全てのギターに当てはまるわけではありませんが、
それぞれに傾向がみられます。
今回は特にハイエンドなブランドに焦点をあてて紹介します。
Fender JapanやFGNなど10万円台の国産には当てはまらないポイントもありますし、
極論な部分もあるのであしからず。
国産ギターとアメリカ製ギターの違い
日本製(国産)ギターの特徴
・好みの演奏性に合わせた幅広いセッティングが可能
・タイトでモダンなサウンド傾向が強い=仕事ギター
アメリカ(USA)製ギターの特徴
・倍音豊かなヴィンテージライクなサウンド傾向が強い
国産ギターの特徴①:見えない所まで丁寧に処理している
日本のギターは職人らしく、細部まで非常に丁寧に作られています。
例えばFreedom Custom Guitar Researchの特許を取得しているネックジョイント
“ARIMIZO & One Point Joint”は、
1本のみのボルトオンですが、ボルトを外してもボディとネックが外れないくらいの高い木工精度を誇っています。
また、目に見えない配線部分なども非常に丁寧に仕上げられています。
不要なトラブルを避けるためでもありますが、
無理がなく余りもしない配線の長さやハンダの量なども、素人には真似できない仕上げです。
国産ギターの特徴②:好みの演奏性に合わせた幅広いセッティングが可能
特徴①に通ずる部分です。
ナット溝は弦の鳴りを損なわず、
1フレットの弦高も詰まらず押さえやすい絶妙な高さに加工されています。
同様にフレットの高さやネックの仕込み角度までが完璧に計算されており、
ブリッジやサドルによる弦高調整とネックの反らせ方次第で、
ギター全体が良く響くようなセッティングから
左手で弦を触るだけで音が出るほどの低い弦高でもビビらないようなセッティングも可能です。
フレットのエッジ処理も非常に滑らかで、
ネックを握った際にはでこぼこなど違和感がありません。
国産ギターの特徴③:タイトでモダンなサウンド傾向が強い
このガチガチな精度の高さはサウンドにもあらわれます。
ネック、ボディ、パーツに至るまで弦振動を余す事なく伝える造りは
逆に言えばあそびが無く、タイトやシャープと表現されるようなサウンドになります。
メリットとしては
●低音弦でのリフで、歪ませても音に芯がある
●コードでも音程感を損なわず、各弦の分離感が良い
といった特徴で、レコーディングやホールクラス以上のライブで求められる音像です。
いわゆる仕事ギターと呼ばれるプロ現場で求められるキャラクターと汎用性を兼ね備えたギターが多いのが日本製ハイエンドギターです。
国産ギターが苦手な方はこのサウンドの部分に面白味を感じず好みに合わない方が多いです。
アメリカ製ギターの特徴①:過度な作りの精度を追求していない
お国柄もあるのか、効率も考慮してか、
例えばJames Tylerは配線部分はお世辞にも綺麗とは言えません。
レスポールなんかもセットネックとはいえ、フロントピックアップを外してみると、
ボディとネックの木材は全てピッタリに接続してはいません。
しかし、ある程度の価格であれば弾き心地など実用的な面においては問題ありません。
アメリカ製ギターの特徴②:倍音豊かなヴィンテージライクなサウンド傾向が強い
そしてそのような造りが結果的にサウンドにも大きく影響しています。
そのメリットはなによりも
●倍音豊かなヴィンテージライクなサウンド傾向
●しなやかでピッキングへの追従性が高い
というところでしょう。
確かにFenderやGibsonのヴィンテージギターも決して精度が高いとは言えません。
誰もが唸るサウンドの秘密のひとつがこの造りにあります。
また70年代頃の音楽が好きな方々は、その音源で聞けるサウンドがまさにこの傾向にあるため、
国産よりもUSA製のほうが良いと感じる方が多い理由です。
国産ギターのアメリカ製ギターの違いまとめ
日本製
細部に至るまで精度が高い
ギターが弾き手に合わせてくれる
タイトでモダンなサウンド
アメリカ製
精度はやや低いが、それでしか得られないヴィンテージライクなサウンド
弾き手がギターに合わせる必要がある
憧れのギタリストと同じブランド