BOSS GT-1000CORE vs LINE6 HX Stomp 比較レビュー
Line6 HX Stompとどっちが良い?
まだ実機は弾いていないですが、音色はGT-1000でなんとなくわかっている方も多いと思いますので、
スペック面をメインに特徴の紹介と比較をしてみました。
特徴・メリット
①:BOSS フラッグシップGT-1000クラスの音質でコンパクトサイズ
②:140以上の音色数と24エフェクト同時使用可能
③:復音チューナー
④:豊富な出入力端子
⑤:ヘッドフォン対応・USBオーディオインターフェイス
⑥:アウトプットの設定
メリット①:BOSS フラッグシップGT-1000クラスの音質でコンパクトサイズ
対strymonとして登場(?)した空間系エフェクターDD-500, RV-500, MD-500と同じ筐体サイズ
に、BOSSマルチエフェクターの最上位機種GT-1000の音色を詰め込んだエフェクター。
LINE6 HX STOMPを完全に意識した製品ですね。
先述の多機能空間系エフェクターしかり、デスクトップアンプYAMAHA THR10が流行った後に、ワイヤレスやBluetoothも搭載したKAYANA-AIRを発売するなど、
新しく作られた市場に、機能全部乗せで後出しジャンケンするのが得意なBOSSらしい(褒め言葉)製品です。
BOSS フラッグシップGT-1000クラスの音質を手軽に持ち運んだり、家やレコーディングで手軽に使えるサイズ感が売りです。
メリット②:140以上の音色数と24エフェクト同時使用可能
GT-1000直系ということで、真空管アンプを再現するAIRDテクノロジーを使ったアンプモデリングをはじめ、
DD-500, RV-500, MD-500から移植されたエフェクターなど140種類以上のエフェクトを搭載。
さらにひとつのパッチで最大24エフェクトも同時使用できます。
外部IRも読み込めます。
メリット③:復音チューナー
もちろんチューナーも搭載。
さらにGT-1000同様に、一般的なモノフォニック(単音)チューナーに加え、
6弦同時にチューニングできるポリフォニックチューナーも搭載。
メリット④:豊富な出入力端子
入力と出力はステレオ。
ルーティング内の任意の場所に外部エフェクターを接続できるセンドリターン端子が2系統。
MIDIコントロールも可能ですが、普通のMIDI端子ではなく最近BOSSが推し進めているミニステレオTRS端子です。Free The Toneからも対応MIDIケーブルが発売されています。
メリット⑤:ヘッドフォン対応・USBオーディオインターフェイス
ヘッドフォンを直挿しできるので自宅での練習も手軽に高音質で楽しめます。
USBインターフェイス機能も搭載し、PCに接続すればそのまま録音できます。
キャビシミュなどを活用し高品質な録音が可能です。
ベース用モデリングも搭載しており、弦楽器はこれ1台でok。
メリット⑥:アウトプットの設定
OUTPUT, SEND端子に接続する機器(アンプ)を選択できます。
アンプのインプットに入れるかリターン端子に入れるかを選択し、サウンドを最適化できます。
主にJC-120はもちろん、KATANAアンプなどRoland製アンプはもちろん、
Fender, VOX, Marshall等、スタジオに常設されたアンプにも最適化できます。
Vivie製品でもコンボ/スタックアンプ用切替SWがついているものがありましたが、あれをさらに推し進めた感じです。
接続機器ごとに微調整を自分でせずとも、サクッと狙った音が出せるで、さまざまな環境で演奏する機会がある人には便利でしょう。
デメリット
②:パワーサプライが使いづらい
デメリット①:パッチ切替がアップ/ダウンのみ
演奏モードはメモリー・モードとマニュアル・モードの2つ。
パッチ切替を行うメモリー・モードはフットスイッチは3つですが、BOSS GT-1やZOOM G1FOURなどのように、
パッチ単位での切替はアップまたはダウンのみになってしまいます。
マニュアル・モードは各スイッチを各エフェクトのon/offやタップテンポなど任意の設定が可能ですが、
LINE6のスナップショットほどの柔軟性もありません。
デメリット②:パワーサプライが使いづらい
消費電流は670mA。
一般的な高出力パワーサプライでも最大500mAなので、専用アダプターを使うのが基本になりそうです。
メーカー公認ではないですが、パワーサプライで駆動させるにはHX STOMP同様下記使用方法で使用可能です。
LINE6 HX Stomp 比較
GT-1000CORE | HX Stomp | |
---|---|---|
