ペダル型ワイヤレスはSHURE GLXD16 一択【レビュー】

 
ワイヤレスを導入したいけれど
●音が途切れないか
●音が劣化しないか
●音が遅れないか
などデメリットやトラブルが気になる・・・。

という方のために、プロでも使えるクオリティで高過ぎないギター用ワイヤレスシステムを紹介します。

現在ギターワイヤレスは

・ステージ環境で使うもの

・自宅やスタジオ練習で使うもの

のいずれかの用途で製品開発されています。

今回は前者、ステージ環境で使うものにスポットをあてて紹介します。

2023年4月に後継機種が発売されました。

ワイヤレスの使い方

ワイヤレスは2つを1セットで使用します。

送信機(トランスミッター)

ギターのアウトプットジャックから短いパッチケーブルなどを使用し接続します。

受信機(レシーバー)

送信機から信号を受け取ります。

受信機のアウトプットジャックから、アンプやエフェクターのインプットへ通常のギターシールドで接続します。

お互いのチャンネルを一致させることでそれぞれの信号のやり取りが可能となります。

手動で合わせてくれるものと自動で合わせてくれるものもあります。

アナログB帯800MHz

無申請で使用できる無線帯域です。

パチンコ屋やタクシー無線などと混信すると、ギターアンプからそれらの音声が出てしまうという楽しい(?)現象が起こりました。

ペダル型ワイヤレスの先駆けEX-Pro PWシリーズは非常に完成度が高かったです。

しかし、セットで10万円を超えるほど、やや高価ではありました。

デジタル2.4GHz

2.4GHz帯の電波で送受信します。

これはおよそ10年前の2010年6月に発売されたLine6 Relay G30/G50/90 の発売により、現在主流となったのワイヤレスの方式です。

Wi-FiやBluetoothの普及と発達により、オーディオのワイヤレスでも技術が流用され、先のアナログよりもコストが抑えられている点もポイントです。

逆に2.4GHzは今や日常にあふれている、Wi-FiやBluetoothも同様の帯域のため、混線の恐れがあるということです。

デジタルだと、アナログB帯とことなり音は一切出なくなります。

ワイヤレスのメリット・デメリット

メリット

・ケーブルからの解放

デメリット

・電源やバッテリーの管理
・サウンドが変わる
・混線(音切れ)の恐れ

メリット①:ケーブルからの解放

むしろメリットはこれだけです。

デジタルワイヤレスが普及していなかった頃の私は、これだけのために10万円支払ったことになりますw

しかしライブ中の効果は絶大。

ギター回しができます。

ステージを飛び降りてフロアで演奏できます。

とりあえず目立ちたいなら必須です。

立ち位置も上手、下手で入れ替わったり、ギターソロで前へ出たりしても

ボーカルのマイクケーブルと絡まったり、それでケーブルが抜けてしまったり

ということも気にしなくて良いんです。

とにかくケーブルという呪縛からは解放されます。

またリハーサル中には、フロアから自分たちの音が聞けるようになるので、バンドでのサウンドバランスを向上させるためにも一役買ったりします。

意外とスタジオでも、特に狭いところだとケーブルがうっとうしかったり、

これまた立ち位置で音の聞こえ方を変えられるので、客観的にバンドアンサンブルのバランスを整えることができ、バントの上達につなげることができます。

たったひとつの要素ですが、まとめるとケーブルからの解放は

ステージパフォーマンスで目立てる = 他の人の印象に残る

サウンドバランスの向上 = バンドとしての完成度up

と、少なくないメリットがあります。

デメリット①:電源やバッテリーの管理

受信機の駆動させる電源アダプターやパワーサプライの電源確保が必要です。

エフェクターが1台増えるようなものですが、消費電流大きかったりするので、歪みペダルひとつ増えるのとは少しわけが違うかもしれません。

送信機にもバッテリーが必要です。

充電式のバッテリーを内蔵したものや、電池を要するものです。

充電や予備電池を忘れないように注意するしかありません。

デメリット②:サウンドが変わる

良くも悪くもサウンドは変わります。

そもそも通常のシールドも長さや品質でサウンドは変わりますしね。

ローインピーダンスに変わりますし、ケーブルのようにハイが落ちないので、良くとらえれば抜けが良く、悪くとらえれば耳障りになるかもしれません。

中にはケーブルを通したサウンドを再現する(疑似的にハイを落とす)機能を搭載したものもありますが、いずれにしろ個人的にはトータルのサウンドメイクに支障があるレベルではないと思います。

