●BOSSやLINE6ほか、プラグと送信機一体型は不安
●最上級音質のギターワイヤレスが欲しい
という方に、現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)がSHUREのエフェクター型ギターワイヤレスGLX-D+を徹底解説。
多数の世界中で活躍するプロミュージシャンたちが使っていたSHURE GLXD16。
バンド仲間からワイヤレスの相談を受けた時に必ずおすすめしていたSHUREのGLXD16。
しかし、数年前に生産完了してしまい、市場にはプロクオリティのペダル型ギターワイヤレスが存在せず、おすすめできる機種がありませんでした・・・。
2023年4月、ついにおすすめできるSHUREの最強エフェクター型ワイヤレスがアップデートされて帰ってきました!
SHURE GLXD16+がギターワイヤレスとして一番おすすめできる理由と、旧機種との違い比較を解説します。
プロの現場ではサウンドの変化以上に、音が途切れないことが最も大事です。
SHURE GLXD16+は、最も安定している帯域を自動的に選択して、送受信機を接続してくれます。
しかも設定は不要で、電源を入れるだけ。
もちろんサウンドにネガティブな変化や、遅れはありません。
他のエフェクターと一緒に並べることができ、9Vのパワーサプライで電源供給可能。
音質と接続に信頼性のあるギターワイヤレスが欲しいならコレ一択です。
メリット
②:自然なサウンドで、レイテンシも皆無
③:電源を入れるだけですぐ使える
④:混線を防ぐ自動周波数管理機能
⑤:最大60mまで届くワイヤレス
⑥:15分の充電で1ステージに耐えられる
⑦:受信機にギターインプットも搭載
⑧:高品位なチューナー内蔵
⑨:送信機側はケーブルが外れづらいミニキャノン
市場で唯一のエフェクター型ギターワイヤレス
SHURE GLXD16+は、現在市場で唯一新品で購入できる、エフェクター型ギターワイヤレスシステムです。
愛用のエフェクターボードに受信機を設置できるので、機材のセットアップをシンプルにし、スペースを節約することができます。
電源は9V 400mAなので、パワーサプライからも供給可能です。
自然なサウンドで、レイテンシも皆無
もちろんサウンドも高品質。ケーブルを使用した時とほぼ同等の音質を実現しています。
周波数特性が20-20kHzで、ダイナミックレンジが120dBで動作することにより実現されています。
レイテンシも全く感じられません。
ケーブルと交互に弾き比べ、聴き比べてみても、どちらがワイヤレスかわからないでしょう。
電源を入れるだけですぐ使える
電源を入れるだけで簡単に使用できます。
システムが自動的に最適な周波数を選択し、受信機と送信機をペアリングしてくれます。
面倒な設定は不要で、すぐにセットアップできます。
混線を防ぐ自動周波数管理機能
自動周波数管理機能が搭載されており、ここが安価なワイヤレスとは大きく異なる信頼性が高い所以です。
これにより、他のワイヤレスデバイスとの干渉を回避し、安定した接続を確保できます。
送受信機は常に3つ繋がっており、最も安定したものに自動で切り替わります。
途切れる前に他の周波数に繋がるので、混線による音切れの心配がありません。
ライブステージや練習スタジオなど、周囲に多くの無線機器がある環境でも、信頼性の高いパフォーマンスが期待できます。
最大60mまで届くワイヤレス
屋内で最大60メートルまでの範囲で使用できるため、広いステージや屋外イベントでも安心して利用できます。
ステージでのアグレッシブなパフォーマンスはもちろん、フロアに降りてオーディエンスとの距離を縮めることもできます。
15分の充電で1ステージに耐えられる
たったの15分の急速充電で約1時間30分も使用できます。
万が一充電を忘れていても、練習やライブの直前の急速充電で、フルパフォーマンスを発揮できます。
フル充電時には最大17時間の連続使用が可能であり、長時間のリハーサルや連続したライブでも安心して使用可能です。
受信機にギターインプットも搭載
旧機種になかった新機能です。
受信機にはギターインプット端子も搭載しています。
ペダル型ワイヤレスは、ペダルボードに固定することが多いでしょうから、わざわざワイヤレスを使うほどではない時も、サッとケーブルで使えます。
高品位なチューナー内蔵
フットスイッチで、高品位なチューナーとして使えます。
エフェクターボードに、別途チューナーを用意する必要がなく、機材の持ち運びやセットアップがさらに簡単になります。
このチューナーは、高精度で反応も早く、一般的なチューナーと同等か、それ以上の性能です。
送信機側はケーブルが外れづらいミニキャノン
ギターへの接続は通常のフォンプラグですが、送信機側に接続するのは3ピンのミニキャノン。
挿せば固定されるので、そう簡単には外れません。
デメリット:他社のギターワイヤレスより高価
品質としての不満な点はありません。
強いてあげるなら、価格が他社のギターワイヤレスよりも高価なことです。
旧機種SHURE GLXDが不在の間も、エフェクター型ギターワイヤレスはBOSS WL-50(25,700円)かLINE6 Relay G10S(33,800円)、サウンドハウスさんのブランドCLASSIC PROの CWS-24GB(29,800円)がありました。
そのどれもが3万円前後で、SHURE GLDX16+の68,000円と比べるとかなり安いです。
それでも前者の安い方は、音が途切れるなどのレビューも散見されます。
