バンドアンサンブルで抜けてこない
という方々のために、今回はVEMURAM Jan Rayを楽器屋店員がガチレビュー!
VEMURAM Jan Ray特徴
東京千代田区にあるTri-Sound(トライサウンド)が展開するエフェクターブランドVEMURAM(ヴェムラム)。
Jan Ray(ジャンレイ)はVEMURAMで最も評価が高い、世界最高峰のオーバードライブペダルです。
Jan Rayは日本製ハンドメイドブランドでありながら、かのMichael Landau(マイケル・ランドウ)が愛用したことで、一躍世界的な評価を得ることとなりました。
日本でのオールハンドメイドに加え、真鍮の筐体に至るまで最高のトーンを得るためにこだわっており、
世界クラスのギタリストの耳を納得させるクオリティは、そのサウンドを聞けば納得いただけるはず。
どんなギターやエフェクターを使ってもJan Rayの音になるというわけではなく、
onにした時も使っているクリーンなアンプの延長線上に存在する歪みという非常にナチュラルな音像です。
スペックは下記の通り
●コントロール:ヴォリューム、ゲイン、ベース、トレブル、サチュレーション(トリマー)
●電源:9V電池 or 9V センターマイナスアダプター
●消費電流量:5mA
●サイズ:70(W)x112(D)x50(H)mm
●重量: 428g
Jan Rayのメリット
多彩なサウンドメイクが可能
メリット①:Fenderアンプさながらのアンプ感
Jan Rayの素晴らしさはこれに尽きます。
60年代ブラックフェイス期のFenderアンプをMagic6(マジック6とは各つまみをVolume:6、Treble:6、Middle:3、Bass:3)に設定した際に繰り出される伝説のトーンを再現しています。
具体的には
艶のある高域とクリアな低域、そしてギターで最も重要な中域はパンチとハリ、太さを併せ持った真空管アンプのようなサウンドです。
ミッドにフォーカスしがちなBOSSやチューブスクリーマーでは成しえないレンジの広さ、豊かな倍音感と、
コンプ感がありながらもピッキングニュアンスを余すことなく再現するダイナミクスは真空管さながら。
このサウンドこそが、他のエフェクターでは得られない唯一無二のキャラクターとしてプロを含む、数多くのギタリストに愛されている理由です。
メリット②:多彩なサウンドメイクが可能
ジャンルを選ばず使われるフェンダーアンプ同様、
各コントロールの組み合わせで多彩なサウンドメイクが可能。
アンプライクながらあえてミドルコントロールを搭載しないことで
Jan Rayの真価が発揮される中音域を保ったまま音色を変化させられるよう設計されています。
Treble(右下つまみ), Bass(左下つまみ)
この2バンドEQのチューニングが秀逸で、基本はどちらも12時方向のセッティングでokです。
トレブルを上げてもローが削れることはなく、聴覚上それぞれは独立して効いているように聞こえます。
トレブルは抜けを付加する一方、上げすぎても耳に痛くはありませんが線の細さを感じます。
ベースは上げてもブーミーにはなりませんがや音圧が上がります。
うるさくない箱鳴り感で留めるのが良いでしょう。
リズムギターで使う際はふたつもと下げ目にすると艶っぽいリッチサウンドを創出できおすすめです。
Gain(右上つまみ)
クリーンに近いローゲインで使われることが多いですが、
クランチからオーバードライブまで守備範囲は広いく、
ピッキングのニュアンスもしっかり出ます。
それはゲインを上げてもギター側のボリュームでクリーントーンにすることもできるほど。
ローゲイン設定で常時onにしプリアンプ的に使うことで
Roland JC-120などのトランジスタアンプを真空管アンプのように鳴らすこともできます。
Volume(左上つまみ)
ヴォリュームコントロールで出力も大きく上げることができるためソロの際にonにしても良いですし、
ゲインを下げれば真空管アンプのブースターとしても使えます。
Saturation(本体上側面トリマー)
サチュレーションは本体上部にあり、付属の小さなプラスドライバーで調整します。
他のツマミとは逆で、時計回りで増幅、反時計回りでカットとなる点は注意です。
このコントロールはアンプのプレゼンスのようなニュアンスで使えます。
ゲインを高めにセッティングした、クランチ~オーバードライブでは
オープンな倍音感を得るために増幅させると良いです。
一方クリーンブースターとして使う際には下げ目に、
JC対策のプリアンプ的な使い方では少し下げ目か真ん中あたりが良さそうです。
Jan Rayの デメリット
Timmyと回路設計が酷似
デメリット①:中上級者向け
ブルースドライバーが初心者用というわけではありませんが、
Jan Rayはド派手なキャラクターではなく、
ピッキングのニュアンスもはっきり出るため、
クリーントーンで良い音を出せない初心者にはおすすめできません。
デメリット②:Timmyと回路設計が酷似
先日MXRとのコラボモデルも発売されたTimmy
Timmyの開発者Paul CochraneはJan Rayの回路がTimmyのそれと酷似していることを指摘しており、かなりご立腹のようです。
回路の設計をコピーしたかどうかの真偽は不明ですが、パーツなども含めると全くのコピーではないようです。
Jan RayとTimmyの違い
それぞれサウンドは全く異なります。
いわゆるトランスペアレント系オーバードライブにあたるTimmy。
ベースとトレブルのコントロールはカットのみでブーストできず、ゲインもJan Rayの方が幅広いです。
Timmyは
●使っているギターやアンプのキャラクターがそのまま生きる
●サウンドは非常にナチュラルで、柔らかさ、しなやかさ
Jan Rayは
●チューブアンプのような味付け
●トレブル、ベースをブーストでき艶やパンチを付加できる
まとめ
クリーンからクランチまでのローゲインペダルとしてはJan Rayは最適解です。
痒い所に手が届くセッティングが可能な安心感と、
トップギタリストも愛用する信頼感のある、オーバードライブの名機です。
BOSSなどの量産コンパクトエフェクターやマルチエフェクターの歪みに満足できないかたは ぜひお試しください。
歪みペダルに4万円弱は少し高く感じるかもしれませんが、それだけの価値はあります。