ちなみにある程度のものであればレイテンシ(音の遅れ)はほぼ感じません。

※真空管アンプのシビアな反応速度を求める、いわゆるトラディショナルなジャンルの方は少し気にするかもしれませんが、そんな方はそもそもワイヤレスはいらないと思いますw

デメリット③:混線(音切れ)の恐れ

アナログなら各種無線と、デジタルならWi-Fiなどと同じ帯域を使用するため、ルーターやポケットWi-Fiなどの電波が飛び交う環境では不安な面もあります。

とくに安価なものだのこの混線への対策がされていません。

自宅やバンドのスタジオ練習くらいなら多少の音切れは良いかもしれませんが、ステージでは避けたいところですので、良い品質のものをお選びください。

というわけで最もおすすめできるワイヤレスをご紹介します。

すべてのデメリットに言えることですが、不測の事態に備え、ケーブルは持っておくべきです。

結果的に荷物は少しだけ増えますが・・・。

SHURE GLXD16が ペダルワイヤレス一択の理由

shureglx16

混線の心配が無いLINKFREQ機能

セットアップは簡単で、送信機と受信機の電源を入れるだけで自動的に接続してくれます。

SHUREのこのワイヤレスが他社と違う最大の特徴はLINKFREQ周波数自動マネージメント機能です。

これは送受信機の接続中も常に使用可能な、帯域を探し続けており、

より安定した帯域に自動的に接続します。

この切り替え時にももちろん、音切れはありません。

サウンド

サウンドはハイファイでありながら、非常にナチュラル。

高級シールドのようなロスの無いサウンドです。

ベースにも使用できます。

当然レイテンシーもほぼ皆無です。

演奏中の違和感は一切ありません。

ペダルチューナーのような外観

また受信機はボードに組み込みやすいペダルタイプ。

エフェクターを繋がないギタリストは極少数だと思いますので、この形状はエフェクトボードにそのまま導入できるのが良いです。

チューナーも内蔵されており、通常の針式とストロボ式を選択可能し、感度と精度も抜群です。

電源とバッテリー

受信機側は500mAセンターマイナスなので、高品質でアイソレートされたパワーサプライでも駆動しますので、無駄のないボードが組めます。

送信機側はリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、Micro USBで充電可能。

フル充電で 最大16時間 駆動します。

しっかり出力のあるチャージャーなら、15分の充電でも1時間半も使用可能です。

ライブ当日の充電忘れにも対応できます。

audio technica ATW-1501

atw-1501

ちなみにこちらのオーディオテクニカのペダル型デジタルワイヤレスも、

混線を防ぐチェンネル自動切換機能がありましたが、こちらは残念ながら生産完了。

よって現在はSHUREがベストな選択となっています。

ギターでなくワイヤレスマイクであれば、オーディオテクニカ製も当然アリです。

実はおすすめできないLine6 Relayシリーズ

Line6 Relay G30

デジタルワイヤレスがここまで普及したのはLine6 Relayシリーズであることは、紛れもない事実です。

しかし残念ながら、SHUREに劣るのが自動チャンネル切り替えができません。

PA屋さんの間では、最大本数のLINE6 のデジタルワイヤレスマイクを使用すると、いくつかは混線で使えないという情報が認知されつつあります。

発売当時よりも2.4GHz帯が普及した現代は、ライブハウスでもPAを操作するためにも無線が飛び交っており、

音切れの恐れがあるRelayシリーズは本番環境で使用するには心配です。

同様の理由で、巷にあふれる中華格安ワイヤレスやBOSS製も心配です。

これらは自宅練習や、スタジオ練習などシビア過ぎない環境での用途で使用すべきです。

まとめ

格安ワイヤレスに比べればやや高価ですが、

耐久性に優れ(私はもう5年くらい使っています。)、

良いものならずっと使えるので、

・音切れしないように、自動でチャンネル切り替えを行うLINKFREQ機能

・ハイエンドケーブルさながらのサウンド

・電源とバッテリーの使い勝手に優れている

ライブでワイヤレスを使いたいバンドマンが選ぶべきはこちらです。

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