最高のオーバードライブペダルを探している
という方におすすめの歪みペダルのひとつです。
Pedal diggersの819は一言でいうとアンプライクなTS系オーバードライブペダルです。
なかなかおかしな表現に感じるかもしれませんが、気になった方は是非読んで見てください。
コンセプト、サウンド【レビュー】
Pedal diggersとは
兵庫県のエフェクタービルダー椎葉氏によるブランドです。
製作は椎葉氏1人によりハンドメイドで製作されています。
コンセプト
819はPedalman818をベースに設計されています。
Pedalman 818とはジョン・ランドグラフにより59台のみ製作された幻のペダルです。
ジョン・ランドグラフ氏はその後、Landgraffブランドでいくつかのペダルを発売しました。
それらは1台10万円もしましたが、ベストセラーとなりブティックエフェクターの先駆けとも言えます。
初めはミュージシャンからの依頼で、Pedalman 818のレプリカの作製を試みましたが断念、
ただし、そこから現代的にブラッシュアップすることで誕生したのがこの819になります。
サウンド
サウンド自体はミッドにフォーカスされたTS系なのですが、奥行きのある立体的なサウンドです。
ミッドの突出感と抜けの良さが絶妙です。
さらにギター側のボリューム操作で、クリーンから歪みへとシームレスにコントロールできる、チューブアンプライクなダイナミクスを備えています。
多くのTS系はギター側のボリュームを絞っても歪みが残りますが、この819はクリーンになります。
コントロールはVole, Gain, Toneと標準的ですが、
ドライブコントロールはランドグラフ同様、クリックが付いています。
ちなみに動画タイトルのTone Blueは現代理店のキョーリツコーポレーションの前の代理店だった、神戸の楽器店名です。
Pedal diggersは、このTONE BLUEにより注目されたと言っても過言ではありません。
プロも利用する楽器店です。
一般的なチューブスクリーマー系ドライブとの比較
819はTS9よりも立体的で温かみと滑らかさのあるサウンドです。
出力の低いヴィンテージタイプのピックアップでも、ゲインを上げれば太いリードサウンドを生み出します。
また、ギターのボリュームでクリーントーンにもできる追従性の高さもありながら、
絶妙なコンプ感もあります。
ニュアンスは出しやすいですが、センシティブ過ぎず心地良い弾きやすさがあります。
これ1台でクリーン〜クランチのリズム、リードサウンドが賄うことができる使えるオーバードライブペダルです。
一方、ハイゲインアンプの前段にブースターとしてTSをかませる、メタル系のサウンドメイクでは通常のTS9が良さそうです。
バリエーション
バージョンはいくつか存在し、
初期の頃は point to point 配線、
その後、プリント基板に変更されました。
バリエーションもいくつか存在します。
現在入手できるのはミニサイズの819 miniです。
ミニサイズの819 miniは回路設計はそのままにでサウンドは同じですが
電池駆動ができない点と、踏み心地やつまみの操作性が小さいことにより少しやりづらい点のみ注意が必要。
他にも楽器店経由期間限定で受け付けたオリジナルカラーの819
3-wayクリッピングスイッチを搭載した限定生産の819
819 を連結させ、3-wayクリッピングスイッチも搭載した 819 Twin
内部パーツをアップグレードさせ、P to P 配線した、採算度外視の 819 DLX
などが存在します。
相性が良いギターとアンプ
819の旨味を最大限引き出せるのはシングルコイルのピックアップです。
アンプもマーシャルより、フェンダー系コンボアンプとの相性が良いです。
JC-120でも扱いやすい音作りができます。
ブースターとして使われることが多いTS系オーバードライブですが、
こちらの819はTS系オーバードライブ単体で歪ませる方なら、最高の選択になります。