Ovaltone FOUNTAIN レビュー

 
BOSSなど定番のオーバードライブに満足できない

ギターとアンプのキャラクターを生かしたい

楽器屋店員がOvaltone FOUNTAINをガチレビュー!

Ovaltoneとは

Ovaltoneは神奈川県のエフェクターブランドです。

田中兄弟による徹底した品質管理を実現するためにオールハンドメイドこだわっています。

結果的にどの製品も最高品質でありますが、生産数に限りがあるため常にメーカー在庫が無く、流通在庫のみになっているのが実情です。

中には品薄のまま生産完了となったためプレミア価格がつくものもあります。

Ovaltone FOUNTAIN レビュー

fountain

今回ご紹介する機種はFOUNTAIN-ファウンテン-

個人的にも愛用しているローゲインオーバードライブをお探しの方には必ずお試しいただきたいイチオシのペダルです。

公式からは明記されていませんが、カテゴライズとしてはトランスペアレント系オーバードライブです。

コントロール

コントロールはGAIN, VOLUME, TONEと非常にオーソドックスですが、

それぞれ3段階のキャラクタースイッチとチャンネルスイッチがあり

合計9音色もの切替が可能。

キャラクタースイッチによってトーンコントロールが効く帯域が変化します。

■character■ 左ミニスイッチ

全体のEQとしての働きがあり、頭のM=Modern ,V=Vintage

後ろのO=Open , C=Closeの組み合わせでキャラクターが設定されています。

オープン=超高域(プレゼンス)の成分が多く煌びやか

クローズ=超高域の成分が少なくダークな響き

というニュアンスがわかりやすいでしょうか。

【M.C.】(Modern Close)

中域が豊かで超高域がクローズ。

ローミッドが押し出されるモードで、トーンを上げれば枯れ感を演出したブルージーに、

トーンを絞れば甘くジャジィにも対応できます。

【V.O.】(Vintage Open)

中域が控えめで超高域がオープン。TONEの調整周波数が高くなります。

ドンシャリというほどではありません。

ソフトゲインとの組み合わせで柔らかさも加味されるので、

Roland JC-120の硬さが気になるという方にはJC対策としてもおすすめ。

【M.O.】(Modern Open)

中域が豊かで超高域がオープン。

レンジが広く抜けも良いので、オーバードライブにもブースターにも使える

最も基本となるキャラクターです。

■channel■ 右ミニスイッチ

”H.G.” “ L.G. ” “ S.G.”の3種類のゲインチャンネルを選択できます。

【 H.G. 】ハイゲインチャンネル

リードが弾けるくらいの歪みはありますが、ブルースドライバーのようにがっつりは歪みません。

【 L.G. 】ローゲインチャンネル

太めのクランチや、ゲインを下げて僅かな歪みをまとった クリーンなど

アタックも出るのでリズムギターに最適な、 本機で最も使いたい チャンネル。

【 S.G. 】ソフトゲインチャンネル

基本的にはL.G.に近いキャラクターですが、柔らかいローゲインサウンドを作る事ができます。

アンプをプッシュする際のブースターとしても使いやすいチャンネル。

アタックの出方でL.G.かS.G.か好みをチョイスすると良いでしょう。

おすすめキャラクターxチャンネルの組み合わせ

L.G. x M.O.

フェンダー系クリーンアンプとシングルコイルなら本機最強の組み合わせ。

エフェクター自体の嫌なクセが無いので、FOUNTAIN(=泉)の名の通り、

クリアでみずみずしいサウンドが得られます。

リズムギター用にはもちろん、マルチエフェクターなどアンプモデリングなどの後段に入れて

MXR Micro Ampのようなプリアンプ的な用途にもおすすめ。

L.G.x V.O.

ハムバッカーならこちらがおすすめ。

ややミッドが落ち着き、ハムバッカーなのに透明感のある新しいサウンドに。

空間系をかませたアルペジオが美しく響きます。

S.G.x M.C.

モダン化したTS系という感じで、ブースターとして使うのがおすすめ。

TSほどミッドが突出した感じでもないですし、レンジもやや広いのでモダン化という表現をしました。

H.G.x M.O.

リードトーンならコレ。

トーンつまみも良く効くので、抜けを良くしたい時にはトーンを上げ気味に。

ゲインもトーンも全開にしても、潰れたり、破綻しないサウンドになるのも本機の素晴らしい特徴です。

とは言え、太さが付加される感じは少ないので、アンプ側もしくはギター側のトーンで太さを調整する必要があります。

サウンドレビュー

キャラクターからトーンの聞き方まで、Ovaltoneさん自身が徹底解説しています。

デメリット、このペダルが合わない方

ある程度の質の良いギターや音量をしっかり出せるアンプで使わないと真価は発揮されません。

どんなギターやアンプでも極上のサウンドになる魔法のエフェクターではありません。

逆に言えば、

・それぞれの機材の特性をしっかり生かした音作りをしたい、

・演奏のニュアンスを殺したくない

という歪みを探している方には最良のペダルです。

なので、初めての歪みエフェクターなどとしてはあまりおすすめしません。

VEMURAM Jan Rayとの比較

国産ハイエンドオーバードライブの最右翼VEMURAM Jan Ray。

トランスペアレント系の回路ながら、チューブライクな太さや温かみが加わるのがJan Rayです。

両機種ともローゲインで真価を発揮するペダルですが、

上記の理由から、

リードメインで使うなら Jan Ray

リズムギターメインで使うなら FOUNTAIN

がおすすめです。

まとめ

私はストラトのリズムギター用で使用しています。

スイッチはもちろん、ローゲインチャンネル+モダンオープン。

BOSSなど定番のオーバードライブに満足できない、

ジャキジャキに歪むほどのオーバードライブは必要ない、

ギターとアンプのキャラクターを生かしたい、

ピッキングのニュアンスを生かしたい、

という方におすすめの歪みペダルです。

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