・オーバードライブじゃ物足りない
・図太く音圧があるけど音抜けも良いファズが欲しい
現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog) です。Vivie初のファズペダルMadMurcianを試奏したところ上記のような人におすすめだったのでレビューします。
Vivie MadMurcian 特徴
①:ビッグマフ系を強化させたファズ
②:ファズには珍しいMidコントロールでビッグマフ〜モダンファズまで
③:Toneツマミ+Lo-Cutスイッチで音抜けを調整
消費電流:最大30mA
入力インピーダンス:1MΩ
出力インピーダンス:1kΩ
本体寸法:75 x 115 x 48mm
本体重量:210g
付属品:取扱説明書兼保証書
特徴①:ビッグマフ系を強化させたファズ
ビッグマフの中でも評価の高いラムズヘッド期のサウンドを基調にした、かなり図太いサウンドです。
ゲインコントロールの可変域は広いです。
目一杯上げると単音でも途中フィードバックに変わりながら無限とも思えるサスティンが得られます。
特徴②:ファズには珍しいMidコントロールでビッグマフ〜モダンファズまで
ファズには珍しく中音域を調整できるMidコントロールを搭載しています。
センターの位置(12時方向)から左に回せばカット、右に回せばブーストとなります。
Midを下げればトラディショナルなビッグマフ直系サウンドに、上げれば現代的な音楽にもマッチするモダンサウンドになります。
特徴③:Toneツマミ+Lo-Cutスイッチで音抜けを調整
Toneツマミはセンター位置から左に回せば高音域のブースト、右に回せばカットが可能。サウンドの質は大きく変えずに、音抜け具合が調整できます。
加えて低音域はLo-Cutスイッチでカットすることが可能。ブーミーで潰れた感じが軽減されます。
ディストーションでは整いすぎるのでもっと荒々しく音圧のあるサウンドが欲しい、だけど今までのファズだとバンド内で抜けてこない、と感じていた人には嬉しいコントロールです。
デメリット
②:ボード設置時にわずらわしさがある
デメリット①:ギター側ボリューム操作での追従性が乏しい
ビッグマフと双璧を成すファズフェイスは、ギターのボリュームを絞ればクリーンにもなる追従性の高さがある玄人好みのファズです。
一方MadMurcianはビッグマフ系のため、ボリュームを絞っても使えるクリーンとは言いづらいです。轟音系でガッツリ行く人には良いですが、ギター側のボリュームで歪み具合とピッキングニュアンスを繊細に出したいという人には不向きなファズと言えます。
デメリット②:ボード設置時にわずらわしさがある
電源ジャックは右側側面、ギターのインプットの下に位置しています。
エフェクトボードでの電源供給、パワーサプライの位置はボード上部に配置するのがセオリーですから、DCケーブルを接続するのにシールドをよけなければならないのが不便になりそうです。
またローカットスイッチがエフェクター本体右側側面にあります。衝撃にも気を付けなければなりませんし、スイッチ操作もするのであれば隣のエフェクターとの距離にも余裕を持つ必要があります。
サウンド・感想
従来のVivie製品同様、つまみ12時のセッティングが基本セッティングでここから音作りを始めます。この時点で十分使えるサウンドになります。
ここからゲインで好みの歪み量を、レベルで音量を調整します。その後Midを調整することでファズのキャラクターを決定づけられます。ゲインMAXまで上げると圧が強めで楽しいですが、バンドアンサンブルの中に入る時はローカットスイッチを切り替えたり、トーンを調整して音抜け具合を調整すると良いでしょう。
私の個人的な感想は「図太い系のわかりやすいファズ」です。
ファズらしからぬ音色調整のつまみの豊富さが特徴ですが、全部真ん中のセッティングでそれなりな感じになるので、初心者も安心。
メーカーサイトには”繊細なローゲイン””ローゲインではコンプレッション感・艶のあるクランチサウンド”との記述がありますが、それだったらオーバードライブのローゲインセッティングの方が普通に使いやすいでしょう。なのでMadMurcianはがっつり歪ませる方がおいしく使えるという印象です。
Vivie初のファズ、MadMurcianはこんな人におすすめです。
他の歪みエフェクターは持っていて、初めてのファズを探している
コンプが強い音圧あるファズが欲しい
ディストーションより荒々しさがあるサウンドが欲しい
Big Muff系サウンドを低・中・高音域それぞれ調整したい
イントロやソロなど”ここぞ!”という時にonにしてテンション上げたい