・中高生や女性向けの入門ギターを探している
・今までに無いおしゃれなカラーのギターが欲しい
という人のために、現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が、2023年6月に発売されたSquier by Fenderの新しい機種Sonic(ソニック)シリーズを徹底解説。
全機種のカラーや特徴、選び方までアナタに合ったギター選びをお手伝いします。
Sonicシリーズの全機種ボディが薄くて軽いので、抱えやすく疲れくいので、初心者も安心して使えます。
定番カラーに加えて、マーケティングを得意とするフェンダーだからこそ実現したトレンドを反映したカラーがおしゃれ。
Bulletの後継機種で、品質は向上しています。
上位機種のAffinityよりも、1万円安い分、細かな部分の仕上げが粗く、価格相応の弾きやすさです。
Sonicシリーズは機種が豊富で、初心者のギター選びで最も大事な、好きなルックスがきっと見つかります。
初心者へ特におすすめなのが、弦交換しやすく、弦が柔らかく押さえやすいSonic Mustang。
特徴・メリット
- 最も安価なFenderヘッドのギター
- ボディが薄くて軽いので、持ちやすく疲れにくい
- ストレートなフェンダーサウンド
- トレンドが反映されたカラーバリエーション
- 豊富なギター9機種・ベース2機種
最も安価なFenderヘッドのギター
このSquier Sonicシリーズは、いま最も安く購入できるフェンダーヘッドを持つギターです。
ストラト・テレキャスなどフェンダー系のヘッドはやっぱりこの形が一番しっくりきます。
フェンダーヘッドは登録商標のため、他社ブランドで使用できない形です。
Squierで最もリーズナブルなモデルが、Sonicシリーズです。
ボディが薄くて軽いので、持ちやすく疲れにくい
Sonicシリーズは、フェンダーのギターよりもボディが薄い点が大きなメリット。
ボディが薄いことで、初心者でも無理なく抱えやすいです。
加えて重量も軽くなるので、慣れないギター演奏も疲れにくいはずです。
フェンダー系のギター重量はだいたい3.5kg以上ですが、Sonicシリーズは3.0kg前後で軽いです。
ストレートなフェンダーサウンド
サウンド自体はストレートなフェンダー直系サウンド。
フェンダーを使っているギタリストが好きな初心者なら、不満に思うようなことは無いでしょう。
ギターマニアの目線だと、ポプラボディやセラミックマグネットピックアップによる、倍音・奥行き少なめなところが、フェンダーとは違うなぁという感じ。価格差も倍じゃ済まないので、当然といえば当然です。
初心者が家で弾くような音量なら、普通にフェンダーっぽい音に聞こえるでしょう。
トレンドが反映されたカラーバリエーション
ブラックなどの定番カラーに加えて、ウルトラバイオレットやカリフォルニアブルー、フラッシュピンクと名付けられたトレンドを反映したカラーが目を惹きます。
光沢の無いサテン仕上げの質感と色のとの組み合わせが最高が流石。この辺のセンスがマーケティング上手なフェンダーならでは。
他のブランドにこの色味や仕上げは開発できないと思います。
Z世代向けの価格とルックスを実現していると言えます。
豊富なギター9機種・ベース2機種
Sonicシリーズはギターが9機種、ベースが2機種がラインナップ
- Sonic Stratocaster
- Sonic Stratocaster HSS
- Sonic Stratocaster HT
- Sonic Stratocaster HT H
- Sonic Telecaster
- Sonic Esquier H
- Sonic Mustang
- Sonic Mustang HH
- Sonic Bronco Bass
- Sonic Precision Bass
特に注目なのが、ショートスケールのSonic Mustangや、Stratocaster HTといった珍しい仕様のギターです。
詳細は後述。
デメリット
- ネックが反りやすそう
- ネックのエッジなど仕上げは粗い
- 弾きやすさは価格相応
ネックが反りやすそう
ネックが反って、弦が押さえにくい状態になりやすいです。
低価格ギターの宿命ですが、木材の質が良くないため、日本の四季に耐えられないものが多いと言えます。
トラスロッドで調整は可能ですが、数年で調整の限界が来てしまうものもあるでしょう。その場合は新しくより良いギターに買い替えるのが良いです。
ネックのエッジなど仕上げは粗い
ネックの握りやすさに影響します。
ネックとフレットの端が角ばっている(滑らかに上げられていない)ため、手への馴染みやすさが日本製ギターなどと比べると劣ります。
弾きやすさは価格相応
残念ながら、めちゃくちゃ弾きやすい!というわけではありません。
ネック周りやナットの処理がやや甘いからです。
5万円以上の価格のギター・ベースの方が弾きやすく、耐久性が高いのは事実ですが、
ネックは少し薄めのCシェイプで、フレットの背も高めなので格安ギターよりも弾きやすいです。
BulletとAffinityシリーズとの違い
Squierは初心者向けの低価格で、Fenderの楽器を製造しています。
中でもさらに価格が安いBulletシリーズとAffinityシリーズとの違いを比較、解説します。
Bulletシリーズとの違い比較
まずはマニア向けに仕様表から。初心者は見なくても大丈夫です。
比較しやすいように、Stratocaster同士の仕様を並べました。
