弦交換の時間を短縮してもっと練習したい
ワインダーの種類が多くてどれを選べば良いかわからない
という人のために、現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が、ワインダーの注意点や、選び方を解説します。
ワインダーとは
その昔「アルトベンリ(あると便利)」なんてダジャレで言われてましたが、
むしろギタリストの必須アイテム。
特に弦交換に慣れていない人ほど使うべきです。
慣れていてもワインダー無しだと弦交換に30分はかかりますが、ワインダーがあれば10から15分で完了します。
千円そこそこでこれから一生分の弦交換の時間が節約できると考えれば安いもの。
浮いた時間は演奏の練習にあてましょう!
ワインダーの使い方
使い方はかんたん、ペグにはめて回すだけ。
ワインダーによってはペグにカッチリはまる方向もあるので、縦横どちらの方向も試してみてください。
ペグの大きさが異なるためギター用、ベース用と分かれているものがあるため注意。
両方に対応しているものもあります。
ギター用はエレキギター、アコースティックギター、クラシックギターいずれにも対応します。
おすすめしないワインダー:Dunlop Stringwinder 100
楽器屋の店頭でもカラフルな詰め合わせで良く置いてあるコレ。
1個400円前後ですが、安かろう悪かろうの典型です。
まぁ使えるは使えるのですが回転が滑らかなではない、
ペグをはめる部分が横に長いため隣のペグに当たってしまうこと、
ベースには使えないこと、
そしてもう一つ重大な欠点があります。
ギターによっては写真のように、ヘッドの横にワインダーによって円状の擦り傷がついてしまいます。
ちなみに私は初めてローンで買ったESPのギターに、Dunlopのワインダーでこの傷を付けてしまいました。
100円台のAria AW-1やPLAYTECHブランドのものも、同じ形をしておりおすすめしません。
同じ悲しみを生まないために!(笑)、そんな心配がない安心のワインダーをご紹介します。
少し高くなってしまいますが、安物のように壊れる心配はほぼ無く、紛失しない限り10年以上使用できます。
おすすめワインダー①:PLANET WAVES PWPW1 Peg Winder
現在PLANET WAVESブランドは、弦ブランドダダリオに買収されており、パッケージにもD’Addario(ダダリオ)が表記されています。
前述の格安ワインダーのような傷がつかない構造になっています。
またほとんどの形のペグボタンにカッチリはまり安定してペグを回せます。
柄の部分にはアコギ用のブリッジピン抜きも付いています。
市場相場価格は1,800円前後。ギター用がPWPW1、ベース用がPWPW1Bです。
おすすめワインダー②:PLANET WAVES DP0002 Pro-Winder
同じくプラネットウェイブスのワインダー。
ワインダー部の構造はほぼ同じで、柄の部分のピン抜きに加え、
弦を切るためのストリングクリッパーまでついています。
これひとつで弦交換に必要な工具が揃っています。
他のワインダーに比べて機能が多い分、持ち手の部分が大きくなるため少し持ちづらさを感じてしまう人もいますが、致命的なデメリットでは無いでしょう。
市場相場価格はギター用のDP0002、ベース用のDP0002Bのいずれも2,000円前後です。
おすすめワインダー③:MUSIC NOMAD MN221 -GRIP Winder-
MUSIC NOMADは画像の通り、ギター/ベース/ウクレレの超一流ブランドの製作現場でも採用されています。
ワインダーにおいても最高級の品質です。
ハンドル部にはデュアルベアリングが組み込まれており、静かで滑らかにスムーズに回ります。
また握りやすく滑りにくいよう人間工学に基づいたデザインです。
コンパクトなヘッドデザインがすばらしくギターはもちろん、ベースやウクレレなどあらゆるペグにフィットします。
サイズも絶妙でペグの間隔が狭い12弦ギターにもストレスなく使用可能。
ヘッド部はラバーコーティングされているため、ギターを傷つけることはありません。
ダダリオのプロワインダーの様にストリングカッターがついていませんが、
10mmのボックスレンチを内蔵しており、ペグのナットを締め直すのに便利です。
市場相場価格は2,300円前後。
電動ワインダー
トリガーを引くだけで自動でペグを回せる電動ワインダーもあります。
デメリットは高価なことだけです。
手で回す→ワインダー→電動の楽さは、
徒歩→自転車→自動車くらい違います(笑)
この楽さを体験してしまったら元には戻れません。
12弦ギターの弦交換、所有しているギターの本数が多い人や
とにかく弦交換の時間を減らして、演奏の練習時間を確保したいという人におすすめ。
おすすめしない電動ワインダー:Ernie Ball Power Peg Pro
この製品は特に問題があるわけではないのですが、どうせ買うなら次に紹介する
電動ドライバーの先端をワインダーのヘッドに付け替えて使用するのが良いです。
Power Peg Proの価格は6,000円前後と高価ですが、手持ちの電動ドライバーがあれば、付け替え部分だけ通常のワインダーと同程度の価格で買えますし、
安めの電動ドライバーとセットで購入しても価格はそんなに変わりません。
特にエレキを使用していれば、ピックガードやコントロールパネルのビズを外す時なんかも電動ドライバーがあると大変便利です。
おすすめの電動ワインダー:電動ドライバー+ヘッドMUSIC NOMAD MN220
MUSIC NOMAD MN220 GRIP Bit Peg Winderは、電動ドリルやビット対応のドライバーに取り付け可能。
先に紹介したMN221と同様の仕様のため、下記の点において他社製品よりも優れており、電動ドライバー付け替え用はこのMusic Nomad MN220一択です。
・ペグの間隔が狭い12弦ギターにもストレスなく使用可能。
・ラバーコーティングでギターを傷つけない。
という特徴はそのまま。
価格は1,600円前後。
電動ドライバーも同時に買う場合は以下の条件を満たしたものをおすすめします。
・充電式
・持ち手の形を変えられる
比較まとめ
PWPW1 | DP0002 | MN221 | MN220 | |
---|---|---|---|---|
時短 | 〇 | ○ | ○ | ◎ |
ギター/ベース対応 | 個別 | 個別 | 両方対応 | 両方対応 |
追加機能 | ピン抜き | ピン抜き/ニッパー | 10mmボックスレンチ | なし |
傷つきにくさ | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
相場価格 | 1,800円 | 2,000円 | 2,300円 | 1,600円 |
前提として安過ぎるワインダーはギターを傷つけやすいので使わない方が良い。
・できる限り安く済ませたい人
・弦交換に必要なツールをひとつで済ませたい人
・ニッパーを持っていない人
・できる限りギターに傷を付けたくない
・ギターもベースも持っている
・最高の回しやすさを求めている
・電動ドライバーを持っている人
・とにかく楽したい、時短したい人
・できる限りギターに傷を付けたくない
・ギターもベースも持っている