音色数 | 140種類以上 | 300種類以上 |
エフェクト 同時使用数 | 24個 | HX3.0より8個(従来は6個 ) |
チューナー | モノ/ポリ | モノ |
PCエディタ | 〇 | 〇 |
In/out | ステレオ | ステレオ |
センド/リターン | 2 | 1(リターンのみステレオ) |
フットスイッチ | 3 | 3 |
外部スイッチ | ステレオ*2 | ステレオ*1 |
MIDI | TRSミニ | MIDI 5 Pin |
オーディオインターフェイス | 〇 | 〇 |
サイズ | 173x 135 x 63mm | 170x 122 x 64mm |
重量 | 920 g | 820 g |
消費電流 | 670 mA | 1,000弱 mA |
価格(市場相場税込) | 79,200円 | 103,400円 |
BOSS GT-1000COREは後発だけあってスペック的、特に拡張性はHX STOMPを上回っています。
特にパッチの切替時の音切れは、LINE6やkemperを含む市場のマルチエフェクターの中でも最短のようです。
またパッチ切替後もディレイ音だけ残すキャリーオーバーが可能。
HX STOMPスナップショットでは音切れがありませんが、エフェクト同時使用数の制限などで満足できない、パッチ切替の音切れは絶対に嫌、という方にはこれらの性能朗報かもしれません。
一方もうひとつのポイントはエフェクト同時使用数が最大24個な点ですね。
HX STOMPで6個(HX3.0へのバージョンアップにより最大8個になりました)では足りないという方もそこそこいた様なので、そこについては問題無さそうです。
シグナルチェーンも秀逸。
アンプモデリングを2つ使ってミックスするというような使い方をする方でも、存分にエフェクトがかけられます。
DSPの制限をほぼ気にせずサウンドメイクできる点も含め、フラッグシップ機からはスイッチ数や接続端子などハードウェア面くらいしか落ちていないのではないでしょうか。
エフェクトの種類についてはどちらもだいたい網羅していますが、GT-1000COREはBOSSの名機OD-1, BD-2,MT-2, ML-2, OD-1X, DS-1X, CE-1, CS-3などに加え、500シリーズといったBOSSエフェクターを網羅しておりのBOSSファンならずとも魅力的です。
実機との比較もパラメータの設定や効き具合、音質については優劣よりも好みかなという印象です。
GT-1000COREはつまみが多いので本体だけでもよりスムーズに設定ができそうです。
一方でエフェクトの種類、サイズ、フットスイッチの柔軟性はHX Stompに軍配があがります。
HX Stompの方がエフェクトの種類が豊富、奥行きが1cmちょっとコンパクトです。
パッチ切替はもちろん、バンクの切替やスナップショットなど、外部スイッチを付けなくても多彩な音色切替が可能です。
GT-1000COREの場合MIDIを使わない限りは、曲内の音色切替の順番や、曲順などを考慮したパッチに並べる必要があります。
パワーサプライについては消費電流の違いはあれど、やや利便性に欠けるのはどちらも同じです。
GT-1000COREがおすすめの方
● 2つのアンプモデリングを混ぜて使う
● BOSSエフェクターが好き
● エフェクトを同時に7音色以上使う
● センドリターンが2系統使う
● 外部スイッチとエクスプレッションペダルの2つを接続したい
● スイッチャーでMIDIによるパッチ切替
● GT-1000のサブ機として使う
HX STOMPがおすすめの方
●HX STOMPをシステムの中核にする最小ボード
● パッチ切替・スナップショットで多彩な音色切替
● 幅広いブランドのエフェクターを使いたい
● 豊富な音色から選びたい
● 増設はスイッチまたはエクスプレッションペダルどちらかで良い
● スイッチャーでMIDIによるパッチ切替
● Helixのサブ機として使う
まとめ
結論は比較の最後の通りです。
個人的にはフットスイッチの柔軟性、pedaltrain nano+の奥行にギリギリ収まるサイズ感でHX Stompからの買い替えは今のところ無いかなという感じです。
一方オーバードライブとディストーションをそれぞれセンドリターンに入れられるのは結構魅力的に感じます。
HX Stompでは泣く泣くオーバードライブは内蔵エフェクトに頼らざるを得なかったので・・・。
BOSSブランドのエフェクターがたくさん入っている、同時使用エフェクト数が多いところはGT-1000COREが勝っているポイントです。
価格改定でBOSS GT-1000COREの方が2万円以上安いので、コスパ重視なら迷わずBOSSかも。