音が悪いわけではないので、家で使う、仲間内のスタジオやライブで使う分には問題ないでしょう。
しかし失敗してはいけない、不安材料を持ってステージに立つことは精神衛生上も好ましくありません。
品質・信頼性から言えば、SHUREが間違いなくトップです。
旧機種との違い
仕様表を並べました。
受信機のギターインプット以外は、仕様上の大きな違いはなさそうです。
ギタリストが知っておけば良いのは、駆動時間、サイズと必要な電流量が少しだけ増えたことでしょうか。
GXLD16+ | GXLD16 | |
---|---|---|
駆動時間 | 約17時間 | 約11.5時間 |
充電端子 | USB-C | USB Micro Type-B |
電流量 | 9V-15V, 400mA | 9V-15V, 250mA |
フル充電からの使用可能時間が、約11.5時間から約17時間に長くなりました。
THD(全高周波歪率)が旧機種0.2%から0.07%に改善されたことで、音質の変化がさらに小さくなったようです。
見た目もほぼ変わりませんが、受信機のSHUREロゴがちょっと目立ちますね。
ワイヤレスの仕様比較
GLX-D+ | GLX-D | |
---|---|---|
周波数帯域 | 2.4GHz帯デジタル(2400〜2483.5MHz) | 2.4GHz帯デジタル(2400〜2483.5MHz) |
チャンネル数 | 一般的な環境で最大4台(最適条件下では8台) | 一般的な環境で最大4台(最適条件下では8台) |
電波到達距離 | 屋内:通常の使用時に最大30m、最良の環境下で最大60m 屋外:通常の使用時に最大20m、最良の環境下で最大50m | 屋内:通常の使用時に最大30m、最良の環境下で最大60m 屋外:通常の使用時に最大20m、最良の環境下で最大50m |
送信機モード | 送信機モード Shure独自のデジタル – 2.4 GHz | Shure特許デジタル |
周波数特性 | 20 Hz – 20 kHz | 20 Hz – 20 kHz |
ダイナミックレンジ | 120dB、Aウェイト | 120dB、Aウェイト |
RF感度 | -88dBm、標準 | -88dBm、標準 |
THD(全高周波歪率) | 0.07%、標準 | 0.2%、標準 |
RF 送信出力 | 10mW E.I.R.P.最大 | 10mW E.I.R.P.最大 |
動作温度範囲 | -18℃〜57℃ | -18℃〜57℃ |
保管温度範囲 | -29℃〜74℃ | -29℃〜74℃ |
駆動時間 | 最大17時間 | 最大11.5時間 |
受信機の仕様比較
GLX-D6+ | GLXD6 | |
---|---|---|
サイズ | 138 x 95 x 48mm | 133 x 95 x 46 mm |
質量 | 560g | 504g |
外装 | アルミニウム合金 | ダイカストメタル、ブラックパウダーコーティング |
使用電源 | 9V-15V, 400mA | 9V-15V, 250mA |
スプリアス除去 | > 35dB、標準 | > 35dB、標準 |
ゲイン調整範囲 | -20〜40dB 1dB刻み | -20〜40dB 1dB刻み |
インピーダンス | 100Ω(50Ω、アンバランス) | 100Ω(50Ω、アンバランス) |
最大音声出力レベル | +8.5dBV | +8.5dBV |
ピンアサイン | 6.35mm (1/4”)コネクター | 6.35mm (1/4”)コネクター |
オーディオ入力モード | チューナー/ギター入力 | |
受信機アンテナ入力 | ||
インピーダンス | 50Ω | 50Ω |
アンテナタイプ | 内部単極 | PIFAアンテナ |
最大入力レベル | -20dBm | -20dBm |
送信機の仕様比較
GLX-D1+ | GLXD1 | |
---|---|---|
サイズ | 115 x 66.94 x 28.51 mm(アンテナ除く) | 90 x 65 x 23 mm |
質量 | 153.1g(電池除く) | 132g(電池除く) |
使用電源 | 3.7 V 充電式リチウムイオン | 3.7 V 充電式リチウムイオン |
外装 | ダイカストメタル、ブラックパウダーコーティング | ダイカストメタル、ブラックパウダーコーティング |
入力インピーダンス | 900kΩ | 900kΩ |
RF送信出力 | 10mW E.I.R.P.最大 | 10mW E.I.R.P.最大 |
送信機入力 | ||
コネクター | 4ピン・オス型ミニコネクター(TA4M) | 4ピン・オス型ミニコネクター(TA4M) |
構成 | アンバランス | アンバランス |
最大入力レベル(!% THDで1kHz) | +8.4dBV(7.5 Vp-p) | +8.4dBV(7.5 Vp-p) |
アンテナタイプ | 内部単極 | 内部単極 |
ギターペダル型ワイヤレスはSHURE一択!
ここ最近は、プロレベルのギターペダル型ワイヤレスワイヤレスが存在しませんでした。
audio-technica ATW-1501は、SHURE GLXDより以前に生産完了しています。
BOSS WL-50、Line6 Relay G10Sは、送信機の大きさから予測できる通り、音質的にも接続の安定性も、SHUREに比べると劣ります。
つまり、プロの現場でも信頼できる品質のギターペダル型ワイヤレスは、SHURE GLXD16+一択です。