●最近、練習にやる気が出ない
●丈夫なアコギが欲しい
という方に、元楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が、LAVA ME4を徹底レビュー。
今回はMadSpace Japan様より商品提供いただきましたが、いつもどおり忖度なしでレビューします。
MapSpace Japan様、このような不躾な申し出を快く承諾いただきありがとうございます。
操作は本体に内蔵された、タッチスクリーンを使用します。
チューナー、メトロノームはもちろん、ソロフレーズやバッキングパターンなどをスクリーンに表示・再生することができ、今までに無い上手くなれるギターと言えます。
日本の四季でも変化しづらい、カーボンで作られています。
奇抜なルックスですが、Taylorっぽいモダンなアコギの押弦感覚で、比較的弾きやすいです。
本体に内蔵されてるのはスゴいですが、ルーパーの機能と音質がちょっと弱いのが残念。
メリット
- 究極のオールインワンギター
- 練習〜パフォーマンスまで使えるループ搭載
- アドリブ練習に最適な、ジャムトラックやドラムを内蔵
- あらゆるジャンルが習得できる練習機能
- アンプ無しで使える34種類のエフェクト
- Plek’dフレットを始めとする均一性
- 日本の四季でも安心な耐久性の高さ
- 調整可能な薄めのネックシェイプ
- 見た目の印象よりも弾きやすい
- 手軽に弾ける若干小ぶりなサイズ
究極のオールインワンギター
ほかブランドには無い、現代的なギターです。
練習にもパフォーマンスにも使える、数々の機能が、アンプやエフェクターなど外部機器を使わずに使用できます。
練習〜パフォーマンスまで使える多機能ループ搭載
いわゆる一般的な、自分の演奏を録音し、バッキングとして再生することができるルーパー機能です。
新曲のネタなどループで生まれたアイディアは、保存することもできます。
ループの作成前に拍子、BPM、小節を設定
●拍子(2/4, 3/4, 4/4, 5/4, 3/8, 6/8, 9/8, 12/8)
●BPM(30〜300)
●小節(4, 8, 12, 16)
録音をタップすると、4カウントのあと録音開始です。
オーバーダビングできますが、3トラックで上限が少ないのは残念。
余談ですがコード進行を録音し、そこにソロを重ねる練習は、一人でできる最善の練習方法です。バッキング録音時は正確なリズムの練習になります。カラオケと異なりソロの演奏時は、バックのコードを意識しやすいので、フレーズが磨かれます。
用意されたドラムトラックに、録音を重ねることもできます。
試しにスマホで動画撮影してみました。バッキング、ベースライン、リックの多くは、内蔵の練習機能にあったフレーズです。
アドリブ練習に最適な、ジャムトラック内蔵
ルーパーでの練習は、バッキングとソロのいずれも上達でき非常に有意義です。
しかし、自分が得意なジャンルに偏って練習してしまう弊害もあります。
LAVA ME 4には、豊富なバッキングトラックを内蔵。新しいジャンルへ挑戦できます。
「インプロビゼーション」から、好みのジャンルとトラックを選択すれば、コード伴奏付きのトラックで演奏・録音が可能。
コード進行は画面やスマホに表示できます。
あらゆるジャンルが習得できる練習機能
なんとなくでギターを弾いていると、いつも同じフレーズばかり・・・。という経験は私だけはないはず。無いはず!!
