【スペックの読み方】指板Radius(ラジアス)による演奏性への影響

ギターはスペック(仕様)から演奏性やサウンド傾向が比較的把握しやすい楽器です。当ブログでは【スペックの読み方】と題し、スペックの違いによるギターのキャラクターの違いを説明します。

ボディエンド側から見るとわかりますが、指板は平面ではなく曲面です。

指板R 、指板Radius(ラジアスまたはラディアス)は指板の曲面の数値です。

例えば指板R 184mmであれば、半径184mmの大きさの円の曲面ということになります。

R(アール)の値が小さいほど円は小さいのでカーブはきつく、

逆に数値が大きければ円も大きくなりカーブは緩やかになります。

指板Radiusによる演奏性への影響

ラジアスがきつい = 値が小さい

●シェイクハンドに向いている

シェイクハンド = 握り込むプレイスタイルに向いています。

指板がキツいので親指で低音弦が押さえやすいです。

●スライド奏法に向いている

スライドバーを使用する際は弦高を高めの方が弾きやすいです。

●カッティングで音が切りやすい

弦がフレットから離れやすくなるため、音が切りやすくなります。

弦を軽い力で押さえることを意識すれば、カッティングのキレが増します。

●弦高を下げるとチョーキングがつまりやすい

例えば1弦15フレットを1音チョーキングすると、3弦付近まで引き上げることになります。

すると3弦付近の16フレットの方に1弦が触れてしまうため音が詰まります。

16フレットに当たらないようにするために、弦高をある程度あげる必要があるという具合です。

ラジアスがゆるい = 値が大きい

●クラシカルフォームに向いている

親指をネック裏に置く奏法は指板ラジアスがフラットめな方が演奏しやすいです。

●弦高を下げやすい

前述の弊害が出ないので弦高が下げやすいです。

速弾きのみならず、現代のプレイヤーは低めを好みます。

ただし、低めの弦高はネックの状態や組込の精度にも大きくかかわりますので

一概に弦高が下げられるというわけではありません。

代表的な指板ラジアス

ESPより引用

7.25”R = 184mmR

ヴィンテージスペックのフェンダーはこれです。

最近ではPRSのジョンメイヤーモデル Silver Sky もです。

フェンダージャパンもほとんどが184mmなので、ジャパンは弾きづらいと感じる人はここが原因かもしれません。

9.5”R = 241mmR

モダンスペックのフェンダーはこれです。

現行のフェンダー製品はほとんどですね。

フェンダーらしい演奏感を保ちつつ、弦高を広く調整できます。

12”R = 305mmR

ほとんどのギブソン系はこれにあたります。

またフロイドローズのナットもこの12インチRとなっているので、搭載されたギターも12インチです。

16”R = 400mmR

アイバニーズなどモダンでテクニカル向けのギターに採用されます。

また、マーティンなどのアコースティックギターもこれです。

コンパウンドラジアス

円錐形型の指板ラジアスで、

ローポジション側がラジアスがキツく、

ハイポジションへ行くに従いラジアスが徐々に緩くなります。

ローポジションではコードプレイを快適にしながら、

ハイポジションの弦高を下げる事を可能にしています。

測り方

各弦の高さも指板ラジアスに揃えたほうが良く、

こういったものを使うことでセッティングしやすくなります。

専用工具は種類も少ないですが、以下のアイテムがおすすめです。

MUSIC NOMAD MN603 -ラディアスゲージ-

定価¥2,640円(税込)で、他製品に比べて安価です。

日本語字幕で使い方とセットアップ方法の説明動画も上がっていました。

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