●扱いやすくて音が良いコンプを探している
●リズムにもソロにも使えるものが良い
●WamplerのEgo Compressor通常版とMINI、コリーウォンモデルの違いが知りたい
という人のために、現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が、コンプを検討している方へかならずお試しいただくWamper EGO Compressorを忖度なしのガチレビュー。
使うだけでワンランク上のサウンドになり、ライブでもレコーディングでもフレーズが整うので、心に余裕を持つことができ良い演奏ができるようになる、個人的には最強コンプ。
EGO Compressorはアメリカでも業界標準のコンプレッサーペダルで、Cory Wong氏やAssh氏などあらゆるジャンルのギタリストに愛用されています。
コンプ特有のノイズも無く、ギターとアンプのキャラクターを殺さないトランスペアレントなサウンド。
コントロール類もちょうど良く好みのサウンドへ近づけやすく、ファンクの音数が多いカッティングにも、ネオソウル系やソロギターにも、アタックを生かしたいリードギターやカントリーにも使えます。
Ego Compressorをおすすめする理由
①:ギター用コンプの最強クラス
②:ノイズが少ない
③:過不足が無くわかりやすいコントロール
④:カッティングに最適なサウンド
⑤:リードやアルペジオでも存在感あるワンランク上のサウンド
最強クラスのギター用コンプ
個人的にはギター向けのペダル型コンプレッサーの中では最強クラスだと思っています。
その理由は、音痩せやEQ的な色付けが無いトランスペアレントなサウンドと、コンプの中でも圧倒的にノイズが少ないこと、必要十分なコントロールであらゆる使い方が可能な点です。
アメリカでは業界標準と認識されており、日本でもコンプレッサーペダルの定番機種になっているのもうなずける完成度です。
ノイズが少ない
コンプレッサーは仕組み上、どうしてもノイズが増幅してしまいます。
しかし、EGO Compressorはノイズが少ないです。
特にノイズに厳しいプロギタリストに愛用者が多いのも、その証拠と言えますね。
2万円以下のコンプとの決定的な違いは、このノイズの少なさです。
過不足が無くわかりやすい5つのコントロール
コントロールは、ボリューム、サステイン、アタック、トーン、そしてブレンドの5つです。
エントリーモデルよりもコントロールは多いですが、あらゆる用途で使えますし音作りに困りません。
効果がシンプルでわかりやすく、コンプを使う目的(目指す音作り)がハッキリしていれば迷うことは少ないでしょう。
カッティングプレイに最適なパーカッシブなサウンドも、アルペジオなど単音でも音を整えるサウンドにも対応可能。
カッティングに最適なサウンド
Ego Compressorならカッティングに最適なサウンドが手に入ります。
和音・単音・ブラッシング、全ての音をバランス良く整えてくれるからです。
現代のファンクグルーブの名手コリーウォンが、使っていることからも実証済み。(演奏テクニックがあることも明らかですが)
リードやアルペジオでも存在感あるワンランク上のサウンド
パーカッシブなカッティングの他にも、エフェクターの初段で常にONにして音を整える、バッファー・プリアンプをさらに推し進めたような使い方もおすすめです。
暴れ感やレンジが整うので、バンド内でも存在感を失いません。
加えて、音が整うことで空間系エフェクトのノリも良くなります。
アルペジオでは弦ごとの音のバラツキやコード弾きの音量差が整いますし、リードではダイナミクスを失わずに心地よく整うワンランク上の音が出来上がります。
バンドでの使用のほか、録音時に使えば心に余裕をもって演奏できるんじゃないでしょうか。
デメリット
視覚的にコンプのかかり具合が判断できない
近年のコンプではLEDランプやメーターで、コンプのかかり具合が視覚的にわかるペダルもあります。
Ego CompressorのLEDランプはエフェクトのON/OFFの表示のみで、コンプのかかり具合で輝度が変わることはありません。
耳を信じて設定しましょう。
スタジオタイプの超クリア系は苦手
Ego Compressorのサウンドキャラクターは、一言で言えば味付けが少ないトランスペアレント。
ナチュラルでしなやかな感じ、パキパキじゃなくてウォームな感じです。
トーンとブレンドつまみを駆使して、原音に忠実なクリアなサウンドにできます。
しかし、スタジオタイプの超クリアなハイファイ系サウンドを求める人には向かないです。
トーンつまみを最大まで上げても、硬質な明瞭さやハイファイな感じにはなりません。
【使い方】セッティング例
- VOLUME・・・全てのセッティングができた後に、ON時とOFF時で音量差が出ないように調整するのがセオリーですが、ブーストすることも可能。
- SUSTAIN・・・サスティンとコンプレッション量をコントロール。
- ATTACK・・・コンプがかかりきるまでの時間(アタックタイム)のコントロール。右に回せばアタックタイムが早くなるので、アタック音が抑えられます。
- TONE・・・高域というよりプレゼンス的な効き方をします。硬さではなく煌めきを付加しますが、そこまでがっつりは効きません。
- BLEND・・・原音にどれだけエフェクト音を混ぜるか設定します。
①:常にONにしたい、かけただけで上手くなる?