LAVA ME 4には、豊富な練習機能も備わっています。
触れてこなかったジャンルを、フレーズ単位で気軽に習得できます。
※ちなみに、左上には練習時間が表示されています。記事を書くつもりだったのが、気が付いたら20分以上練習してしまう、くらいの楽しさがあります。
フレーズはひたすらループしてくれるのと、
テンポは通常速度から4段階(0.6, 0.7, 0.8, 0.9)遅くすることもでき、
キーを変えること(TAB譜はそのままなので注意)もできます。
自動でループ再生してくれるのと、テンポを遅くできる機能がけっこう秀逸で、弾けるまで繰り返し練習に没頭できたのが良かったです。
TAB譜やコード譜は、ギターの画面でもスマホでも見ることができます。
RockやBlues, Jazzといった伝統的なジャンルはもちろん、Neo Soul, Hip Hop, Lo-Fiなど現代的なジャンルまで網羅しているのは嬉しいですね。
「新しくできた」が実感しやすく、楽しめるので、練習のモチベーションも上がります。
アンプ無しで使える44種類のエフェクト
アンプやエフェクターに繋がなくても、豊かな音色の変化が楽しめます。
有名どころだとYAMAHAのトランスアコースティックですが、それよりもエフェクトの種類が多いです。
リバーブ、ディレイ、フェイザー、フランジャーなどはもちろん、オクターバー、ワウ、Lo-Fiやリバースディレイなどを組み合わせた、洗練されたエフェクトを44種類収録。
弾き慣れた曲でも、エフェクトをかけるだけで新しい魅力が加わり、新鮮な気持ちで演奏できます。
さらにループトラックにも使用でき、さらなるサウンドの探求、パフォーマンスの向上を可能とします。
調整可能な薄めのネックシェイプ
ネックはCシェイプで、12フレット辺りからUシェイプになる、誰でも弾きやすいシェイプです。
で、薄いんですが、新構造のトラスロッドとカーボンファイバーで頑丈だそうです。
普通のダブテイルジョイントじゃないので、ネックジョイント部もかなり薄め。
この辺りははしばらく使ってみて吟味したいですね。
見た目の印象よりも弾きやすい
ギターらしからぬ見た目ですが、普通に弾きやすいです。
押弦の感覚的にTaylorに近い印象。
ボディバックも少し丸くなってますが、Ovationみたいに滑って困る・・・みたいなことはありません。
スケールが610mmでちょい短いので、左手に優しいのも嬉しい。
ボディ接合部の14フレット付近での演奏性も高いです。
カッタウェイは無いので、ハイフレットも楽々ってほどではありませんが。
Plek’dフレットを始めとする均一性
Plekによる超高精度なフレットの仕上げを施しています。
※Plek・・・1/1000ミリ単位で数値化、調整する機械。弦をチューニングした状態で計測し、弦振動に対して理想的な状態を算出し、最善のフレットのバランスを調整します。均一で正確な仕上がりが約束できるので、大手ギターメーカーや一流のハイエンドギター工房も導入しています。
フレット表面はしっかり研磨されてて、光沢があり、弦がこすれてザラザラすることもありません。
フレットエッジの縁はトリートメントされてませんが、ひっかかりは感じません。
カーボン製だからネックやせしない!という自信の表れかもしれません笑
日本の四季でも安心な耐久性の高さ
通常ギター木製なので気温や湿度の影響で、ネックの反りやボディトップの浮きなど、弾きづらい状態に変化します。
海外と比べて日本の四季の変化は、ギターにとっては過酷な環境ですからね。
しかし、LAVA ME 4はカーボンファイバー製のため、圧倒的に堅牢です。
カタログ値で以下の環境で使えるとのこと。人間より強そう。
気温:-20℃〜90℃
湿度:10%〜90%
具体的には
・梅雨のジメジメした時期
・冷暖房による過乾燥
・真夏や真冬の野外
・強い照明や汗による熱気あるステージ
あらゆる環境下でも、理想的な弾きやすい状態を維持します。
乾燥によるネックやせで、フレットがひっかかることもないでしょうし、
トップ単板のアコギでありがちな、トップ浮きで弾きづらくなって、修理も難しい。。。ってのも、こいつはそんな問題はでなさそうですね。
手軽に弾ける若干小ぶりなサイズ
わたしは普段、エレキか家でもミニギターばっか弾いているので、フルサイズじゃないのも良いです。
ソファに座って気軽に弾けるギターが増えました。
ちなみに重さは約2.9kgでした。アコギより重く、エレキよりは軽いくらいです。
デメリット
- 個性的過ぎるルックス
- Bluetoothオーディオ非対応
- ループは3トラックまで
- ループの音色がアコギっぽくない
- スクリーン見ながら演奏は首が痛い
- エフェクトの音量が物足りない時がある
- チューナーが初心者向け過ぎてめんどくさい
個性的過ぎるルックス
木製ギターとかけ離れたルックスは賛否ありそうです。
