【X5との違い】TC Electric PLETHORA X3レビュー

 

・マルチエフェクターが良いけど複雑な操作は嫌だ、でも音質に妥協したくない

・ディレイ、リバーブ、モジュレーションを1台で完結できる省スペースなエフェクターが欲しい

・空間系ペダルに妥協したくないけどstrymon等のハイエンドモデルを買い揃えるには予算が足りない

という人にピッタリなTC Electronicの高品質空間系多機能マルチエフェクターPLETHORA X3を、現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)が徹底レビューします。

TC Electric PLETHORA X3 特長

①:スタジオクオリティのTonePrintペダルを一台で網羅

②:アプリで最大75のTone Print保存可能

③:感知式MASHフットスイッチ

④:チューナー、キャビシミュ機能

⑤:ステレオ入出力、MIDI端子装備

特徴①:スタジオクオリティのTonePrintペダルを一台で網羅

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TC Electronic YouTubeより引用

スタジオクオリティのサウンドをコンパクトエフェクターで実現しているTC ElectronicのTonePrintシリーズのエフェクターが、PLETHOLA X3一台に集約されています。

例えばコンパクトエフェクターのHALL OF FAME REVERB同様、この中にもホール/スプリング/シマー等々複数のエフェクトが内蔵されているので、TCが得意とする空間系がコレ一台でカバーできると言っても過言ではありません。

これらのエフェクターを最大3個同時使用可能。3つのフットスイッチで個別にON/OFF可能なので好きなエフェクターを直列で接続したイメージで、シンプルに使えるマルチエフェクターです。

ディレイ、リバーブ、コーラスの同時使用といった一般的な使い方はもちろん、例えばFLASHBACK DELAYを3台重ね掛けといった、現実では買い揃えるのもの困難な組み合わせも可能。ハイクオリティなエフェクターで実験的なサウンドメイクに挑戦できます。

▼搭載エフェクター

・HELIX PHASER

・VISCOUS VIBE

・TAPE DECK LOOPER

・HALL OF FAME 2 REVERB

・FLASHBACK 2 DELAY

・SUB N UP OCTAVER

・BRAINWAVES PITCH SHIFTER

・CORONA CHORUS

・HYPERGRAVITY COMPRESSOR

・MIMIQ DOUBLER

・VORTEX FLANGER

・PIPELINE TAP TREMOLO

・QUINTESSENCE HARMONY

・SENTRY NOISE GATE

・SHAKER VIBRATO

・ALTER EGO VINTAGE ECHO

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また最大モノラル80秒/ステレオ40秒のルーパー(TAPE DECK LOOPER)も搭載。当然こちらもルーパーペダルの定番機種DITTO LOOPER直径です。

特徴②:アプリで最大75のTone Print保存可能

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パソコンまたはBluetooth接続可能なスマホアプリ(iPhone/Android対応)で、著名アーティストが作成した音色を最大75個保存可能です。

こちらもコンパクトエフェクターのToneProntシリーズと同様のものです。アプリは無料でダウンロード可能なので、購入前にどれくらい方なTonePrintがあるか閲覧可能。有名ギタリストの名前の数々にテンションが上がります笑。

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特徴③:感知式MASHフットスイッチ

フットスイッチはエフェクターの個別のON/OFFに加えて、TCのペダルでお馴染みの長押しすると踏み込む強さによってエフェクトのパラメータをリアルタイムに変更できるMASH機能も搭載。

設定を変更すればタイムを変更できるタップスイッチとしても機能します。

特徴④:チューナー、キャビシミュ機能

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上記のTone Printのエフェクターに加えて、チューナーとキャビネットシミュレータの便利機能も搭載。

チューナーにも定評のあるTCのUniTuneを搭載。3つのディスプレイを使った大型の表示で視認性が高く、従来同様の高精度なチューナーです。

キャビネットシミュレータはギター8種類、ベース1種類を搭載。ラインレコーディングや、ギター用アンプがない会場でのPAへの接続といった環境での使用を想定しています。

特徴⑤:ステレオ入出力、MIDI端子装備

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入出力はそれぞれLRのステレオに対応しています。ギターを入力して2台のアンプに接続したり、キーボード等の使用も可能。

MIDI端子も装備しており、フットコントローラーやMIDI対応のスイッチャーを用いて、最大127保存できる音色を1発で呼び出すことができます。

PLETHIOLA X3デメリット

①:同時使用エフェクトは3つ
②:歪みエフェクト非搭載
③:センドリターン端子なし

デメリット①:同時使用エフェクトは3つ

同時に使用できるエフェクターは最大3個まで。マルチエフェクターとしてはかなり少ないです。

そのため初心者など使用目的が明確でないままに購入すると、後から機能が足りないということがあるかもしれません。

とはいえ一般的には空間系・モジュレーション系だけで3種類を同時にオンにするという場面はそこまで多くなさそうです。フットスイッチ2個を同時押しや、MIDIスイッチャーで曲ごとにパッチ切り替えを行うなどすれば対処できそうです。