Sonic Stratocaster | Bullet Strat with Tremolo | |
---|---|---|
ボディ | ポプラ | ポプラ |
ネック | メイプル | メイプル |
ネック形状 | Cシェイプ | Cシェイプ |
指板材 | インディアン・ローレルまたはメイプル | ローレル |
指板R | 9.5インチ | 9.5インチ |
フレット | 21, ナロートール | 21, ミディアムジャンボ |
ナット幅 | 42mm | 42mm |
ピックアップ | Ceramic Single-Coil | Standard Single-Coil Strat |
ペグ | Die-Cast Sealed | Standard Die-Cast |
トレモロブリッジ | 6-Saddle Vintage-Style Synchronized Tremolo with Block Saddles | 6-Saddle Vintage-Style Synchronized Tremolo |
カラー | ウルトラバイオレット、カリフォルニアブルー、2カラーサンバースト、ブラック | ブラウンサンバースト、ブラック |
市場相場価格 | 26,400円 | 25,300円 |
2023年6月発売のSonicシリーズは、Bulletの後継機種にあたります。
以下の点が進化しました。
- ペグの品質が向上
- サドルが手に当たっても痛くない構造
- 音色がクリアに
- カラーが4色展開
Bulletではギター業界で最も低品質かつ安い構造のペグが使われていましたが、Sonicシリーズではもう少し品質が良いものが採用されました。
チューニングのやりやすさや、音程の安定性が若干向上。
弦を乗せるコマ(サドル)の形が、ブロック型になったことで右手に当たっても痛く無い、初心者に優しい形状に変更されました。
ピックアップにはセラミック磁石を採用したことで、木材とのバランスがとれてクリアなサウンドです。
カラーはフェンダーの定番色に加えて、トレンドを取り入れた新色も登場し、あらゆる年齢層の方でもお気に入りのルックスが見つかるはずです。
価格は千円だけ上がりましたが、この物価高の情勢を考慮すると品質を向上した企業努力とも見てとれます。今わざわざ旧機種のBulletを買う理由は無いでしょう。
Affinityシリーズとの違い比較
次にSquierでもう一つ上のグレードのAffinityシリーズと比較します。
同じくStratcasterで検証してみましょう。
Sonic Stratocaster | Affinity Stratocaster | |
---|---|---|
ボディ | ポプラ | ポプラ |
ネック | メイプル | メイプル |
ネック形状 | Cシェイプ | Cシェイプ |
指板材 | インディアン・ローレルまたはメイプル | ローレル |
指板R | 9.5インチ | 9.5インチ |
フレット | 21, ナロートール | 21, ミディアムジャンボ |
ナット幅 | 42mm | 42mm |
ヘッド形状 | スモールヘッド | ラージヘッド |
ピックアップ | Ceramic Single-Coil | Ceramic Single-Coil |
ペグ | Die-Cast Sealed | Sealed Die-Cast with Split Shafts |
トレモロブリッジ | 6-Saddle Vintage-Style Synchronized Tremolo with Block Saddles | 2-Point Synchronized Tremolo with Block Saddles |
カラー | ウルトラバイオレット、カリフォルニアブルー、2カラーサンバースト、ブラック | 3カラーサンバースト、オリンピックホワイト、ブラック、レイクプラシッドブルー |
市場相場価格 | 26,400円 | 36,520円 |
Affinityが約1万円高く、主な違いは以下の通りです。
- 全体の仕上げの精度
- ヘッド形状の違い
- Affinityは伝統的な構造のペグ
- Affinityはトレモロ操作時の安定性しやすい2点支持ブリッジ
最も大きな違いは、カタログには現れない部分の”仕上げ精度”です。
Affinityシリーズではナットやフレットの端の部分が、滑らかで丁寧に仕上げられています。
これにより、左手へのストレスが軽減されます。
また、Sonicシリーズの方が仕上げが粗いものもあれば、粗さが目立たないものもあり、個体にバラつきがある印象です。
それらを除けば、Affinityに劣っているところは少ないです。
また、Affinityシリーズには、Sonicシリーズには無いジャズマスターやテレキャスターデラックスもラインアップされています。
これらのモデルが好きならAffinityにするしかありませんね。
現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)です。 初めての1本でも良質な入門ギターが良い軽量なエレキギターが良いFenderが良いけど7万円は高くて出せないという方にSquier[…]
各機種バリエーション選び方
各機種カラーの違いに加えて、指板材がメイプルとローレルという違いがあります。
しかし、初心者の方は気にする必要はありません。
以下、各機種と全カラーを紹介し、どんな人におすすめかを解説していますが、最も大事なのは見た目です!
