・手持ちの布類で代用できる?
・種類がありすぎてどれを選べば良いかわからない
現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)です。
楽器店やネット記事ではギタークロスの選択肢が多すぎます。
当ブログは忖度なしガチレビューなのでギタークロスを10種類も列挙したり、ランキング形式にすることはしません。汚れを落とす、ポリッシュ・オイル等を使う使用用途だけなのに、クロス選びであなたを迷わせるようなことはしません。
ギタークロスに初心者向けも上級者向けもありません。
楽器屋店員がガチでおすすめする最強クロス2種類だけをご紹介します。
使い方や注意点、おすすめしないクロスとその理由から徹底解説いしていますが、どれが良いかすぐ教えてという人は目次からおすすめギタークロス2製品をご覧ください。
ギタークロスの使用用途
ギタークロスはギター全体を拭きギターを綺麗な状態に保つために使用します。演奏後、クロスで綺麗にせずに保管すると、手の皮脂などの影響により以下の不具合が起こります。
ギターをクリーニングしなかった時の不具合
・ネック裏の汚れで演奏性が悪くなる。
・フレットがくすみ音が曇る、チョーキングがやりづらくなる。
・指板にフレット由来の緑青が出る。
・金属パーツがくすむ。ゴールドパーツの錆は場合復元不可。
・弦の寿命が縮む。
見た目だけでなく、先のクリーニングに手間暇がかかったり、楽器の状態や弾き心地が悪くなるなど、とにかく良いことはひとつもありません。
ギタークロスを使って日々のメンテナンスを行いましょう。
クロスの使い方と注意点
演奏後にギター全体を拭きあげるだけです。この記事で紹介するクロスであれば、毎日のお手入れは乾拭きだけでOK。
使用上の注意点は、拭きあげる際に強くこすらないことです。クロスに付着したごみがあった場合に、逆にギターを傷つける可能性があります。
世の中に多数ある品質の低いクロスを使ってしまうと汚れが取れず、力を入れてこすってしまったがためにギターが傷ついてしまうことも珍しくありません。
おすすめしないギタークロス
マイクロファイバー製クロス
近年の定番クロス素材マイクロファイバー。例えばサウンドハウスさんでベストセラーのFERNANDES WCS Polishing Cloth 625SやARIA CC500は、乾拭きでの皮脂の汚れの取れ方はMorrisのクロスとは雲泥の差です。
もし既にお持ちでしたらこれらはポリッシュやオイルを塗布する用途にして、仕上げや乾拭き用にMorris MCC-2の追加購入をおすすめします。その使い心地に感動すら覚えるかもしれません。
コットン(綿)製クロス
安かろう悪かろうの典型。例えばGibsonやESPロゴ入り(ブランドは大好きです笑)の昔からあるフカフカのクロス。乾拭きの汚れ取りの性能はほぼ無く、さらに糸くずが出るので使いづらいです。
指板にオイルを塗るためだけだからという理由で使う人もいますがこれもおすすめしません。拭いた後に糸くずが残ってしまうためです。こういったギタークロスは洗濯機を使うとボロボロになってしまうので丁寧な手洗いが必要という、無駄な作業まで発生してしまいます。
古着・メガネ拭き・掃除用品
同様の理由から古着・メガネ拭き・掃除用品などでの代用はおすすめできません。なんなら私はメガネ拭きにもモーリスのギタークロスを使用しています。
安いクロスや代用できそうな布はたくさんありますが乾拭きでは汚れが取れず、結果ギターが痛んでしまっては本末転倒です。大事なギターを長く良い状態で使うために千円ちょっとの出費は惜しまないのが吉です。
おすすめギター用クロス①:Morris(モーリス) Cleaning Cloth クリーニングクロス
全ギタリスト必携の1枚。クロスはこれ1択です。私も愛用中。
