●わずかな時間で素早くチューニングしたい
●録音にも使える高精度のチューナーが欲しい
●チューナーとバッファーの1台2役でボードのスペースを節約したい
●野外でも見やすいチューナーを探している
というあなたに、現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が、一番おすすめしているペダルチューナーtc electronic Polytune 3をレビュー。通常サイズとミニサイズの違いも解説します。
Polytune 3 メリット
●短時間ですぐにチューニングできる復数弦同時チューナー
●単音・複音チューナーの自動切替
●レコーディングにも使える超高精度+-0.02セントストロボモード
●ギターのキャラクターを生かす高性能バッファ内蔵
●暗いステージでも明るい野外でも見やすい画面表示
短時間ですぐにチューニングできる復数弦同時チューナー
初代Polytuneは複数の弦を同時に鳴らすと、全ての弦をメーター表示する画期的なチューナーとして世界初の製品でした。当然、3代目にもその機能は継承されています。
ライブの曲間などわずかな時間でもチューニングできることが強みです。
ギターはもちろん、本体上側面のボタンでベースにも対応します。
ベースモードは5弦ベースも対応しますが、7弦ギターには対応していません。
単音・複音チューナーの自動切替
単音と複数弦のチューナーの切替は鳴らした弦の数を判別し、自動で画面を切り替えてくれます。
ダウンチューニングや7弦ギター、5弦ベースなど、安いチューナーでは拾いづらい、低い音も鮮明に拾ってくれます。
また、弾いてからディスプレイに表示される速さもトップクラス。
単音チューニングのモードは、一般的なニードル(針)モードと、超高精度のストロボモードを選択できます。
レコーディングにも使える超高精度+-0.02セントストロボモード
cent(セント)は半音の100分の1を表す単位です。
ストロボモードではペダルチューナーで最も精度が高いSonic Researchと同じ、誤差±0.02セントを誇ります。レコーディングにも使えるレベルです。
一方、ライブなどでは素早くチューニングはしづらいので、ニードルモードとの使い分けできるのもメリットです。
ギターのキャラクターを生かす高性能バッファ内蔵
Polytune 3 にはtc electronicの高品位アナログバッファーBonaFide Bufferを内蔵されています。
こちらのBonaFide Bufferは単品でも8,000円ほどしますし、何よりボスコンのようにハイ落ちする事もなく、ハイが出過ぎることも無い、そして超ノイズレスという非常に音質の変化が少ないバッファーとして定評があります。
そこまでこだわりがありながらもトゥルー・バイパスとバッファード・バイパスの切替が可能というユーザーフレンドリーっぷりが流石です。
暗いステージでも明るい野外でも見やすい画面表示
109個の高光輝LEDを内蔵した高視認性ディスプレイにより視認性も抜群。
チューニングが合うと赤から緑に変わる点もわかりやすいです。
また環境に合わせて表示の明るさを自動調節するセンサーを内蔵しており、野外など明るい場所ではより明るく、暗い場所では輝度を落とすことで電池の消耗を抑える役割を果たします。
Polytune 3のデメリット
多機能で初心者には不向き
Polytune 3は、その高度な機能と精度で多くのプロのミュージシャンから支持を受けています。しかし、その多機能さが初心者にとってはデメリットとなることも。
スタジオで他の楽器の音が鳴っているときだとギター自体が共振してしまい、1つの弦だけを鳴らしても、チューナーが勝手に複数の弦を合わせるモードになってしまうことがあります。
超高精度のストロボのモードは初心者には理解しづらいです。
多弦ギターには対応していない
残念ながら7弦ギターや8弦ギターには対応していません。
とは言え超低音弦はピッチが不安定なので、7弦や8弦は単音で合わせるのは必須でしょうから、問題ない人が多いでしょう。
Polytune 3 と Polytine 3 mini の違い
Polutine 3 には大きさをさらに小さくしたminiがあります。
違いは大きさだけではないので必要な機能があれば、通常サイズを選ぶ必要があります。
Polytune 3 | Polytune 3 mini | |
---|---|---|
市場相場価格 | 17,050円 | 17,050円 |
カラー | 白 | 白 or 黒 |
キャリブレーション (A) | 435~445 Hz | 440 Hz |
電池駆動 | 〇 | × |
9V電源出力 | 有 | 無 |
USB端子 | 有 | 無 |
サイズ | 72 x 122 x 50 mm | 51 x 93 x 45 mm |
キャリブレーションはAの音程を変更できます。
通常バンドでは440Hzですが、ピアノや管楽器は442 Hzがポピュラーです。
ジャズ系の方は通常サイズが必要でしょう。
通常サイズの9V電源出力は、9Vアダプターで駆動させる際にはもう1台のエフェクターに電源を供給することができます。
USB端子は今後ファームウェアのアップデートがあった際に使用するようです。
ミニサイズには本体カラー黒のNoir(ノワール)もラインナップされています。
ミニの方がディスプレイも小さくなります。価格は同じなので、エフェクトボードのスペースを小さく収めたい場合以外は通常サイズが良いでしょう。
●画面が見やすいチューナーが欲しい
●管楽器や鍵盤楽器とのセッションをするので、キャリブレーションが必要
●電池駆動させたい