ボディが小さいので、部屋に置いても邪魔にならず、気軽に手に取れるのでギターを弾く時間が増えます。
いつもと違うナイロン弦の心地よい響きは、リビングで弾くギターとして最適です。
現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog) です。数年ぶりにギターを買ったのでレビューしてみます。
以下の使用用途で手軽に弾けるギターを探していました。
・家でダラダラ爪弾く用
・ソロギターの練習用
・キャンプに持っていける安価なミニギター
わたしは普段エレキでメタルをよく弾きますが、暇な時になんとなく爪弾く時にソロギターなんか弾けると楽しそうだなぁってことで、手頃なアコギを探していました。
ついでにキャンプなんかに持って行けると最高だなってことで、ミニギターにしようと。
高価だと野外で使うにはちょっと抵抗があるし、だからといって安いと弾きにくくて結局使わないのは本末転倒。ということで、ヤマハJR2やギタレレ、S.Yairi YM-02、Aria A-20-48などは予選落ち。
スチール弦ならTaylorのBabyかGS Miniだったんですが、どうせなら癒やし系な音のナイロン弦にしようということで、コルドバのMINIシリーズに決定。
さらにカッタウェイあるとエレキの息抜きでも使えるかなということで、Cordoba MINI II EB-ECを購入しました。
Cordoba MINI II EB-CEスペック
国内サイトがバグって表示されなかったので、仕様まとめておきます。
トップ | スプルース単板 |
サイド/バック | ストライプドエボニー合板 |
ネック | マホガニー |
スケール | 580mm (22 7/8″) |
ネック | Cシェイプ(薄め) |
ネック厚 1フレット部 | 19mm |
ネック厚 9フレット部 | 20mm |
ナット幅 | 48mm(1 7/8″) |
指板/ブリッジ | パーフェロー |
フレット | 19 |
ナット/サドル | NuBone |
全長 | 873mm |
生産国 | 中国(USA設計) |
市場相場価格 | 34,650円~36,960円 |
良かった点
①:レギュラーチューニングとミニサイズを兼ね備えた最適解
②:リラックスタイムにピッタリな柔らかい音色
③:チューナー内蔵ですぐ弾ける
④:ナイロン弦だけどスロッテッドじゃないので弦交換が楽
⑤:付属ケースも高品質
良かった点①:レギュラーチューニングとミニサイズを兼ね備えた最適解
ミニサイズのナイロン弦と言えばヤマハのギタレレが最も有名でしょう。コンパクトかつ1万円台前半の安価が魅力なのですがこれが同時に、ギターの5カポと同じチューニングになってしまうこと、低価格ゆえの楽器としての品質の低さというデメリットにもなっています。
その点Cordoba MINI IIシリーズでは全長873mm 、580mmスケールによりレギュラーチューニングでもテンションと音程が保たれています。
実売3万円台となると1万円台が多いミニギターの中では少し高いですが、TaylorやMartinといった一流ブランドのミニギターに比べると安い、中価格帯。それにより使っている木材、艶無しサテン仕上げもかなり綺麗。
ほどよいミニサイズかつ薄めのネックなのでは、通常のクラシックギターに比べてエレキ弾きにも圧倒的に弾きやすいです。
なによりボディも75~85mmでギターの中でも薄めなので、とにかくストレスなく抱えられます。
メイプルバインディングとストライプドエボニーの対比も美しく、ネックも綺麗な柾目のマホガニーです。
ナイロン弦なのにトラスロッドでのネック調整ができるのも、ポイント高いです。
良かった点②:リラックスタイムにピッタリな柔らかい音色
歪んだエレキの音もを浴びてきた私からすると、ナイロンの音は新鮮。寝る前の時間や休日でも心地よく感じます。この新鮮さ、心地良さがギターに触れる時間を増やし、結果上達にもつながっていると感じます。
家族がいるとエレキではヘッドフォン必須ですが、ナイロンの柔らかな音色なら会話もできますし肩身が狭くなることもありませんw
またナイロン弦なので、アコギやエレキギターの弦と違って手触りも柔らくて優しく、長時間弾いても指に跡がつかず痛くならないのも実際使って気付いたメリットでした。
良かった点③:チューナー内蔵ですぐ弾ける
MINI II シリーズで唯一カッタウェイとピックアップを搭載しているのが、MINI II EB-CE。
Belcat 製プリアンプにはチューナーを内蔵しており、いちいちチューナーを探す手間もありません。アンプに繋がなくてもチューナー単体で使えます。
プリアンプのコントロールノブは、押し込んで収納できるので邪魔になりません。
良かった点④:ナイロン弦だけどスロッテッドじゃないので弦交換が楽
クラシックギターのヘッドはスロッテッドヘッドが基本。クラシカルな見た目ではありますが、エレキに慣れた身からするととにかく弦交換が面倒です。
Cordoba MINI IIシリーズは一般的なエレキ・アコギと同じ形状で、弦交換やチューニングに抵抗が無いのも地味に嬉しいポイントでした。
良かった点⑤:付属ケースも高品質
付属しているケースもけっこうしっかりめのギグバッグ。ペラペラじゃないので持ち運びも安心できます。
持ち手も肉厚で、リュックの様に担げますし、ネック枕までついています。
サウンド
はい、普通に良い音です。
安物ミニギターにありがちな、いかにもなチープさは皆無。
家で弾く分には不満がないどころか、小さなボディ特有の軽やかさに、エボニー合板の影響もありぼやけず輪郭のあるサウンドで、練習も楽しめます。
残念だった点:フレットエッジ処理は少し甘い
大前提としてこのギターに不満はないのですが、強いて挙げるとすればフレットのエッジ処理が甘かったことでしょうか。テイラーやマーティンのミニギターとの大きな品質の違いは、ここくらいじゃないでしょうか。
それも価格相応ですし、そのままでも演奏に大きな支障はありませんが、せっかくなので、自分でフレットエッジを丸めてみました。
やり方はこちらの記事に書きました👇
結論:Cordoba MINI II EB-CEは買って大満足なミニギターでした
弾きやすくてサウンドも良い、見た目も良くそれでいて値段も手頃。フレットエッジも丸めて完全に死角が無くなったミニギターになりました。
最近はU-フレットや、Ultimate Guitar Tabsなどで、コード進行を見て、自分でコードを弾きながらメロディも弾けるポジションを探してソロギターアレンジするのにハマっています。
このギターを買ったことでギターの楽しみ方をさらに広げることができました。まだ野外には連れて行っていませんが、手放すことはないであろう最高のセカンドギターです。
MINI IIシリーズ全4機種の比較解説はこちらの記事をご覧ください。