楽器店員のyosh(@yoshguitarblog)です。コスパ最強ギターヘッドフォンアンプのMighty Plugが、さらに機能を増やしたProとして登場。
メリット・デメリットと無印Mighty Plugとの違いまで、Mighty Plug Proをレビューします。
・機能全部入りヘッドフォンアンプ
・かゆい所に手が届いた本体の物理ボタン
・手軽にギター配信したいならコレ
- 1 Mighty Plug Proメリット・デメリット
- 1.1 メリット①:ギター・ベースに対応するヘッドフォンアンプ
- 1.2 メリット②:17種類のギターと4種類のベースアンプモデリング
- 1.3 メリット③:IRは34種類、読込みも可能
- 1.4 メリット④:43種類のエフェクトを内蔵
- 1.5 メリット⑤:Bluetoothオーディオと専用アプリ
- 1.6 メリット⑥:配信にも対応できるUSBオーディオインターフェイス
- 1.7 メリット⑦:本体保存や自動切替も可能なプリセット機能
- 1.8 メリット⑧:本体操作ボタンも充実
- 1.9 メリット⑨:内蔵充電バッテリーで約5時間駆動
- 1.10 デメリット①:チューナー機能非搭載
- 1.11 デメリット②:音質はイヤフォン・ヘッドフォンに依存する
- 2 Mighty Plugとの違い比較
Mighty Plug Proメリット・デメリット
メリット
①:ギター・ベースに対応するヘッドフォンアンプ
②:17種類のギターと4種類のベースアンプモデリング
③:IRは34種類、読込みも可能
④:43種類のエフェクトを内蔵
⑤:Bluetoothオーディオと専用アプリ
⑥:配信にも対応できるUSBオーディオインターフェイス
⑦:本体保存や自動切替も可能なプリセット機能
⑧:本体操作ボタンも充実
⑨:内蔵充電バッテリーで約5時間駆動
デメリット
①:チューナー機能非搭載
②:音質はイヤフォン・ヘッドフォンに依存する
メリット①:ギター・ベースに対応するヘッドフォンアンプ
Mighty Plug Proはギターまたはベースに直接接続し、イヤフォンやヘッドフォンを接続するだけで、本格的なサウンドを手軽に楽しめるヘッドフォンアンプです。
超小型な本体はあらゆるジャック形状に対応し、ストラトなどのアームの邪魔にもならないように設計されています。
メリット②:17種類のギターと4種類のベースアンプモデリング
アンプモデリングには17種類のギターアンプと、4種類のベースアンプのモデリングを採用しています。
アンプモデリング一覧は下記リストの通りですが、まさにあらゆるジャンルに対応できる内容です。
Amp(*はベース用)
表示名 | ベースとなったモデル |
---|---|
Jazz Clean | Roland JC-120 |
Dluxe Rvb | 64 Fender Deluxe Reverb |
Bass Mate | 59 Fender Bassman |
Tweedy | 57 Fender Tweed Deluxe |
Hiwire | 1969 HIWATT |
Cali Crunch | 1978 Mesa Boogie MK1 |
Class A30 | VOX AC30 |
Plexi 100 | 68 Marshall Plexi 100W |
Plexi 45 | 67 Marshall Plexi 45W |
Brit 800 | 1977 Marshall JCM800 |
1987 X 50 | 1989 Marshall 1987X 50W |
Slo 100 | 1980 Soldano SLO 100 |
Fireman HBE | 2005 Friedman HBE |
Dual Rect | 1985 Mesa Dual Rectifier |
Die VH4 | 1999 Diezel VH4 |
Mr. Z38 | 2001 FR Z MAZ 38 |
Super Rvb | 2008 Fender Supersonic |
AGL* | AGL AMP |
MLD* | MLD AMP |
Optima Air* | OPTIMA AIR |
Stageman* | STAGEMAN ACOUSTIC |
メリット③:IRは34種類、読込みも可能
イヤフォンやヘッドフォン、もしくはラインのサウンドになるので、アンプだけでなくIRを採用することで、キャビネットスピーカーの鳴り方も付加し耳馴染みの良いアンプサウンドを再現。
加えてエレキでもアコギ風サウンドが鳴らせるアコギIR3種を搭載。フロントピックアップのシングルコイルを使用するのが良いです。