日々の演奏でギター本体に付着した皮脂汚れなどは乾拭きで軽く拭くだけで綺麗になります。その性能の良さは他のクロスと比較しても圧倒的。
実は過去、様々なメーカーさんと一緒になった飲みの席でどのクロスをメンテナンスに使うかが話題になり、他社も含めて皆さんがこのクロスを使っていました。
2~5ミクロンの極細繊維により塗装にダメージを与えることなく、汚れを拭き取ります。
またポリッシュ液も程良く染み込み使いやすいため、私はポリッシュを吹き付ける用と乾拭き用の2枚を使っています。学生さんや節約家なら新品を半分に切ってそれぞれの用途に分けると良いでしょう。
KBセーレン株式会社の独自原糸ベリーマX素材を仕様しており、糸くずもほとんど出ません。そのため多くのクロスでは敬遠される、洗濯機で洗うことでの不具合も感じたことはありません。
サイズは300x400mm。大きすぎず小さすぎず、不自由しないサイズです。
メーカー希望小売価格1,320円。
他のクロスと比較しても数百円の違いしかないですし、洗って何度でも使えるのでケチらずこれにすることを強くおすすめします。またクロスによっては撥水性が高すぎて、ポリッシュ溶液が染み込まず使いづらいものもあります。
おすすめギター用クロス②:HOSCO (ホスコ) KCL-WS
クロスはMorris一択と言っておいて恐縮ですが(笑)ヴィンテージやレリックもの、塗装が軟化してしまったギターなど一切ポリッシュを一切使いたくないという人や、生理的にポリッシュ類が嫌いという人におすすめなのがこちら。
キョンという動物の皮を使用したセーム皮クロス。0.0000015mmの繊維細胞(モーリスクロスが0.002mmなのでさらに細かい!)で楽器に傷をつけず汚れや水分、油分を拭き取ります。
さらにキョンセームに含まれる天然コラーゲン成分が楽器に潤いを与えます。
デメリット①:偽物が流通している
世界タンナーズによって定義された「セーム」とは、
株式会社 春日より引用
「鹿皮を使用していること・アルカリ膨醇ナメシ後鱈肝油還元させていること・染色していないこと」の3点を満たすもの。
本来は、この条件を満たしていなければ、「セーム」を名乗ることはできません。
現在「セーム」の名を冠して市販されているものの中には、この条件を満たさないものも非常に多いのが現状ですが、当社のセームは、3点の条件を満たした上で、鹿革の中でも最高級の「キョン」のみを用いて品質を極限まで追求し、正真正銘のセームを大切にご提供し続けています。
キョンセームはブランドとも言えるため、本来の性能が無い偽物も流通しています。
このKASUGAブランドであれば大丈夫でしょう。
デメリット②:使い心地に慣れが必要
その材質の特性上、やや滑りが悪く拭き取りに時間がかかります。綺麗に美しく拭き取るという点とのトレードオフとも言えるでしょう。もちろんそもそも汚れが取りづらいおすすめしないクロスに比べれば、時間はかからないです。
クロスが汚れてきたら石鹸をつけてぬるま湯で洗い、日陰で干し、8割ほど乾いたところでクロス全体を揉みほぐすことで、独特の柔らかい使用感が持続します。洗いながら使うことで10年以上使用可能になる場合もございます。
https://www.hosco.co.jp/maintenance/kcl-ws.htmlより引用
ほとんどの人はMorris MCC-2でOK。安いのにすごいクロス。
クロスはギタークリーニングの基本で、上達と演奏の向上につながるので必ず使いましょう。
そして何年も使うものなのでしっかりしたものを用意してください。クリーニング時間の短縮にもつながります。
ほとんどの人は1,000円程度で安価なモーリスMCC-2でOKです。乾拭き用とオイル用の2枚持ちが理想。
こだわりの逸品が好きな人は乾拭き用にホスコのキョンセームKCL-Wがおすすめ。さらに指板オイルやポリッシュ用にモーリスも1枚持っておくと良いです。