●10万円台でレスポールを探している
●軽いレスポールが良い
という人のために、現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が、一番安いギブソン・レスポールであるLes Paul Tribute(トリビュート)を解説します。
メリット
②:メイプルネックや490ピックアップによるモダンサウンド
③:ウルトラ・モダン・ウェイト・リリーフによる軽量ボディ
USAメイドのギブソン最安レスポール
市場相場価格約14万〜15万円前後。
Gibson Les Paul Tributeは、ギブソンで最も安いレスポールです。
ちゃんとアメリカ製です。ギブソンの伝統的な製造技術と品質管理の下で製造されています。
メイプルネックや490ピックアップによるモダンサウンド
ギブソン・レスポールらしい雰囲気がありながらも、正統派レスポールよりも明るくハリのある音色が特徴です。
Les Paul Tributeネックにはメイプル材を、ピックアップには490を採用しています。
これによりサウンドは従来のウォームでリッチなレスポールトーンよりも、明るく、パンチのあるトーンになっています。
特に歪み系サウンドとの相性が良く、ロックからブルース系ハードロック、メタル系のジャンルに向いていると言えます。
ウルトラ・モダン・ウェイト・リリーフによる軽量ボディ
ウルトラ・モダン・ウェイト・リリーフは、ギターのボディ内部をくり抜くことで、ギターの重量を軽減する技術です。
レスポールですが、3.6kg〜3.7kg台の軽量な個体も珍しくありません。
軽量な方が、抱えた際のストレスは少ないと感じる人が多いはずです。
一方、3.9kg程度の一般的なレスポールの重量の個体もあります。
抱え心地よりも音色にこだわるなら、重めだとぶ厚めなバッキング向き、軽めなら抜けの良いリード向きと言えます。劇的な差ではないので、気にし過ぎなくて良いですが。
デメリット
②:細部の仕上げが丁寧ではない
③:ルックスが簡素化されている
正統派レスポールサウンドではない
甘く艷やかな従来のレスポールのサウンドとは異なります。
そのためリッチなサウンドでブルースやジャズ、ソウル系のジャンルを弾きたい方には、レスポール・スタンダードの方が向いていると言えます。
逆にLes Paul Tributeは、歪ませて使う人にとってはバランスが良く扱いやすいという印象を受けるでしょう。
細部の仕上げが丁寧ではない
手頃な価格を実現するための妥協点です。
Gibson Les Paul Tributeは、その他のより高価なギブソン・レスポールと比較して、細部の仕上げがやや劣ります。
弾きづらいというほどでは無いですが、ネックの端が角ばっており、左手に優しくないと言えます。
忖度なしで言えば、30万円超えのLes Paul Standardの方がストレス無く弾けます。
ルックスが簡素化されている
ギブソンヘッドやボディの形、各種パーツなど、一目でレスポールとわかるルックスをしているのは嬉しいポイントです。
しかし、もう一つの価格を下げられた要因としてルックスの簡素化も挙げられます。
レスポール・スタンダードから省かれた主な点は、ボディとネックのバインディング、ボディトップの杢目、マホガニーネックです。
Gibson Les Paul Studio違い比較
仕様 | Gibson Les Paul Tribute | Gibson Les Paul Studio |
---|---|---|
市場想定価格 | 14〜15万円前後 | 17〜20万円前後 |
ボディ素材 | マホガニー(メイプルトップ) | マホガニー(メイプルトップ) |
ウェイトリリーフ | ウルトラ・モダン | ウルトラ・モダン |
フィニッシュ | サテンニトロセルロースラッカー | グロスニトロセルロースラッカー |
ネック | メイプル | マホガニー |
ネックシェイプ | ラウンデッド | スリムテーパー |
スケール長 | 24.75″ / 628mm | 24.75″ / 628mm |
指板 | ローズウッド | ローズウッド |
指板ラディアス | 12″ / 304.8mm | 12″ / 304.8mm |
ナット幅 | 1.695″ / 43.05mm | 1.695″ / 43.05mm |
ブリッジ | アルミニウム ナッシュビルチューンオーマチック | アルミニウム ナッシュビルチューンオーマチック |
テールピース | アルミニウムストップバー | アルミニウムストップバー |
チューナー | ヴィンテージデラックス w/キーストーンボタン | グローバー |
コントロールノブ | ゴールドトップハット | ブラックスピードノブ |
コントロール | 2ボリューム、2トーン、トグルスイッチ | 2プッシュ/プルボリューム(コイルタップ)、2トーン、トグルスイッチ |
ネックピックアップ | 490R | 490R |
ブリッジピックアップ | 490T | 498T |
付属品 | Gibsonアクセサリーキット、ギグバッグ | Gibsonアクセサリーキット、ギグバッグ |
ルックス面の違い
どちらの機種も、往年のLes Paulとは異なり、フィギュアドで無いメイプルトップ、バインディングが省略されています。
両機種では、ペグやコントロールノブ、カラーバリエーションが異なるほか、
Tributeは艶がないサテン仕上げ、Studioは艶のあるグロス仕上げです。
これらについては、良し悪しではなく好みです。
サウンド面の違い
重要なポイントはネック材とリアピックアップの違いです。
Tributeはメイプルネックと、ピックアップはPAFをフィードバックを起こしづらく改良した490を搭載。
ロックからブルース系ハードロック、メタル系のジャンルに向いていると言えます。
一方、Les Paul Studioのリアピックアップは、490Tをハイパワーにした498Tを採用。
Tribute同様に分厚いサウンドが似合うロックはもちろん、ディストーションとの相性も良くやメタル系にも合います。
Studioのネック材は往年のレスポール同様に、マホガニーを採用。
フロントピックアップであれば、Tributeが苦手な往年の甘いクリーンサウンドも出せます。
さらに、コイルタップもついているのでサウンドバリエーションの幅が広いです。ただし、ストラトのようなキレのあるシングルコイルサウンドでは無いので、過度な期待は禁物です。
トリビュートは特徴を理解していれば後悔しないレスポール
Gibson Les Paul Tributeは、現在入手できるUSA製ギブソンレスポールの中で最も安いモデルです。
昔からのLes Paul Standardとは異なるルックスですが、ちゃんとギブソンレスポールの音を持っています。
しかし、やや明るめなトーンであり、プレイアビリティも高額なモデルに比べれば劣ることを理解していれば、購入しても後悔することはないでしょう。
クリーンも使いたい、もっとがっつり歪ませたいなら、価格は高くなりますがマホガニーネック&498Tピックアップ搭載のLes Paul Studioが良いでしょう。
- ギブソンが欲しいけど予算があまりない
- ロック、メロコア、メタルなど主に歪ませて使うことが多い
- メインはストラトでサブギターとしてレスポールも欲しい
- ギブソンが欲しいけど予算は10万円台
- ジャズ、ソウル系のフロントピックアップの甘いレスポールサウンドが欲しい
- メタル、ハードコアなど分厚いディストーションサウンドが欲しい