私がおすすめしている内容に当てはまらなくても、ルックスが気になる機種があれば自分の好きを信じて、それを選べばOKです。
Sonic Stratocaster
一般的な仕様のストラトキャスターです。
キレと繊細さを表現できるサウンドで、ポップスや軽快なロックなど、幅広いジャンルに対応します。
アーム操作が可能なトレモロユニットを搭載しています。
本モデルのみ左利き用が用意されています。(ブラックのみ)
●ストラトキャスターが好きだけど、ボディが軽くて抱えやすいのが良い
Sonic Stratocaster HSS
あらゆる要素を備えた万能ギター。
ピックアップにハムバッカーを搭載しており、歪ませたパワフルなロックにも対応できます。
シングルコイルピックアップも搭載しているので、ポップス等にも対応可能です。
●好きな音色やジャンルの傾向がわからない・迷っているという人
●ストラトキャスターが好きだけど、ボディが軽くて抱えやすいのが良い
Sonic Stratocaster HT
Sonic Stratocasterとの違いは、トレモロユニットの有無です。
こちらはトレモロユニットが搭載されていないので、アームで音を揺らすことができません。
しかし、弦交換がしやすい、音程が安定しやすいというメリットがあります。
プロでもアームを使わないという人も珍しくないので、Sonic Stratocasterよりも、初心者には断然こちらのSonic Stratocaster HTがおすすめです。
●できる限り弦交換が簡単なギターが良い
●アームはいらない
●ストラトキャスターが好きだけど、ボディが軽くて抱えやすいのが良い
Sonic Stratocaster HT H
同じくトレモロユニット非搭載の、HT(ハードテイル)ブリッジのストラトキャスターです。
しかし、搭載されているピックアップは、パワフルなハムバッカーが1つのみ。
サウンドのバリエーションは少ないですが、スイッチが無く、ややこしい事を考えずに演奏に集中できます。
その気になればポップスなどもできるので、シンプルが良いという初心者におすすめです。
●スイッチが少なくシンプルなギター良い
●ポップス、ロックが好き
●できる限り弦交換が簡単なギターが良い
●ストラトキャスターが好きだけど、ボディが軽くて抱えやすいのが良い
Sonic Telecaster
一般的な仕様のテレキャスターです。
ストラトキャスターよりも、少しシンプルです。
ピックアップは少ないですが、トレモロユニットが無く、音程が安定します。
形や雰囲気など見た目の好みで選んでも、全然OKです。
●ギター・ボーカルに挑戦したい●テレキャスターが好きだけど、ボディが軽くて抱えやすいのが良い
Sonic Esquier H
Sonic Stratocaster HT H同様、極限までシンプルにした仕様です。
Jim Root(Slipknot)や、John 5(Marilyn Manson)など、メタル系ギタリストが使っているやつっぽさもあり、ハードなジャンルが好きな人におすすめ。
●ロック、メタルなどハードなジャンルが好き
Sonic Mustang
個人的にSonicシリーズの中で、特に中高校生や手の大きさに自信が無い初心者に一番おすすめの機種がこちら。
Mustang(ムスタング)はショートスケールのギター。
ショートスケールは弦が柔らかく、押さえる力が少なくて良いというメリットがあります。
初心者でも買えるショートスケールギターは珍しく、Sonicシリーズで最も注目すべき機種です。
しかも、音程が安定しやすいハードテイルブリッジも採用されています。
●軽くて小さくて、抱えやすいギターが良い
●弦が柔らかく押さえやすいギターが良い
●低価格で”使える”ショートスケールのギターを探している
●ポップスが好き
Sonic Mustang HH
Sonic Mustangの弦の押さえやすさ、ボディのコンパクトさは同じで、音を拾うピックアップが異なります。
繊細な音色のシングルコイルに対し、Mustang HHはパワフルなハムバッカーピックアップ。
しかし、初心者のうちは音色の違いにそれほどこだわる必要は無く、カラーで選んだほうが幸せになれるはず、というのが私の持論です。
愛着があるギターなら、ギターを触れる頻度が増えるので、結果的にギターが上達する、ということです。
●軽くて小さくて、抱えやすいギターが良い
●弦が柔らかく押さえやすいギターが良い
●低価格で”使える”ショートスケールのギターを探している
●ロックが好き
Sonic Precision Bass
Sonicシリーズでは初心者が弾きやすいような、嬉しいアレンジが施された、
フェンダーベースの定番機種プレシジョンベース。
通常より薄く軽量なボディで、抱えやすく、慣れない演奏でも疲れにくいです。
ネックの幅が薄く、スリムな太さなので、左手の演奏も快適です。
●プレシジョンベースが好きだけど、薄くてネックが細く、ボディが軽くて弾きやすいものが良い
Sonic Bronco Bass
中高生や女性、手の大きさに自信が無い初心者におすすめなのが、こちらのBronco(ブロンコ)ベース。
弦を押さえる力が弱くても良いショートスケールだからです。
加えて、Sonicシリーズ共通のメリットである、薄型で軽量なボディやスリムなネックで、初心者でも演奏に集中できる快適性を確保。
3万円台前半で買える、”使える”ショートスケールのベースは他社ブランドに無く、コレ一択です。
●軽くて小さくて、抱えやすいベースが良い
●左手で弦を押さえるのが楽なベースが良い
●低価格なショートスケールのベースを探している