最近日本製strandbergの楽器店オーダーのワンオフ品が入荷しているようです。
strandbergJapanは公式ホームページは存在せず、本国オフィシャルサイトに日本製モデルは掲載されていません。
これは日本製はJapan Exclusive、日本市場限定のためです。
ちなみにstrandbergの生産国は
Custom ShopSweden
USA
Japan
Korea
Indonesia
China
と、様々な国の工場で生産されています。
日本製はダイナ楽器で製造されています。
Ledaや、バンドリ!のBoden J6 RAS LOCKなどシグネチャーモデルも日本製です。
過去にはRolandとの共同企画でBoden J StandardにGK3ピックアップをインストールし、ギターシンセなどを内蔵したモデルが限定で生産されました。
日本製にはBoden StandardとCustomが存在しますが、いずれもカタログモデルは存在しません。
特にカラーやピックアップは生産ロットによって全く異なります。
今回はそのJ Standardにスポットを当ててレビューします。
モデル名
モデル名は
Boden J○ Standard(○には6,7,8いずれかの弦の本数が入ります)
トレモロ付きのモデルにはStandard Tremoloとなります。
ネック( The EndurNeck™ )
木材は本家同様ローステッドメイプルの3ピース構造。
水分を飛ばしたローステッドメイプルは剛性にも優れ、さらにそれを3片継いでいるので反りに強いです。
もちろん、サウンドのレスポンスが早くなっています。
そして特許取得のシェイプThe EndurNeck™
従来では考えられない直線的なデザインですが、これも人間工学に基づいています。
特にクラシカルフォームで真価を発揮しますが、
チョーキングの際に握り込むフォームでも意外と親指の位置がしっくりきます。
ボディ
Standardモデル最大の特徴はここでしょう。
ボディにはソリッドのバスウッドが採用されています。
本来strandbergのボディはチェンバード構造ですが、Standardはソリッド構造です。
チェンバーの軽量ボディを再現するために、軽量材のバスウッドを採用していると思われます。
サウンド的にはやや軽やかなアコースティックな感じもあり、本来チェンバー構造のstrandbergにピッタリな木材です。
バスウッド=安価な材と思われがちですが、suhrやMusic Manではあえて採用されています。
バスウッドの音響特性にプラスしてトップにメイプルを貼ったり、その他の木材や、パーツなどでトータルバランスを組み上げている印象ですね。
余談ですが、TosinAbasiモデルにもバスウッド(USA製はローステッドバスウッド)が採用されております。
ボディシェイプも、右太ももに置いても、クラシックギターのように左太ももに置いても(Slipknotのミックはエレキでもこのフォームを推奨しています)、弾きやすい形です。
立って弾いても軽いボディながら、ヘッド落ち(ヘッドありませんが)はありません。
スケール
認知度が高くなってきた。マルチスケール(=ファンドフレット)。
マルチスケールはその名の通りマルチ=複数の、
ファンドフレットのFannedは扇形(フレットが扇に見えることから)です。
S7GやOrmsbyなど各弦のスケール差が大きいものは主にダウンチューニングを意識して設計されています。
一方ストランドバーグはそこまで極端ではありません。
あくまでピッチと演奏性を意識した設計になっています。
弦が太くなればなるほど(多弦であれば顕著に)振幅が大きくなり、音程が不安定になりがちです。
なのでスケールを長くすることでテンションを上げ、ピッチを安定させます。
(スケールとテンションの傾向はこちらの記事をどうぞ)
ところが、7弦や8弦で満足にいくスケールをそのまま採用すると、高音弦側のテンションがきつくなりすぎ、
チョーキングなどのリードプレイに大きな支障をきたします。
それを解消するのが、各弦に最適なスケールが採用できるマルチスケールなのです。
Boden J6 Standard
1弦・・・25インチ(PRSスケール)
6弦・・・25.5インチ(Fenderスケール)
Boden J7 Standard
1弦・・・25.5インチ(Fenderスケール)
7弦・・・26.25インチ
Boden J8 Standard
1弦・・・26.5インチ
8弦・・・28インチ
ハードウェア(ブリッジ
航空機部品にも使われる、軽量で硬度の高いアルミニウムを使用。
ブリッジはサドル毎に独立しており、長さの異なるスケールに対応しています。
ヘッドレスのため、ブリッジがチューニングペグの役割を果たしています。
筒状のつまみを右に回すことでピッチを上げます。
指板
基本的にローステッドメイプル、ローズウッドのいずれかで、
まれにエボニーも存在するようです。
フレット
ステンレスフレットを採用。
ほぼすり減らず、くすまないため、メンテナンスフリーな点がメリットです。
硬質なので、サウンドもハッキリします。
バスウッドのしなやかさを、ネック材とこのフレットで、音の輪郭を作り出すことに成功しています。
ピックアップ
当初は過去のエリック・クラプトンモデルにも搭載されていたレースセンサーで有名なLace社製Almitoneが多かったですが、
後にディマジオを中心に様々なピックアップが搭載されてます。
レイアウトはほぼ2ハムですが、稀にSSHやHSHも存在するようです。
以上strandberg Boden J Standardをまとめました。
小さいので家で弾くのにも良さそうですし、単純に持ち運びもラクなのでそういう部分も魅力的なんですよね
改めて、情報を整理するとやっぱり欲しくなって来ましたw