【メリット/デメリット】ZOOM G2 FOUR / G2X FOURレビュー

楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)です。ZOOM G2 FOURのメリットとデメリットを含めたレビュー記事です。

・2万円台でZOOM最上位クラスのアンプモデリングが使えるマルチエフェクター
・最大6エフェクト同時使用可能ですが、実際は少ないので単体なら初から中級者向き
・初めてのマルチエフェクターや、自宅練習用エフェクターとしておすすめ
・安くマルチエフェクターを自身のボードに組み込みたいという中・上級者にもアリ

ZOOM G2 FOUR / G2X FOUR特徴・メリット

①:説明書いらずを目指したわかりやすい操作性

②:ピッキングの強弱においてIRをブレンド

100種類以上のアンプ/エフェクト

④:iOS/Androidアプリで追加エフェクト配信予定

⑤:最長80秒のルーパーと68種のリズム

2つのプレイモードで好みのフットスイッチ操作

⑦:自宅練習に最適なAUX INとヘッドフォン接続

メリット①:説明書いらずを目指したわかりやすい操作性

画像はzoomcorp.comより引用

中国やアメリカブランドのマルチエフェクターは慣れが必要だったりしますが、ZOOMは日本のブランドらしいわかりやすさがメリットのひとつ。

上下左右のカーソル型スイッチと、4つのコントロールノブ、4つのフットスイッチそれぞれで直感的な操作が可能です。

視認性の良い液晶画面には、モデリング元がわかるグラフィックアイコンの表示を用いて、説明書を見なくても設定できる操作性を目指して開発されました。

マルチエフェクターの概念を理解している人なら、本当に説明書を読まずともおおむね操作・設定ができるくらいわかりやすいです。

メリット②:ピッキングの強弱においてIRをブレンド

ZOOM社が新たに開発した「マルチレイヤーIR」機能を採用。

同じひとつのIRに対し、音量が大中小で異なる3種類(LOUD/MEDIUM/SOFT)のキャビネットの響きを採用しています。

この3種類のIRを、ピッキングの強弱やギターのボリュームに応じて混ぜて出力することで、本来のギターアンプらしい響きを再現します。

ヘッドフォンでの演奏でも聞きやすいし、ライン録音にも最適なサウンドです。

メリット③:100種類以上のアンプ/エフェクト

AMPモデリング元
MS 800Marshall JCM800 2203
MS 1959Marshall 1959 SUPER LEAD 100
MS 45osMarshall JTM45 Offset
FD TWINRFender Twin Reverb ’65
FD B-MANFender Bassman ’59
FD DKXRFender Deluxe Reverb ’65
FD MASTERFender Tone Master B Channel
UK 30AVOX AC30
BG MK1Mesa Boogie Mark I Combo
BG MK3Mesa Boogie Mark III Combo
XtasyBlueBogner Ecstasy Blue Channel
HW 100Hiwatt  Custom 100
Reti ORGMesa Boogie Dual Rectifier Orange Channel
ORG120Orange Graphic 120
DZ DRVDiezel Herbert Channel2
MATCH30Matchless DC-30
KRAMPUS★80年代ブリティッシュアンプのブライトなトーンに、モダンハイゲインアンプの引き締まったローエンドを組み合わせたトーン。
REDLOOM★初期ギターアンプのシンプルなトーンに60年代チューブアンプの豊かな倍音をミックス。リズムギターに最適です。
VELVET★ クリーンとリードトーンのダイナミクスのバランスを取ったスムーズなキャラクターのトーン。アンプのチャンネルを切り替えることなくリードとリズムギターの両方をプレイできます。
MUDDY★ ビンテージアンプのサウンドを再現。ザラッとしたブルーズに最適です。
7 HEAVEN★ 極めてタイトなローエンドで、ダイナミックレンジの広いトーン。7弦や8弦ギターに最適です。
POLLEX★ 激しくダウンチューニングしたギターに適したトーン。Djentのようなスラップスタイルやヘヴィメタル向きのアンプモデルです。

最新ZOOMオリジナルを含む22種類のアンプ+キャビネットモデルと、79種類のギターエフェクトを搭載しています。

最上位機種G11のクオリティを踏襲しており、サウンドはかなり良いです。

ゴリゴリなモダンハイゲインが得意なKrampusや、ポリフィア風のサウンドPollexといったZOOMオリジナルアンプは、2万円台の価格としてはかなり贅沢な品質です。