勘違い近未来デザインじゃないので、個人的にはいいと思います。
逆に、ライブやソーシャルメディアでの投稿でも目立ちそう。
私もLAVA MEを知ったのは、マテウスアサト氏の動画だったので。
ちなみにカラーは全5色
- Purple
- Space Grey
- White
- Pink
- Soft Gold
Bluetoothオーディオ非対応
本体とスマホの接続はできるのに、スマホの音源をギターで再生することができません。
内蔵バッキング・トラックも豊富ですが、Spotify流したり、YouTube上のバッキング音源流したりできたら、もっと良かったんですが。
エフェクトの音量が物足りない時がある
エフェクト音はボリューム調整できますが、最大にしても物足りなく感じることがあります。
これ以上だとハウリングを起こる可能性もあるからでしょう。
当然アコギの生音ありきなので、エフェクトは味付けで、っていう認識が良さげです。
ループは3トラックまで
ループの重ね録りは3トラックまで。そこに生演奏を乗せる感じで、昨今のルーパーではちょっと少ないです。
アドリブ練習用とかなら十分ですが、高度なパフォーマンスをしようとすると足りないかもしれません。
ループの音色がアコギっぽくない
ループで録音したサウンドは、アコギというよりちょっとエレキっぽい感じです。
また音量を最大にしても、ちょっと物足りなく感じるときもあります。ハウリング対策ですかね。
内蔵ルーパーは便利なだけに、ちょっと残念です。
スクリーン見ながら演奏は首が痛い
コード譜やTAB譜は、本体内蔵スクリーンで表示されるのが便利ですが、
ずっとこれ見ながら演奏してると、首が痛くなります。
演奏フォームとしても正しくないので、できる限りスマホやタブレットに表示させるのが絶対良いです。
でも、わたしめんどくさがりなんですよね・・・。
ジャムトラックでキーが変えられない
ジャムトラックは選択時にキーが表示されているし、再生中はコード進行が表示されて便利なのですが、キーの変更はできません。
好みのトラックやコード進行を見つけても、特定のキーでしか練習できないのは残念です。
伴奏の音質を重視して、MIDIじゃなくオーディオにしたからですかね。
チューナーが初心者向け過ぎてめんどくさい
チューナー機能は良いのですが、丁寧過ぎます。
ピッチが合ったらいちいち「パーフェクト」って表示され、表示中は他の弦を鳴らしても反応してくれないので、超ジャマですw
初心者にはとっても助かるでしょう。
右上のガイドをONにすると、正しい音程も再生してくれるので、間違って弦を切ってしまうなんてこともないはず。
あと、反応は良いですが、精度がちょっと低いです。
旧機種LAVA ME 3との違い比較
LAVA ME 4 | LAVA ME 3 | |
---|---|---|
価格 | 160,000円 | 110,000円 |
メモリ/RAM | 4GB | 4GB |
ストレージ/ROM | 32GB | 32GB |
スクリーン | 3.5インチ | 3.5インチ |
ピックアップ/プリアンプ | L3 with high-performance Sharc-DSP | L3 HILAVA System with FreeBoost 2.0 |
内部スピーカー | 8W | 5W |
充電端子 | USB-C | USB-C |
トラスロッド | あり | なし |
ネック | AirSonic 2 Carbon Fiber Composite | AirSonic 2 Carbon Fiber Composite |
ネックシェイプ | FlyNeck (C to U) | FlyNeck (C to U) |
スケール | 24”(610mm) | 23.5”(596mm) |
ナット幅 | 1.73”(44mm) | 1.73”(44mm) |
ナット/サドル | PPS | PPS |
指板/ブリッジ | HPL | HPL |
指板R | 15.75” | 15.75” |
トップ | Super AirSonic Carbon Fiber Composite | Super AirSonic Carbon Fiber Composite |
サイド/バック | AirSonic 2 Carbon Fiber Composite | AirSonic 2 Carbon Fiber Composite |
LAVA ME 4と旧LAVA ME3はの主な違いは、「トラスロッドの有無」と「内部スピーカーの出力」です。
トラスロッドの有無はめっちゃデカいですね。カーボン製とはいえ、全く反らないワケないので。この点だけで、今から買うならLAVA ME 4一択と言えます。
内部スピーカーの出力もLAVA ME 4の方が大きいです。4でもちょっと物足りない時があるので、この点も3を選ぶ理由は無いですかね。
よくありそうな質問
初期設定は難しい?
