい
ので、
・Fender直系の純正ストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスターが欲しい
・格安ギターの品質は不安なので3万円台で良いギターを探している
という初心者の方
・ポップス、ロック、ファンク、ブルースなどシングルコイルピックアップの音が欲しい人は
●Affinity Series Stratocaster
●Affinity Series Telecaster
●Affinity Series Jazzmaster
・激しめのロック、メタルなどハムバッカーの音が欲しい人は
●Affinity Series Stratocaster HH
・ロックもしくは、ジャズやソウルなど甘いハムバッカーの音が欲しい人は
●Affinity Series Telecaster Deluxe
におすすめです。
まだ市場には2021年9月以前の旧製品も残っています。品名が同じでややこしいので、上記で紹介している色で新旧モデルの判別がしやすいです。