Fender Hybrid II Telecaster 10万円台のおすすめテレキャスター【Player/Traditionalとの違い比較】

 
・初心者ギターからの買い替えを検討中

・10万円台で良質なテレキャスターを探している

・ギターは何本か持っているが、テレキャスターを1本持っておきたい

10万円台前半で買える最もおすすめなテレキャスター、Hybrid  II Telecasterとその理由を現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)がレビューします。

実際に試奏された人の評判もかなり良いです。

Hybrid  II Telecaster スペック

ボディ アルダー
ネック メイプル
ネックシェイプ モダンC
スケール 25.5″(648mm)
指板 ローズウッドorメイプル
指板ラディアス 9.5″(241mm)
フレット 22, ナロートール
ナット 牛骨, 1.650″(42mm)
ピックアップ Hybrid II Custom Voiced Single Coil Telecaster
電装パーツ CTSポット、オレンジドロップ、Pure Tone Jack
ブリッジ 3-サドルヴィンテージスタイル
サドル 3-スラントバレルサドル
ペグ ロック式ヴィンテージスタイル
ケース ソフトケース

これらのスペックがどんなギターに仕上げているか解説します。

特徴/弾きやすく幅広い音作りが可能

クラシックなルックスとモダンな演奏性

クリアかつフェンダーらしさもあるサウンド

4way ピックアップセレクター

特徴①:クラシックなルックスとモダンな演奏性

FenderでもUltraやModernなどヴィンテージっぽさ皆無のルックスである一方、

ハイブリッド2の見た目はザ・スタンダードなテレキャスター。

しかし演奏性は現代的=多くの人に弾きやすい仕様になっています。

●ナロートールフレット・・・フレットの背が高いため、フレットと弦の距離が近く、弦が押さえやすい

●9,5インチラディアス指板・・・過去のフェンダージャパンで悩ましかった、弦高を下げた際のチョーキング時に音詰まりが軽減できます。ラディアスの詳細はこちら。

●日本製らしい丁寧な仕上げ・・・フレットや指板のエッジを丸めた仕上げ、ナット溝の仕上げなど演奏性に直結する仕上げは、スクワイヤーはもとよりメキシコ製とも一線を画します。

●Modern “C”シェイプネック・・・ネック裏はサラッとした手触りの艶なし仕上げで、左手にスムーズに馴染みます。モダンCシェイプはどんな人にも弾きやすいバランスの良い太さです。

●ボディバックコンター・・・ボディの裏はストラトキャスターの様に、ギターを抱えた際に身体にフィットします。

往年のテレキャスターはこれがなく、American Standard (通称アメスタ)などで好評を得た仕様です。

●ヴィンテージスタイルのロック式ペグ・・・弦交換が簡単なうえに、チューニングも安定します。ルックスはヴィンテージスタイル

コンデンサーにはオレンジドロップ、ジャックには4つの接点をもつPure Toneジャックを搭載するなど

Hybrid IIシリーズの特徴の詳細はこちらの記事をご覧ください。

特徴②:クリアかつフェンダーらしさもあるサウンド

Hybrid II Telecasterはボディはアルダー、指板はメイプルまたは”ローズウッド”を採用。

ピックアップには新開発されたHybrid II Custom Voiced Single Coilを搭載し、

テレキャスターらしさにクリアさを加えたトーンをアウトプットします。

後述のサドルに起因する倍音の広がりもありながら、エフェクターやデジタル機材との相性も良好です。

特徴③:4way ピックアップセレクター

通常テレのピックアップセレクターは3段階ですが、こちらは4段階の切り替えが可能。

ポジション1. リアピックアップ

ポジション2. リア+フロントピックアップ(並列接続)

ポジション3. フロントピックアップ

ポジション4. リア+フロントピックアップ (直列接続)