IRはアンプモデリングに合わせた36モデルに加えて、PCと接続し専用ソフトウェアを使用することで手持ちのサードパーティ製IRもロード可能な20スロットも用意されています。
IR(*はベース、**はアコギ)
JZ120 | Roland JC120 |
DR112 | 64 Deluxe Reverb 1×12 |
TR212 | 65 Twin Reverb 2×12 |
HIWIRE412 | 1969 HIWATT 4×12 |
CALI112 | 1978 Mesa Boogie MK1 1 x12 |
A112 | VOX AC30 1×12 |
GB412 | Marshall Greenback 4 x 12 |
M1960AX | Marshall 1960AX |
M1960AV | Marshall 1960AV |
M1960TV | Marshall 1960TV |
SLO412 | Soldano 4×12 |
FIREMAN412 | Friedman 4×12 |
RECT 412 | Mesa Boogie 4×12 |
DIE412 | Diezel 4×12 |
MATCH212 | Matchless 2×12 |
UBER412 | Bogner 4×12 |
BS410 | Fender Bassman 4×10 |
A212 | VOX AC30 |
M1960AHW | Marshall 1960A HW |
M1936 | Marshall 1936 |
BUDDA112 | BUDDA 1×12 |
Z212 | Dr.Z 2×12 |
SUPERVERB410 | Fender Superverb 4×10 |
VIBROKING310 | Fender VibroKing 3×10 |
AGL_DB810* | Aguilar DB 8×10 |
AMP_SV212* | Amppeg SVT 2×12 |
AMP_SV410* | Amppeg SVT4x10 |
AMP_SV810* | Amppeg SVT8x10 |
BASSGUY410* | Fender Bassman 4×10 |
EDEN410* | EDEN 4×10 |
MKB410* | Markbass 4 x10 |
G-HBIRD** | Gibson Hummingbird |
G-J15** | Gibson J-15 |
M-D45** | Martin D-45 |
メリット④:43種類のエフェクトを内蔵
ノイズゲート、コンプレッサー、歪み、EQ、モジュレーション、ディレイ、リバーブという基本エフェクトをマルチエフェクター並みにエフェクトも内蔵。
モデリング元は名機の数々でちょっと得した気分になれます。
エフェクターリスト一覧は下記の通り
Gate
Gate | Noise Gate |
Comp
Rose Comp | ROSS |
K Comp | Kelly |
Studio Comp | Studio |
EFX
Distortion+ | MXR Distortion+ |
RC Boost | Xotic RC Booster |
AC Boost | Xotic AC Booster |
Dist One | BOSS DS-1 Distortion |
T Screamer | Ibanez Tube Screamer |
Blues Dry | BOSS BD-2 Blues Driver |
Morning Drv | JHS Morning Glory |
Eat Dist | Pro Co RAT |
Red Dirt | Keeley Red Dirt |
Crunch | JHS Angry Charlie |
Muff Fuzz | Electro-Harmonix Big Muff Pi |
Katana | Keeley Katana Clean Boost |
ST Singer |
EQ
6-Band | BOSS GE-6 |
10-Band | MXR 10 BAND EQ |
Mod
CE-1 | Roland CE-1 Chorus |
CE-2 | BOSS CE-2 Chorus |
ST Chorus | MXR Stereo Chorus |
Vibrato | BOSS VB-2 |
Detune | Stereo DETUNE |
Flanger | BOSS BF-2 Flanger |
Phase 90 | MXR Phase 90 |
Phase 100 | MXR Phase 100 |
