.strandberg*によるテレキャスターにインスパイアされたモデルSalen(正しい表記はSälen)。
Salenではソリッドボディのクラシックと、チェンバードボディのデラックスがラインナップされていますが、
実はそれぞれカラーによっても若干スペックはことなります。
strandberg共通の特徴
ヘッドレス
ヘッド分の重量がなくなるため、通常のギターよりも軽量になり、長時間の演奏も快適です。
salenの場合は重量が約2.3kg、全長は800mmと非常にコンパクトで持ち運びにも便利です。
ボディシェイプ
ボディの形状は座って弾くときに、左脚に置くスタイルでも、クラシックギターのように右脚置くスタイルでも対応できるデザインです。
もちろん、立った時のボディバランスも安定します。
マルチスケール
6弦が25.5インチ(648mm)のフェンダースケールから、1弦が25インチ(630mm)のPRSスケールとなっています。
チョーキングをする高音弦は弾きやすく、低音弦はハリのあるサウンドになります。
特許取得EndurNeck
特許を取得している驚異的な台形のネックシェイプ。一見演奏しづらそうですが、人間工学の観点から、あるべき正しい演奏ポジションになるように設計されています。
長く正確に演奏でき、手首に負担がかからないのでケガのもしづらいシェイプです。
独自のハードウェア
音色と軽量化の観点から、航空機にも使用されるアルミニウムとカーボンファイバーの素材をパーツに使用しています。
Salen Classicのスペック
カラーはまさにテレキャスターのトランスバタースコッチと、
ソリッドカラーのアイスブルーメタリック。
Salen Classicのスペック
フィニッシュ:ポリウレタン塗装
ネック:カーボンファイバー補強入ローステッドメイプル EndurNeck™ Profile
指板:ローステッドバーズアイメイプル (Trans Butterscotch) / パーフェロー (Ice Blue Metallic)
指板ラディアス:20インチ
フレット:Jescar 51100 Stainless Steel Fretwire (0フレットのみ57110)
フロントピックアップ: Suhr Classic T neck
リアピックアップ: Custom Suhr™ Classic T bridge
ピックガードカラー:ブラック (Trans Butterscotch) / ホワイト (Ice Blue Metallic)
セレクター:3-Way Pickup Selector
コントロール:Master Volume + Master Tone
ブリッジ:.strandberg* EGS Series 5 fixed bridge & string locks
ポジションマーク: Luminlay Green Dots
重量:約2.3kg
インドネシア製
Salen Deluxeのスペック
カラーは独自のfホールが空いたヴィンテージバーストと、
ソリッドカラーのキャンディアップルレッド。
Salen Deluxeのスペック
(Vintage Burst) / アルダー (Candy Apple Red) Body
フィニッシュ:ポリウレタン塗装
ネック:カーボンファイバー補強入ローステッドメイプル EndurNeck™ Profile
指板:ローステッドバーズアイメイプル (Vintage Burst) / パーフェロー(Candy Apple Red)
指板ラディアス:20インチ
フレット:Jescar 51100 Stainless Steel Fretwire (0フレットのみ57110)
フロントピックアップ: Suhr Classic T neck
リアピックアップ: Custom Suhr™ Classic T bridge
ピックガードカラー:ブラック (Trans Butterscotch) / ホワイト (Ice Blue Metallic)
セレクター:3-Way Pickup Selector
コントロール:Master Volume + Master Tone
ブリッジ:.strandberg* EGS Series 5 fixed bridge & string locks
ポジションマーク: Luminlay Green Dots
重量:約2.3kg
インドネシア製
Strandberg Salenレビュー
サウンド
ヘッドレスが要因か、テレキャスターっぽい暴れた感じやヴィンテージスタイルの豊かな倍音のあるサウンドではありません。
suhrのピックアップということもあり、程良い出力でウォームさとクリアさを兼ね備え、
リアピックアップでもタイトながら硬すぎず、フロントも明瞭ながら暖かみのあるシルキーなサウンド。
モダンスタイルFenderをさらにグレードアップさせたようなサウンド傾向で、ストロークを多用しないスタイルでテレキャスターのキャラクター欲しい人には気に入るはずです。
最近で言えばNeo Soulなんかにはすごく合いますね。
クラシックもデラックスも同様のキャラクターですが、前者の方がよりカントリーっぽいタイトさを持っています。
ジャズ色強めならデラックスですね。
意外とどちらもドライブサウンドもいける懐の深さがあります。
アーティキュレーションはしっかり出ますが、センシティブ過ぎないところが弾きやすさにつながっています。
マルチスケール
マルチスケールはスタンダードチューニングを前提とした648mm-635mmで、S7GやOrmsbyのようなダウンチューニングを前提とした6弦が長く1弦との差が大きいものではありません。
たった13mmの差は運指においてはほとんど気になりません。
しかし特にチョーキングではキツ過ぎず、演奏時のテンション感は確かに感じる絶妙なバランスです。
また、ボルトオンジョイントですが、接合部が薄いので24フレットでの演奏性も全く問題ありません。
ネックシェイプ
一番不安になるのはこのシェイプだと思います。
何人の方にも試奏いただいていますが、好みのネックシェイプにシビアな方(レスポールなら58のような太目じゃないと受け付けないとか、速弾きはIbanezのシェイプじゃないとダメだ、くらいのレベルの人)には受け入れられません。
一方、様々な種類のギターを所有している方や、ストラトでもCでもVでもサウンドやルックスなどが気に入ればその程度は自分が合わせられるという方、
このEndurNeckに興味津々の方にはしばらく弾いていればすんなり受け入れられます。
まれに最初からとても弾きやすい!と感じる人もおり、そういう方はstrandbergの提唱する理想的なフィンガリングが身に付いているのだと思われます。
わたしも延べ20本以上のギターを所有してきて、ネックシェイプには割と寛容なので、strandbergも所有したいな思えるほど弊害には感じていません。
デメリット
独自のネックシェイプに加えデメリットというか、購入前に不安視される項目もまとめてみました。
壊れやすい?
ブリッジで行うチューニングや、弦の留め方など独自の機構が目立ちます。
ヘッド部分は力いっぱい締めると木部が割れたり、
チューニングのナットもねじ切り合わせず無理に回すと壊れるという声を聞きます。
しかしこれは本機に限った話ではなく、使い方を誤れば破損の恐れはありますし、
独自構造ゆえに構造を理解せずいじってしまっているケースかと思います。
万が一でも購入店に問い合わせすればパーツ供給、もしくは修理対応になるかもしれませんが、してもらえます。(お店で経験済。)
インドネシア製
インドネシア製なのに20万円超えという価格に難色を示されることもあります。
確かに他のインドネシア製品と比べると割高ですが、独自設計に加え、クオリティ自体も安価なインドネシア製品とは比にならないレベルです。
ローステッドメイプルとカーボンのネックで状態は安定していますし、
フレットの高さは揃えられており、ステンレスながらフレットエッジもしっかり処理されています。
弦高も12フレットで1弦1.5mm以下に調整可能です。
まとめ
以上strandberg Salenの評価、レビューでした。
個人的にはあのネックをずっと弾いていると、テクニック面でさらに上手くなれるような気がしていて、
日本製のBodenか、このSalenを狙っています。
メタルやジェントまでカバーするならBoden、アーバンなジャンルに特化するならSalenというところです。