メタルの歪みをCHUGに決めた5つの理由【BE-OD/Revv G3比較レビュー】

 

・真空管アンプを持ち運ぶのは大変

・マルチエフェクターのモデリングアンプには満足できない

というメタラーに一度は試していただきたい、メタルディストーションがSolar Guitarsの[CHUG]です。わたし現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog) はメインの歪みをこれに決めました。

ちなみにメリット・デメリットの詳細レビューはサウンドハウスさんに寄稿しました。こちらも合わせてご覧ください。

●アンプを持っていないメタラーは試すべき目下最強ディストーション。

●マルチのモデリングだと設定が大変、普通のエフェクター並みの直感操作なのに、コントロールが多いからどんなアンプにも使える。

●ソリッド&タイトなモダンメタルサウンドで、00sメタルコアから現代のプログレッシブメタル/djent的な音作りが可能。

理由①:マイアンプとモデリングアンプの呪縛からの解放

理由②:Friedman BE-OD・Revv G3 Pedalと比較してCHUGを選んだ理由

理由③:アンプライクな歪みのモダンメタルサウンド

理由④:多彩すぎるコントロールでどんなアンプ・ギターにも対応できる

理由⑤:ノイズゲートまで入ってボスコンサイズでボードに入れやすい

理由①:マイアンプとモデリングアンプの呪縛からの解放

良い歪みの音を妥協せずに手に入れるなら、真空管アンプヘッドを買うのが一番良いでしょう。わかっちゃいますが、購入に数十万必要です。。。さらに幅1m弱・20kgの直方体を自宅で保管して、使う際には持ち運び、ライブハウスやスタジオによっては階段の登り降りまで。。。さらにさらに定期的なメンテナンスや真空管の交換が必要で、ランニングコストも必要。怒られるかもしれませんが、そんなに気力がありません笑

となるとモデリングアンプも候補になってきます。KemperやFractal Audio, Quad Cortexなど昨今のデジタルモデリングは、間違いなくプロクオリティです。ところが私の使用用途は主に、バンドで使うことです。いつも環境・アンプが異なるスタジオ・ライブハウスで、手早くセッティングできることも必要になります。

これらモデリングアンプは突き詰めれば満足のいくサウンドを作れると思いますが、もうちょっとハイが欲しいなと思った時に、モデリングアンプ側のEQをいじるべきか、後に繋いだEQを設定すべきか、さらにそこに至るまでのボタンの押下など、その場ですぐに修正するのが難しいです。(当然、私が未熟なのですが。)

というわけで、良質なエフェクターにメインの歪みを任せれば、比較的低価格の予算で、ボードに入れれば持ち運びも楽に、その場での音作り調整がサクッとできる全ての条件が満たせます。

理由②:Friedman BE-OD・Revv G3 Pedalと比較してCHUGを選んだ理由

理由①から数年はFriedmanのBE-ODを愛用していました。2016年発売の本機は、アンプクオリティの”ハイゲイン”をコンパクトエフェクターで再現できた最初の機種と言っても過言ではありません。それまでにもMesa BoogieやAMTなどAIABのハイゲインペダルは存在しましたが、あと一歩な印象でした。

現在においてもBE-ODのクオリティは最高クラスなことに変わりません。サウンドのキャラクターは改造マーシャル系・ブラウンサウンド。

低音域がややルーズかつオープンでビッグなサウンドは、現代的なタイトなメタルサウンドとはちょっと違ったのが乗り換え理由です。

Revv G3 Pedalの登場も衝撃的でした。アンプブランドらしい本物のハイゲインサウンドが、しかもBE-ODとは異なるタイトなモダンメタルサウンドを出力します。

私はレギュラーの曲もドロップCの曲もやるので、その都度ギターを持ち替えます。シンプルな3バンドEQだと、チューニングやギターの違いによる微調整がしづらいこともありました。CHUGはコントロールがめちゃくちゃ多いので、その目的にハマったのが理由です。