S.C.F. | TC Chorus |
U-Vibe | Dunlop Uni Vibe |
Tremolo | BOSS TR-3 Tremolo |
Rotary | Rotary Speaker |
SCH-1 | MXR Harmonizer |
Delay
Analog | BOSS DM-2 Analog Delay |
Digital | BOSS DD-2 Digital Delay |
Modulation | Ibanez DML Modulation Delay |
Tape Echo | Maestro EchoPlex EP-4 |
Pan Delay | Ibanez DPL10 Stereo Pan Delay |
Reverb
Room | T-Rex Room Mate Reverb |
Hall | Lexicon 224 Hall Reverb |
Plate | EMT 140 Plate Reverb |
Spring | Vintage Spring Reverb |
Shimmer | Shimmer Reverb |
Damp |
メリット⑤:Bluetoothオーディオと専用アプリ
スマホやタブレットとBluetoothで接続することで、YouTubeなど端末で再生した楽曲を流しながら、ギター・ベースを同時に演奏できます。
ガチの練習というよりは、好きな曲を弾くだけでテンションが上がるので普段使いでかなり嬉しい機能です。
さらに専用アプリ「MIGHTY AMP」を使用することで、サウンドメイクやプリセットの保存、リズムパターンなど様々な設定も行えます。だいたいのことはできるので、いちいちPCに接続する必要もなく手軽に行えるのが実際に使ってみるとありがたい点です。小さなハードルがギターの練習にとっては大敵ですからね。
ドラムマシンやジャムトラックも内蔵されており、アドリブの練習にも使えそうです。
メリット⑥:配信にも対応できるUSBオーディオインターフェイス
ギターとイヤフォンマイクを接続するだけで、スマホ1台で配信環境が整います。
さらにループバック機能まで付いているので、Bluetoothオーディオや接続したPCやスマホから楽曲を再生しながら、ギターを演奏を配信できちゃいます。
このサイズの機器で、これほど手軽に配信が行えるデバイスは他にありません。
もちろん通常のUSBオーディオインターフェイスとしても使えるので、作曲やデモ作り、動画作成のためのレコーディングも可能です。
メリット⑦:本体保存や自動切替も可能なプリセット機能
アプリで行ったサウンドメイクは最大7個まで本体へプリセット保存可能。
7個のプリセットのうち、例えば1と3と5だけをMighty Plug Proに保存して、本体のボタンを押した際には1,3,5のプリセットだけを順に切り替える、という設定も可能です。
また楽曲再生中に自動でプリセットを変更してくれるように、事前に設定が可能です。
こちらのスクリーンショット画像のタイムラインの1,4,2,1・・・とついてるマークがついています。これらのプリセットへ、楽曲再生のそのタイミングで自動で切り替わるということです。
アプリ内蔵のJamTrackとArtist Trackに加えて、スマホ内に保存した楽曲でも設定できるので、練習はもちろん、動画用にも便利な機能です。
メリット⑧:本体操作ボタンも充実
アプリ機能が盛りだくさんで便利なのですが、一度プリセットを作ってしまえば、Mighty Plug Proを使用するために毎回アプリを立ち上げる必要はありません。
プリセットの切り替えは本体ボタンのみで行えますし、音量ボタンもついています。
手軽に練習・演奏できるデバイスなので、必ずアプリ接続する必要がなく、電源を入れてすぐに弾けるというのは、地味ながらも毎回使う場合は非常に重宝する、使ってみると意外にありがたい仕様になっています。
メリット⑨:内蔵充電バッテリーで約5時間駆動
小型な本体には充電式のバッテリーが内蔵されています。充電はUSBオーディオインターフェイスでも使用するType-C端子のUSBケーブルで行います。
通常使用で最大5時間の駆動が可能なので、練習中に電池が切れてしまうという心配はないでしょう。同様に生配信ライブでも足りるはずです。
デメリット①:チューナー機能非搭載
2023年4月3日のアップデートでアプリにチューナーが搭載されました!コメントで教えていただきありがとうございます。
cherubブランドのチューナーが搭載されており、以下の設定が切替可能です。
ディスプレイ:フローウイング/スタンダード
A4:430Hz〜450Hz
