ファンドフレット(マルチスケール)のメリット/デメリット

マルチスケールはその名の通りマルチ=複数のスケール。

ファンドフレットのFannedは扇形(フレットが扇に見えることから)です。

弦ごとのスケールが異なり、

低音弦側がより長く、高音弦側の方が短い

のが特徴です。

ファンドフレットのメリット

結論から言うとこの2点。

●(主にダウンチューニング、もしくは7弦以上の)低音弦では音程が安定し、高音弦ではチョーキングなどの演奏感が保たれる。

 

●通常のバランスの弦が使えるため、各弦の音量バランスが崩れない。

音程を低くしようとすると(多弦であれば顕著に)弦を緩く張らなければならず、振幅が大きくなり、音程が不安定になりがちです。

音程を安定させるためにはスケールを長くすることでテンションが上がりことで対処できます。

ところが、7弦や8弦で音程が安定するスケールをそのまま採用すると、高音弦側のテンションがきつくなりすぎ、

チョーキングなどのリードプレイに大きな支障をきたします。

それを解消するのが、各弦に最適なスケールが採用できるマルチスケールなのです。

また低い音は曇りがちですが、スケールが長いと輪郭が出て音抜けが改善されるのも利点です。

ファンドフレット デメリット

修理にコストがかかる

楽器の全長が長くなる

修理にコストがかかる

頻繁に起こることでは無いですが、フレット交換での修理費が高くなります。

フレットを打ち込む際の湾曲の具合など、知見が少ないリペアマンには断られてしまうかもしれません。

ナット交換も同様で、ナット自体もブロックから削り出す必要があるため費用もかさんでしまいます。

楽器の全長が長くなる

スケールが長くなるので単純に楽器自体が長くなります。

お気に入りのケースに入れられないということがあるかもしれません。

ファンドフレットの弾きやすさ

弾きづらそうと感じる方もいらっしゃると思います。

確かに多少の慣れは必要です。

しかしいつものフレーズが全く弾けなくなってしまうということもないでしょう。

一方、マルチスケールへの興味よりも、不安感や疑問を多く抱いている方は難しいかもしれません。

ファンドフレットと言ってもブランドや機種にスケールが異なるため、

持ち替える場合は楽器ごとに慣れる必要もありそうです。

同様にマルチスケールに慣れきってしまうと普通のスケールのギターに違和感を覚えるかもしれません。

とは言え、突き詰めればロングスケールとミディアムスケール、ショートスケールを使い分ける際の差と変わらないという方もいらっしゃいます。

ブランドごとのスケールの違い

ファンドフレットもスケールが統一されておらず、各ブランド毎に特色があります。

OrmsbyやS7Gはダウンチューニングでの使用を前提としており、

strandbergは演奏性にこだわっています。

1弦6弦7弦8弦
strandberg 6弦25″ 25.5″
strandberg J7弦 25.5″ 25.75”
strandberg J8弦 26.5” 28″
Ormsby Guitar25.5″ 27.5″ 27.8″28.3″
S7G25.5″ 27.5 “ 27.5″
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