いわゆるコンプ使っただけで上手くなると錯覚できる感じ、心に余裕が出るくらい演奏をサポートしてほしいなら、Ego Compressorは全てのつまみを12時方向からセッティングするのがおすすめ。
この時点でかなりバランスが良いことに気がつくはず。
個人的な意見ですが、扱いやすいコンプの条件のひとつに、ブレンドつまみがあります。
Ego Compressorは12時方向にすることで、原音が減衰するタイミングでコンプの音で埋めてくれるバランス感覚が素晴らしいです。
どのSUSTAIN, ATTACK, BLENDを極端に振り切らなければ、いかにもコンプかけてます感はそれほど出てこないです。
この3つのつまみを12時方向から前後に調整して、弾きやすいポイントを探してください。
②:カッティングやソロギター、チキンピッキングに
ディスコやファンク的なカッティングや、ソロギターやネオソウルスタイルの単音と和音が行き交うフレーズ、カントリーのチキンピッキングなどにおすすめのセッティング。
ナチュラルでトランスペアレントなサウンドだから可能な、ギターやアンプのキャラクターを活かしながら積極的に音作りに使えます。
SUSTAINとATTACKは1時〜2時くらい、BLENDを3時程度にすると、演奏者はコンプのかかり具合をしっかり感じながら、リスナーへはいやらしさが伝わらない美味しいポイントが見つかります。
②:脚色無くワンランク上のサウンド
カッティングでもリードでも、もっとクリアで自然にかけたいなら、ブレンドは9時〜10時くらいがベスト。
SUSTAINも10時〜11時くらい、ATTACKは12〜1時くらいでもわざとらしさは出ないはずです。
TONEは個人的に、1時くらいのちょっと真空管の飽和感っぽさが加わる感じが好みです。
③:往年のパコパコ系コンプサウンド
逆にダイナコンプ的な往年のパコパコ系サウンドも作れます。
ブレンドで原音を少なめに、アタックつまみを右に回してアタック音が抑え、トーンつまみを左に回せばコンプがっつりかけてます感を演出できます。
MINIとの違い比較
Ego Compressor | MINI Ego Compressor | |
---|---|---|
市場相場価格 | 32,560円 | 29,920円 |
コントロール | サスティン、トーン、アタック、ボリューム、ブレンド | ブレンド、サスティン、ボリューム |
スイッチ | なし | トーン、アタック |
バイパス | トゥルーバイパス | トゥルーバイパス |
接続端子 | インプット、アウトプット、 DC | インプット、アウトプット、 DC |
電源 | 9V-18Vセンターマイナス(9V推奨)、14mA (9V), 22mA (18V) | 9V-18Vセンターマイナス(9V推奨)、14mA (9V), 22mA (18V) |
サイズ | 64 x 120 x 52 mm | 39 x 93 x 51mm |
質量 | 330g | 170g |
両機種の違いは、筐体サイズとコントロールの違いです。
コントロールの項目は同じですが、ミニの場合トーンとアタックはつまみでは無く、2段階のスイッチ切り替えのみです。音作りの幅がやや狭まって入ります。
価格差がほとんど無いので下記のような理由がない限り、通常サイズにしておけば間違いないです。
●ボードのスペースの都合上、ミニサイズが良い
Cory Wong Compressorとの違い比較
Ego Compressor | Cory Wong Compressor | |
---|---|---|
市場相場価格 | 32,560円 | 47,300円 |
コントロール | サスティン、トーン、アタック、ボリューム、ブレンド | サスティン、トーン、アタック、ボリューム、ブレンド、ブースト |
スイッチ | なし | ブーストモード、コンプオン、グランドリフト |
バイパス | トゥルーバイパス | バッファードバイパス |
接続端子 | インプット、アウトプット、 DC | インプット、アウトプット、 DC、XLRアウト |
電源 | 9V-18Vセンターマイナス(9V推奨)、14mA (9V), 22mA (18V) | 9Vセンターマイナス、30mA |
サイズ | 64 x 120 x 52 mm | 70 x 123 x 57 mm |
質量 | 330g | 318g |
Ego Compressorを長年愛用してきたことで知られるコリーウォンのシグネチャーモデル。
Ego Compressorをベースに、ブースターとキャノンアウトが追加されています。
ブースターは少し歪む感じで、フラットとミッドブースト(550Hz)の切り替えが可能。
エリック・クラプトンのシグネチャーストラトに搭載されていたMDXブーストを基に開発されました。
ミッドブーストはリードサウンド向きと言えますね。
筐体側面のコンプオンのスイッチは、フットスイッチに関わらず常にコンプがONになります。
ブースト時の踏み間違いを防ぐ、ステージでの使用を考慮した設計ですね。
XLR出力により、バランスアウトが可能で、PAやオーディオインターフェースへの入力を想定していますが、使う人は少なそうです。
通常モデルより1.5万円高いので、ブースターの2in1ペダルが必要かどうかが、選ぶ基準になりそうです。
●バッキングでは常にコンプを使い、ソロのときにブースターをONにする
●コリー・ウォンのファン
Wampler Ego Compressorは演奏の質を次のレベルへ引き上げる
使うだけでワンランク上のサウンドになる、個人的には最強コンプ。
フレーズが整うので、ライブでもレコーディングでも、心に余裕を持つことができるので、良い演奏ができるようになるはず。
ダイナコンプやCS-3などの定番機種で満足できていない人にこそ、試していただきたい本気のコンプレッサーです。
●キレのある16分のファンクカッティングの音を整えたい
●ネオソウルやソロギターなどのフィンガースタイルで使う
●カントリーのチキンピッキングで使う