特筆点はGuitar Compebsatedモードです。
このモードは、アコースティックギターの名手であるJames Taylor氏が編み出したチューニングメソッドにインスパイアされたチューニングモードです。
各弦のチューニングを数セントずらすことで、アコースティックギターの響きを最大限に引き出すことができます。ギターコンペンセーションチューニングでは、一般的なスタンダードのチューニングから以下の様に調整されています。
- 1弦 E -3cent
- 2弦 B -6cent
- 3弦 G -4cent
- 4弦 D -8cent
- 5弦 A -10ent
- 6弦 E -12cent
CherubのGCPSモードでは、各弦に対するデフォルトのプリセットとして、このオフセットが適用されており、モードを合わせてギターのチューニングを行うだけで、James Taylor氏のギターコンペンセーションチューニングを行うことができます。
https://electori.co.jp/cherub/about_CPS.htmより引用
ここまで充実の機能なのに、なぜかチューナー機能がついていません。
先に挙げたとおり、わたしのように毎回アプリを立ち上げるのが面倒な人は別途クリップチューナー等を使った方が楽なのは間違いないのですが。
ただSparkの用に後からのアップデートにアプリにチューナーが搭載された例もあるので、今後にも期待したいところです。
デメリット②:音質はイヤフォン・ヘッドフォンに依存する
ヘッドフォンでエレキギターを演奏するすべての機材に言えることではありますが、サウンドのクオリティは再生するヘッドフォンのクオリティに依存します。
もし普段から100均にあるような格安イヤフォンを使っているのなら、楽曲を細部まで聴けるようにイヤフォン・ヘッドフォンにも投資することを強くおすすめします。そういう耳を育てることは上達にも直結します。
Mighty Plugとの違い比較
Mighty Plug Pro | Mighty Plug | |
---|---|---|
市場相場価格 | 17,600円 | 8,800円 |
音色数 | ・ノイズゲート1種 ・コンプ3種 ・EFX13種 ・アンプ21種 ・IR34種 ・EQ2種 ・Mod13種 ・ディレイ5種 ・リバーブ6種 | ・ノイズゲート1種 ・EFX14種 ・アンプ13種 ・IR19種 ・Mod6種 ・ディレイ4種 ・リバーブ4種 |
プリセット保存数 | 7 | 7 |
エフェクト接続順の入替 | 可能 | 不可 |
Bluetooth | あり | あり |
USBオーディオインターフェイス | あり | あり |
マイクin端子 | あり | なし |
ループバック機能 | あり | なし |
物理ボタン | ・パワー/ミュート ・音量+- ・プリセット ・リセット | ・パワー/ミュート ・プリセット ・リセット |
レイテンシ | 1.2msec (0.0012 秒) | 非公表 |
ダイナミックレンジ | 103 dB | 非公表 |
サンプリングレート | 48kHz / 32-bit | 非公表 |
サイズ | 81 x 41 x 30 mm | 81 x 41 x 30mm |
重量 | 70g | 62g |
Mighty Plugの上位グレードとして発売されたMighty Plug Proですが、2機種の違いを比較してみます。
約1万円弱の差で、エフェクト数が豊富にかつ接続順の入替が可能、マイク入力とループバック機能による配信の最適化、本体に音量ボタンの追加が挙げられます。
加えてレイテンシやサンプリングレートも公表されたことからも、PROの方が音質が向上していることが予想されます。
またProのIRにはエレキギターをアコギ風に変えることができるので、家ではアコギをジャカジャカ鳴らせない、という人には嬉しい機能も。無印のIRにアコギIRは搭載されていません。
高い方のMighty Plug Proでも下手なアンプやマルチエフェクターより全然安くそれ以上の機能が満載なので、迷ったらPROを買っておけば後悔しないと思います。
・家ではアンプは鳴らせない
・機材の難しいことはわからないけどギター配信してみたい
・ギターの練習のたびにスマホアプリを開くのは面倒くさい
・普段の演奏でもエフェクターを使ってサウンドメイクしたい
・手軽なマルチエフェクターやUSBオーディオインターフェイスを探している
・家でアコギをジャカジャカ鳴らせないので、エレキでアコギの音を楽しみたい
・ギター初心者でできる限り出費を減らしたい
・音作りにこだわらない
・配信は絶対しないのでできる限り安ければ良い