BOSS DUAL CUBE BASS LXレビュー THR10II/Sparkとの違い比較

 
オールインワンの多機能アンプを探していて
・ルーパーでアドリブ練習したい
・インスタやYouTubeライブを手軽に行いたい
・人気のYAMAHA THR10IIやPositive Grid Sparkも気になる

という方に現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)が、BOSS DUAL CUBE BASS LXを徹底レビュー。デスクトップ多機能アンプの2大巨頭、YAMAHA THR10IIとPositive Grid Sparkとも比較してみます。

ギターバージョンのBOSS DUAL CUBE LXのレビュー記事はこちら

他機種には無いBOSS DUAL CUBE BASS LXの特徴とメリット/デメリット

多機能アンプは各ブランドから発売されていますが、本機種ならではの機能はこの2つ

・BOSSのCUBEシリーズの卓上アンプ
・アンプには珍しいルーパーと配信に便利なループバック機能搭載

●メリット

①:卓上ステレオスピーカーベースアンプ

②:5種類のアンプタイプ

③:全5種類40タイプのエフェクト

④:ルーパー内蔵

⑤:リズムマシン内蔵

⑥:配信対応USBオーディオインターフェイス

⑦:アダプターor単3電池駆動

●デメリット

①:バッテリー駆動は内蔵充電式ではない

②:Bluetoothは別売りアダプターが必要

特徴・メリット

メリット①:卓上ステレオスピーカーアンプ

卓上におけるサイズ(341 x 205 x 261 mm, 4.4kg)の多機能ベースアンプです。

ギター版DUAL CUBE LXより少し大きいのですが、これは多機能アンプはギター兼用も多い中、ベース専用なため筐体サイズやスピーカーサイズは低音をしっかり再生できるように特化しています。

加えて、ルーパー機能、配信にもそのまま使えるUSBオーディオインターフェイスといった機能が充実しています。

メリット②:5種類のアンプタイプ

プレイスタイルに合わせやすい5種類のモデリングアンプを内蔵しています。本体には3音色保存できます。

AMP TYPEモデリングモデル
SUPER FLATフラットな特性で、マルチエフェクターやプリアンプペダルとの接続にもおすすめ
FLATクラシックなベースサウンド
VINTAGEチューブの温かみがあるサウンド
MODERNタイトでクリアなモダンサウンド
ROCKオーバードライブサウンド

メリット③:全8種類40タイプのエフェクト

CUBEシリーズといえば、BOSSエフェクター直系のエフェクトを内蔵しているのも特徴です。

本体操作ではコンプ、ドライブ、コーラス、フランジャー、タッチワウ、ディレイ、リバーブそれぞれ1タイプずつ7種類ですが、

PC/スマホアプリを使用すれば内蔵エフェクト全8種類40タイプの切り替えが可能。

エフェクトタイプ
COMP7タイプ:BOSS COMP, HI-BAND, LIGHT, D-COMP, ORANGE, FAT, MILD
LIMITER3タイプ:BOSS LIMITER, RACK 160D, VTG RAK U
DRIVE13タイプ:BLUES OD, NATURAL, GUV DS, METAL ZONE, MUFF FUZZ, BOOSTER, BASS OD, BASS DS, BASS MT, BASS FUZZ, HIBAND DRV, BASS DRV, BASS DI
CHORUS4タイプ:MONO, STEREO 1, STEREO 2, 2×2 CHORUS
FLANGER1タイプ
T.WAH1タイプ
DELAY6タイプ:DIGITAL, ANALOG, TAPE ECHO, REVERSE, MODULATE, SDE-3000
REVERB5タイプ:PLATE, ROOM, HALL, SPRING, MODULATE

アプリの使用でさらにノイズサプレッサーが使用可能。

ワイヤレスMIDIエクスプレッションペダルEV-1-WLを使用すればペダルワウ, フットボリュームも使用できます。端子がないので一般的な有線エクスプレッションペダルは使用できません。

メリット④:ルーパー内蔵

ルーパーが内蔵されています。使用には別売フットスイッチ(FS-5U, FS-6, FS-7)の接続は必須です。

ルーパーが内蔵されている、数少ない多機能アンプです。

工場出荷時は最大45秒(ステレオ)で、専用アプリを使えば最大90秒(モノラル)を選択可能です。

メリット⑤:リズムマシン内蔵

9パターン×3バリエーションの合計27種類のリズム・ガイド機能も内蔵。ストイックな基礎練習に便利なメトロノームに加え、リズムパターンはジャズ、ロック、ブルース、R&B、ファンク、メタル、ラテン、カントリーのジャンルから選択可能です。