理由③:アンプライクな歪みのモダンメタルサウンド

というわけでCHUGのご紹介です。前述の通りアンプクオリティのハイゲインサウンドが得られます。

キャラクターは昨今のメタルバンドの音源で聴けるような、Peavey, Hughes & Kettener, ENGLなどなどのような生粋のタイト&ソリッド&ラウドなモダンメタルサウンドです。

鋭くも耳に痛いことはなく、パワーコードだけでなく、9thをはじめテンションを加えても濁らずクリアに響いてくれる点が、現代のメタルサウンドに対応できる証。籠らず音圧あるローもがっつり出せるので、ブリッジミュートでのリフもズンズン気持ちよく弾けます。

理由④:多彩すぎるコントロールでどんなアンプ・ギターにも対応できる

Bass, Middle, Trebleの3バンドEQに加えて、抜けや倍音感を付加できる超高音域のPresenceとレギュラーチューニングでも激重になる超低音域のDepthを搭載。

これだけでも十分すごいのですが、CHUGのキモはLF GainとHF Gainです。低音域と高音域をそれぞれどれくらい歪み回路に送るかのフィルターにあたるのですが、これの効きが最高に使い勝手が良いです。

多弦やダウンチューニングではLF Gainを絞ることでブーミーさを軽減し、スッキリと歯切れの良いサウンドに、ソロの高音域でハイが出過ぎるピックアップではLF Gainを絞って抜けの良さをそのままにピッキングの耳障りなアタックを軽減できます。

00s以降のメタルコアなモダンハイゲインはもちろん、これらフィルターコントロールを積極的に使えば、多弦ギターでもパーカッシブなdjent系サウンドメイクも可能。

ディストーションエフェクターとしてアンプのインプットへの接続時は、TrebleとPresenceはやや下げ目がメーカー推奨。リターンへ接続してプリアンプとしても使えます。

ライン録音も想定して設計されているようで、IRと組み合わせて使うのも大いに有用です。

音作りはEQは12時から、LF Gain/HF Gainは全開から絞っていくように調整すると理想に近づけやすいです。

理由⑤:ノイズゲートまで入ってボスコンサイズでボードに入れやすい

優秀な1ノブのノイズゲートまで搭載されています。ハイゲインにおいてハムノイズが増幅されてしまうようなピックアップでも、弾いていない時にはノイズレスにできます。その状態においても音の立ち上がりや減衰は非常に自然です。

ノイズゲートのノブを上げ目にする積極的な使い方もおすすめ。左手でミュートするようなリックのキレが増します。そのうえ1ノブなので設定が簡単なのも嬉しいです。

これだけの機能がありながら、コントロールつまみを2軸のスタックノブにすることで、120mm x 70mm x 58mm / 600g というBOSSコン並みのサイズを実現している点も最高。

電源も9Vセンターマイナスでエフェクターボードへの導入への障害は一切ありません。電池駆動は不可。

デメリットとまとめ

デメリットはつまみの位置が見づらいことと、筐体のエッジが効いていて痛いこと。他のエフェクターとぶつけると傷つきやすいので、ボードにはしっかり固定しましょう。ゴム足は付属していますが、貼らなければ底面は平らです。

ちなみにバッファードバイパスですが、フットスイッチはカチッと鳴るタイプです。

とにかくアンプを持っていないメタルギタリストは絶対試すべき逸品。

残念ながらSolar Guitarsの国内正規輸入代理店はサウンドハウスさんなので、一般の楽器店で試奏はできないでしょう。でも試奏せずにポチっても後悔しないくらいのポテンシャルはあります。国内売価31,800円は本国売価が199USD、1USD=約160円換算くらいですが、輸送費や在庫・保証リスクを考慮すれば良心的です。

このエフェクターがダメなら、真空管アンプを買うしか無い腕と耳の持ち主です。もしくは別にモダンメタルサウンド好きじゃ無いでしょ?ってレベルです。

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