クリーミーなフロントピックアップ単体、タイトなリアピックアップ単体、

そしてフロントとリアを並列接続にするシルキーなミックスポジションという従来の3種類に加え、

フロントとリアを直列接続にするパワフルなシリーズポジションの4通りのサウンドバリエーションを持っています。

従来のテレキャスどおりタイトなカッティングをはじめとする幅広いジャンルに対応できることに加え、

シリーズ接続によりドライブサウンドにもマッチする進化したテレキャスターと言えます。

デメリット

この価格帯で考えれば、目立ったデメリットはありません。

強いて挙げるならナチュラルカラーの個体で3ピースボディを見つけた事です。

この価格を実現するために、できる限り木材を効率良く使用するための設計が要因でしょう。

おおむねこの価格帯だと2ピースボディが一般的ですが、3ピース、しかもそれが判別できてしまうナチュラルボディで採用されていたので、気になる人もいるかもしれません。

そのほかのカラーではわからないでしょうし、それこそ2ピースと3ピースの音の違いまで聞き分けられる人がいるのかどうかという感じなので、

見た目を気にする人でなければ問題ないと思います。

10万円前後のFender Telecasterとの比較

Made in Japan Hybrid II Telecaster
Made in Japan Traditional Telecaster
Player Telecaster
  Hybrid II Traditional Player
生産国 日本 日本 メキシコ
ボディ アルダー バスウッド アルダー
指板 メイプルorローズウッド メイプルorローズウッド メイプルorパーフェロー
ネックシェイプ モダン ”C” ”U” シェイプ モダン ”C”
指板ラディアス 9.5″ 9.5″ 9.5″
フレット数 22 21 22
フレットサイズ ナロートール ヴィンテージ ミディアムジャンボ
サドル 3-スランテッドブラスバレル 3-ブラスバレル 6-ブロックスチール
トラスロッドヘッド側指板エンド側ヘッド側
ピックアップ Hybrid II Custom Voiced Single Coil Telecaster Vintage-Style Single-Coil Tele Player Series Alnico 5 Tele Single-Coil
市場相場価格(税込) 108,900円 99,000 円 82,500円

生産国違い

日本製も本家フェンダーミュージックが監修するようになってから

USA製と同様の材木商からの木材を使用したり、USAのボディデザインを精密に踏襲したり、

フェンダージャパン期よりもクオリティは向上したことで、メキシコ製よりも若干高いです。

しかしナットやフレットなど細部の仕上げは、日本製の方が丁寧です。

さらにHybridIIは同じ日本製のTraditionalよりもネックのエッジも丸みがついているので、さらに手に馴染む印象です。

木材の違い

アルダーボディ+ローズウッド指板の組み合わせは3種類の中で、Hybrid IIだけです。

アルダーボディとローズウッド指板の木材の組合せによる、クラシックなフェンダースタイルのトーンが得られ、フェンダーブランドの中でこの木材の組合せが手に入る一番安いシリーズでもあります。

Traditionalシリーズはバスウッドボディですし、Playerシリーズはパーフェロー指板なので、みんながイメージするフェンダークラシックサウンドとはやや異なります。

とは言え、テレキャスターと言えばメイプル指板という人も多いですから、アルダー+メイプル指板の組み合わせはHybrid IIまたPlayerシリーズ。

より明るくクリアなサウンドが欲しければメイプル指板を

枯れた感じ、ダーティなニュアンスが欲しければローズウッド指板を

そういう細かい違いはよくわからない!という人は見た目で選んでokです。

演奏性の違い

弦の押さえやすさ順だと

HybridII > Player > Traditional

多くの人にとって弾きやすいと感じるのはHybrid IIでしょう。

特にネックシェイプ、指板サイドを丸めた仕上げが左手のストレスになりません。

加えてフレットは高めのナロートール。Playerのミディアムジャンボよりも幅は狭いですが、

同じほどの高さがあるため、弦の距離と近くなり弦高という面においてどちらも押さえやすいです。

Traditionalはそれらに比べてフレットが低くなり、ある意味上級者好みな仕様と言えます。

指板ラディアスは3機種とも9.5インチ。

神田商会時代のフェンダージャパンにありがちな、チョーキング時に音が詰まる、、、という心配はかなり減りました。

ちなみにネックシェイプにモダンCとUがありますが、どちらも標準的で神経質になる必要はありません。

ブリッジサドルの違い

サドルの違いには主に2つの影響があります。

・オクターブ調整幅

・素材によるサウンド傾向

Player Telecasterのサドル

Playerの6サドルはオクターブ調整については1弦ごとに最も細かく調整できます。

材質はスチールのためタイトでサスティンのある、ややモダン寄りのサウンドになります。

Traditional Telecasterのサドル

逆にTraditionalの3サドルは音程が最もルーズになってしまいます。

材質はブラスのためスチールサドルよりも倍音成分多めなオープンなサウンドになります。

ピッチもサウンドも含めて、それこそ往年のテレキャストーンの要因のひとつと拘る人もいます。

Hybrid II Telecasterのサドル

Hybrid IIの3サドルは、真ん中の3・4弦のサドルがスラント(斜め)に取り付けられていることで、オクターブピッチが向上しています。

材質は昔ながらのブラスを採用。

倍音多めの往年のテレキャストーンと、現代の音楽に求められるピッチの良さを兼ね備えています。

まとめ

Traditional Telecaster
・往年のルックス

・どうしてもこのルックスでなければ、という理由以外が無いのならもう少し金額を出してハイブリッド2をおすすめします。

Player Telecasater
・フェンダーブランドで一番安い

・倍音少なめのタイトなサウンド

Hybrid II Telecaster
・上位機種に迫る弦の押さえやすさ

・クリアで倍音も豊かなオールジャンルで使いやすいサウンド

Hybrid II Telecasterは3機種の中では一番高いですが、

弾きやすさやサウンドのバランスに優れ、10万円台前半の価格の中では圧倒的におすすめなテレキャスターです。

カラーは全10色展開。

メイプル指板 3-Color Sunburst, Vintage Natural, Modena Red,  Forest Blue, US Blonde

ローズウッド指板 3-Color Sunburst, Black, Modena Red,  Forest Blue, Arctic White

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