こちらもフットスイッチを使用で、スタート/ストップが可能です。

メリット⑥:配信対応USBオーディオインターフェイス

USBケーブルでPCやiPhone/iPadを接続すれば、再生/録音が可能です。

おそらくベースアンプに内蔵されたUSBオーディオインターフェイスとしては初、ループバック機能も搭載しています。

LOOPBACKスイッチをオンにすればPCで再生しているBGMを、PCに戻すことができます。

本体上部にはベース入力に加えて、マイク付ヘッドフォンにも対応しているため、簡単にライブ配信が行えます。

ループバックスイッチは本体背面有線接続のi-CUBE LINK(AUX IN)端子でも利用可能です。

メリット⑦:アダプターor単3電池駆動

電源は付属のACアダプターもしくは、単3電池8本で駆動します。

アルカリ電池で約8時間、充電式ニッケル水素電池で約10時間駆動。

デメリット

デメリット①:バッテリー駆動は内蔵充電式ではない

コンセント無しでも使えますが、その電源は単三電池が8本も必要です。

YAMAHA THR WirelessやNuX, Spark MINIなど内蔵式充電バッテリーが珍しくない昨今、乾電池の使用はやや不便に感じます。

デメリット②:Bluetooth接続は別売りアダプタが必要

Bluetooth接続で音楽を流しながら演奏したり、専用アプリでアンプのセッティングが可能なのも、いまや多機能アンプには当たり前の機能です。

しかしBluetooth接続の機能を使うためには、別売りのBT-DUAL(市場相場価格:5,500円)が必要です。

YAMAHA THR10II / Positive Grid Spark との違い比較

同サイズの人気機種と比較してみます。機能の豊富さはBOSSが一番です。

BOSS DUAL CUBE BASS LXYAMAHA THR10IIPositive Grid Spark
市場相場価格46,200円35,200円44,000円
出力10W20W40W
スピーカー5インチ(12cm) x28cmフルレンジ x 24インチ(10cm) x2
アンプ5種類24種 (エレキ15+ベース3+アコ3+フラット3)33種 (エレキ25+ベース4+アコ4)  
エフェクト40種類12種類43種類
入出力端子・インプット ・PHONES/REC OUT端子:ステレオミニ ・i-CUBE LINK/AUX IN端子:ステレオ・ミニ ・LINE OUT L/R:LXR ・FOOT SW端子 ・USB・インプット
・ヘッドフォン:ステレオミニ ・AUX IN:ステレオミニ ・USB
・インプット
 ・ヘッドフォン/ラインアウト:ステレオミニ ・ Aux in:ステレオミニ ・USB
Bluetooth別売アダプタ5,500円搭載搭載
アプリ・サウンドメイク・サウンドメイク・サウンドメイク
・自動伴奏
・コード自動解析
ルーパーありなしなし
リズムマシン内蔵なしアプリ使用
USBオーディオインターフェイスあり:ループバック可ありあり
バッテリー単3電池8本なし
(THR10II Wirelessなら充電バッテリー内蔵)
なし
サイズ341 x 205 x 261 mm368×183×140 mm350 x 180 x 190 mm
重量4.4kg3.0kg5.2kg        

音色

BOSS DUAL CUBE BASS LXが少しだけサイズが大きいのですが、スピーカーサイズも一番大きく、ベースの低音の再生に有利と言えます。

またギター兼用の2機種よりも、ベース専用であるためアンプの種類は一番多い5種、エフェクトもベース専用のものが多いため、サウンドメイクの幅広さも一番です。

入出力端子

ベース入力、有線の外部音源(AUX IN)、ヘッドフォンアウト、USBは全機種にあります。

BOSS DUAL CUBE BASS LXのみそれらに加えて、ステレオでのXLR端子のアウトプット、ルーパー用フットスイッチ、無線エクスプレッションペダルも対応します。

USBオーディオインターフェイスもBOSSのみループバック機能が搭載されています。

バッテリー

DUAL CUBE BASS LXは単3電池8本で駆動します。よく使うなら充電池が現実的ではないでしょうか。

THR10IIにはバッテリーがありませんが、THR10II Wirelessであれば充電式バッテリーが内蔵されます。ギターワイヤレス受信機能もありますが、価格は5万円前後に跳ね上がります。

Bluetooth/アプリ

全機種Bluetooth対応ですが、DUAL CUBE BASS LXのみ別売りBluetoothアダプタBT-DUAL(5,500円)が必要です。

音楽の再生はもちろん、アプリの内容は基本的にサウンドメイクのためのものです。

Positive Grid Sparkのアプリは機能が充実しており、YouTube上の楽曲のコードを自動解析して表示してくれたり、伴奏を自動生成してくれるといった機能が充実しています。

ルーパー/リズムマシン

内蔵ルーパーが欲しいならBOSS DUAL CUBE BASS LX一択です。

リズムマシンも同様ですが、Sparkはアプリ内にバッキングトラックがあります。毎回アプリを使うのが面倒ならBOSSの方が楽です。

まとめ・選び方

いずれの機種も複数のモデリングアンプとエフェクトを内蔵しているので、1台で音作りは完結できます。2万円以下の小型アンプよりも納得のサウンドです。

Bluetoothで楽曲再生しながら演奏したり、アプリを使って手元で操作できる点も従来のアンプより利便性が高いと言えます。

YAMAHA THR10IIがおすすめな人
・ベースもギターでも使いたい

Bluetoothとアプリ操作ができる多機能アンプが欲しいけど、なるべく良い音かつ安い方が良い

・ルーパーとリズムマシンは不要


Positive Grid Spark がおすすめな人

・ベースもギターでも使いたい

YouTube上にアップされている曲のコード進行が知りたい

・ルーパーとリズムマシンは不要

BOSS DUAL CUBE LXはこんな人はおすすめ

・ギターは使わないのでベースの音色が多い方が良い

・ライブ配信をアンプ1台で済ませたい

・エフェクターを接続せずにルーパーを使いたい

・簡易的なPC用モニタースピーカーとして使いたい

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BOSS DUAL CUBE LXの発売は11月上旬を予定しています。

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