デメリット②:歪みエフェクト非搭載

こちらも一般的なマルチエフェクターでは当たり前のオーバードライブやディストーションといったエフェクトですが、PLETHORA X3には非搭載です。

TCのクオリティを求めるほどのユーザーは歪みの質にもこだわるだろうから、お気に入りの歪みと組み合わせ使ってね、という感じでしょう。

一台で完結するマルチエフェクターというよりは、strymonやEventideといったハイエンド空間系エフェクターというニュアンスが正しそうです。

デメリット③:センドリターン端子なし

歪みは外部のものを使うことが前提ですが、PLETHORA X5ではあったセンドリターン端子がX3には搭載されていません。

アンプのセンドリターンに接続したり、歪みエフェクターの後に接続するなどシンプルな使い方なら困ることはないでしょう。PLETHORA X3はシステムの中枢として使うというより、スイッチャーやボードに取り入れるという使い方を想定しているようですね。

主な使用方法

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上記の特徴から大型マルチエフェクターや上位機種のPLETHORA X5とは異なり、システムの中枢を担うものではなく、ハイエンドな空間系エフェクターとしてシステムの中に組み入れるという使い方が向いていると言えます。

①:ペダルボードで直列接続

シンプルに空間系エフェクターとして使用する方法。ワウー歪みエフェクターなどを接続し、最後にPLETHORA X3を入れるシンプルな使い方。

TCのTone Printシリーズ16台分がこれ1台にまかなえるのは省スペースですし、3台分以下の価格でコストパフォーマンス的にも魅力です。

②:スイッチャーでMIDI操作

MIDI出力を備えるスイッチャーで使えば、複数パッチをスイッチひとつで切り替えることができます。PLETHORA X3の機能をフルに使うならコレですね。

③:アンプのセンドリターンに接続

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アンプのセンドリターンに接続すればアンプの歪みの後にTCの空間系エフェクトを一括でかけることができます。

PLETHORA X3とX5の違い

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PLETHORA X3PLETHORA X5
同時使用エフェクト35
プリセット数127127
フットスイッチ3個5個
エクスプレッションペダル端子なしあり
センドリターン端子なしあり
サイズ56 x 176 x 116mm53mm x 298.5mm x 116mm
重量775g1400g
市場相場価格42,000円前後?(349USD)64,900円(549USD)

先に発売されているPLETHORA X5との違いを比較してみます。

内蔵エフェクトの種類、MASHフットスイッチ、UniTune(チューナー)、ルーパー、キャビシミュ、ステレオでのインプット・アウトプット、MIDI IN/THRU端子は両機種とも同じです。

つまりサウンドの品質に関わる部分は差異がありません。

両機種の違いは

①:同時エフェクト数/フットスイッチ数

②:外部接続端子

③:サイズ/重量

違い①:同時エフェクト数/フットスイッチ数

X3とX5の最大の違いは同時に使えるエフェクトの数が3個か5個かの違いです。

エフェクトのON/OFFに伴うフットスイッチの数も3個と5個で異なります。

違い②:外部接続端子

X3にはセンドリターン端子がありません。そのためエフェクトの接続順の中に好みのエフェクターを取り入れたり、アンプの歪みの前後にPLETHORA内のエフェクターを同時に使用する4ケーブルメソッドには対応していません。

また外部エクスプレッションペダルを接続してのパラメータのリアルタイム操作もX5のみ対応可能です。

X3でリアルタイムパラメータ操作をしたい場合はMASHを活用するか、MIDI接続で行うことができます。

違い③:サイズ/重量

X3は上記の機能が制限されている分、サイズも小さく重量が軽いのが特徴です。サブボードなど省スペースが良かったり、直列でしか使わない、空間系はこれ一台で済ませるという場合はX3の方が良いでしょう。

まとめ【選び方/発売日・価格】

Andertons Musicの動画では非常に多彩な音色が聴けます。

PLETHORAシリーズがおすすめな人は

・TC Electricの高品質なエフェクトが好き

・Tone Printで好きなギタリストも使っている

・空間系エフェクトを一台にまとめたい

・シンプル操作で高音質なマルチエフェクターが欲しい

X3の日本発売日はまだ公開されていませんが、海外では349ドルで発売されています。X5は549ドルなので同じレートで日本円に換算するとおよそ42,000円前後?になると思われます。

2022年10月23日現在、サウンドハウスさんでのみ取扱が開始されています。円安の影響もあってか、価格は51,800円になっています。

PLETHORA X3がおすすめの人は

・小規模ボードの多機能空間系エフェクターがほしい

・スイッチャーに操作を一任しているエフェクトボードに組み込みたい

・空間エフェクト同時使用数が3個以下で良い

・空間系エフェクターは1台で済ませたいベーシスト

・strymonなどのハイエンド空間系エフェクターを複数台買うのは予算が足りない

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PLETHORA X5がおすすめの人は

・空間系エフェクターは4個か5個同時に使うことがある

・センドリターン端子を使い歪みの前後に空間系エフェクトを使いたい

・PLETHORA X5を足での操作スイッチの中枢として使う=4ケーブルメソッドをシンプルな機材で使いたい

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