画面表示の通り行えば、難しいことはありません。スマホの初期設定みたいな感じです。
アプリ使えるまでのセットアップで30分くらいかかりました。
やること
- 本体をWi-Fiでつなぐ
- システムアップデート
- スマホアプリダウンロード
- LAVAアカウント作成
開封直後もバッテリーは50%ほど残っていたので、すぐ使えたのは良いです。
Wi-Fiがない環境で使える?
バッキングトラックやドラムパターンを”使わない”ループ、チューナーやエフェクト機能はWi-Fi接続なしでも使えます。
電源が入っていれば、普通のエレアコとしても使えます。
タッチスクリーンの操作性は?
機材に搭載されてるタッチスクリーンって、スマホに比べてワンテンポ遅い印象がありますが、
LAVA ME 4は普通にサクサク動きます。いい意味で裏切られました。
ループが少しズレて聞こえる
ループで遊んでいると、メトロノームと録音したオーディオがズレて聞こえるときがあります。
腕に自信がないのでなんともですが・・・設定で0msec〜50msecまでレイテンシ調整が可能です。
届いてすぐの状態は?
頑丈で安定性抜群の謳い文句ですから、意地悪ですが届いてすぐの状態もシェアします。
結論、チューニングして普通に弾く分には問題ありませんでした。
ただ、カタログ値で弦高2.3mmとかいてあったんですが、届いた個体は2.5mmの若干順反り状態。
そのままでも弾けますが、普段は弦高低いエレキで、もっと下げたく
トラスロッドを30度くらい時計回りに締めて、2.3mmくらいに落ち着きました。
トラスロッドカバーはマグネット式で、指で押すだけで簡単に開けられるのも良きです。
ちなみに、左手赤ちゃんなので、弦交換の時にはカスタムライトにするつもり。(スケール短いのに…)
ナット、サドルの高さ、ネックやせやトップ浮きなど演奏に関わる部分は全く問題ありませんでしたし、
塗装の仕上げやディスプレイ、金属パーツに至るまで、傷がない綺麗な状態だったので、ギター業界から見ても品質基準は高そうですね。
カーボン製ギターの音はぶっちゃけどう?
便利機能はともかく、カーボン製のギターの音ってぶっちゃけどう?ってところなんですが、
正直、普通にアコギの音がします。
木製じゃないギターの生音それぞれの乱暴な感想
● HPL材のMartin・・・中音域が足りないドンシャリ気味なサウンド。
LAVA ME 4はこれらに比べずとも、同価格帯の木製のギターと遜色ない非常にバランスの良い生音です。
ただ高音域の強さと、スプルース+ローズウッドの様な超高音域のきらめきみたいなのは足りないかな?って感じです。
とは言え、ストロークで弾き語りでもパワー不足は無いです。
フィンガーピッキングでもバランスが良いですが、上手く鳴らすのにはコツがいりそう。
エレアコの音は?
エレアコの音は、正直普通です。可もなく不可もなし。
10万円前後のFishman Sinitone搭載してるエレアコみたいな、悪くないピエゾの音って感じです。
ただし、出力は低めなので、アコギアンプや外部プリアンプ等でゲインを上げたいです。
ループ録音の音も同じ音ですが、本体内部から鳴らした音は、アコギのような低音の豊かさが無い、エレキっぽい音色になってしまうのは残念。
買ったら後悔するかもしれない人と、おすすめな人
ちなみに付属ケースのスタイリッシュな見た目がいい感じです。
強度的には、GIGバッグ以上セミハードケース未満って感じ。
小物入れと収納ポケットがあり、A4サイズの楽譜も入ります。
●ライブやレコーディングでの、エレアコサウンドにこだわりがある。
●伝統的なブランドやルックスが好き
●ルーパーペダルくらいの多機能ループを求めている
●プロフェッショナルな仕様を求めている。
●とにかく上達したい
●ルーパー内蔵アコギが欲しい
●エフェクト付きアコギを探している
●家で弾く用のアコギが欲しいエレキギタリスト
●ギターをつい雑に扱ってしまう怠け者
●チューニングで挫折した初心者
特に、練習機能は秀逸だと思います。
模範演奏とTAB譜がループ再生されるので、繰り返しているうちにフレーズを覚えて、だんだん弾けるようになります。
練習回数や時間が自動で記録されるので、モチベーションが保てるようになっているのは流石です。
手軽に弾けるサイズなのも、気合いを入れずにギターが手に取れるので良いですね。