伝統的なヴィンテージ系アンプはもちろん、歪み系や空間系、モジュレーションなどエフェクトは一通り揃っています。

メリット④:iOS/Androidアプリで追加エフェクト配信予定

最初から100種類以上も搭載していますが、今後スマホアプリで追加エフェクトが50種類以上も追加配信予定とのことです。

過去ZOOMではマルチストンプMG-50Gでもアップデートでエフェクトが追加されており、評価が高かったのでこれも期待したいですね。

デバイスとの接続は有線のみですが、アプリでの音作りも可能です。

メリット⑤:最長80秒のルーパーと68種のリズム

最長録音時間80秒のルーパーも内蔵しています。加えて様々なジャンルのリズムパターンを68種類内蔵。

リズムパターンのドラムに重ねてルーパーを使用することもできるます。

自分で1コードやコード進行のバッキングを作成して、アドリブの練習に使うにはピッタリです。

メリット⑥:2つのプレイモードで好みのフットスイッチ操作

フットスイッチの操作は2つのモードを採用しています。モードの切替は左上のフットスイッチで切り替えます。

●MEMORYモード

フットスイッチでプリセットを切り替えます。

左右ボタンで隣のパッチに、上下ボタンで10毎のパッチを切り替えです。

足での音色切替は実質3種類までですね。音色切替時には若干の音切れが発生します。

●EFFECTモード

ディスプレイに表示された3種類のエフェクトを、フットスイッチで個別にON/OFFできます。

コンパクトエフェクターをON/OFFするイメージです。

メリット⑦:自宅練習に最適なAUX INとヘッドフォン接続

G2 FOURには直接ヘッドフォンを接続することができます。

外部音源が入力可能なAUX IN端子も装備。スマートフォンなどと接続すればYouTubeやSpotifyなどの楽曲を再生しながら、一緒にギターが弾けます。

クロマチックチューナーも内蔵しています。

またパソコンやスマホと接続してオーディオインターフェイスとしても機能し、エレキギターの録音用としても使えます。

アンプから音を出せない環境や、夜間の練習もこれ1台で完結できます。

デメリット

:外部IRの読み込み不可

②:フットスイッチの自由度が低い

一部エフェクトでは同時使用エフェクトが少ない

デメリット①:外部IRの読み込み不可

マルチレイヤーIRは面白い機能ですが、外部IRを追加で読み込ませることはできません。

G11やG6のサブ機として使いたいという人には特に残念です。

デメリット②:フットスイッチの自由度が低い

フットスイッチは合計4個ありますが、カスタムができません。

例えば左上のフットスイッチをチューナーON/OFFに割り当てたり、TAPスイッチとして使えるといった需要はありそうなんですけどね。

またエフェクトモードもパッチ内のエフェクトON/OFFは良いのですが、3つ横並びに表示されるものしか操作できません。

エフェクト初段のブースターのON/OFFと、最後段のディレイのON/OFFといった一般的な操作もできない可能性もあります。頻繫に音色を切り替える場合は、ライブユース向きではないですね。

デメリット③:一部エフェクトでは同時使用エフェクトが少ない

最大同時使用エフェクトは6エフェクト+1ペダルエフェクト。アンプと歪みや空間系をいくつか、と考えれば十分ですが、例外が存在します。多くの処理能力が必要なエフェクトを複数使った場合です。

G11世代より新しく導入されたZOOMオリジナルモデリングアンプはDSP使用率が60%前後から、最も重い「MUDDY」では71%ものDSP処理容量を消費します。

そのためこれらのモデリングアンプとディレイやリバーブ(7%〜40%)を使用するだけで、それ以上他のエフェクトが使えなくなってしまいます。

またルーパーとリズムマシンもそれぞれ1エフェクトとしてカウントされるのも、同時使用ではデメリットと言えます。

宅録で音作りにこだわりたいという人は、一部エフェクトを他のハードウェアやソフトウェアに任せる必要がありそうですが、逆に言えばそこまでの人はもっと上位グレードのエフェクターを買う必要があるとも言えます。

G2 FOURとG2X FOURの違い

G2 FOURG2X FOUR
市場相場価格24,000円28,000円
エクスプレッションペダルなし(外部接続可能)あり
サイズ184 x  145 x 71 mm274 x 150 x 71 mm
質量707g951g

G2 FOURとG2X FOURの違いは、エクスプレッションペダルの有無だけ。

エクスプレッションペダルがあれば、ワウやボリュームペダル等として使えます。

迷ったらG2X FOURをおすすめします。差額は4,000円です。

G2 FOURは後から別売りのエクスプレッションペダルをケーブルで接続できますが、ZOOM純正品だと定価で5,000円します。

ワウなどは絶対使わない!極力コンパクトな方が良いという方はZOOM G2 FOURが良いでしょう。

エフェクト自体は上位機種譲りなので、安く自分のエフェクターボードにマルチエフェクターを入れたいという中・上級者もG2 FOURが良さそうです。

ZOOM G2 FOUR / G2X FOURはこんな人におすすめ

・コンパクトエフェクターは持っていて、いろんな音を出したいので初めてマルチエフェクターが欲しい

・自宅練習で使うマルチエフェクターを探している
・エフェクトボードに入るコンパクトなマルチが欲しい

・軽量で持ち運べるエフェクトボードのサブ機として使う

・曲中で頻繁に音色の切替をしない
・アンプモデリングと複数のエフェクトを多用しない

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