でもどうやって練習すれば良いの?
とお悩みの方に読んでほしい記事です。
速弾きを習得しようとすると、練習方法やフレーズなどを調べがちですが、
そもそも速弾きがしやすいギターや、ギターの調整、音作りなどを意識していますか?
なんでもかんでも速く弾ければ良いと言うわけではありませんが、
やっぱり弾けるようになってみたいですよね。
なにより速弾きというテクニックを見に付けると、
表現の幅が広がります。
例えばソロで考えると、速弾きしても良いですし、”しなくても良い”んです。
速弾きに適したギターの条件
もちろん好みはありますが、弦高が下げられるギターが良いです。
これは調整で対応できるものと、
元からのギターの作り(スペック)によるポイントに分かれます。
スペック
フレット
サイズは大きいもの、とりわけ背が高いものが向いています。
具体的にはミディアム以上が良いです。
理由は、背が高いと弦とフレットの隙間が狭くなるので、弱い力での押弦が可能です。
ネックシェイプ
52年仕様のテレキャスターや、58年仕様のレスポールのように極端に太いもの、
またクラプトンのようなVシェイプ以外なら良いです。
理由は、太いシェイプは速弾きに理想的な左手のフォームである、クラシカルフォームが向いてないためです。
もっとも一般的なCシェイプや、Thin Uなどが良いです。
指板ラディアス
7.25インチ(184mmR)は避けた方が良いです。
具体的にはFender JapanやAmericanVintage シリーズなどですね。
これらは弦高が下げづらいためです。
モダン仕様のFenderは9.5インチですが、できればPRS(10インチ)や、ギブソン(12インチ)くらいからがおすすめです。
コンパウンドラジアスはもちろんOKです。
ナット
大抵の初心者用ギターはナットの溝切りが甘く、ブリッジの弦高調整だけではどうにもならないケースが多いです。
調整できないことも無いですが、ナットだけでは難しく、フレットのすり合わせもしなければならないケースもあります。
また調整する際は必ずプロのリペアマンに依頼してください。
良質なギターであれば調整しなくて大丈夫です。
調整・セットアップ
ネックの反り
弦高調整というと、ブリッジ、サドルから調整したくなりますが、まずこのネック反り具合から始めなければいけません。
反り具合で全体の弦高は大きく変わります。
一般的には鳴りを重視して、やや順反りにしますが、
ディストーションで速弾きするなら、生音の多少のビビり音は気にせず、
音が詰らない程度でネックをストレートにすると良いです。より弦高が下がります。
ブリッジ・サドル
ちなみにフロイドローズはあまりおすすめできません。
同じ価格帯だと普通のブリッジよりもナットの作りが甘くなりがちで、弦高が高くなってしまうものがあるためです。
10万円台半ばくらいからであれば問題ないです。
レスポール系のチューン-O-マティックではブリッジのみでの調整になります。
トレモロユニット搭載のブリッジでは、ベタ付けがおすすめです。
ボディバックパネル内のスクリューを締めてアップできない状態にします。
同様にサドルを指板ラディアスに沿って下げます。
ここまでの調整で6弦12フレットの弦高が2.0mm未満なら文句なしです。
同じ弦高でもギターによって弾き心地は変わりますし、
安価なギターだと2.0mm以下に下げると音づまりなど弊害が出るかもしれません。
弦のゲージ
意外と見落としがちなのがこれです。
ミディアムスケールなら10-46か09-46
ロングスケールなら09-42がおすすめです。
数年前、私の周りには太いゲージの方が偉いという謎の風潮を掲げるグループがありましたが、弾けてなければ元も子もありません。
もし今使っているギターが上記の基準から全く外れていたら・・・
全ての条件が満たされている必要はありません(満たされていればベストです)が、
向いていないギターで一生懸命練習して、変な癖がついたり、挫折につながってしまったり、無駄に練習時間がかかるくらいなら、いっそ新しいギターを購入することも検討されると良いです。
20万円以上の国産ならば丁寧すぎる精度のつくりで弦高は下げやすいですし、
海外製でもsuhrなどコンポーネント系なら抜群の弾きやすさです。
とは言え、それは高過ぎるという方のために、それなりの価格でおすすめな機種をご紹介します。
Schecter Hellraiser C-1 (AD-C-1-HR)
サウンドハウスで見る私も一時期使用していました。
韓国製ですがクオリティは十分!
速弾きスペックとしては
・ Thin(薄めの)Cシェイプネック
・ Xジャンボフレット
・ 14” (355mm) ラディアス指板
・ スルーネックの様なウルトラアクセスジョイント
これに加えて
・コイルタップも可能なEMG2発
・ ロック式ペグ
・ トーンプロスブリッジ
というスペック厨も満足な仕様。
個人的に最大のポイントはマホガニーボディに加えネックにもマホガニーを採用している点です。
意外とこれ系のギターでマホガニーネックは少ないんですよね。
このマテリアルのおかげで極悪ハイゲインサウンドが実現しています。
事実USでロードツアーに出ているようなメタルコア系バンドがこぞって使用していました。
クオリティに加え、ヘヴィデューティな頑丈さもツアーバンドには受け入れられていたのでしょう。
セットネックの角度付きヘッドながら、ボリュートがあり、かつ硬めのウレタン塗装により強度は抜群。
わたし自身、ギター回しの際にストラップピンがギターから外れ、吹っ飛ばして床に叩きつけましたが、ヘッドの一部が幅1センチ深さ1ミリほど欠けただけで済みました。
日本でもSiMやFear and Loating in Las Vegasらが初期はダイアモンドシリーズを愛用しており、その縁からシグネチャーモデルをシェクターから発表しています。
Fujigen Boundary BOS-M
販売価格で5万円台ながら日本製です。
一昔前のFender Japanの価格帯ですが、今はもうどのブランドでもこんなに安価な日本製はありません。
現在、最安の日本製エレキギターです。
しかし、作りの丁寧さは紛れもなく日本製。ナットの取り付けやフレットの処理など弦高を下げるには十分です。
逆にどこで価格を下げているのかこちらが不安になるくらいです。
速弾きスペックとしては
・ 9.5インチ(250mm)R (本当はもっと大きい方が良いですが許容範囲です)
・ Uシェイプネック
・ハードテイルブリッジ(アーム無し)
オリジナルのピックアップとバスウッドボディで、クセのないバランスの取れたサウンドです。
SSH配列により使えるジャンルも選びません。
格安ギターで始めてギターのせいで弾きづらく、1年以内に買い替えたいという方や、ちょっとがんばって最初の1本としては最高のギターです。